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第6章 悪役令嬢は利用されたくない
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新学年の初日に私を責め立てた事が、モーガン先生の精神魔術のせいだとするならば、今の状態も彼女の差し金かもしれない。
(もしかしたら二人にも精神魔術をかけようとしてるのか・・・ううん、二人の魔力は多分モーガン先生よりも強い。だから彼らに精神魔術をかける事は出来ないはず。)
モーガン先生の狙いは一体何なのだろう?。見た目だけで判断すれば、リリーとディーンを私達と引き離そうとしてるようだけど、ディーンとは生徒会で会えるわけだし・・・。
そこで、ふと思い出した。
『お前が目立つからだ。』
イーサンが言った言葉。
(ふ、ふっふっふ・・・)
なんだか笑えて来た。
(・・・狙いはマジで私なの・・・?。リリーは私の親友ので、しかも聖女候補。ディーンは一応私の婚約者。マーリンを利用して、私に揺さぶりをかけてるって事?。・・・モーガン先生って馬鹿なの?なんてくだらない・・・。)
最初はダンスパーティで女生徒達からの私への断罪。あの子達だって精神魔術をかけられたせいで、とんだとばっちりを受けたのだ。それにノエルにだって、私に告白などと言う恥ずかしい目にあわされた。あれ以来、彼は全く私と顔を合わせようとしない。グローシアだって狙われていた。このままではミリア達や、クリフやクラークだってターゲットにされかねない。
一番可哀そうなのはマーリンだ。彼女は本来ならヒロインの親友として、もっと楽しい学園生活を送っている筈なんだ。それなのにモーガン先生に利用されて、クラスの皆から避けられて・・・。
(私はねぇ、モブなんだよモブ。皆は優しいから私なんかと友達で居てくれてるだけなんだよ。私が目立つのは、周りが煌びやかなだけで、私が持ってるのは家柄とそこそこ整った容姿と、ガリベンで維持してる成績だけ。要は悪目立ちしてるだけなんだよ。私を狙ったところで、何にも無いって言うのに・・・。あいつのせいで・・・。あいつが私に興味なんか持つから・・・。)
「・・・それもこれも上から下まで、ついでに右から左まで、全部、ぜ~んぶ、イーサンのせいだ!。」
「ど、どうされたのですか!?アリアナ様。」
うっかり怒りが声に出てた。
そんな私に皆は驚いた顔を向ける。
(あ)
しまった。
「すみません・・・。ちょっとイーサンの事を思い出してしまいました。」
(うう・・・恥ずかしい。)
「ライナス・イーサン・ベルフォートですか・・・。確かに、彼の存在は不気味ですね。闇の魔術は光の魔力が無いと対抗できませんし、彼の目的も良く分かりませんしね。」
ミリアが腕を組んで、顔をしかめた。良かった、私の奇行は取り合えず素通りして、いい具合に話が進んでく。
「アリアナ様に妙に絡んでくるのも気がかりですしねぇ・・・やっぱり闇の組織に指示されてるのでは?。」
いや、違う。イーサンは闇の組織と関係はあるが、属している訳ではない。彼も、闇の組織を嫌っている。厭いながら黙認しているのだ。
「それは無いと思いますよ。イーサンの能力は闇の組織の手に余ります。あいつは闇の組織に弱み握られて、手を貸してるだけの馬鹿なのです。」
苦々しくそう言うと、皆は呆気に取られた様子で私の方を見つめた。沈黙が続く。
「な、なんですか?」
あれっ?そんなに変な事言った?。私が戸惑っていると、ミリアが慌てた様に手を振った。
「い、いえ。アリアナ様がイーサンを普通の人間の様に言うので・・・。彼は、伝説級の闇の魔力の持ち主ですから、私などは怖くて仕方ないというか・・・。」
それを聞いて、ジョーが珍しくため息をつきながら気弱そうな声を出す。
「私だってそうよ・・・。前にアリアナ様がさらわれた時一度対峙したでしょ?。悔しいけど、ディーン様とクラーク様のシールドに守ってもらうだけで手も足も出なかったもん。リリーの光魔術が無かったらどうなっていたことか・・・。」
「そんなに凄い奴なのか?。」
訝し気に問うたクリフに、ミリアが両手を広げて首をふった。
「凄いなんて言葉じゃ言い表せませんわ。あんなのほぼ怪物よ。あの魔力量・・・あの場に居るだけで、身体が震えて・・・。そう言えばクリフ様はあの時いませんでしたものね。多分、ある程度の能力がある者でしたら、近くにいるだけで分かりますわ。魔力量の圧だけで押しつぶされそうでしたもの。」
「・・・そうか。」
そう言えばあの時、クリフは自分の領に戻ってたんだっけ。
それにしても、やっぱりイーサンの魔力は強いんだ。設定でもゲーム内最大級って書いてたもんなぁ。でも魔力量の圧って何?。イーサンとは3回会ったけど、そんなもん感じた事無いぞ。やっぱり私が魔力ゼロだから、感知する能力も無いってことなのかな?。
(どこまいってもモブだな私は、うん。)
そんな風に思っていると、突然クリフとミリアがビクッと身体を震わせ立ち上がった。
「伏せろっ!」
クリフが叫びながら、両手を前に出した。と同時にミリアが私を庇う様に抱きついてくる。
(え?)
ドガッ!
鈍い爆発音が響き、考える間もなく私達の周りは大きな炎に包まれた。
(もしかしたら二人にも精神魔術をかけようとしてるのか・・・ううん、二人の魔力は多分モーガン先生よりも強い。だから彼らに精神魔術をかける事は出来ないはず。)
モーガン先生の狙いは一体何なのだろう?。見た目だけで判断すれば、リリーとディーンを私達と引き離そうとしてるようだけど、ディーンとは生徒会で会えるわけだし・・・。
そこで、ふと思い出した。
『お前が目立つからだ。』
イーサンが言った言葉。
(ふ、ふっふっふ・・・)
なんだか笑えて来た。
(・・・狙いはマジで私なの・・・?。リリーは私の親友ので、しかも聖女候補。ディーンは一応私の婚約者。マーリンを利用して、私に揺さぶりをかけてるって事?。・・・モーガン先生って馬鹿なの?なんてくだらない・・・。)
最初はダンスパーティで女生徒達からの私への断罪。あの子達だって精神魔術をかけられたせいで、とんだとばっちりを受けたのだ。それにノエルにだって、私に告白などと言う恥ずかしい目にあわされた。あれ以来、彼は全く私と顔を合わせようとしない。グローシアだって狙われていた。このままではミリア達や、クリフやクラークだってターゲットにされかねない。
一番可哀そうなのはマーリンだ。彼女は本来ならヒロインの親友として、もっと楽しい学園生活を送っている筈なんだ。それなのにモーガン先生に利用されて、クラスの皆から避けられて・・・。
(私はねぇ、モブなんだよモブ。皆は優しいから私なんかと友達で居てくれてるだけなんだよ。私が目立つのは、周りが煌びやかなだけで、私が持ってるのは家柄とそこそこ整った容姿と、ガリベンで維持してる成績だけ。要は悪目立ちしてるだけなんだよ。私を狙ったところで、何にも無いって言うのに・・・。あいつのせいで・・・。あいつが私に興味なんか持つから・・・。)
「・・・それもこれも上から下まで、ついでに右から左まで、全部、ぜ~んぶ、イーサンのせいだ!。」
「ど、どうされたのですか!?アリアナ様。」
うっかり怒りが声に出てた。
そんな私に皆は驚いた顔を向ける。
(あ)
しまった。
「すみません・・・。ちょっとイーサンの事を思い出してしまいました。」
(うう・・・恥ずかしい。)
「ライナス・イーサン・ベルフォートですか・・・。確かに、彼の存在は不気味ですね。闇の魔術は光の魔力が無いと対抗できませんし、彼の目的も良く分かりませんしね。」
ミリアが腕を組んで、顔をしかめた。良かった、私の奇行は取り合えず素通りして、いい具合に話が進んでく。
「アリアナ様に妙に絡んでくるのも気がかりですしねぇ・・・やっぱり闇の組織に指示されてるのでは?。」
いや、違う。イーサンは闇の組織と関係はあるが、属している訳ではない。彼も、闇の組織を嫌っている。厭いながら黙認しているのだ。
「それは無いと思いますよ。イーサンの能力は闇の組織の手に余ります。あいつは闇の組織に弱み握られて、手を貸してるだけの馬鹿なのです。」
苦々しくそう言うと、皆は呆気に取られた様子で私の方を見つめた。沈黙が続く。
「な、なんですか?」
あれっ?そんなに変な事言った?。私が戸惑っていると、ミリアが慌てた様に手を振った。
「い、いえ。アリアナ様がイーサンを普通の人間の様に言うので・・・。彼は、伝説級の闇の魔力の持ち主ですから、私などは怖くて仕方ないというか・・・。」
それを聞いて、ジョーが珍しくため息をつきながら気弱そうな声を出す。
「私だってそうよ・・・。前にアリアナ様がさらわれた時一度対峙したでしょ?。悔しいけど、ディーン様とクラーク様のシールドに守ってもらうだけで手も足も出なかったもん。リリーの光魔術が無かったらどうなっていたことか・・・。」
「そんなに凄い奴なのか?。」
訝し気に問うたクリフに、ミリアが両手を広げて首をふった。
「凄いなんて言葉じゃ言い表せませんわ。あんなのほぼ怪物よ。あの魔力量・・・あの場に居るだけで、身体が震えて・・・。そう言えばクリフ様はあの時いませんでしたものね。多分、ある程度の能力がある者でしたら、近くにいるだけで分かりますわ。魔力量の圧だけで押しつぶされそうでしたもの。」
「・・・そうか。」
そう言えばあの時、クリフは自分の領に戻ってたんだっけ。
それにしても、やっぱりイーサンの魔力は強いんだ。設定でもゲーム内最大級って書いてたもんなぁ。でも魔力量の圧って何?。イーサンとは3回会ったけど、そんなもん感じた事無いぞ。やっぱり私が魔力ゼロだから、感知する能力も無いってことなのかな?。
(どこまいってもモブだな私は、うん。)
そんな風に思っていると、突然クリフとミリアがビクッと身体を震わせ立ち上がった。
「伏せろっ!」
クリフが叫びながら、両手を前に出した。と同時にミリアが私を庇う様に抱きついてくる。
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