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最終章 決着
大山たちの現状
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ゴールド帝国の皇都から千キロ、魔界から二千キロ離れた廃村に、大山達は隠れていた。
理由は単純で、彼らは勇者から指名手配犯になってしまったからだ。
霧島の凶行を考えれば当然の結果である。
「チェックメイト」
そんな状況で、大山は友人の三村とチェスを楽しんでいた。
「これで二十連敗(´・ω・`)」
大山は盤面をしょんぼり見つめる。
「ルークにビショップにナイトの六コマ落ちのハンデがあるのにどうして負けるんだ? 弱すぎるぜ(´Д`)」
三村は退屈そうに欠伸をする。
「だってお前強すぎるし。仮にも世界ランカーなんだろ。手加減しろよ(´・ω・`)」
「これ以上手加減ってどうやればいいんだ(´Д`)」
三村は大あくびしながら日差しに顔を向ける。
「暇だ(# ゚Д゚)」
そして大声を出した。
「いつまで俺たちはこんなところでコソコソしなくちゃいけないんだ! もう飽きたぜ! 町に行ってギャンブルの一つもしてえ! (# ゚Д゚)」
「しょうがないじゃん。指名手配されてるんだもん(´・ω・`)」
「そりゃ分かるよ。でも暇なんだもん。分かるだろ(#^ω^)」
「分かるけどさぁ……どうしようもなくない? (´・ω・`)」
「そうなんだよ! どうしようもねえんだよ! だから怒ってんの! (#^ω^)」
三村は喚き散らすと深呼吸する。
「おい桐山! 次はお前とやりてえ。こいつじゃ勝負に成んねえからな(# ゚Д゚)」
三村はテーブルに座って読書をする友人の桐山に話しかける。
「……」
すると桐山は無言で本を置き、大山と変わって、三村の対面に座る。
「ルーク落ちのハンデをやる。良いだろ」
桐山は三村の問いに頷く。
「さてさて。お前相手だったら気合入れねえとな」
三村は真剣な表情で盤面を見つめた。
「俺は皆の様子を見て来る」
大山は三村がチェスに夢中になったのを見届けて外に出た。
「やっぱりストレス貯まるよな(*´Д`)」
出るや否や空を見上げてため息。
「でも実際問題どうしようもないんだよな(´・ω・`)」
ぼやきながら隣の家に入る。
「来たわね偽善者」
そこには牢屋に入る霧島が居た。
「俺が来なかったらお前は飢え死にするぞ」
大山はパチンと指を鳴らす。
すると突如として、フランスパンとシチューが霧島の前に出現する。
「俺が来なかったらどうやって飯を食うつもりなんだ?」
大山は霧島を睨む。
「チッ」
霧島は舌打ちしてフランスパンを齧る。
「あんたのチート能力って、クラスメイトが持ってるチート能力全部使えるチート能力なの?」
「全部って訳じゃない。何せ俺はお前みたいな洗脳能力は持ってないからな。持ってても使わねえけど」
大山は鼻を鳴らす。
「でもさっきのこれは物質生成チートでしょ。確か田中か鈴木が持ってた」
「仮にもそいつらは仲間だったんだろ。だったら仲間の能力くらい憶えておけよ」
「あんな奴らどうでも良いわよ」
霧島は苦々しく舌打ちした。
「でさ。あんたの能力ってどういう奴なの? 【真の勇者】だっけ?」
「力が強くて、頑丈になって、レベルが上がりやすくて、色々な魔法とか使えるようになる。簡単な物質生成とかもできる」
「最強ね」
「ゼラっていう昔の最強の魔王と渡り合えるくらいの能力だ。それくらい強くないとダメって事だろ」
「ゼラ?」
「夢で過去の事情を見た。俺は全てを見通す【千里眼】に近い能力も持ってるからな」
「最強ね」
「夢で見るくらいだ。そんなに使い勝手良くねえよ」
「でも強いわね」
霧島はパンを置いて、大山に微笑む。
「大山。私と手を組まない?」
そして上着を脱ぐ。
「手を組んでくれたら、サービスしてあげる」
ニコリと下着姿になる。
「お前は偽善者が嫌いなんじゃないか?」
大山は心底興味の無い目で言う。
「気が変わっただけ」
霧島は誘う様な目で大山を見つめる。
「色仕掛けとかお前本当に俺と同じ高校生か?」
「女は男より成長が早いの」
霧島は大山を手招く。
「私とあなたが手を組めば、世界を支配できると思わない?」
「世界と来たか」
「世界を手に入れれば、こんなところで隠れ住む必要も無いわよ?」
「それはお前の自業自得。俺たちはそれに巻き込まれた犠牲者だ」
大山は心底不快そうな目で霧島に舌打ちする。
「皆はお前を殺した方が良いって言ってるんだ。だから変なことするな。殺されるぞ」
大山は踵を返す。
「あと、俺は好きな人が居るんだ。色仕掛けは通用しない」
そして家を出た。
「このくそったれの偽善者が!」
霧島の罵声が外まで聞こえた。
それからも大山は仲間の様子を見に行く。
「「大山君。どうしたの?」」
双子でモデルでいつも一緒に居る高木姉妹の真矢に香住は野ウサギを撫でながら、二人一緒に大山に目を向ける。
「三村がストレスで荒れてるからな。皆は大丈夫かなって思ってさ」
「「こんな生活耐えられない( ノД)シクシク…」」
二人は同時に泣きまねする。
「分かる(´・ω・`)。でもどうしようもねえんだ」
「「分かってるよ。大山君のせいじゃないんだから気にしないで(^_-)-☆」」
二人は同時に大山に微笑んだ。
「なんかあったら遠慮なく言ってくれ。話し相手にはなるからさ(´・ω・`)」
「「リーダーは大変だね(´・ω・`)」」
三人は同時にしょんぼり。
「まあ、休暇だと思ってのんびりしようや! ポリポリf(^_^;」
「「そうだね。ウサギ可愛いし。(*ゝ∀・*)」」
「確かに可愛いな(*´∇*)」
「「ペットにして良い? \( º∀º )/♪」」
「良いんじゃないか。ただ面倒は二人で見てくれよ」
「「ハーイ。(^O^)/」」
次は運動好きな三木大輔と霧島麻衣に佐伯拓郎を見に行く。
「大山か。何か用か」
柔道部主将の三木は腕立て伏せをしながら、大山に顔を向ける。
「三村がストレスで荒れてるからな。皆は大丈夫かなって思ったのさ」
「大丈夫だ。むしろ筋トレに集中できて良い」
三木は黙々と腕立て伏せを続ける。
「だが、柔道の練習相手が欲しいのも事実だ。付き合ってくれないか?」
三木は腕立て伏せを止めて、大山に力こぶを見せる。
「俺は素人だぞ。投げられたら死んじゃうよ(´・ω・`)」
「俺に喧嘩で勝ったくせに何を言ってるんだ? 嫌味か? (-_-;」
「喧嘩って言ったってあれは途中で仲直りしたから良いだろ(´∀`; )」
「冷静さを失っていたとはいえ、俺に背負い投げ食らわした後だったんだぞ(´・ω・`) 凄くショックだったぞ(T.T)」
「三木君。大山君困ってるじゃん」
陸上部主将の霧島麻衣は、スクワットをしながら、困り顔の二人に可愛らしく苦笑いする。
ちなみに、彼女は同姓の霧島が仕出かした事に激怒し、同じ苗字で居るのが嫌なので、必ず名前の麻衣で呼ぶように皆にさせている。
「麻衣は元気か?」
大山は麻衣に顔を向ける。
「正直不満! (。・ˇдˇ・。)」
「だよな(´・ω・`)」
「そもそも私は来たくて来たわけじゃないのに! いきなり呼び出されて突然指名手配! 何様! (*’へ’*)ぷんぷん」
「マジでそうだよな(´・ω・`)」
「それにここに来たせいで陸上の大会出られなかったんだよ! 優勝したかったのに! ( ノД)シクシク…」
「すまねえな(´・ω・`) 何もしてやれなくて」
大山が謝ると麻衣は苦笑する。
「大山君のせいじゃないじゃん。謝る必要ないよ」
「しかし、一応リーダーなのに、何にもしてやれないからな」
「だったら百メートル走しよ! 今度は負けないから!」
「陸上部主将でエースのお前に勝てる訳ないじゃん(´・ω・`)」
「私よりタイムが速いのに何言ってんの? 嫌味ですか? 嫌いになっちゃうよ? (´・ω・`)」
「まぐれだよまぐれ(´・ω・`)」
「怒って良い? ((“o(>ω<)o”))クヤシイー!!」
じゃれ合う二人に、シャドーボクシングをしていたボクシング部主将の佐伯が失笑する。
「お前、大山のこと好きすぎるだろ」
それを聞いて麻衣は突如、顔を赤くする。
「好きって! そんな訳ないじゃん! (゚Д゚;≡;゚д゚)」
「俺たちと態度全然違うから丸分かりだ フゥ(o´Å`)=з」
三木と佐伯は肩をすくめる。
「そ、そんなことより! 大山君が心配してるんだよ! 佐伯は大丈夫なの! ♪~(‘ε’;)」
麻衣は話を変える。
「試合がしたい! 帰りたい! (;´д`)ノ 」
それを聞いて大山は頷く。
「だよな(´・ω・`)」
「どうしようもねえことは分かってんだけどな(_ _;)。。」
深々とため息。
「戻る方法があればいいんだがな(´・ω・`)」
大山はしみじみと呟く。
「調べようにも自由に動けねえし(´・ω・`)。今は辛抱してくれ」
大山は頭を下げる。
「お前のせいじゃねえんだ。気にする必要はねえよ(⌒^⌒)b」
佐伯はそう言うとシャドーボクシングを再開した。
「そうだ! スパーリングしようぜ! ヾ(*´∀`*)ノキャッキャ」
そして大山に目を輝かせる。
「俺は素人だよ。ボクシングのアマチュアチャンピオンに勝てる訳ないじゃん(´・ω・`)」
「それをぶっ飛ばしたお前が言うか? パーンチo(゚◇゚)○」
「まぐれだって。それにお前、油断してただろ(´・ω・`)」
「そうやって勝ち逃げするか。そうかそうか(´・ω・`)」
佐伯はふて腐れてしまった。
「とにかく、まだ元気そうなら安心だ」
大山は微笑する。
「俺たちは気にするな(⌒▽⌒」
「それよりも自分の体調に気を付けてね! \( ˆoˆ )/」
「お前は俺たちのリーダーなんだ。もっと堂々としろ( ̄ー ̄)ニヤリッ」
三人は笑顔で答えた。
次に最後の仲間であるカップルの津田勉と佐々木絵里のところに行く。
「大山君か。どうしたんだい?」
佐々木は日向での読書を止めて、おっとりとした声で言う。
「三村がストレスで荒れててさ。皆は大丈夫かなって」
「僕たちは平気だよ。むしろ静かで助かってる」
マイペースな雰囲気でほんわかと微笑む。
「お前はいつもマイペースだな。ある意味助かるよ( ˙▿˙ ; )」
「うるさいのは嫌いだからね。むしろ指名手配されて良かった気もするよ\(~o~)/」
佐々木はそう言うと読書に戻る。
「勉は大丈夫か」
「絵里と一緒。俺たちは静かに本が読めればそれでいい」
勉はのんびりとページを捲る。
「お前もいつも道理だな。ある意味ありがたい(´Д`。)」
「俺たちは気にしなくていい。それで、用が終わったらどっかに行ってくれ。読書の邪魔だ( ^ ω ^ ) /」
勉と絵里は笑顔で手を振った。
「まあ、大丈夫なら良いか(´・ω・`)」
大山はちょっと寂し気に二人から離れた。
大山は最後に、あまり仲の良くない、助けを求めて来た桃山のところに行った。
「桃山。大丈夫か?」
「大丈夫な訳ねえだろ」
桃山は不機嫌だった。
「気持ちは分かるが我慢してくれ」
「いったい何時まで我慢すれば良いんだよ畜生!」
激しい歯ぎしりが薄暗い廃屋に響く。
「だいたい、お前はどうして霧島を殺さない?」
桃山は大山を睨み付ける。
「一応クラスメイトだからな」
「偽善野郎が! あいつは殺人鬼だ! サッサと殺した方が良い! お前なら一瞬で殺せるだろ!」
「分かってる。でも殺さない」
「なぜだ!」
「一応、クラスメイトだ」
「反吐が出るほどの偽善者だ! だから俺はお前が嫌いなんだ!」
桃山は唾を吐く。大山は鼻で笑う。
「俺もお前が嫌いだ」
「てめえ……」
桃山は立ち上がると拳を握る。
大山は毅然と立つ。
「お前はいつもカッコばかりだ。明るく振舞っていながらその実周りの目を気にしてる。だから霧島たちが麗夜を虐めた時、それを見て笑った。自分が虐められないように」
「てめえだって同じようなもんだ!」
桃山は怒りの形相で大山の前に立つ。
「てめえだって麗夜が虐められてたのに何もしなかった。お前の仲間も! 先生も誰も止めなかった! 誰も助けなかった! むしろあいつが虐められているところを見て笑った!」
「いじめは複雑で解決は面倒。学校の誰もが麗夜が虐められていることを知っていた。でも関わりたくなかった。だから弄りだと目を背けた」
「そうだ! だからお前だって俺たちと一緒にあいつを虐めたようなもんだ! なのに偉そうなこと言いやがって!」
「分かってるさ」
大山は苦々しく歯を食いしばる。
それを見て桃山はヘラヘラ笑う。
「やっぱりてめえは偽善者だ! はっはっは!」
そして大山の胸倉を掴んだ。
「何しやがる?」
すると、大山は冷たい目で、桃山を見下ろす。
「何しやがるだと?」
桃山は大山と睨み合う。
そのまま数瞬が経つ。
「冗談だって冗談。ちょっとイライラしてたんだ。分かるだろ?」
桃山は大山の胸倉から手を離して、ヘラヘラと誤魔化し笑いをする。
「俺はもう大丈夫だ! それより皆が心配だろ? 俺なんて良いから、早く行ってやれよ!」
まるでへこへこ頭を下げるような物言いだった。
大山はため息を吐き、指をパチンと鳴らす。
「今日の飯を置いてく。また明日の朝、届けてやるよ」
大山は桃山に食事を作ると、廃屋を後にした。
「偽善者か(´・ω・`)」
大山は帰り道、しょんぼりと歩く。
「麗夜は俺を恨んでるだろうな」
目に涙が浮かぶ。
「でも仕方なかったんだ……仕方なかった……助けたくても助けられなかったんだ」
大山はギュッと拳を握りしめた。
「大山!」
そこに三村が走って来た。
「三村? どうした」
「お前にお客さんだ」
「客? (´・∀・)?」
「とんでもなく綺麗な赤い髪をした女の子と、騎士みたいな美人に、筋肉ムキムキマッチョマンの変態だ」
「は? (・∀・)??」
大山は首をかしげながら家に戻る。
「お前が真の勇者か」
そこでは、ゼラとカーミラと朱雀が、椅子に座って待って居た。
「どちらさんで? σ(・ω・,,`)?」
大山は首をかしげまくる。
「私はゼラ。新庄麗夜の妻だ」
ゼラは自信満々に答える。
「エェッ!?( □ )~~~~~~~~ ゚ ゚」
大山の目が飛び出た。
理由は単純で、彼らは勇者から指名手配犯になってしまったからだ。
霧島の凶行を考えれば当然の結果である。
「チェックメイト」
そんな状況で、大山は友人の三村とチェスを楽しんでいた。
「これで二十連敗(´・ω・`)」
大山は盤面をしょんぼり見つめる。
「ルークにビショップにナイトの六コマ落ちのハンデがあるのにどうして負けるんだ? 弱すぎるぜ(´Д`)」
三村は退屈そうに欠伸をする。
「だってお前強すぎるし。仮にも世界ランカーなんだろ。手加減しろよ(´・ω・`)」
「これ以上手加減ってどうやればいいんだ(´Д`)」
三村は大あくびしながら日差しに顔を向ける。
「暇だ(# ゚Д゚)」
そして大声を出した。
「いつまで俺たちはこんなところでコソコソしなくちゃいけないんだ! もう飽きたぜ! 町に行ってギャンブルの一つもしてえ! (# ゚Д゚)」
「しょうがないじゃん。指名手配されてるんだもん(´・ω・`)」
「そりゃ分かるよ。でも暇なんだもん。分かるだろ(#^ω^)」
「分かるけどさぁ……どうしようもなくない? (´・ω・`)」
「そうなんだよ! どうしようもねえんだよ! だから怒ってんの! (#^ω^)」
三村は喚き散らすと深呼吸する。
「おい桐山! 次はお前とやりてえ。こいつじゃ勝負に成んねえからな(# ゚Д゚)」
三村はテーブルに座って読書をする友人の桐山に話しかける。
「……」
すると桐山は無言で本を置き、大山と変わって、三村の対面に座る。
「ルーク落ちのハンデをやる。良いだろ」
桐山は三村の問いに頷く。
「さてさて。お前相手だったら気合入れねえとな」
三村は真剣な表情で盤面を見つめた。
「俺は皆の様子を見て来る」
大山は三村がチェスに夢中になったのを見届けて外に出た。
「やっぱりストレス貯まるよな(*´Д`)」
出るや否や空を見上げてため息。
「でも実際問題どうしようもないんだよな(´・ω・`)」
ぼやきながら隣の家に入る。
「来たわね偽善者」
そこには牢屋に入る霧島が居た。
「俺が来なかったらお前は飢え死にするぞ」
大山はパチンと指を鳴らす。
すると突如として、フランスパンとシチューが霧島の前に出現する。
「俺が来なかったらどうやって飯を食うつもりなんだ?」
大山は霧島を睨む。
「チッ」
霧島は舌打ちしてフランスパンを齧る。
「あんたのチート能力って、クラスメイトが持ってるチート能力全部使えるチート能力なの?」
「全部って訳じゃない。何せ俺はお前みたいな洗脳能力は持ってないからな。持ってても使わねえけど」
大山は鼻を鳴らす。
「でもさっきのこれは物質生成チートでしょ。確か田中か鈴木が持ってた」
「仮にもそいつらは仲間だったんだろ。だったら仲間の能力くらい憶えておけよ」
「あんな奴らどうでも良いわよ」
霧島は苦々しく舌打ちした。
「でさ。あんたの能力ってどういう奴なの? 【真の勇者】だっけ?」
「力が強くて、頑丈になって、レベルが上がりやすくて、色々な魔法とか使えるようになる。簡単な物質生成とかもできる」
「最強ね」
「ゼラっていう昔の最強の魔王と渡り合えるくらいの能力だ。それくらい強くないとダメって事だろ」
「ゼラ?」
「夢で過去の事情を見た。俺は全てを見通す【千里眼】に近い能力も持ってるからな」
「最強ね」
「夢で見るくらいだ。そんなに使い勝手良くねえよ」
「でも強いわね」
霧島はパンを置いて、大山に微笑む。
「大山。私と手を組まない?」
そして上着を脱ぐ。
「手を組んでくれたら、サービスしてあげる」
ニコリと下着姿になる。
「お前は偽善者が嫌いなんじゃないか?」
大山は心底興味の無い目で言う。
「気が変わっただけ」
霧島は誘う様な目で大山を見つめる。
「色仕掛けとかお前本当に俺と同じ高校生か?」
「女は男より成長が早いの」
霧島は大山を手招く。
「私とあなたが手を組めば、世界を支配できると思わない?」
「世界と来たか」
「世界を手に入れれば、こんなところで隠れ住む必要も無いわよ?」
「それはお前の自業自得。俺たちはそれに巻き込まれた犠牲者だ」
大山は心底不快そうな目で霧島に舌打ちする。
「皆はお前を殺した方が良いって言ってるんだ。だから変なことするな。殺されるぞ」
大山は踵を返す。
「あと、俺は好きな人が居るんだ。色仕掛けは通用しない」
そして家を出た。
「このくそったれの偽善者が!」
霧島の罵声が外まで聞こえた。
それからも大山は仲間の様子を見に行く。
「「大山君。どうしたの?」」
双子でモデルでいつも一緒に居る高木姉妹の真矢に香住は野ウサギを撫でながら、二人一緒に大山に目を向ける。
「三村がストレスで荒れてるからな。皆は大丈夫かなって思ってさ」
「「こんな生活耐えられない( ノД)シクシク…」」
二人は同時に泣きまねする。
「分かる(´・ω・`)。でもどうしようもねえんだ」
「「分かってるよ。大山君のせいじゃないんだから気にしないで(^_-)-☆」」
二人は同時に大山に微笑んだ。
「なんかあったら遠慮なく言ってくれ。話し相手にはなるからさ(´・ω・`)」
「「リーダーは大変だね(´・ω・`)」」
三人は同時にしょんぼり。
「まあ、休暇だと思ってのんびりしようや! ポリポリf(^_^;」
「「そうだね。ウサギ可愛いし。(*ゝ∀・*)」」
「確かに可愛いな(*´∇*)」
「「ペットにして良い? \( º∀º )/♪」」
「良いんじゃないか。ただ面倒は二人で見てくれよ」
「「ハーイ。(^O^)/」」
次は運動好きな三木大輔と霧島麻衣に佐伯拓郎を見に行く。
「大山か。何か用か」
柔道部主将の三木は腕立て伏せをしながら、大山に顔を向ける。
「三村がストレスで荒れてるからな。皆は大丈夫かなって思ったのさ」
「大丈夫だ。むしろ筋トレに集中できて良い」
三木は黙々と腕立て伏せを続ける。
「だが、柔道の練習相手が欲しいのも事実だ。付き合ってくれないか?」
三木は腕立て伏せを止めて、大山に力こぶを見せる。
「俺は素人だぞ。投げられたら死んじゃうよ(´・ω・`)」
「俺に喧嘩で勝ったくせに何を言ってるんだ? 嫌味か? (-_-;」
「喧嘩って言ったってあれは途中で仲直りしたから良いだろ(´∀`; )」
「冷静さを失っていたとはいえ、俺に背負い投げ食らわした後だったんだぞ(´・ω・`) 凄くショックだったぞ(T.T)」
「三木君。大山君困ってるじゃん」
陸上部主将の霧島麻衣は、スクワットをしながら、困り顔の二人に可愛らしく苦笑いする。
ちなみに、彼女は同姓の霧島が仕出かした事に激怒し、同じ苗字で居るのが嫌なので、必ず名前の麻衣で呼ぶように皆にさせている。
「麻衣は元気か?」
大山は麻衣に顔を向ける。
「正直不満! (。・ˇдˇ・。)」
「だよな(´・ω・`)」
「そもそも私は来たくて来たわけじゃないのに! いきなり呼び出されて突然指名手配! 何様! (*’へ’*)ぷんぷん」
「マジでそうだよな(´・ω・`)」
「それにここに来たせいで陸上の大会出られなかったんだよ! 優勝したかったのに! ( ノД)シクシク…」
「すまねえな(´・ω・`) 何もしてやれなくて」
大山が謝ると麻衣は苦笑する。
「大山君のせいじゃないじゃん。謝る必要ないよ」
「しかし、一応リーダーなのに、何にもしてやれないからな」
「だったら百メートル走しよ! 今度は負けないから!」
「陸上部主将でエースのお前に勝てる訳ないじゃん(´・ω・`)」
「私よりタイムが速いのに何言ってんの? 嫌味ですか? 嫌いになっちゃうよ? (´・ω・`)」
「まぐれだよまぐれ(´・ω・`)」
「怒って良い? ((“o(>ω<)o”))クヤシイー!!」
じゃれ合う二人に、シャドーボクシングをしていたボクシング部主将の佐伯が失笑する。
「お前、大山のこと好きすぎるだろ」
それを聞いて麻衣は突如、顔を赤くする。
「好きって! そんな訳ないじゃん! (゚Д゚;≡;゚д゚)」
「俺たちと態度全然違うから丸分かりだ フゥ(o´Å`)=з」
三木と佐伯は肩をすくめる。
「そ、そんなことより! 大山君が心配してるんだよ! 佐伯は大丈夫なの! ♪~(‘ε’;)」
麻衣は話を変える。
「試合がしたい! 帰りたい! (;´д`)ノ 」
それを聞いて大山は頷く。
「だよな(´・ω・`)」
「どうしようもねえことは分かってんだけどな(_ _;)。。」
深々とため息。
「戻る方法があればいいんだがな(´・ω・`)」
大山はしみじみと呟く。
「調べようにも自由に動けねえし(´・ω・`)。今は辛抱してくれ」
大山は頭を下げる。
「お前のせいじゃねえんだ。気にする必要はねえよ(⌒^⌒)b」
佐伯はそう言うとシャドーボクシングを再開した。
「そうだ! スパーリングしようぜ! ヾ(*´∀`*)ノキャッキャ」
そして大山に目を輝かせる。
「俺は素人だよ。ボクシングのアマチュアチャンピオンに勝てる訳ないじゃん(´・ω・`)」
「それをぶっ飛ばしたお前が言うか? パーンチo(゚◇゚)○」
「まぐれだって。それにお前、油断してただろ(´・ω・`)」
「そうやって勝ち逃げするか。そうかそうか(´・ω・`)」
佐伯はふて腐れてしまった。
「とにかく、まだ元気そうなら安心だ」
大山は微笑する。
「俺たちは気にするな(⌒▽⌒」
「それよりも自分の体調に気を付けてね! \( ˆoˆ )/」
「お前は俺たちのリーダーなんだ。もっと堂々としろ( ̄ー ̄)ニヤリッ」
三人は笑顔で答えた。
次に最後の仲間であるカップルの津田勉と佐々木絵里のところに行く。
「大山君か。どうしたんだい?」
佐々木は日向での読書を止めて、おっとりとした声で言う。
「三村がストレスで荒れててさ。皆は大丈夫かなって」
「僕たちは平気だよ。むしろ静かで助かってる」
マイペースな雰囲気でほんわかと微笑む。
「お前はいつもマイペースだな。ある意味助かるよ( ˙▿˙ ; )」
「うるさいのは嫌いだからね。むしろ指名手配されて良かった気もするよ\(~o~)/」
佐々木はそう言うと読書に戻る。
「勉は大丈夫か」
「絵里と一緒。俺たちは静かに本が読めればそれでいい」
勉はのんびりとページを捲る。
「お前もいつも道理だな。ある意味ありがたい(´Д`。)」
「俺たちは気にしなくていい。それで、用が終わったらどっかに行ってくれ。読書の邪魔だ( ^ ω ^ ) /」
勉と絵里は笑顔で手を振った。
「まあ、大丈夫なら良いか(´・ω・`)」
大山はちょっと寂し気に二人から離れた。
大山は最後に、あまり仲の良くない、助けを求めて来た桃山のところに行った。
「桃山。大丈夫か?」
「大丈夫な訳ねえだろ」
桃山は不機嫌だった。
「気持ちは分かるが我慢してくれ」
「いったい何時まで我慢すれば良いんだよ畜生!」
激しい歯ぎしりが薄暗い廃屋に響く。
「だいたい、お前はどうして霧島を殺さない?」
桃山は大山を睨み付ける。
「一応クラスメイトだからな」
「偽善野郎が! あいつは殺人鬼だ! サッサと殺した方が良い! お前なら一瞬で殺せるだろ!」
「分かってる。でも殺さない」
「なぜだ!」
「一応、クラスメイトだ」
「反吐が出るほどの偽善者だ! だから俺はお前が嫌いなんだ!」
桃山は唾を吐く。大山は鼻で笑う。
「俺もお前が嫌いだ」
「てめえ……」
桃山は立ち上がると拳を握る。
大山は毅然と立つ。
「お前はいつもカッコばかりだ。明るく振舞っていながらその実周りの目を気にしてる。だから霧島たちが麗夜を虐めた時、それを見て笑った。自分が虐められないように」
「てめえだって同じようなもんだ!」
桃山は怒りの形相で大山の前に立つ。
「てめえだって麗夜が虐められてたのに何もしなかった。お前の仲間も! 先生も誰も止めなかった! 誰も助けなかった! むしろあいつが虐められているところを見て笑った!」
「いじめは複雑で解決は面倒。学校の誰もが麗夜が虐められていることを知っていた。でも関わりたくなかった。だから弄りだと目を背けた」
「そうだ! だからお前だって俺たちと一緒にあいつを虐めたようなもんだ! なのに偉そうなこと言いやがって!」
「分かってるさ」
大山は苦々しく歯を食いしばる。
それを見て桃山はヘラヘラ笑う。
「やっぱりてめえは偽善者だ! はっはっは!」
そして大山の胸倉を掴んだ。
「何しやがる?」
すると、大山は冷たい目で、桃山を見下ろす。
「何しやがるだと?」
桃山は大山と睨み合う。
そのまま数瞬が経つ。
「冗談だって冗談。ちょっとイライラしてたんだ。分かるだろ?」
桃山は大山の胸倉から手を離して、ヘラヘラと誤魔化し笑いをする。
「俺はもう大丈夫だ! それより皆が心配だろ? 俺なんて良いから、早く行ってやれよ!」
まるでへこへこ頭を下げるような物言いだった。
大山はため息を吐き、指をパチンと鳴らす。
「今日の飯を置いてく。また明日の朝、届けてやるよ」
大山は桃山に食事を作ると、廃屋を後にした。
「偽善者か(´・ω・`)」
大山は帰り道、しょんぼりと歩く。
「麗夜は俺を恨んでるだろうな」
目に涙が浮かぶ。
「でも仕方なかったんだ……仕方なかった……助けたくても助けられなかったんだ」
大山はギュッと拳を握りしめた。
「大山!」
そこに三村が走って来た。
「三村? どうした」
「お前にお客さんだ」
「客? (´・∀・)?」
「とんでもなく綺麗な赤い髪をした女の子と、騎士みたいな美人に、筋肉ムキムキマッチョマンの変態だ」
「は? (・∀・)??」
大山は首をかしげながら家に戻る。
「お前が真の勇者か」
そこでは、ゼラとカーミラと朱雀が、椅子に座って待って居た。
「どちらさんで? σ(・ω・,,`)?」
大山は首をかしげまくる。
「私はゼラ。新庄麗夜の妻だ」
ゼラは自信満々に答える。
「エェッ!?( □ )~~~~~~~~ ゚ ゚」
大山の目が飛び出た。
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