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皇都へ
勇者と対立
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まさかこんなところで桃山たちと出会うとは思わなかった。
ましてワザワザ向こうから会いに来るとは夢にも見なかった。
「落ちこぼれにしちゃいい部屋だな」
桃山は俺が借りている宿に入ると無遠慮に部屋を見渡す。
「何の用だ?」
「ベッドがふかふかだ。やっぱり皇都の宿屋は良いな。そこら辺の田舎と質が違う」
桃山は俺を無視して布団に腰を下ろす。
頭にくる態度だが、それよりも混乱しているので状況を推理する。
(真田に梅雄に岡田と桃山のご友人が十人。こいつらが居るのは分かる。桃山が来れば金魚の糞みたいにくっついてくるだろう。だが金田とか、桃山とそれほど仲良くない奴らも居るのはどういうことだ?)
クラスメイト総勢30人が俺の部屋に居た。
(霧島と大山一派以外の全員がここに居るじゃねえか!)
嫌な汗がタップリ出た。
そして桃山は俺の前でクラスメイトに笑いかける。
「まるで同窓会みたいだ!」
するとクラスメイトは桃山と同じようにゲラゲラ笑った。
さらに奴らは俺を侮辱する。
「久しぶり! 元気してた!」
「元気元気!」
ある女たちは久々に出会った学友に挨拶する。
「ルームサービスができるのか!」
桃山は俺など歯牙に駆けず勝手にルームサービスのメニュー表を開く。
この部屋は皇都にあるだけあってサービスが良い。
今までは停止していたが、ティアたちがボランティアを頑張ってくれたから復活した。
嬉しい限りなのだが、こいつらに使われるのは嫌だ。
「皆で飯でも食うか」
桃山は俺を居ないものと扱っている。
「良いわね!」
他の奴らも同じだ。
「いい加減にしてくれないか?」
俺は苛立ってしまい、歯ぎしりする。
「友達だろ。気にするなって」
桃山は俺が怒っている事すら興味ないようだ。
「全員出て行け! そして二度と俺の前に顔を出すな!」
「何イライラしてんだよ。そんなんだから追い出されんだ」
桃山は侮蔑の笑みを皆に向ける。
「ぷ!」
「私たち友達でしょ」
他の奴らも侮蔑の笑みを浮かべる。
俺は徹底的に舐められてる。
霧島一派は俺に攻撃してきた。しかしこいつらは馬鹿にするだけ。ある意味これはこれで質が悪い。
こいつらは俺が弄られキャラだと思ってるのか?
(俺はいったいどうしたらいいんだ?)
言葉の暴力。しかしこいつらは霧島たちと違って手を出さない。
こういう時、俺はどうしたら良いのか分からなくなる。
殴ってきたら喧嘩。分かりやすい。しかし言葉の暴力はどうやって対処したらいい?
殴りかかるか? しかしそれは気が引ける。
なぜか分からない。だが拳が前に出ない。
「ろうぜきはそこまでにしてもらおう」
透き通った声が聞こえた。クラスメイトの声ではない。
俺の影から声がした。
影から俺を護衛するカーミラだ。すっかり忘れていた。
「なんだ今の声は?」
全員、綺麗な声に心を奪われたのか、辺りを見渡す。
「麗夜様は本当にお優しい方だ。お前たちのような屑に拳を上げない」
影からカーミラが現れた。
「吸血鬼か!」
桃山は影から現れたカーミラを眺める。
カーミラは虫を見るような目で桃山を見る。
「全員殺してやりたいが、麗夜様が我慢なさっているのに私が手を出しては麗夜様の心を無視するのと道理。立ち去るだけで許してやる。そして二度と麗夜様の前に現れるな」
カーミラはどこまでも冷たい。
対して桃山はヘラヘラと笑う。
「そんなに怒るなって。それよりも美人の吸血鬼って初めてみた! どうだ、俺たちと一緒に飯でも食わないか」
桃山はカーミラに手を差し伸べる。
「麗夜様申し訳ありません」
カーミラは差し出された桃山の手を掴む。
べきべきべき!
そして握り潰した!
「があああああああああ! いてぇ! いてぇえよぉおおおおおおお!」
桃山は床を転げまわる。
他の奴らは呆然とする。
カーミラは獣のように唸る。
「全員即座に出て行け。さもないと殺す!」
クラスメイトはカーミラの殺気に押され、後ずさる。
桃山はへっぴり腰になって逃げだす。
「てめえら覚えとけ!」
桃山が逃げ出すと、クラスメイトも続けて逃げ出した。
俺は平穏になった部屋でため息を吐く。
(まだまだ覚悟が足りないな。普通だったら殴り掛かればいいのに)
情けないと思う。
カーミラが居なかったら、どうなったことか。ロクな事にならないのは確かだが。
(次はしっかりと対応しないと)
あいつらは結局霧島たちと変わらない。違いは拳の暴力を振るうか、言葉の暴力を振るうか。
おまけに奴らは言葉の暴力なら許されると思っている。先生や大人に怒られないと知っている。怒った奴の方が怒られると分かっている。
悪知恵が回ると言うか、性根が腐っているというか。
「麗夜様。申し訳ございません」
一人で腐っていると、カーミラが目の前で跪いた。
何事かとビックリしてしまう。
「なんで謝るの?」
「麗夜様は穏便に済ませようとしました。しかし私は自分の我儘で場を乱してしまいました。あれではもうあいつらと敵対するしかないでしょう」
何だ。そんなことか。
「気にしなくていいよ。むしろ怒ってくれてありがたいと思ってる」
「そうなのですか?」
「そうなんですよ」
俺は苦笑いしながら考える。
「あいつら、なんでここに来たんだろ?」
聞きそびれてしまった。
ワザワザ俺に会いに来るなど、裏があるに決まっている。
「ご心配はいりません。あの者たちの影に私の部下を忍ばせました」
カーミラは微笑する。
なんと綺麗で用意周到な事か。さすが吸血鬼。これで奴らの狙いが分かる。
「なら、朗報を待とうか」
俺は窓の外に顔を向ける。
雲が分厚い。梅雨の季節なのか? とにかく、一雨降りそうだ。
ましてワザワザ向こうから会いに来るとは夢にも見なかった。
「落ちこぼれにしちゃいい部屋だな」
桃山は俺が借りている宿に入ると無遠慮に部屋を見渡す。
「何の用だ?」
「ベッドがふかふかだ。やっぱり皇都の宿屋は良いな。そこら辺の田舎と質が違う」
桃山は俺を無視して布団に腰を下ろす。
頭にくる態度だが、それよりも混乱しているので状況を推理する。
(真田に梅雄に岡田と桃山のご友人が十人。こいつらが居るのは分かる。桃山が来れば金魚の糞みたいにくっついてくるだろう。だが金田とか、桃山とそれほど仲良くない奴らも居るのはどういうことだ?)
クラスメイト総勢30人が俺の部屋に居た。
(霧島と大山一派以外の全員がここに居るじゃねえか!)
嫌な汗がタップリ出た。
そして桃山は俺の前でクラスメイトに笑いかける。
「まるで同窓会みたいだ!」
するとクラスメイトは桃山と同じようにゲラゲラ笑った。
さらに奴らは俺を侮辱する。
「久しぶり! 元気してた!」
「元気元気!」
ある女たちは久々に出会った学友に挨拶する。
「ルームサービスができるのか!」
桃山は俺など歯牙に駆けず勝手にルームサービスのメニュー表を開く。
この部屋は皇都にあるだけあってサービスが良い。
今までは停止していたが、ティアたちがボランティアを頑張ってくれたから復活した。
嬉しい限りなのだが、こいつらに使われるのは嫌だ。
「皆で飯でも食うか」
桃山は俺を居ないものと扱っている。
「良いわね!」
他の奴らも同じだ。
「いい加減にしてくれないか?」
俺は苛立ってしまい、歯ぎしりする。
「友達だろ。気にするなって」
桃山は俺が怒っている事すら興味ないようだ。
「全員出て行け! そして二度と俺の前に顔を出すな!」
「何イライラしてんだよ。そんなんだから追い出されんだ」
桃山は侮蔑の笑みを皆に向ける。
「ぷ!」
「私たち友達でしょ」
他の奴らも侮蔑の笑みを浮かべる。
俺は徹底的に舐められてる。
霧島一派は俺に攻撃してきた。しかしこいつらは馬鹿にするだけ。ある意味これはこれで質が悪い。
こいつらは俺が弄られキャラだと思ってるのか?
(俺はいったいどうしたらいいんだ?)
言葉の暴力。しかしこいつらは霧島たちと違って手を出さない。
こういう時、俺はどうしたら良いのか分からなくなる。
殴ってきたら喧嘩。分かりやすい。しかし言葉の暴力はどうやって対処したらいい?
殴りかかるか? しかしそれは気が引ける。
なぜか分からない。だが拳が前に出ない。
「ろうぜきはそこまでにしてもらおう」
透き通った声が聞こえた。クラスメイトの声ではない。
俺の影から声がした。
影から俺を護衛するカーミラだ。すっかり忘れていた。
「なんだ今の声は?」
全員、綺麗な声に心を奪われたのか、辺りを見渡す。
「麗夜様は本当にお優しい方だ。お前たちのような屑に拳を上げない」
影からカーミラが現れた。
「吸血鬼か!」
桃山は影から現れたカーミラを眺める。
カーミラは虫を見るような目で桃山を見る。
「全員殺してやりたいが、麗夜様が我慢なさっているのに私が手を出しては麗夜様の心を無視するのと道理。立ち去るだけで許してやる。そして二度と麗夜様の前に現れるな」
カーミラはどこまでも冷たい。
対して桃山はヘラヘラと笑う。
「そんなに怒るなって。それよりも美人の吸血鬼って初めてみた! どうだ、俺たちと一緒に飯でも食わないか」
桃山はカーミラに手を差し伸べる。
「麗夜様申し訳ありません」
カーミラは差し出された桃山の手を掴む。
べきべきべき!
そして握り潰した!
「があああああああああ! いてぇ! いてぇえよぉおおおおおおお!」
桃山は床を転げまわる。
他の奴らは呆然とする。
カーミラは獣のように唸る。
「全員即座に出て行け。さもないと殺す!」
クラスメイトはカーミラの殺気に押され、後ずさる。
桃山はへっぴり腰になって逃げだす。
「てめえら覚えとけ!」
桃山が逃げ出すと、クラスメイトも続けて逃げ出した。
俺は平穏になった部屋でため息を吐く。
(まだまだ覚悟が足りないな。普通だったら殴り掛かればいいのに)
情けないと思う。
カーミラが居なかったら、どうなったことか。ロクな事にならないのは確かだが。
(次はしっかりと対応しないと)
あいつらは結局霧島たちと変わらない。違いは拳の暴力を振るうか、言葉の暴力を振るうか。
おまけに奴らは言葉の暴力なら許されると思っている。先生や大人に怒られないと知っている。怒った奴の方が怒られると分かっている。
悪知恵が回ると言うか、性根が腐っているというか。
「麗夜様。申し訳ございません」
一人で腐っていると、カーミラが目の前で跪いた。
何事かとビックリしてしまう。
「なんで謝るの?」
「麗夜様は穏便に済ませようとしました。しかし私は自分の我儘で場を乱してしまいました。あれではもうあいつらと敵対するしかないでしょう」
何だ。そんなことか。
「気にしなくていいよ。むしろ怒ってくれてありがたいと思ってる」
「そうなのですか?」
「そうなんですよ」
俺は苦笑いしながら考える。
「あいつら、なんでここに来たんだろ?」
聞きそびれてしまった。
ワザワザ俺に会いに来るなど、裏があるに決まっている。
「ご心配はいりません。あの者たちの影に私の部下を忍ばせました」
カーミラは微笑する。
なんと綺麗で用意周到な事か。さすが吸血鬼。これで奴らの狙いが分かる。
「なら、朗報を待とうか」
俺は窓の外に顔を向ける。
雲が分厚い。梅雨の季節なのか? とにかく、一雨降りそうだ。
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