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第5話:最後のお披露目会
「もう大丈夫ですよ」
「ありがとうございます! アズライト様! レムリ様!」
そのお願いは、娘さんの顔の火傷を治してほしいとのことでした。
とても酷い痕でしたが、アズライト様は綺麗に治してあげたのです。隣で見ていて、誇らしい気持ちになりました。凄いです!
しかし、その噂を聞いて、一人、また一人とお願いが舞い込んできました。
それでもアズライト様は、嫌な顔一つせずに笑顔でわかりましたと治療していきました。
治癒魔法、アズライト様は治癒魔術だと思いますが、扱える人は非常に稀なのです。
それに、本来であれば高額な費用がかかってしまいます。だけど、アズライト様は一銭も頂きません。
わかりました。これが、無欲(アンセェルフィシュ)の魔術師、アズライト・ウィズアート様なのです!
アイスクリィムのお姉さまの家をお借りして、私たちは何人もの方を癒しました。
といっても、私は大したことをしておりません。
しかし、こんな私でも簡単な治療が出来ると知りました。転移魔法は使えませんが、アズライト様の魔力をお借りすることで、同系統の魔力の方であれば力になれるみたいです。
本当に……幸せな気持ちでいっぱいでした。
時間が経ち日が暮れたので、私たちは城へ戻ることにしました。
大切な客人であるアズライト様にこんなことをさせていることが貴族たちにバレれば、国民の方々が罪を背負う可能性があります。なので、黙っておくようにとアズライト様は言っていました。
明日もアズライト様は皆を看てあげるそうなので、私も着いて行きますと約束しています!。
「お疲れ様。凄かったね」
「はい、大勢の方が来てくれました。アズライトの魔術は素晴らしいです!」
「違う、君のことだよ」
「私ですか? 何もしていませんが……」
アズライト様は、首を横に振りました。わけがわかりません。
「君は公爵令嬢と言う身分でありながら、分け隔てない心を持ってる。それに私も気づいていたが、彼らは最初、君をあまり良い目で見てないだろう。治療が終わって手の平返しをされても、君は喜んでそれを受け入れる。そんなこと、誰にでもできるわけじゃない」
「そんな……私はただ、この国の方々を愛しているのです。それに、役に立っていることが分かって嬉しかったのです」
その翌日も、アズライト様は大勢の方を治療しました。
「アズライト様、ありがとうございます。それに――レムリ様。私は勘違いしていました。あなたは大変すばらしいお方です。皆も、そう言っています」
「俺……勘違いしてました。レムリ様、転移魔法が使えなくなったと聞きました。どうか、無理なさらずに……」
「レムリ様、何かあれば私で良ければ言ってください。何でも、本当に何でもします」
アズライト様だけではなく、国民の方々は私にも感謝の言葉を述べてくれました。
こんなに嬉しいことはありません。最後の日まで、私はアズライト様と大勢の方を治療しました。
そして、七日目――。
アズライト様が、ラズリー王国にお帰りになる日です。同時に、私が城を追放される日でもありました。最後にアズライト様は、強固な防御魔法をオストラバ王国に掛けてくださいました。
凄まじい光魔法が国全体に広がったときは、国民の歓声上がったほどです。
私としても、最高の一週間を過ごすことが出来ました。
改めてお礼を言いたかったのですが、アズライト様はお忙しいみたいでした。
オストラバ王国の宮廷魔術師たちに注意事項や、魔物対策の説明をしているそうです。
私は、特にやることがありませんでした。
自室に引きこもり、この幸せな七日間を思い返すだけです。
しかし夜になっても、私の部屋には誰も訪れませんでした。
ここから出ていけと、誰かに言われるはずだったのですが――そのとき、扉が開きました。
「レムリ様!」
「アクア……まさかあなたに出て行けと頼むなんて、最後まであの二人は私の精神を追いつめたいのね……。だけど、アクアと久しぶりに会えて嬉しい」
アクアは、私の専属のメイドでした。とても可愛らしい声と三つ編みが似合う女性です。
けれども、色々とあってから随分と会えていなかったのです。
「レムリ様、違います……。ノヴェル王太子が、最後にレムリ様にお披露目会に出ろと……また、アズライト・ヴィズアード様もご出席されてから帰国するそうです」
「なんですって……」
すっかり忘れていましたが、今日は婚姻前のお披露目会でした。ですが、王太子妃は私ではありません。そのことは王国内で認知されていますが、各国の権力者、地方の領主様にはまだ知られていないはず。
それをお伝えするのでしょう。ということは、私の父と義母も招待されているに違いありません。
それを最後に見届けろと……。
「しかしレムリ様、私はお伝えに来ただけではありません」
「どういうことですか? アクア」
「こんなところ、今すぐ逃げ出しましょう! 私はずっと腹が立っていました。転移魔法の連続使用を強要させ、レムリ様のご負担を考えずに何度も……あろうことか、魔法が使えなくなったからといって、あのエリアス様を王太子妃にだなんて! こんな国、二人で捨ててやりましょう!」
私は驚きました。アクアは、十歳でここへ来た私に心から優しく接してくださいました。
公爵家生まれでありながら私は至らない点が多く、足りない作法のすべてをアクアから学んだのです。
王国内での食事の作法、お辞儀の角度、夜中に小腹が空いたときのコックへのご機嫌の取り方など、上げるとキリがないのです。
それだけに、申し訳ないのです。ましてや、一緒に逃げるだなんて。
「アクア、お気持ちは嬉しいのだけど、それはダメよ。あなたはここに残るの。それに、私は逃げない」
「もしかして……出られるおつもりですか!?」
「私のドレスを持ってきてもらえる?」
「そんな……公の場で、ノヴェル王太子はレムリ様を辱めようとしているだけですよ! レムリ様はなんの落ち度もございません! そんなこと、私が許しませぬ!」
私は、嬉しくて嬉しくて、涙を流しながらアクアを抱きしめました。
そして、この一週間の出来事を包み隠さず話しました。
身投げしようとしたこと、アズライト様に助けてもらったこと、心の想いもすべて……。
アクアは最後までじっくりと話しを聞いてくださり、応援すると言ってくれました。
「ありがとう、アクア。私の心の内を話せるのは、あなただけだわ」
「とんでもございません。私は何もできませんでしたから……」
アクアは、ずっと私を気遣ってくれていたのです。転移魔法を今すぐにでも辞めさせてくださいと、クビを覚悟でノヴェル王太子に言いました。ただのメイドがそんなことを許されるはずがありません。
それ以来、私とは会えなくなってしまっていたのです。
しかし、私がハッキリと転移魔法は使いたくないとノヴェル王太子に断らなかったのが一番の原因です。
すべては私の責任なのです。
「ありがとう。だけど、私は最後までレムリ・アンシード公爵令嬢としての責務を果たします」
「レムリ様……わかりました。私がレムリ様の魅力を最大限に引き出します。皆に見せつけてやりましょう! それに、アズライト様に見てもらいたいです。レムリ様がどれだけ可愛いのかを!」
「ええ、頼んだわ。アクア」
「ありがとうございます! アズライト様! レムリ様!」
そのお願いは、娘さんの顔の火傷を治してほしいとのことでした。
とても酷い痕でしたが、アズライト様は綺麗に治してあげたのです。隣で見ていて、誇らしい気持ちになりました。凄いです!
しかし、その噂を聞いて、一人、また一人とお願いが舞い込んできました。
それでもアズライト様は、嫌な顔一つせずに笑顔でわかりましたと治療していきました。
治癒魔法、アズライト様は治癒魔術だと思いますが、扱える人は非常に稀なのです。
それに、本来であれば高額な費用がかかってしまいます。だけど、アズライト様は一銭も頂きません。
わかりました。これが、無欲(アンセェルフィシュ)の魔術師、アズライト・ウィズアート様なのです!
アイスクリィムのお姉さまの家をお借りして、私たちは何人もの方を癒しました。
といっても、私は大したことをしておりません。
しかし、こんな私でも簡単な治療が出来ると知りました。転移魔法は使えませんが、アズライト様の魔力をお借りすることで、同系統の魔力の方であれば力になれるみたいです。
本当に……幸せな気持ちでいっぱいでした。
時間が経ち日が暮れたので、私たちは城へ戻ることにしました。
大切な客人であるアズライト様にこんなことをさせていることが貴族たちにバレれば、国民の方々が罪を背負う可能性があります。なので、黙っておくようにとアズライト様は言っていました。
明日もアズライト様は皆を看てあげるそうなので、私も着いて行きますと約束しています!。
「お疲れ様。凄かったね」
「はい、大勢の方が来てくれました。アズライトの魔術は素晴らしいです!」
「違う、君のことだよ」
「私ですか? 何もしていませんが……」
アズライト様は、首を横に振りました。わけがわかりません。
「君は公爵令嬢と言う身分でありながら、分け隔てない心を持ってる。それに私も気づいていたが、彼らは最初、君をあまり良い目で見てないだろう。治療が終わって手の平返しをされても、君は喜んでそれを受け入れる。そんなこと、誰にでもできるわけじゃない」
「そんな……私はただ、この国の方々を愛しているのです。それに、役に立っていることが分かって嬉しかったのです」
その翌日も、アズライト様は大勢の方を治療しました。
「アズライト様、ありがとうございます。それに――レムリ様。私は勘違いしていました。あなたは大変すばらしいお方です。皆も、そう言っています」
「俺……勘違いしてました。レムリ様、転移魔法が使えなくなったと聞きました。どうか、無理なさらずに……」
「レムリ様、何かあれば私で良ければ言ってください。何でも、本当に何でもします」
アズライト様だけではなく、国民の方々は私にも感謝の言葉を述べてくれました。
こんなに嬉しいことはありません。最後の日まで、私はアズライト様と大勢の方を治療しました。
そして、七日目――。
アズライト様が、ラズリー王国にお帰りになる日です。同時に、私が城を追放される日でもありました。最後にアズライト様は、強固な防御魔法をオストラバ王国に掛けてくださいました。
凄まじい光魔法が国全体に広がったときは、国民の歓声上がったほどです。
私としても、最高の一週間を過ごすことが出来ました。
改めてお礼を言いたかったのですが、アズライト様はお忙しいみたいでした。
オストラバ王国の宮廷魔術師たちに注意事項や、魔物対策の説明をしているそうです。
私は、特にやることがありませんでした。
自室に引きこもり、この幸せな七日間を思い返すだけです。
しかし夜になっても、私の部屋には誰も訪れませんでした。
ここから出ていけと、誰かに言われるはずだったのですが――そのとき、扉が開きました。
「レムリ様!」
「アクア……まさかあなたに出て行けと頼むなんて、最後まであの二人は私の精神を追いつめたいのね……。だけど、アクアと久しぶりに会えて嬉しい」
アクアは、私の専属のメイドでした。とても可愛らしい声と三つ編みが似合う女性です。
けれども、色々とあってから随分と会えていなかったのです。
「レムリ様、違います……。ノヴェル王太子が、最後にレムリ様にお披露目会に出ろと……また、アズライト・ヴィズアード様もご出席されてから帰国するそうです」
「なんですって……」
すっかり忘れていましたが、今日は婚姻前のお披露目会でした。ですが、王太子妃は私ではありません。そのことは王国内で認知されていますが、各国の権力者、地方の領主様にはまだ知られていないはず。
それをお伝えするのでしょう。ということは、私の父と義母も招待されているに違いありません。
それを最後に見届けろと……。
「しかしレムリ様、私はお伝えに来ただけではありません」
「どういうことですか? アクア」
「こんなところ、今すぐ逃げ出しましょう! 私はずっと腹が立っていました。転移魔法の連続使用を強要させ、レムリ様のご負担を考えずに何度も……あろうことか、魔法が使えなくなったからといって、あのエリアス様を王太子妃にだなんて! こんな国、二人で捨ててやりましょう!」
私は驚きました。アクアは、十歳でここへ来た私に心から優しく接してくださいました。
公爵家生まれでありながら私は至らない点が多く、足りない作法のすべてをアクアから学んだのです。
王国内での食事の作法、お辞儀の角度、夜中に小腹が空いたときのコックへのご機嫌の取り方など、上げるとキリがないのです。
それだけに、申し訳ないのです。ましてや、一緒に逃げるだなんて。
「アクア、お気持ちは嬉しいのだけど、それはダメよ。あなたはここに残るの。それに、私は逃げない」
「もしかして……出られるおつもりですか!?」
「私のドレスを持ってきてもらえる?」
「そんな……公の場で、ノヴェル王太子はレムリ様を辱めようとしているだけですよ! レムリ様はなんの落ち度もございません! そんなこと、私が許しませぬ!」
私は、嬉しくて嬉しくて、涙を流しながらアクアを抱きしめました。
そして、この一週間の出来事を包み隠さず話しました。
身投げしようとしたこと、アズライト様に助けてもらったこと、心の想いもすべて……。
アクアは最後までじっくりと話しを聞いてくださり、応援すると言ってくれました。
「ありがとう、アクア。私の心の内を話せるのは、あなただけだわ」
「とんでもございません。私は何もできませんでしたから……」
アクアは、ずっと私を気遣ってくれていたのです。転移魔法を今すぐにでも辞めさせてくださいと、クビを覚悟でノヴェル王太子に言いました。ただのメイドがそんなことを許されるはずがありません。
それ以来、私とは会えなくなってしまっていたのです。
しかし、私がハッキリと転移魔法は使いたくないとノヴェル王太子に断らなかったのが一番の原因です。
すべては私の責任なのです。
「ありがとう。だけど、私は最後までレムリ・アンシード公爵令嬢としての責務を果たします」
「レムリ様……わかりました。私がレムリ様の魅力を最大限に引き出します。皆に見せつけてやりましょう! それに、アズライト様に見てもらいたいです。レムリ様がどれだけ可愛いのかを!」
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