643 / 1,127
湯水のごとくお金を使おう
第636話
しおりを挟む
回収作業が終わったらしく、戦士の人達が近寄ってきた。
そういえば今日ってどんな風に資金稼ぎしてるか見たくて、そのためにアー君に賄賂まで渡したんだよな。
うちの子が濃すぎてあの人達が全く活躍出来てない、あと白熊さんはアー君を抱いたまま気配を殺しているのでたまに存在を忘れる。
「回収終わりました」
「ドロップ品に魔石もありました」
「ミノタウロスの肉あった?」
「少しですが」
『レアなの』
「ダンジョンは倒し放題なのはいいけど、ドロップ品なのがなー、魔物なら全身使えるのに」
「女神のこだわりだから仕方がない、それに……魔物の死体を丸ごと宝物庫に入れたら、さすがに出入り禁止になる気がする」
お願いだからギルドに納めてくださいと嘆く役人の姿が見えた。
「はー食った食った!」
『ぽんぽこ』
「シャム兄のお腹まんまる」
「涼玉様もまんまるですぞ」
「ねぇ、あのモザイクはどうするの?」
今まで放置してたけど、食事が終わったなら聞いてもいいかな。
「美味いもの食って気分がいいし、助けてもいいけど無償はない」
『身包みはがしちゃう?』
「全身火傷で判別付きにくいけど未成年?」
「ダンジョンにいる限り、命の危険は付き物です」
「何か知ってる?」
とりあえず同じパーティーだった子に聞いてみたら、どちらもアカーシャと同じ学年でした。
お小遣い稼ぎにダンジョンに潜ることになったけれど、自分達は実力も資金もあるから平気だと初級を無視してこっちにきたらしい。
この子は同じクラスのよしみで雇われただけで、普段から交流しているかと言えば別にそんなこともないとのことです。
「でもこのままだと僕の収入がマイナス」
仲間の生死より損得勘定、逞しい。
「ゴブリン師匠はどうやって抜けたんだ?」
「僕がいつもお酒とかお酒のつまみ差し入れているからフリーパス」
「ししょおおおお」
ちなみに本日の差し入れは海鮮鍋。
食べてたね、そしてアー君らも食べさせてもらったね。
「……アー君、二重にご馳走になってるね」
「とりあえず一回出るかー、俺らポーション持ってないし」
「我らが持っています」
「それは自分達のだろ、ムダ金使わなくていいよ、上で買わせるから」
『ギルドのしゅーにゅーになるの』
「でもどうやって上にこの焼死体もってくんだ?」
焼死体じゃないよ涼玉、生きてる、生きてる。
「あそこに消えてないのいるだろ、あれに運搬させる」
アー君に指名されたのはミノタウロス、頭や腕に鎧を装備した熊、炎をまとった虎などが合計数匹ほど。
「炎耐性持ってるとみた」
「前回はイエティとか水属性多かったからバランス取れるな」
『降参する人おててあげて』
「ブモッ!」
「グオオッ!」
シャムスが声をかけると、生き残ったモンスターが一斉に起立して両手を上げた。
「命だけは助けてやるから、今日から俺らの家来な」
「逆らったら肉だぜ」
『かるびー』
「ブモ、ブモモ」
必死で首を縦に振るミノタウロス、なんだか哀れに見えてきた。
でもまぁ、モザイクを運んでもらえるのは助かる。
「ミノタウロスは砦に預けて『仲間を呼ぶ』で牛肉量産だな」
「くまは?」
「ばーばが人手欲しいって言ってたからそっちかな」
『とらしゃん』
「一頭はゴブリン師匠の相棒、残りはとりあえず家に連れて帰ろう」
その後、突如現れたミノタウロスにギルドがパニックになったけど、アー君が「俺の家来」と説明してすんなり納得された。
四人の瀕死の冒険者はポーション代と涼玉を攻撃した慰謝料として法外な金額を請求され、十代の若さで借金持ちに。
一人だけ無傷だったあの子は「神様セット」の宣伝に一役買っただけでなく、それが縁で販売元の店主の養子になるおまけがついた。
刀国首都に転移で帰り、本日は終了。
依頼料は後でギルドに振り込むようだ。
「こんな感じで俺らの無茶に付き合って資金稼ぎをしてるのもいる」
『山あり谷ありなの』
「死者は出てない、なっ、マールス」
「はいっ!」
アー君、お金をばら撒いて少しでも多く買ってもらおうっていう了見だな。
「少しでも稼いでバザーで大量に買ってもらわないとな!」
高笑いするアー君、開催する詐欺になりつつあるバザー、国宝級のアイテムも出品されるらしい。
それ、今の稼ぎ方でも間に合わないんじゃない?
そういえば今日ってどんな風に資金稼ぎしてるか見たくて、そのためにアー君に賄賂まで渡したんだよな。
うちの子が濃すぎてあの人達が全く活躍出来てない、あと白熊さんはアー君を抱いたまま気配を殺しているのでたまに存在を忘れる。
「回収終わりました」
「ドロップ品に魔石もありました」
「ミノタウロスの肉あった?」
「少しですが」
『レアなの』
「ダンジョンは倒し放題なのはいいけど、ドロップ品なのがなー、魔物なら全身使えるのに」
「女神のこだわりだから仕方がない、それに……魔物の死体を丸ごと宝物庫に入れたら、さすがに出入り禁止になる気がする」
お願いだからギルドに納めてくださいと嘆く役人の姿が見えた。
「はー食った食った!」
『ぽんぽこ』
「シャム兄のお腹まんまる」
「涼玉様もまんまるですぞ」
「ねぇ、あのモザイクはどうするの?」
今まで放置してたけど、食事が終わったなら聞いてもいいかな。
「美味いもの食って気分がいいし、助けてもいいけど無償はない」
『身包みはがしちゃう?』
「全身火傷で判別付きにくいけど未成年?」
「ダンジョンにいる限り、命の危険は付き物です」
「何か知ってる?」
とりあえず同じパーティーだった子に聞いてみたら、どちらもアカーシャと同じ学年でした。
お小遣い稼ぎにダンジョンに潜ることになったけれど、自分達は実力も資金もあるから平気だと初級を無視してこっちにきたらしい。
この子は同じクラスのよしみで雇われただけで、普段から交流しているかと言えば別にそんなこともないとのことです。
「でもこのままだと僕の収入がマイナス」
仲間の生死より損得勘定、逞しい。
「ゴブリン師匠はどうやって抜けたんだ?」
「僕がいつもお酒とかお酒のつまみ差し入れているからフリーパス」
「ししょおおおお」
ちなみに本日の差し入れは海鮮鍋。
食べてたね、そしてアー君らも食べさせてもらったね。
「……アー君、二重にご馳走になってるね」
「とりあえず一回出るかー、俺らポーション持ってないし」
「我らが持っています」
「それは自分達のだろ、ムダ金使わなくていいよ、上で買わせるから」
『ギルドのしゅーにゅーになるの』
「でもどうやって上にこの焼死体もってくんだ?」
焼死体じゃないよ涼玉、生きてる、生きてる。
「あそこに消えてないのいるだろ、あれに運搬させる」
アー君に指名されたのはミノタウロス、頭や腕に鎧を装備した熊、炎をまとった虎などが合計数匹ほど。
「炎耐性持ってるとみた」
「前回はイエティとか水属性多かったからバランス取れるな」
『降参する人おててあげて』
「ブモッ!」
「グオオッ!」
シャムスが声をかけると、生き残ったモンスターが一斉に起立して両手を上げた。
「命だけは助けてやるから、今日から俺らの家来な」
「逆らったら肉だぜ」
『かるびー』
「ブモ、ブモモ」
必死で首を縦に振るミノタウロス、なんだか哀れに見えてきた。
でもまぁ、モザイクを運んでもらえるのは助かる。
「ミノタウロスは砦に預けて『仲間を呼ぶ』で牛肉量産だな」
「くまは?」
「ばーばが人手欲しいって言ってたからそっちかな」
『とらしゃん』
「一頭はゴブリン師匠の相棒、残りはとりあえず家に連れて帰ろう」
その後、突如現れたミノタウロスにギルドがパニックになったけど、アー君が「俺の家来」と説明してすんなり納得された。
四人の瀕死の冒険者はポーション代と涼玉を攻撃した慰謝料として法外な金額を請求され、十代の若さで借金持ちに。
一人だけ無傷だったあの子は「神様セット」の宣伝に一役買っただけでなく、それが縁で販売元の店主の養子になるおまけがついた。
刀国首都に転移で帰り、本日は終了。
依頼料は後でギルドに振り込むようだ。
「こんな感じで俺らの無茶に付き合って資金稼ぎをしてるのもいる」
『山あり谷ありなの』
「死者は出てない、なっ、マールス」
「はいっ!」
アー君、お金をばら撒いて少しでも多く買ってもらおうっていう了見だな。
「少しでも稼いでバザーで大量に買ってもらわないとな!」
高笑いするアー君、開催する詐欺になりつつあるバザー、国宝級のアイテムも出品されるらしい。
それ、今の稼ぎ方でも間に合わないんじゃない?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
330
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる