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第3章 悪役令嬢は関わりたくない
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別荘に戻った後、私はパーシヴァルに話しかけた。
ティールームに向かう廊下で、声を潜めて、
「ディーン様とは友達になりました。」
「えっ?」
「婚約は、ディーン様の良い時に解消して頂く事になりましたから、ご安心ください。」
「・・・。」
「嘘だと思うなら、ディーン様に確認して頂いても、構いませんよ。」
とにんまり笑ってやった。パーシヴァルは眉にしわを寄せていたが、溜息をついて私から目を逸らせた。
「帰る時、そんな話をしてたの?」
「えっ?いえ、婚約解消の話をしたのはその前です。友達になったのは馬に乗ってるときですが。」
「ふ~ん・・・。」
滝でディーンと話た後、私達は皆と直ぐ部合流できた。そしてリリーやグローシアは泣きながら私に抱きついてきた。ノエルも涙目で凄く謝ってくれたのだが、何故か両頬が腫れていた。理由を聞くとミリアとジョーに殴られたらしい。涙目だったのは、痛かったせいかもしれない・・・。
滝からの帰り道は、ディーンの馬に乗せて貰った。そこで私達は、馬をゆっくり進ませながら、たくさん話をした。
「ディーン様、私が馬から落ちた時、もしかして何かしました?」
「ああ、風を使った。うまく行って良かったよ。」
それを聞いて私は感心と同時にちょっと呆れた。魔術と言うのは、とても神経を集中させるものらしい。なのに、ディーンは崖を降りる馬を操りながら、咄嗟に落ちた私を魔術で助けたのだ。
(どんだけ、能力高いのよ。)
メインキャラとモブキャラの差が圧倒的過ぎて、怒る気にもならない。
「ほんとに助かりました。でも、いくらなんでも馬で崖を降りるのは危なすぎますよ。」
「君だって降りただろ?」
「私のは不可抗力です。次回は崖の上から、魔術使ってください。」
「はは、そうだね、そうするよ。・・・あの時はとっさに身体が動いて、あまり考えてなかったな。」
実際、そのおかげで私は助かったのだから、これ以上は何も言えないけど、ディーンが怪我したら大変だった。
「馬も、たいした怪我が無くて良かったです。」
「ああ、運が良かった。」
本当に運が良かった。そして、私は今ディーンとこうして、普通に話せているのが、本当に嬉しかった。
「あの・・・ディーン様?」
「ん?」
「改めてですね、友達になってくれませんか?」
「・・・。」
「婚約解消して、はい他人!っていうのは、寂しいです。」
(命の恩人だしね。)
「・・・うん。」
「学校でも会えますし、友達というのはいかがでしょう?。」
「うん・・・。ああ、では、こうしないか?」
「はい?」
「私と君とは、あの滝でもう一度、出会い直した。そして友人になった。・・・どうだい?」
(もう一度、出会い直した・・・。成程、これはナイスな考え方だわ。)
ディーンが初めてアリアナに会ったのは、5年前の事だけど、その時は私ではなかったし。学園で私がディーンに初めて会った時は、お互い印象悪くて、私は逃げ回ってた。話をするようになっても、ディーンは謝ってばっかで、なんか噛み合ってなかったしなぁ。
「良いですね。そうしましょう!。」
「では・・・、改めて、アリアナ嬢。初めまして。私はディーン・ギャロウェイです。どうぞよろしく。」
「アリアナ・コールリッジです、ディーン様。宜しくお願いします。」
そうして、馬の上で私達は、散々笑ったのだ。
(いやぁ、何せゲームの設定が設定だもんね。ディーンとあんな風に話せるようになるとは思わなかったなぁ。)
普通に話せば、彼は良い奴なのだ。
別荘の廊下で、パーシヴァルは私から目を逸らせたまま、
「君、ディーンに何かしたの?」
「は?」
「あんなに、笑ってるディーンは久しぶりに見た。」
ぼそりとそう言って、私を置いてさっさとティールームに入ってしまった。
(う~ん、パーシヴァルはこの先、どうするんだろう・・・?)
このまま自分の気持ちを隠して、ディーンと誰かの恋を応援するんだろうか?
(難しいな。恋した事無いし。でも、しんどいのは想像できる。)
いつもは調子の良いパーシヴァルの、辛そうなかすれた声が忘れられなかった。
ティールームに向かう廊下で、声を潜めて、
「ディーン様とは友達になりました。」
「えっ?」
「婚約は、ディーン様の良い時に解消して頂く事になりましたから、ご安心ください。」
「・・・。」
「嘘だと思うなら、ディーン様に確認して頂いても、構いませんよ。」
とにんまり笑ってやった。パーシヴァルは眉にしわを寄せていたが、溜息をついて私から目を逸らせた。
「帰る時、そんな話をしてたの?」
「えっ?いえ、婚約解消の話をしたのはその前です。友達になったのは馬に乗ってるときですが。」
「ふ~ん・・・。」
滝でディーンと話た後、私達は皆と直ぐ部合流できた。そしてリリーやグローシアは泣きながら私に抱きついてきた。ノエルも涙目で凄く謝ってくれたのだが、何故か両頬が腫れていた。理由を聞くとミリアとジョーに殴られたらしい。涙目だったのは、痛かったせいかもしれない・・・。
滝からの帰り道は、ディーンの馬に乗せて貰った。そこで私達は、馬をゆっくり進ませながら、たくさん話をした。
「ディーン様、私が馬から落ちた時、もしかして何かしました?」
「ああ、風を使った。うまく行って良かったよ。」
それを聞いて私は感心と同時にちょっと呆れた。魔術と言うのは、とても神経を集中させるものらしい。なのに、ディーンは崖を降りる馬を操りながら、咄嗟に落ちた私を魔術で助けたのだ。
(どんだけ、能力高いのよ。)
メインキャラとモブキャラの差が圧倒的過ぎて、怒る気にもならない。
「ほんとに助かりました。でも、いくらなんでも馬で崖を降りるのは危なすぎますよ。」
「君だって降りただろ?」
「私のは不可抗力です。次回は崖の上から、魔術使ってください。」
「はは、そうだね、そうするよ。・・・あの時はとっさに身体が動いて、あまり考えてなかったな。」
実際、そのおかげで私は助かったのだから、これ以上は何も言えないけど、ディーンが怪我したら大変だった。
「馬も、たいした怪我が無くて良かったです。」
「ああ、運が良かった。」
本当に運が良かった。そして、私は今ディーンとこうして、普通に話せているのが、本当に嬉しかった。
「あの・・・ディーン様?」
「ん?」
「改めてですね、友達になってくれませんか?」
「・・・。」
「婚約解消して、はい他人!っていうのは、寂しいです。」
(命の恩人だしね。)
「・・・うん。」
「学校でも会えますし、友達というのはいかがでしょう?。」
「うん・・・。ああ、では、こうしないか?」
「はい?」
「私と君とは、あの滝でもう一度、出会い直した。そして友人になった。・・・どうだい?」
(もう一度、出会い直した・・・。成程、これはナイスな考え方だわ。)
ディーンが初めてアリアナに会ったのは、5年前の事だけど、その時は私ではなかったし。学園で私がディーンに初めて会った時は、お互い印象悪くて、私は逃げ回ってた。話をするようになっても、ディーンは謝ってばっかで、なんか噛み合ってなかったしなぁ。
「良いですね。そうしましょう!。」
「では・・・、改めて、アリアナ嬢。初めまして。私はディーン・ギャロウェイです。どうぞよろしく。」
「アリアナ・コールリッジです、ディーン様。宜しくお願いします。」
そうして、馬の上で私達は、散々笑ったのだ。
(いやぁ、何せゲームの設定が設定だもんね。ディーンとあんな風に話せるようになるとは思わなかったなぁ。)
普通に話せば、彼は良い奴なのだ。
別荘の廊下で、パーシヴァルは私から目を逸らせたまま、
「君、ディーンに何かしたの?」
「は?」
「あんなに、笑ってるディーンは久しぶりに見た。」
ぼそりとそう言って、私を置いてさっさとティールームに入ってしまった。
(う~ん、パーシヴァルはこの先、どうするんだろう・・・?)
このまま自分の気持ちを隠して、ディーンと誰かの恋を応援するんだろうか?
(難しいな。恋した事無いし。でも、しんどいのは想像できる。)
いつもは調子の良いパーシヴァルの、辛そうなかすれた声が忘れられなかった。
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