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最終章 決着
魔王と勇者の宣戦布告
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親友と思っていた男に見捨てられた。麗夜はそう思っていた。
理由など分からなかったし想像したくも無かった。
友達と思っていたのは自分だけ。そう結論付けた。
しかし、実は違った。
親友の大山は麗夜を愛してしまった! だから避けるしか無かった!
近くに居ると我慢できなくなる。だから虐められていても、見て見ぬふりをしてしまった。
もしも自分が麗夜を愛していると気づかれたら? 友情は決裂するだろう。また、他の人に知られれば、自分はもちろん麗夜にも迷惑がかかる。
大山はそう思ったのだ。
だから、話す事さえできなくなった。
(う~む)
麗夜は考える。
(大山は嘘吐くような奴じゃない。ましてや冗談で愛の告白をするようなバカじゃない)
麗夜は大山をじっと見る。
大山は心底後悔した様に麗夜から目を逸らしていた。体は震えていた。
(なるほどね。マジって訳か)
麗夜は親友が自分を避けた理由を知って、納得した。
(そっか。大山は俺が嫌いになった訳じゃないんだ)
愛の告白は気持ち悪いとも何とも思わなかった。そもそも好きと言われて嫌な人間など居ない。
それに応えられるかどうかはまた別の話。
(まあ、俺にはティアが居るし。無理な話だけどな)
麗夜はふと考える。
(でも、ここに来る前に言われたら、どうしてたんだろうな)
大山が勇気をもって、助けてくれたら? 告白してくれたら?
嬉しかっただろう。
もしかすると、彼氏か彼女になっていたかもしれない。
「座ろうぜ。疲れるだろ」
麗夜は大山に微笑みかけて椅子に座る。
「あ、ああ」
大山は俯いたまま腰を下ろす。
「悪いが、俺にはティアが居る。だからお前に応えることはできない」
「そうか……」
「だけど、理由を話してくれて嬉しいよ」
大山は麗夜の答えに顔を上げる。
大山は泣いていた。
「お前は俺を裏切ったんじゃない。仕方なかった」
麗夜は笑いながらグッと体を伸ばす。
「なんかもう! 復讐とかめんどくさくなったな」
憑き物が落ちた。
麗夜は大山を許した。
だからもう、クラスメイトなどどうでもよくなった。
「ただ大山。それでも俺はお前を許せない」
麗夜はふと、死にそうな大山を思って嘘を吐く。
「そ、そうか……当然だな」
大山の顔色は真っ青だった。
「だから、喧嘩しようぜ」
「え?」
「最初で最後の喧嘩だ」
麗夜は拳を握りしめる。
「ルールは簡単。俺たちの仲間とお前たちの仲間。どっちが強いか比べる」
「なんでそんなことを?」
「けじめだよ。けじめ。もしお前が俺に勝ったら、許してやるよ。もしお前が負けたら、そん時はまあそん時考える」
「? だったら俺とお前だけで良いんじゃ?」
「紹介したいんだよ」
麗夜は軽く笑う。
「大山。俺はここに来て好きな人が出来た。大切な仲間ができた。だからここに来て本当に良かったと思ってる」
「そうなのか……」
「だからこそ、どんな仲間なのか、お前に知って欲しい。お前よりも、ずっとずっとカッコいい連中をな」
麗夜は足を組んで微笑み続ける。
「分かるか? 俺は自慢したいんだよ。俺の仲間たちを」
「……」
大山は考えるような顔をする。
「それに! 復讐なんてめんどくさくなったけど、お前の友達の三村とか桐山とか、俺は許してねえからな! ムカつく! だからぶっ飛ばす! 殴らせろ!」
「お前って昔からたまに訳の分からない事言うよな」
大山は初めて笑った。
「俺が勝ったら、麗夜。お前は俺の恋人だ。その条件なら、喧嘩してやる」
「負けられないな」
「俺だって負けられない」
「良いのか? お友達に相談しなくて」
「お前だって相談してないだろ」
「俺は良いんだ。あいつらなら、俺の我儘も笑って許してくれる」
「俺も同じだ」
二人は笑い合う。
「良し! いったん帰らせてもらう。皆で作戦会議しないとな」
「日時と場所はそっちで決めて良い」
「良いのか? 罠とかたくさん作っちゃうぞ?」
「そっちは十人。こっちは億以上の魔王。なら少しはそっちも有利にしないとな」
「億以上の魔王! マジか!」
「マジマジ! 俺の仲間って皆魔王! モンスターなんて温いもんじゃねえぞ!」
「はっはっは! なら俺も本気を出した方が良いな」
大山の体から青白い炎のような闘気が迸る。
「俺の能力は『真の勇者』。不老不死の魔王を唯一滅することができる力だ」
「それがお前の本当の能力か」
「ああ。他にも色々なチートが詰まってるが、それはおまけ。本命は魔王を殺せる力だ」
「相手にとって不足無しか」
麗夜の体から赤黒い炎のような闘気が出る。
「俺の能力はモンスターと話せる。ただそれだけの能力。しかし、そのおかげで数多の魔王と仲良くなって、仲良くなった魔王から、魔王の力を分けてもらった。並みの魔王じゃないぜ」
「はっはっは! ならお前は魔王って事か」
「そうだ。よくよく考えると面白いな」
「ああ。まさかここに来て、勇者と魔王の戦いが始まるなんてな」
二人は握手する。
「麗夜。今まで済まなかった」
「その答えは、お前が勝ってから言ってやるよ」
「お前本当は俺の事許してるだろ?」
「許してないぞ!」
「はっはっは! 嘘だな! 前から本当に分かりやすいぜ」
二人は手を離す。
「じゃあな。また連絡する」
「待ってるぜ。勇者さん」
「待っててくれよ。魔王ちゃん」
唐突に大山の周囲が歪む。
そして瞬きした瞬間、大山は忽然と姿を消した。
「高精度の転移魔法。それを散歩感覚で使える。何がおまけの能力だ。十分強いじゃねえか」
麗夜は椅子に座ってうれし涙を流す。
「俺は、裏切られたんじゃないんだ」
理由など分からなかったし想像したくも無かった。
友達と思っていたのは自分だけ。そう結論付けた。
しかし、実は違った。
親友の大山は麗夜を愛してしまった! だから避けるしか無かった!
近くに居ると我慢できなくなる。だから虐められていても、見て見ぬふりをしてしまった。
もしも自分が麗夜を愛していると気づかれたら? 友情は決裂するだろう。また、他の人に知られれば、自分はもちろん麗夜にも迷惑がかかる。
大山はそう思ったのだ。
だから、話す事さえできなくなった。
(う~む)
麗夜は考える。
(大山は嘘吐くような奴じゃない。ましてや冗談で愛の告白をするようなバカじゃない)
麗夜は大山をじっと見る。
大山は心底後悔した様に麗夜から目を逸らしていた。体は震えていた。
(なるほどね。マジって訳か)
麗夜は親友が自分を避けた理由を知って、納得した。
(そっか。大山は俺が嫌いになった訳じゃないんだ)
愛の告白は気持ち悪いとも何とも思わなかった。そもそも好きと言われて嫌な人間など居ない。
それに応えられるかどうかはまた別の話。
(まあ、俺にはティアが居るし。無理な話だけどな)
麗夜はふと考える。
(でも、ここに来る前に言われたら、どうしてたんだろうな)
大山が勇気をもって、助けてくれたら? 告白してくれたら?
嬉しかっただろう。
もしかすると、彼氏か彼女になっていたかもしれない。
「座ろうぜ。疲れるだろ」
麗夜は大山に微笑みかけて椅子に座る。
「あ、ああ」
大山は俯いたまま腰を下ろす。
「悪いが、俺にはティアが居る。だからお前に応えることはできない」
「そうか……」
「だけど、理由を話してくれて嬉しいよ」
大山は麗夜の答えに顔を上げる。
大山は泣いていた。
「お前は俺を裏切ったんじゃない。仕方なかった」
麗夜は笑いながらグッと体を伸ばす。
「なんかもう! 復讐とかめんどくさくなったな」
憑き物が落ちた。
麗夜は大山を許した。
だからもう、クラスメイトなどどうでもよくなった。
「ただ大山。それでも俺はお前を許せない」
麗夜はふと、死にそうな大山を思って嘘を吐く。
「そ、そうか……当然だな」
大山の顔色は真っ青だった。
「だから、喧嘩しようぜ」
「え?」
「最初で最後の喧嘩だ」
麗夜は拳を握りしめる。
「ルールは簡単。俺たちの仲間とお前たちの仲間。どっちが強いか比べる」
「なんでそんなことを?」
「けじめだよ。けじめ。もしお前が俺に勝ったら、許してやるよ。もしお前が負けたら、そん時はまあそん時考える」
「? だったら俺とお前だけで良いんじゃ?」
「紹介したいんだよ」
麗夜は軽く笑う。
「大山。俺はここに来て好きな人が出来た。大切な仲間ができた。だからここに来て本当に良かったと思ってる」
「そうなのか……」
「だからこそ、どんな仲間なのか、お前に知って欲しい。お前よりも、ずっとずっとカッコいい連中をな」
麗夜は足を組んで微笑み続ける。
「分かるか? 俺は自慢したいんだよ。俺の仲間たちを」
「……」
大山は考えるような顔をする。
「それに! 復讐なんてめんどくさくなったけど、お前の友達の三村とか桐山とか、俺は許してねえからな! ムカつく! だからぶっ飛ばす! 殴らせろ!」
「お前って昔からたまに訳の分からない事言うよな」
大山は初めて笑った。
「俺が勝ったら、麗夜。お前は俺の恋人だ。その条件なら、喧嘩してやる」
「負けられないな」
「俺だって負けられない」
「良いのか? お友達に相談しなくて」
「お前だって相談してないだろ」
「俺は良いんだ。あいつらなら、俺の我儘も笑って許してくれる」
「俺も同じだ」
二人は笑い合う。
「良し! いったん帰らせてもらう。皆で作戦会議しないとな」
「日時と場所はそっちで決めて良い」
「良いのか? 罠とかたくさん作っちゃうぞ?」
「そっちは十人。こっちは億以上の魔王。なら少しはそっちも有利にしないとな」
「億以上の魔王! マジか!」
「マジマジ! 俺の仲間って皆魔王! モンスターなんて温いもんじゃねえぞ!」
「はっはっは! なら俺も本気を出した方が良いな」
大山の体から青白い炎のような闘気が迸る。
「俺の能力は『真の勇者』。不老不死の魔王を唯一滅することができる力だ」
「それがお前の本当の能力か」
「ああ。他にも色々なチートが詰まってるが、それはおまけ。本命は魔王を殺せる力だ」
「相手にとって不足無しか」
麗夜の体から赤黒い炎のような闘気が出る。
「俺の能力はモンスターと話せる。ただそれだけの能力。しかし、そのおかげで数多の魔王と仲良くなって、仲良くなった魔王から、魔王の力を分けてもらった。並みの魔王じゃないぜ」
「はっはっは! ならお前は魔王って事か」
「そうだ。よくよく考えると面白いな」
「ああ。まさかここに来て、勇者と魔王の戦いが始まるなんてな」
二人は握手する。
「麗夜。今まで済まなかった」
「その答えは、お前が勝ってから言ってやるよ」
「お前本当は俺の事許してるだろ?」
「許してないぞ!」
「はっはっは! 嘘だな! 前から本当に分かりやすいぜ」
二人は手を離す。
「じゃあな。また連絡する」
「待ってるぜ。勇者さん」
「待っててくれよ。魔王ちゃん」
唐突に大山の周囲が歪む。
そして瞬きした瞬間、大山は忽然と姿を消した。
「高精度の転移魔法。それを散歩感覚で使える。何がおまけの能力だ。十分強いじゃねえか」
麗夜は椅子に座ってうれし涙を流す。
「俺は、裏切られたんじゃないんだ」
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