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オオワシでしたよね
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私とダンくんクマさんは、トートさんの呼び声に向かって走り、すぐに地下の転移魔法室に着いた。
狭い石室のような部屋の入り口にトートさんの背があり、その奥に二人の男性が見えた。異世界漫画でよく見るような正に魔法使いといったフード付きの制服を着ている。
バサバサと音がして黒い羽が空を舞った。
翼をばたつかせ、かぎ爪で床をひっかく、苦し気にのたうち回る大きな鳥がそこに居た。
「オオワシだ……」
テレビの映像でしか見たことのない、日本最大と言われる鳥。
黒い体に黄色いくちばし。足と尾、それから肩が白い、濡れたような漆黒の体に、白銀の輝くような白色が映え、神々しい美しさだった。けれどその目は苦痛に歪み、ときおり大きく口をあけ、痛みに首を振りたくっている。広げた羽は3メートルはあるだろう、見たことも無い大きさだった。
ブチブチとロープが切れるような嫌な音がした。
大鷲の翼の片方が、ありえない方向に曲がっていく、ねじられてこのままでは翼が切れる。
何も触れていないのに、見えない手がオオワシの翼を掴んで回転させているようだった。
トートさんが詠唱し魔法陣を出すと、翼のねじれは止まった。
その瞬間に、二人の魔法使いは驚愕の顔でトートさんを見上げた。
「魔法の効果速度を変えた、どうやったんです?」
「そんなことはどうでもいい! 解析はどこまで進んでいるんです?」
怒鳴るようにトートさんが聞くと、大鷲に手をかざす魔法使い2人は首を振る。彼らの額には汗がつたい、必死で大鷲の翼がねじれていくのを止めようとしているのが分った。どうやらオオワシに悪い魔法がかかっているようで、魔法使い達はそれを止めようとしている。
「属性が定まらないのです、単式の風魔法であるはずなのに、解除しても再発動する」
「咲さん、こちらに来て! ロー隊長はバッケル団長の体を固定してください!」
私が呼ばれてワシの近くに行くと、クマさんが後ろから抱え込むように、のたうち回るワシの体を固定した。
手をかざして聖女の力に集中すると、翼と体を繋げる骨と腱が切れているのが感じられた。
「咲さん、彼の損傷しているところを治療してください。私たちは彼にかけられた魔法を解除します。協力してバッケル団長を助けましょう」
質問したいことはあったけれど、トートさんと2人の魔法使いはオオワシに手をかざし、何かを探っている。彼らの集中を削ぐのは良くないと思い聞くのはやめた。今は翼の治癒に気持ちを向けた。
ヒュッと風が吹いて、またオオワシの翼がねじられていく。さっき治した肩の腱がまた切れる感覚に、思わず悲鳴を上げてしまった。こんなの激痛に決まってる。
ワシさんが渾身の力で叫ぶのを耐えているのが分った。凄い精神力だ、私なら痛みにきっと気絶してる。
「分かりました! 風ともう1つ組み込まれている、水属性だ。攻撃は内部、風はただの陽動です。」
トートさんが言うと魔法使いの2人は「まさか」「どうやって」と驚きながらも、そこからは外国語にしか聞こえない専門用語らしきものを3人は一斉に話し出した。トートさんと彼らは次々と詠唱して、小さな魔法陣をいくつも出していく。狭い部屋に起こっていたつむじ風は止み、それからしばらくして「できた」と1人が叫ぶと、同時に3人の魔法使いは床に倒れた。
石の床に倒れたままトートさんは肩で息をしている。
「魔法が解除できました。咲さん後はよろしく」
疲れた顔で微笑んだ。私のことを彼が信頼してくれているのが伝わった。
治療にはとても時間がかかった、細かな腱や神経が切れているところを繋いでいく。
目を閉じてひたすら集中していると、ワシさんの体は同じなのに、何かが変化した気配がした。不思議な感覚に目を開けると、そこには若い全裸の男性が横たわっていた。
「あ!」
私が驚きの叫びをあげようとした時、その場にいた3人の男性が発した大きな「あ」が同時に響いた。
私の癒しの力は、突然現れた全裸の男性に注がれている。その感覚はオオワシの時と変らない。だから私はこの男の人が、さっきまでここにいたオオワシと同じ人なのだと感覚で分かる。
オオワシさんがいきなり人間になった……どゆこと?
それにしても、思考が停止してしまうような超絶美形。
世界的バレー団のプリンシパルってこんな感じかな、スパーモデルのような顔に何ですかこの筋肉美は…… いや美しすぎて怖いんですけど。
イケメンのオーラが強すぎて直視できない、いや全裸ですからね、目のやり場には困ってますけれども……
クマさんが床に倒れたままの魔法使いの1人から、強引に上着を脱がせると、全裸美形男性の下半身に掛けた。
ありがとうクマさん、女子高生には非常に刺激が強かった。美形なのにもびっくりしたけど、正直そちらを見てしまったことも衝撃だった。
気を失っているオオワシだった男性に、また意識を集中させ癒しの力を注いでいく。いままで治療してきた中で最も力を使ったと感じた。少しめまいがしたが、彼の痛みを思うと早く治してあげたくて治療を続けた。ああやっと終わったと思った時、オオワシの彼が目を開いた。
「つばさ……は……ある?」
問いかけはとても小さくて、よく聞こえなかったので顔を近づけた。
金色の瞳は恐ろしい程に魅力的だったけれど、それよりもっと私の心を掴んだのは、彼の泣き出しそうな不安の色だった。
「つばさは切れてしまった? 感覚がな……い」
怖いよ、怖いよ、僕の翼はとれちゃったの? そう小さな男の子が泣き出しそうに聞いている気がした。
「大丈夫、翼はちゃんとある。切れたりしてないよ、君の体にちゃんと付いてる」
だらんと力なく垂れている、彼の腕を持ち上げてみせてあげた。
「また飛べる?」
姿は25歳くらいの成人男性なのに、今は不安でいっぱいの小さな男に子にしか見えなかった。たまらなくなって頭を繰り返し撫でた。
「飛べるよ大丈夫、大丈夫、心配しなくても大丈夫、ちゃんと治したからね」
腰まである長い黒髪には、両側に銀髪が一房ずつあった。黒い体の両肩に白銀色があったワシの姿を思い出して、やっぱりこの人はワシさんだと確信した。
「あり……が……とう」
安心した顔でふわっと微笑むと、金色の目は閉じられて彼は意識を手放した。かれに苦痛の表情が無いことに安心した時、くらっとめまいが来て、部屋の景色がぐるりと回転した。
「咲さん!」
大きなトートさんの声が聞こえて、あ、私の頭が床にぶつかる……とぼんやり思ったとき、クマさんの手に頭が支えられた。肉球がほっぺに当たりムニっとした感触に「へへっ」と笑ったところで私の目の前は真っ暗になった。
狭い石室のような部屋の入り口にトートさんの背があり、その奥に二人の男性が見えた。異世界漫画でよく見るような正に魔法使いといったフード付きの制服を着ている。
バサバサと音がして黒い羽が空を舞った。
翼をばたつかせ、かぎ爪で床をひっかく、苦し気にのたうち回る大きな鳥がそこに居た。
「オオワシだ……」
テレビの映像でしか見たことのない、日本最大と言われる鳥。
黒い体に黄色いくちばし。足と尾、それから肩が白い、濡れたような漆黒の体に、白銀の輝くような白色が映え、神々しい美しさだった。けれどその目は苦痛に歪み、ときおり大きく口をあけ、痛みに首を振りたくっている。広げた羽は3メートルはあるだろう、見たことも無い大きさだった。
ブチブチとロープが切れるような嫌な音がした。
大鷲の翼の片方が、ありえない方向に曲がっていく、ねじられてこのままでは翼が切れる。
何も触れていないのに、見えない手がオオワシの翼を掴んで回転させているようだった。
トートさんが詠唱し魔法陣を出すと、翼のねじれは止まった。
その瞬間に、二人の魔法使いは驚愕の顔でトートさんを見上げた。
「魔法の効果速度を変えた、どうやったんです?」
「そんなことはどうでもいい! 解析はどこまで進んでいるんです?」
怒鳴るようにトートさんが聞くと、大鷲に手をかざす魔法使い2人は首を振る。彼らの額には汗がつたい、必死で大鷲の翼がねじれていくのを止めようとしているのが分った。どうやらオオワシに悪い魔法がかかっているようで、魔法使い達はそれを止めようとしている。
「属性が定まらないのです、単式の風魔法であるはずなのに、解除しても再発動する」
「咲さん、こちらに来て! ロー隊長はバッケル団長の体を固定してください!」
私が呼ばれてワシの近くに行くと、クマさんが後ろから抱え込むように、のたうち回るワシの体を固定した。
手をかざして聖女の力に集中すると、翼と体を繋げる骨と腱が切れているのが感じられた。
「咲さん、彼の損傷しているところを治療してください。私たちは彼にかけられた魔法を解除します。協力してバッケル団長を助けましょう」
質問したいことはあったけれど、トートさんと2人の魔法使いはオオワシに手をかざし、何かを探っている。彼らの集中を削ぐのは良くないと思い聞くのはやめた。今は翼の治癒に気持ちを向けた。
ヒュッと風が吹いて、またオオワシの翼がねじられていく。さっき治した肩の腱がまた切れる感覚に、思わず悲鳴を上げてしまった。こんなの激痛に決まってる。
ワシさんが渾身の力で叫ぶのを耐えているのが分った。凄い精神力だ、私なら痛みにきっと気絶してる。
「分かりました! 風ともう1つ組み込まれている、水属性だ。攻撃は内部、風はただの陽動です。」
トートさんが言うと魔法使いの2人は「まさか」「どうやって」と驚きながらも、そこからは外国語にしか聞こえない専門用語らしきものを3人は一斉に話し出した。トートさんと彼らは次々と詠唱して、小さな魔法陣をいくつも出していく。狭い部屋に起こっていたつむじ風は止み、それからしばらくして「できた」と1人が叫ぶと、同時に3人の魔法使いは床に倒れた。
石の床に倒れたままトートさんは肩で息をしている。
「魔法が解除できました。咲さん後はよろしく」
疲れた顔で微笑んだ。私のことを彼が信頼してくれているのが伝わった。
治療にはとても時間がかかった、細かな腱や神経が切れているところを繋いでいく。
目を閉じてひたすら集中していると、ワシさんの体は同じなのに、何かが変化した気配がした。不思議な感覚に目を開けると、そこには若い全裸の男性が横たわっていた。
「あ!」
私が驚きの叫びをあげようとした時、その場にいた3人の男性が発した大きな「あ」が同時に響いた。
私の癒しの力は、突然現れた全裸の男性に注がれている。その感覚はオオワシの時と変らない。だから私はこの男の人が、さっきまでここにいたオオワシと同じ人なのだと感覚で分かる。
オオワシさんがいきなり人間になった……どゆこと?
それにしても、思考が停止してしまうような超絶美形。
世界的バレー団のプリンシパルってこんな感じかな、スパーモデルのような顔に何ですかこの筋肉美は…… いや美しすぎて怖いんですけど。
イケメンのオーラが強すぎて直視できない、いや全裸ですからね、目のやり場には困ってますけれども……
クマさんが床に倒れたままの魔法使いの1人から、強引に上着を脱がせると、全裸美形男性の下半身に掛けた。
ありがとうクマさん、女子高生には非常に刺激が強かった。美形なのにもびっくりしたけど、正直そちらを見てしまったことも衝撃だった。
気を失っているオオワシだった男性に、また意識を集中させ癒しの力を注いでいく。いままで治療してきた中で最も力を使ったと感じた。少しめまいがしたが、彼の痛みを思うと早く治してあげたくて治療を続けた。ああやっと終わったと思った時、オオワシの彼が目を開いた。
「つばさ……は……ある?」
問いかけはとても小さくて、よく聞こえなかったので顔を近づけた。
金色の瞳は恐ろしい程に魅力的だったけれど、それよりもっと私の心を掴んだのは、彼の泣き出しそうな不安の色だった。
「つばさは切れてしまった? 感覚がな……い」
怖いよ、怖いよ、僕の翼はとれちゃったの? そう小さな男の子が泣き出しそうに聞いている気がした。
「大丈夫、翼はちゃんとある。切れたりしてないよ、君の体にちゃんと付いてる」
だらんと力なく垂れている、彼の腕を持ち上げてみせてあげた。
「また飛べる?」
姿は25歳くらいの成人男性なのに、今は不安でいっぱいの小さな男に子にしか見えなかった。たまらなくなって頭を繰り返し撫でた。
「飛べるよ大丈夫、大丈夫、心配しなくても大丈夫、ちゃんと治したからね」
腰まである長い黒髪には、両側に銀髪が一房ずつあった。黒い体の両肩に白銀色があったワシの姿を思い出して、やっぱりこの人はワシさんだと確信した。
「あり……が……とう」
安心した顔でふわっと微笑むと、金色の目は閉じられて彼は意識を手放した。かれに苦痛の表情が無いことに安心した時、くらっとめまいが来て、部屋の景色がぐるりと回転した。
「咲さん!」
大きなトートさんの声が聞こえて、あ、私の頭が床にぶつかる……とぼんやり思ったとき、クマさんの手に頭が支えられた。肉球がほっぺに当たりムニっとした感触に「へへっ」と笑ったところで私の目の前は真っ暗になった。
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