44 / 78
不死者の殺し方
しおりを挟む
只今、ルシー、アス、ベルの三名とともに地下5000階の森を探索中。
「足痛い!」
ルシーがうるさくて敵わない。
「ルシー様! 私がおんぶします!」
「アス! 私のことを忘れるんじゃない!」
「ベル様! 申し訳ありません! ベル様もおんぶします!」
アスはルシーを抱っこして、ベルをおんぶして立ち上がる。
「ぐえ!」
盛大にズッコケた。
「何やってんのお前ら?」
「見て分からないの? 足が痛いの!」
「何キレてんだよ」
騒ぐルシーの足を掴んで見る。
「酷い靴擦れだ!」
ルシーの踵は真っ赤に腫れ上がっていて、靴下まで血まみれだ。
「お前たちは大丈夫か!」
大慌てでアスとベルの足を見る。
「これは酷い」
ベルの足は踵以上につま先が傷んでいる。親指の爪など割れて肉に食い込んでいる。
アスの足は踵とつま先だ。どちらも血が滲んでいる。この状態でルシーとベルを抱えるなど俺でもできない。さぞ痛いだろうに、健気で無謀な奴だ。
「ちょっと待っていろ」
応急処置として、葉を踵とつま先に巻き付ける。食い込んだ爪は間に葉を詰め込んで悪化を防ぐ。
「おお! 痛みが和らいだ!」
「これぞ人間の知恵か!」
「レイ殿! ありがとうございます!」
どういたしまして、と言いたいが、それよりも三人の靴を調べないといけない。そして調べると、なぜ三人の足が傷ついたのか分かった。
「ルシー? この靴はなんだ? 平べったいし踵がむき出しだ」
「革靴だよ。かっこいいでしょ!」
「かっこいいかもしれないが、これじゃ森の中なんて歩けないだろ」
ルシーの靴は貴族がダンスで履くような物だった。高いだろうし、気品があるだろうが、森の中では無意味だ。
「ベル、この靴小さくないか?」
ベルの靴はルシーと同じ革靴だった。それだけでも叱りものだが、こいつはさらに足の大きさと合っていない。
「ぴったりの大きさだと思うが?」
「ぴったりじゃダメだ。余裕がないとつま先が傷つく」
「人間とは中中に奥深いな」
ベルは他人事のようにふむふむと頷く。自分の体なのだからもう少し危機感を持ってもらいたい。
「アスの靴は、しゃれているが、大丈夫そうだな。単に慣れていないだけか」
アスの靴は冒険者のように頑丈で、踝がきっちりと隠れるくらいの長靴だ。
「申し訳ありません。人間となって歩くのは初めてだったので」
「気にするな。これなら歩けるだろ」
「大丈夫です!」
三人の靴を見ると、ルシーとベルは靴を改造する必要がある。
「仕方がねえ。作るか」
葉と雑草の茎を紡いで草鞋を作る。本来なら乾かしたいが、時間がないので仕方がない。それに大本となる靴はある。これに細工すれば上等なものができる。
「へー! 魔法も使わないで器用に作るね!」
ルシーが肩に頭を乗せて来る。本当に弟たちが傍に居るようだ。
「魔法なんて難しい物使わなくてもできる」
少し得意げに話す。弟たちはどうしているかな?
「針、糸、刃物をこうも巧みに使いこなすとは、素晴らしい一芸だ」
真正面でベルが感心する。凄まじく照れる。
「レイ殿はやはり素晴らしい! 人間となった今なら分かります!」
アスは隣で正座して礼儀正しく見ている。
「お前ら……恥ずかしい」
男だからか、これほどの称賛を受けるとむずがゆい。
「凄い凄い! 全然痛くない!」
ルシーは森の中を跳ねるように歩く。
キラキラ輝いている。
ベルとアスも興味津々に森を見ながら歩いている。
「スリルとはこういう感覚か」
ベルが茂みの奥の奥を目を凝らして見つめる。
「気づいたか」
「ええ。そういうレイは、すでに気づいていた?」
「もちろん」
「では、お手並み拝見といこう」
ベルが二人に下がれと手招きしたので、一気に殺気を放つ化け物まで走る!
「居ない!」
茂みをかき分ければあと一歩というところで殺気が突然消える!
「ぐぎゃ!」
ルシーの悲鳴が聞こえた!
「ルシー!」
大急ぎで戻ると、ルシーは右腕を切り飛ばされ、アスは腹を切り裂かれ、ベルは右の顔面を爪で抉られていた!
「大丈夫か!」
服を切り裂いて止血処置を行う。
「ティンダロスだ!」
ベルが落ちかかる目玉を押さえる。
「ティンダロス?」
「次元のはざまに潜むオオカミだ。ここの階層だから当然不死。性格は狡猾。君に勝てないと察して僕たちを襲った」
ルシーは歯を食いしばって痛みに耐える。
「ティンダロスは不死者すらも殺す猛毒を持っている。絶体絶命だ」
ルシーは血を吐いて話し続ける。
「黙っていろ。すぐに片づける」
地面に手を当てて念じる。
「すべての命よ、我が手に集え」
右手に熱が籠ると、引き換えに木々が枯れる。煌めく太陽を余すところなく受けた地面から熱が引く。風が止む。空気が淀む。
森に住むすべての生命体の力を奪う。地下十二階で巨大クモを倒した時の術だ。
「さすが、レイだ」
ルシーが微笑むと同時に、枯れた木の影から悪臭が立ち上る!
「そこだ!」
出現した化け物の頭を掴む!
「何て醜い生き物だ!」
顔面はクモのように複眼で溢れている。大小無数の口が涎を垂らしている。爪は真っ黒でどす黒い液体に塗れている。
「貴様の命、貰うぞ!」
森の命を使い、ティンダロスの命を体から引きずり出す!
魂を抜かれたティンダロスは、何度か痙攣するとダラリと舌を垂らして動かなくなった。
「そうだ。それが不死者の殺し方だ」
ルシーは真っ青な顔で、なお笑う。
「だから苦戦するのがおかしいんだよ。手加減して進んでた?」
「良いから口を閉じろ!」
「まあ、理由は分かる。魂を奪うにはそのための力が必要だ。レンガ造りの迷宮じゃそれはできない。できるけどできない。ローズたちの命を奪ってしまうから」
「だから眠ってろ! すぐに引き返すぞ!」
ブツブツ呟くルシーを負ぶって、重体のアスを抱っこして、重傷のベルに肩を貸して引き返した。
「何て酷い怪我!」
チュリップを叩き起こしてルシーたちの治療をしてもらう。
「いくら治しても傷が治らない?」
「ティンダロスの猛毒だ。不死者も殺す死の呪いだから、簡単には治せない」
ベルが濁った眼でチュリップを睨む。
「まずは呪いを引きはがせ。それから治療しろ」
「は、はい、え、でも、どうやって?」
チュリップはしどろもどろになる。
「レイ。お前ならできるだろ。チュリップに見せてみろ」
ベルが顔面から手を離すと、肉がべろりと落ちた。
「俺が! どうやればいい!」
「先の要領だ。命と同じように呪いの力を引きはがせ」
「分かった!」
ベルの顔に手を当てて目を瞑る。
ドロリドロリと肉の中で蠢く虫のような奴が居た!
「こいつだ!」
手に力を込めて蠢く虫を引きはがす!
「何て気持ちの悪い奴だ!」
グチグチと黒い生ものが手のひらで悶える。あまりにも醜いので握りつぶしてやる。
「これで治る」
「はい!」
チュリップはベルに急かされて呪文を唱える。見る見るとベルの傷が治った。
「アスにもやってくれ」
「分かった!」
真っ青になって腹を押さえるアスの傷に触る。
「待て! チュリップは僧侶だ。ならばチュリップがやるべきだ」
ベルがチュリップを睨む。
「私ですか!」
「お前はレイに頼り切るつもりか? レイが倒れたら泣くだけか?」
チュリップはギラリとベルを睨むと、すぐにアスの傍に行く。
「しばし、傷に触らせていただきます」
「よろしく頼むます」
チュリップに任せるため、アスから離れる。
「……これは!」
チュリップは傷口に触るとすぐに手を離した。
「なにこれ!」
ガタガタと歯を鳴らしながら手を見つめる。
「レイ、君が代わりにやってくれ」
チュリップが心配だったが、アスとルシーを放っておけないので代わる。
「傷は私が癒そう」
毒を取り除くと、ベルが即座に傷を治す。
「ふー! 助かった!」
ルシーが苦笑いする。
「済まなかった。もう少し注意していれば」
迂闊に離れたことを謝る。
「別に良いよ。それより、ご飯にしよう! さっきのティンダロスの肉だ!」
ルシーは大けがを負ったにも関わらず元気に笑う。
「取ってくるから待っていろ」
立ち上がるとチュリップの様子を見る。
「大丈夫か?」
全身を真っ青にさせたチュリップの背中を摩る。
「ええ……大丈夫です」
「そうか……すぐに戻ってくるから、待っていろ」
「ローズたちを僕たちが鍛えなおすってのもありかもしれない」
レイが森の中へ入ると、ルシーはベルとアスに耳打ちする。
「チュリップの手際を見る限り、そうしたほうが良いかもしれないな」
ベルは震えるチュリップを見てため息を吐く。
「では、私が彼女たちの相手をします」
「いや、僕たち全員でやろう」
ルシーはアスの言葉を遮る。
「彼女たちにも相性がある。アスはリリー、ベルはチュリップ、僕はローズを担当する」
ルシーは震えるチュリップと、疲れ果てて未だに眠るローズたちを見つめる。
「頑張れ。レイが好きなんだろ? 僕みたいに」
ルシーは切なそうな瞳でチュリップたちを見つめ続けた。
「足痛い!」
ルシーがうるさくて敵わない。
「ルシー様! 私がおんぶします!」
「アス! 私のことを忘れるんじゃない!」
「ベル様! 申し訳ありません! ベル様もおんぶします!」
アスはルシーを抱っこして、ベルをおんぶして立ち上がる。
「ぐえ!」
盛大にズッコケた。
「何やってんのお前ら?」
「見て分からないの? 足が痛いの!」
「何キレてんだよ」
騒ぐルシーの足を掴んで見る。
「酷い靴擦れだ!」
ルシーの踵は真っ赤に腫れ上がっていて、靴下まで血まみれだ。
「お前たちは大丈夫か!」
大慌てでアスとベルの足を見る。
「これは酷い」
ベルの足は踵以上につま先が傷んでいる。親指の爪など割れて肉に食い込んでいる。
アスの足は踵とつま先だ。どちらも血が滲んでいる。この状態でルシーとベルを抱えるなど俺でもできない。さぞ痛いだろうに、健気で無謀な奴だ。
「ちょっと待っていろ」
応急処置として、葉を踵とつま先に巻き付ける。食い込んだ爪は間に葉を詰め込んで悪化を防ぐ。
「おお! 痛みが和らいだ!」
「これぞ人間の知恵か!」
「レイ殿! ありがとうございます!」
どういたしまして、と言いたいが、それよりも三人の靴を調べないといけない。そして調べると、なぜ三人の足が傷ついたのか分かった。
「ルシー? この靴はなんだ? 平べったいし踵がむき出しだ」
「革靴だよ。かっこいいでしょ!」
「かっこいいかもしれないが、これじゃ森の中なんて歩けないだろ」
ルシーの靴は貴族がダンスで履くような物だった。高いだろうし、気品があるだろうが、森の中では無意味だ。
「ベル、この靴小さくないか?」
ベルの靴はルシーと同じ革靴だった。それだけでも叱りものだが、こいつはさらに足の大きさと合っていない。
「ぴったりの大きさだと思うが?」
「ぴったりじゃダメだ。余裕がないとつま先が傷つく」
「人間とは中中に奥深いな」
ベルは他人事のようにふむふむと頷く。自分の体なのだからもう少し危機感を持ってもらいたい。
「アスの靴は、しゃれているが、大丈夫そうだな。単に慣れていないだけか」
アスの靴は冒険者のように頑丈で、踝がきっちりと隠れるくらいの長靴だ。
「申し訳ありません。人間となって歩くのは初めてだったので」
「気にするな。これなら歩けるだろ」
「大丈夫です!」
三人の靴を見ると、ルシーとベルは靴を改造する必要がある。
「仕方がねえ。作るか」
葉と雑草の茎を紡いで草鞋を作る。本来なら乾かしたいが、時間がないので仕方がない。それに大本となる靴はある。これに細工すれば上等なものができる。
「へー! 魔法も使わないで器用に作るね!」
ルシーが肩に頭を乗せて来る。本当に弟たちが傍に居るようだ。
「魔法なんて難しい物使わなくてもできる」
少し得意げに話す。弟たちはどうしているかな?
「針、糸、刃物をこうも巧みに使いこなすとは、素晴らしい一芸だ」
真正面でベルが感心する。凄まじく照れる。
「レイ殿はやはり素晴らしい! 人間となった今なら分かります!」
アスは隣で正座して礼儀正しく見ている。
「お前ら……恥ずかしい」
男だからか、これほどの称賛を受けるとむずがゆい。
「凄い凄い! 全然痛くない!」
ルシーは森の中を跳ねるように歩く。
キラキラ輝いている。
ベルとアスも興味津々に森を見ながら歩いている。
「スリルとはこういう感覚か」
ベルが茂みの奥の奥を目を凝らして見つめる。
「気づいたか」
「ええ。そういうレイは、すでに気づいていた?」
「もちろん」
「では、お手並み拝見といこう」
ベルが二人に下がれと手招きしたので、一気に殺気を放つ化け物まで走る!
「居ない!」
茂みをかき分ければあと一歩というところで殺気が突然消える!
「ぐぎゃ!」
ルシーの悲鳴が聞こえた!
「ルシー!」
大急ぎで戻ると、ルシーは右腕を切り飛ばされ、アスは腹を切り裂かれ、ベルは右の顔面を爪で抉られていた!
「大丈夫か!」
服を切り裂いて止血処置を行う。
「ティンダロスだ!」
ベルが落ちかかる目玉を押さえる。
「ティンダロス?」
「次元のはざまに潜むオオカミだ。ここの階層だから当然不死。性格は狡猾。君に勝てないと察して僕たちを襲った」
ルシーは歯を食いしばって痛みに耐える。
「ティンダロスは不死者すらも殺す猛毒を持っている。絶体絶命だ」
ルシーは血を吐いて話し続ける。
「黙っていろ。すぐに片づける」
地面に手を当てて念じる。
「すべての命よ、我が手に集え」
右手に熱が籠ると、引き換えに木々が枯れる。煌めく太陽を余すところなく受けた地面から熱が引く。風が止む。空気が淀む。
森に住むすべての生命体の力を奪う。地下十二階で巨大クモを倒した時の術だ。
「さすが、レイだ」
ルシーが微笑むと同時に、枯れた木の影から悪臭が立ち上る!
「そこだ!」
出現した化け物の頭を掴む!
「何て醜い生き物だ!」
顔面はクモのように複眼で溢れている。大小無数の口が涎を垂らしている。爪は真っ黒でどす黒い液体に塗れている。
「貴様の命、貰うぞ!」
森の命を使い、ティンダロスの命を体から引きずり出す!
魂を抜かれたティンダロスは、何度か痙攣するとダラリと舌を垂らして動かなくなった。
「そうだ。それが不死者の殺し方だ」
ルシーは真っ青な顔で、なお笑う。
「だから苦戦するのがおかしいんだよ。手加減して進んでた?」
「良いから口を閉じろ!」
「まあ、理由は分かる。魂を奪うにはそのための力が必要だ。レンガ造りの迷宮じゃそれはできない。できるけどできない。ローズたちの命を奪ってしまうから」
「だから眠ってろ! すぐに引き返すぞ!」
ブツブツ呟くルシーを負ぶって、重体のアスを抱っこして、重傷のベルに肩を貸して引き返した。
「何て酷い怪我!」
チュリップを叩き起こしてルシーたちの治療をしてもらう。
「いくら治しても傷が治らない?」
「ティンダロスの猛毒だ。不死者も殺す死の呪いだから、簡単には治せない」
ベルが濁った眼でチュリップを睨む。
「まずは呪いを引きはがせ。それから治療しろ」
「は、はい、え、でも、どうやって?」
チュリップはしどろもどろになる。
「レイ。お前ならできるだろ。チュリップに見せてみろ」
ベルが顔面から手を離すと、肉がべろりと落ちた。
「俺が! どうやればいい!」
「先の要領だ。命と同じように呪いの力を引きはがせ」
「分かった!」
ベルの顔に手を当てて目を瞑る。
ドロリドロリと肉の中で蠢く虫のような奴が居た!
「こいつだ!」
手に力を込めて蠢く虫を引きはがす!
「何て気持ちの悪い奴だ!」
グチグチと黒い生ものが手のひらで悶える。あまりにも醜いので握りつぶしてやる。
「これで治る」
「はい!」
チュリップはベルに急かされて呪文を唱える。見る見るとベルの傷が治った。
「アスにもやってくれ」
「分かった!」
真っ青になって腹を押さえるアスの傷に触る。
「待て! チュリップは僧侶だ。ならばチュリップがやるべきだ」
ベルがチュリップを睨む。
「私ですか!」
「お前はレイに頼り切るつもりか? レイが倒れたら泣くだけか?」
チュリップはギラリとベルを睨むと、すぐにアスの傍に行く。
「しばし、傷に触らせていただきます」
「よろしく頼むます」
チュリップに任せるため、アスから離れる。
「……これは!」
チュリップは傷口に触るとすぐに手を離した。
「なにこれ!」
ガタガタと歯を鳴らしながら手を見つめる。
「レイ、君が代わりにやってくれ」
チュリップが心配だったが、アスとルシーを放っておけないので代わる。
「傷は私が癒そう」
毒を取り除くと、ベルが即座に傷を治す。
「ふー! 助かった!」
ルシーが苦笑いする。
「済まなかった。もう少し注意していれば」
迂闊に離れたことを謝る。
「別に良いよ。それより、ご飯にしよう! さっきのティンダロスの肉だ!」
ルシーは大けがを負ったにも関わらず元気に笑う。
「取ってくるから待っていろ」
立ち上がるとチュリップの様子を見る。
「大丈夫か?」
全身を真っ青にさせたチュリップの背中を摩る。
「ええ……大丈夫です」
「そうか……すぐに戻ってくるから、待っていろ」
「ローズたちを僕たちが鍛えなおすってのもありかもしれない」
レイが森の中へ入ると、ルシーはベルとアスに耳打ちする。
「チュリップの手際を見る限り、そうしたほうが良いかもしれないな」
ベルは震えるチュリップを見てため息を吐く。
「では、私が彼女たちの相手をします」
「いや、僕たち全員でやろう」
ルシーはアスの言葉を遮る。
「彼女たちにも相性がある。アスはリリー、ベルはチュリップ、僕はローズを担当する」
ルシーは震えるチュリップと、疲れ果てて未だに眠るローズたちを見つめる。
「頑張れ。レイが好きなんだろ? 僕みたいに」
ルシーは切なそうな瞳でチュリップたちを見つめ続けた。
0
あなたにおすすめの小説
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~
ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。
休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。
啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。
異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。
これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。
転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる