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悲劇の悪役令嬢は回帰して王太子を人柱に
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✦ 7:00 AM~ 儀式の支度と観察の始まり
扉の向こうで、衣擦れの音が微かに響いた。修道士が一人、修道女を伴って部屋へと足を踏み入れる。
「リディア様。準備のお時間です」
無情な声で、視線を合わせることなく、事務的に告げられた。
神殿では、彼は末端の修道士にすぎなかった。
雑用係として、表立った仕事には関わっていなかったはずだ。
もし私が、前回とは違う行動や言動を取ってしまえば、これから起こる未来に影響が及ぶかもしれない。
そう考えた私は、慎重に、前回と同じ行動を繰り返すことにした。
私は彼に視線を向け、静かに頷いて立ち上がった。
その背に続き、神殿の準備室へと向かう。
すれ違う神官や修道女たちの顔ぶれも、前回と変わっていない。
廊下で二人の神官とすれ違う。
彼らは、すぐに視線を逸らした。きっと、これから人柱にされる聖女を哀れんでいるのだろう。彼らに恨みを買った覚えはないが、力を失った時点で私は皆のお荷物になった。誰からも必要とされていないのだ。
私は彼らを横目に見つつ、俯きがちに長い石の回廊を歩いた。
しばらく歩くと、飾り気のない大きな扉が見えてきた。そこは、儀式に先立って“人柱”の身支度を整えるための部屋だ。
扉の前には、警備の騎士が立っていた。
室内は整然としていて、姿見の鏡と椅子、小さなテーブルとシェルフだけが置かれていた。
壁は以前と同じく石造りで、どこまでも無機質な空間だった。
シェルフには、すでに儀式用の衣装が整えられていた。白装束は、肉感も血色も覆い隠すため、シンプルに作られている。首元から足先までを覆い、手首と足首には、金糸で刺繍が施されていた。
部屋には、準備を手伝うための修道女が二人待っていた。男性の修道士は姿を消し、彼女たちに促され儀式のための支度が始まった。
修道女たちはただ、与えられた役目をこなす。
私は黙って服を脱ぎ、白装束に袖を通す。
冷たい布地が肌に触れると、あの処刑の記憶がじわりとよみがえる。
続いて、髪を結われる。
手際よく、淡々とした手つきで長い髪がまとめられ、金の紐で留められた。白粉を薄く塗られ、頬にほんのり紅が差される。
私の顔色が悪く見えると、この儀式自体悲劇のように捉えられるからだ。
あくまで私は喜んで龍神のもとへ行くように見せるためだ。
彼女たちは祭壇に捧げる私という供物をきちんと整える。
感傷もなにもない。ただ、形式にのっとった手順で準備は進められた。
私は、彼女たちに悟られぬよう、静かに観察を始めていた。
この部屋に置かれた物、鏡に映る修道女の手つき、設置された窓の高さ、扉の鍵の構造、そして壁の厚さまで。
この空間の先に続く廊下の構造も、誰が警備に立っているかも、すべて記憶している。
窓からは、まだ柔らかな朝の光が差し込んでいた。
部屋の空気はひんやりと張り詰め、朝の静けさが重く漂っている。
このあと儀式までの数時間、私は“神に捧げられる者”として、定められたスケジュールに従って動く。その導線のすべてを、私は知っている。
誰がどこにいて、どの部屋に人が少ないかも余さず記憶している。
「終わりました。準備は整いました」
髪型の最終確認を終えた修道女が、静かに頭を下げる。 私は無表情のまま、小さく頷いた。
「ありがとう」
前回と同じく、落ち着いた調子でそう告げた。
誰にも気づかせない。誰にも悟らせない。私は、聖女として“ふさわしく”整えられた人柱。
だがその奥には、もう従う気のない意志がある。
彼女たちが部屋を出て行き、神官が迎えに来るまで、だいたい三十分ほど時間がある。
その間、私はこの部屋で、ひとりきりになる。
私は立ち上がり、扉の外に立つ警備の騎士に気取られぬよう、足音を殺して素早く歩く。
シェルフの上に置かれていたマントを手に取り、そっと羽織ってフードを深く被った。
その黒いマントは、足首まで届く長さがあり、私の姿を覆い隠してくれる。
扉に近づき、耳を当てて外の気配を探る。続けて魔力で蝶番を固定し、万一、誰かが扉を開けようとされても動かないよう細工を施す。
……そして、次の瞬間。
私は魔力を集中させ、空間を裂くようにして、この場から姿を消した。
次に足元が触れたのは、神殿内の帳簿管理室。
普段は事務員が行き交うこの場所も、今日は儀式の日とあって静まり返り誰もいない。
素早く奥の棚を押し動かすと、薄い壁板がわずかに軋んだ。そこには、人目につかぬように隠された小さな扉がある。
私はその中に身を滑り込ませ、扉を閉じた。
棚の奥に、それらは並んでいた。
不正な支出明細、帳簿に載っていない寄進の記録、神官と貴族の密約文書。
私はそれらをひとまとめにし、布に包んだ。かなり重たいが移動は数秒、その間だけ抱えられれば良い。
魔力を再び集中し、次に目を開いた時、そこは第一の目的地だった。
新聞社、正規報道機関。
ひんやりとした空気。窓際の記者が原稿を打つ手を止め、私の姿を見て目を見開いた。
「なっ……誰だ、あなた……っ?」
「急ぎで渡したいものがあります。情報ではなく、証拠です」
私はテーブルの上に資料を並べる。目に映る文字列に、記者の顔色がみるみる変わっていく。
「これは……神殿の帳簿……? 不正支出の明細……? これは……本物か?」
「あなたたちの正義が、本物なら。これを公にして」
記者は一瞬、息を呑み、そしてわずかに頷いた。
私はそれを確認すると、再び音もなく姿を消した。
二か所目、ゴシップ系出版社。ここはタブロイド紙を出している。
木の床が軋む音。散らかった原稿と煙草の匂いが立ちこめる部屋。
編集長らしき初老の男が、私を見て眉をひそめた。
「……なあに、あんた。役人じゃないなら帰んな」
「こちらをどうぞ。神官たちの裏の顔、読めばわかります」
私は書類の束を机に置いた。編集長が中身を覗き込むと、目つきが変わる。
「……この文書、どこで手に入れた?」
「これが世間に知られたら、大騒ぎになるでしょう。記事に掲載された雑誌は売れます」
「おい……これは……あんた、名前は?」
私は黙って首を振る。
「おもしれぇ。いいぜ、暴いてやろうじゃねえか。神の偽善ってやつをな」
彼の声を背に、姿を消した。
三か所目、革命軍義勇団本部。
石造りの地下の集会所。
詰所の警備の男が手にしたナイフをこちらに向ける。
「誰だ、お前は!」
「敵ではありません。渡したいものがあります」
私は封筒の束を床に置いた。青年がそれを拾い上げ、中を覗く。
奥の扉が開き、幹部と思しき女性が現れる。
「……これは……神殿と王室の癒着の証拠……?」
「どう使うかはお任せします。革命を起こして」
彼女は沈黙したまま資料に目を走らせた。
そして、わずかに眉をひそめる。
「……これを使えば、きっと血が流れるわよ」
彼女の声には、一瞬のためらいが滲んでいた。
だが、すぐにその目が据わる。
「……いいわ。預かる」
私は深く一礼し、その場から離れた。
……三十分。
たったそれだけの時間で、私は神殿の奥底に封じられていた真実を、外の世界へ解き放った。
全ては、儀式が始まる前に終わらせなければならなかった。
そして、私は再び神殿へと戻る。
あくまで、何も知らない“聖女”として。
私は全部を一か所に持ち込むのは危険だと考えていた。
神殿と王室の結びつきは根深く、権力によって“握り潰される”可能性がある。
一社に渡せば、その社が買収されたり、脅されたりすれば終わり。
だから私は、資料を三つに分けた。
一部は正規の新聞社へ。公正さと影響力はあるが、発行までに時間がかかる。
一部はスキャンダルにも躊躇しないタブロイド紙へ。即効性はあるが、信憑性に疑念を持たれやすい。
残りは、国家の構造そのものを変えようとする革命軍へ。公には出せずとも、動き出す力になる。
それぞれの思惑と速度、それぞれの価値観に従って、三方向から神殿を揺さぶる。
扉の向こうで、衣擦れの音が微かに響いた。修道士が一人、修道女を伴って部屋へと足を踏み入れる。
「リディア様。準備のお時間です」
無情な声で、視線を合わせることなく、事務的に告げられた。
神殿では、彼は末端の修道士にすぎなかった。
雑用係として、表立った仕事には関わっていなかったはずだ。
もし私が、前回とは違う行動や言動を取ってしまえば、これから起こる未来に影響が及ぶかもしれない。
そう考えた私は、慎重に、前回と同じ行動を繰り返すことにした。
私は彼に視線を向け、静かに頷いて立ち上がった。
その背に続き、神殿の準備室へと向かう。
すれ違う神官や修道女たちの顔ぶれも、前回と変わっていない。
廊下で二人の神官とすれ違う。
彼らは、すぐに視線を逸らした。きっと、これから人柱にされる聖女を哀れんでいるのだろう。彼らに恨みを買った覚えはないが、力を失った時点で私は皆のお荷物になった。誰からも必要とされていないのだ。
私は彼らを横目に見つつ、俯きがちに長い石の回廊を歩いた。
しばらく歩くと、飾り気のない大きな扉が見えてきた。そこは、儀式に先立って“人柱”の身支度を整えるための部屋だ。
扉の前には、警備の騎士が立っていた。
室内は整然としていて、姿見の鏡と椅子、小さなテーブルとシェルフだけが置かれていた。
壁は以前と同じく石造りで、どこまでも無機質な空間だった。
シェルフには、すでに儀式用の衣装が整えられていた。白装束は、肉感も血色も覆い隠すため、シンプルに作られている。首元から足先までを覆い、手首と足首には、金糸で刺繍が施されていた。
部屋には、準備を手伝うための修道女が二人待っていた。男性の修道士は姿を消し、彼女たちに促され儀式のための支度が始まった。
修道女たちはただ、与えられた役目をこなす。
私は黙って服を脱ぎ、白装束に袖を通す。
冷たい布地が肌に触れると、あの処刑の記憶がじわりとよみがえる。
続いて、髪を結われる。
手際よく、淡々とした手つきで長い髪がまとめられ、金の紐で留められた。白粉を薄く塗られ、頬にほんのり紅が差される。
私の顔色が悪く見えると、この儀式自体悲劇のように捉えられるからだ。
あくまで私は喜んで龍神のもとへ行くように見せるためだ。
彼女たちは祭壇に捧げる私という供物をきちんと整える。
感傷もなにもない。ただ、形式にのっとった手順で準備は進められた。
私は、彼女たちに悟られぬよう、静かに観察を始めていた。
この部屋に置かれた物、鏡に映る修道女の手つき、設置された窓の高さ、扉の鍵の構造、そして壁の厚さまで。
この空間の先に続く廊下の構造も、誰が警備に立っているかも、すべて記憶している。
窓からは、まだ柔らかな朝の光が差し込んでいた。
部屋の空気はひんやりと張り詰め、朝の静けさが重く漂っている。
このあと儀式までの数時間、私は“神に捧げられる者”として、定められたスケジュールに従って動く。その導線のすべてを、私は知っている。
誰がどこにいて、どの部屋に人が少ないかも余さず記憶している。
「終わりました。準備は整いました」
髪型の最終確認を終えた修道女が、静かに頭を下げる。 私は無表情のまま、小さく頷いた。
「ありがとう」
前回と同じく、落ち着いた調子でそう告げた。
誰にも気づかせない。誰にも悟らせない。私は、聖女として“ふさわしく”整えられた人柱。
だがその奥には、もう従う気のない意志がある。
彼女たちが部屋を出て行き、神官が迎えに来るまで、だいたい三十分ほど時間がある。
その間、私はこの部屋で、ひとりきりになる。
私は立ち上がり、扉の外に立つ警備の騎士に気取られぬよう、足音を殺して素早く歩く。
シェルフの上に置かれていたマントを手に取り、そっと羽織ってフードを深く被った。
その黒いマントは、足首まで届く長さがあり、私の姿を覆い隠してくれる。
扉に近づき、耳を当てて外の気配を探る。続けて魔力で蝶番を固定し、万一、誰かが扉を開けようとされても動かないよう細工を施す。
……そして、次の瞬間。
私は魔力を集中させ、空間を裂くようにして、この場から姿を消した。
次に足元が触れたのは、神殿内の帳簿管理室。
普段は事務員が行き交うこの場所も、今日は儀式の日とあって静まり返り誰もいない。
素早く奥の棚を押し動かすと、薄い壁板がわずかに軋んだ。そこには、人目につかぬように隠された小さな扉がある。
私はその中に身を滑り込ませ、扉を閉じた。
棚の奥に、それらは並んでいた。
不正な支出明細、帳簿に載っていない寄進の記録、神官と貴族の密約文書。
私はそれらをひとまとめにし、布に包んだ。かなり重たいが移動は数秒、その間だけ抱えられれば良い。
魔力を再び集中し、次に目を開いた時、そこは第一の目的地だった。
新聞社、正規報道機関。
ひんやりとした空気。窓際の記者が原稿を打つ手を止め、私の姿を見て目を見開いた。
「なっ……誰だ、あなた……っ?」
「急ぎで渡したいものがあります。情報ではなく、証拠です」
私はテーブルの上に資料を並べる。目に映る文字列に、記者の顔色がみるみる変わっていく。
「これは……神殿の帳簿……? 不正支出の明細……? これは……本物か?」
「あなたたちの正義が、本物なら。これを公にして」
記者は一瞬、息を呑み、そしてわずかに頷いた。
私はそれを確認すると、再び音もなく姿を消した。
二か所目、ゴシップ系出版社。ここはタブロイド紙を出している。
木の床が軋む音。散らかった原稿と煙草の匂いが立ちこめる部屋。
編集長らしき初老の男が、私を見て眉をひそめた。
「……なあに、あんた。役人じゃないなら帰んな」
「こちらをどうぞ。神官たちの裏の顔、読めばわかります」
私は書類の束を机に置いた。編集長が中身を覗き込むと、目つきが変わる。
「……この文書、どこで手に入れた?」
「これが世間に知られたら、大騒ぎになるでしょう。記事に掲載された雑誌は売れます」
「おい……これは……あんた、名前は?」
私は黙って首を振る。
「おもしれぇ。いいぜ、暴いてやろうじゃねえか。神の偽善ってやつをな」
彼の声を背に、姿を消した。
三か所目、革命軍義勇団本部。
石造りの地下の集会所。
詰所の警備の男が手にしたナイフをこちらに向ける。
「誰だ、お前は!」
「敵ではありません。渡したいものがあります」
私は封筒の束を床に置いた。青年がそれを拾い上げ、中を覗く。
奥の扉が開き、幹部と思しき女性が現れる。
「……これは……神殿と王室の癒着の証拠……?」
「どう使うかはお任せします。革命を起こして」
彼女は沈黙したまま資料に目を走らせた。
そして、わずかに眉をひそめる。
「……これを使えば、きっと血が流れるわよ」
彼女の声には、一瞬のためらいが滲んでいた。
だが、すぐにその目が据わる。
「……いいわ。預かる」
私は深く一礼し、その場から離れた。
……三十分。
たったそれだけの時間で、私は神殿の奥底に封じられていた真実を、外の世界へ解き放った。
全ては、儀式が始まる前に終わらせなければならなかった。
そして、私は再び神殿へと戻る。
あくまで、何も知らない“聖女”として。
私は全部を一か所に持ち込むのは危険だと考えていた。
神殿と王室の結びつきは根深く、権力によって“握り潰される”可能性がある。
一社に渡せば、その社が買収されたり、脅されたりすれば終わり。
だから私は、資料を三つに分けた。
一部は正規の新聞社へ。公正さと影響力はあるが、発行までに時間がかかる。
一部はスキャンダルにも躊躇しないタブロイド紙へ。即効性はあるが、信憑性に疑念を持たれやすい。
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