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33話
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最悪の状況だ…
目の前には七英雄が2人立っている。ゼギウス様はまだドラルの城から出発していなければマルスと対峙する予定だ。だからゼギウス様がここに来る可能性はない。
最悪、マルスがここに現れた場合も想定してマルスに大剣を触らせてゼギウス様に合図を送り合流を早めることも考えていたが、その上を行かれた。
マルスがここに居ない以上、メナドールの元にマルスが居ることになりゼギウスはそこに向かわざるを得ない。
まさか、残りの七英雄2人も皇国内に居るとは…私の情報も操作されていたようだ。
流石は七英雄。目立つ存在は情報収集が楽だと少し侮っていた。まさか、帝国を拠点としている七英雄も集めるとはマルスの厄介さが窺える。
「まったく何でおいらたちがこんなことしなきゃいけないんだか……」
そう各パーツを含め全体的に丸っとした男性がそう言う。口調はおっとりしているが両の手についた血がそれを否定している。《暴食の食いしん坊》ハンリル・G・グラだ。
「文句は後にしな。今はさっさと仕事を終わらせるよ」
今度はスラッとした細身で高い身長に片目を青い髪で隠している女性がそう言う。後ろ髪はヘアゴムで結っているが毛先が纏まっておらず邪魔な毛を縛っただけのようだ。面倒くさがりと言うべきか雑と言うべきかその女性の性格が出ている。《強欲な盗賊》シンシア・G・シアンだ。
戦って勝てる相手ではないが、味方ではない以上どうにかするしかない。正直、時間稼ぎもできる気がしない。
「何故殺した?」
この状況を理解できていないのか、己の思ったままにそうルルが疑問を口にする。やるせない気持ちなのは分かるが、今は抑えてほしい。
「何故って、そりゃもういらないからに決まってるでしょ。こんな口が軽ければ何の役にも立たない女たちなんて利用価値が消えれば捨てる、当然のことさ。あー、その目、自分で止めを刺したかったってやつだね。ごめん、ごめん」
ルルと話している感じ敵意を感じない。だが、ここに来た目的が旧王国の王族でこのタイミングということは私たちも目的に含まれているのは間違いない。
それでも交渉する価値はある。戦うよりかは生存確率が高い。
「ルル様もララ様も少し控えてください」
余計なことを言わないようにそう釘を刺し、2人が頷くのを確認してから交渉を始める。
「私たちを見逃がしてはくれないでしょうか?勿論、見返りは今から交渉ということになりますが」
七英雄同士だから主従の関係ではないはずだ。だから自分に利の多い方に傾く。
「ふーん、アンタがゼギウスの使ってる闇商人か。アンタがアタイ専属になるならアンタは生かしてあげる。どうよ」
「話になりませんね。自分の命とゼギウス様に対する忠誠心が同じ天秤に載る筈もありません。ですが、ララ様とルル様の命を助けていただけるなら考えましょう」
私たちはゼギウス様が来る明日まで生き残ることだけを考えていればいい。だが、ゼギウス様を裏切ることだけは絶対にできない。そんなことをするくらいなら死を選ぶ。
そう言いたいが、ララとルルを自分の我が儘に付き合わせることはできない。
「いや、止めとくよ。アンタはゼギウス以外に仕えない。商人ならもう少し目の輝きを抑えな」
「ご忠告ありがとうございます」
どうやら私たちを殺す気はないようだが、逃がす気もない。そうなると残るは人質か。
「シアンー、おいらお腹空いた。早く帰ろうよー」
「そんなに帰りたいなら残りはアタイがやっとくから1人で帰りな。アタイはゼギウスに会ってからにするからさ」
「ゼギウス!?ゼギウスに会えるの?また戦いたいなー。ゼギウスの魔力は美味しいんだよねー」
「はぁ…グラ、仕事の内容は把握しとけっていつも言ってるでしょ。そんなんだから1人でいい仕事にアタイまで駆り出されるんだよ」
そうシアンがグラに軽く蹴りを入れるとグラの全身が波打つ。
いくらゼギウス様と言えど七英雄3人を相手にするのは厳しい。そこに私たちという人質を取られては、勝ち目はない。
だからどうにかしなければならないが、この2人の望むものが何か分からなければ交渉にもならない。しかし、それを熟考する時間もないときた。
それでもある程度、生存の保証がされているだけ有難いか。
仕方がない。ゼギウス様には怒られるだろうが、1つだけこの2人も交渉に持ち込める可能性のあるものがある。それを使うしかない。
「いつだったかは覚えていませんが、ゼギウス様に七英雄は強者と戦うことに喜びを覚えると聞いたことがあります。それでよくゼギウス様に皆様が挑んでいたとも。ですが、ゼギウス様と本気で戦ったことはないそうですね。とりわけ御2人はそれを望んでいるとか」
「回りくどい話はいらないよ。その見返りでアタイたちに何を望むのさ」
乗ってきた。やはりこの提案には興味があるようだ。
「御2人の立場と信用もあるでしょうし私がその場を用意すると言ってもここで約束できるのは口だけです。なので人質にはなりましょう。ですが、ゼギウス様とマルス様の戦いには干渉しないということで如何でしょうか?」
口元に手を当てシアンは考えるようにしている。対してグラはお腹を手で抑えながら辺りを見回していた。お腹が空いているのだろう、暴食らしい行動だ。
グラの反応はどうでもいいが、シアンの反応には手応えがある。取引内容としては上々だが、私がそれを提供できる確率とシアンを裏切ることに対するリスクを天秤に掛けているのだろう。この提案に興味がなければすぐに断っているはずだ。
「そうだねー、アタイたちは別にゼギウスと敵対したい訳じゃないから乗ってもいいんだけど、もしゼギウスがマルスに負けたらアタイたちは立場がなくなる。そこのところはどう考えてるのさ」
「ゼギウス様が嫉妬様に負けるとお考えなのですか?」
正直、ある程度のリスクは仕方がないと納得してもらいたいところだが、この圧倒的に優位を握られている状況ではそこも補填しなければならない。だが、補填できるような提案はない。
「それだけゼギウスを信頼してるのかマルスを見くびってるのかはどうでもいいけど、マルスは強いよ。単純な魔力量、スキルだとゼギウスの方が上さ。だけど事、迎え撃つことに関しては七英雄で1番強いよ」
自分の事を1番強いと思っている七英雄がハッキリとそう認めるということはそれだけ実力に差があるということ。それなら尚更、引き下がる訳にはいかない。
「でしたらゼギウス様が負けた場合、私の全てを差し出します。私自身は勿論の事、人脈や情報、拠点、その他も全て差し出すということでどうでしょうか?」
「自分の保身も兼ねてる…っていう訳じゃなさそうだね。まぁ、マルスの力を知らないアンタがどれだけ言おうと天秤は傾かないけど、その心意気は好きだよ。グラ、アンタはどうしたい?」
そうシアンはグラに問いかける。シアンは納得したようだ。
おそらくマルスはこの2人が裏切る可能性も想定している。それを超えるには2人ともが話に乗らなければ話にもならないということ。だからグラの説得も絶対条件だ。
そう頭をグラの説得へと切り替える。
「おいらはゼギウスと戦いたいな。もしゼギウスが負けてもマルスと戦える。どっちでも美味しいよ」
「そうだね。いいよ、その交渉に乗ってあげる」
ひとまず死線を1つ越えたことに安堵して「ふぅ」と息が漏れる。それはララもルルも同じようで「はぁ…」と疲れたように座り込んでしまう。
しかし、一休みする間もなく後ろで手を組まされて縄で縛られる。更に目隠しもされ、どこかへ連れて行かれた。
目の前には七英雄が2人立っている。ゼギウス様はまだドラルの城から出発していなければマルスと対峙する予定だ。だからゼギウス様がここに来る可能性はない。
最悪、マルスがここに現れた場合も想定してマルスに大剣を触らせてゼギウス様に合図を送り合流を早めることも考えていたが、その上を行かれた。
マルスがここに居ない以上、メナドールの元にマルスが居ることになりゼギウスはそこに向かわざるを得ない。
まさか、残りの七英雄2人も皇国内に居るとは…私の情報も操作されていたようだ。
流石は七英雄。目立つ存在は情報収集が楽だと少し侮っていた。まさか、帝国を拠点としている七英雄も集めるとはマルスの厄介さが窺える。
「まったく何でおいらたちがこんなことしなきゃいけないんだか……」
そう各パーツを含め全体的に丸っとした男性がそう言う。口調はおっとりしているが両の手についた血がそれを否定している。《暴食の食いしん坊》ハンリル・G・グラだ。
「文句は後にしな。今はさっさと仕事を終わらせるよ」
今度はスラッとした細身で高い身長に片目を青い髪で隠している女性がそう言う。後ろ髪はヘアゴムで結っているが毛先が纏まっておらず邪魔な毛を縛っただけのようだ。面倒くさがりと言うべきか雑と言うべきかその女性の性格が出ている。《強欲な盗賊》シンシア・G・シアンだ。
戦って勝てる相手ではないが、味方ではない以上どうにかするしかない。正直、時間稼ぎもできる気がしない。
「何故殺した?」
この状況を理解できていないのか、己の思ったままにそうルルが疑問を口にする。やるせない気持ちなのは分かるが、今は抑えてほしい。
「何故って、そりゃもういらないからに決まってるでしょ。こんな口が軽ければ何の役にも立たない女たちなんて利用価値が消えれば捨てる、当然のことさ。あー、その目、自分で止めを刺したかったってやつだね。ごめん、ごめん」
ルルと話している感じ敵意を感じない。だが、ここに来た目的が旧王国の王族でこのタイミングということは私たちも目的に含まれているのは間違いない。
それでも交渉する価値はある。戦うよりかは生存確率が高い。
「ルル様もララ様も少し控えてください」
余計なことを言わないようにそう釘を刺し、2人が頷くのを確認してから交渉を始める。
「私たちを見逃がしてはくれないでしょうか?勿論、見返りは今から交渉ということになりますが」
七英雄同士だから主従の関係ではないはずだ。だから自分に利の多い方に傾く。
「ふーん、アンタがゼギウスの使ってる闇商人か。アンタがアタイ専属になるならアンタは生かしてあげる。どうよ」
「話になりませんね。自分の命とゼギウス様に対する忠誠心が同じ天秤に載る筈もありません。ですが、ララ様とルル様の命を助けていただけるなら考えましょう」
私たちはゼギウス様が来る明日まで生き残ることだけを考えていればいい。だが、ゼギウス様を裏切ることだけは絶対にできない。そんなことをするくらいなら死を選ぶ。
そう言いたいが、ララとルルを自分の我が儘に付き合わせることはできない。
「いや、止めとくよ。アンタはゼギウス以外に仕えない。商人ならもう少し目の輝きを抑えな」
「ご忠告ありがとうございます」
どうやら私たちを殺す気はないようだが、逃がす気もない。そうなると残るは人質か。
「シアンー、おいらお腹空いた。早く帰ろうよー」
「そんなに帰りたいなら残りはアタイがやっとくから1人で帰りな。アタイはゼギウスに会ってからにするからさ」
「ゼギウス!?ゼギウスに会えるの?また戦いたいなー。ゼギウスの魔力は美味しいんだよねー」
「はぁ…グラ、仕事の内容は把握しとけっていつも言ってるでしょ。そんなんだから1人でいい仕事にアタイまで駆り出されるんだよ」
そうシアンがグラに軽く蹴りを入れるとグラの全身が波打つ。
いくらゼギウス様と言えど七英雄3人を相手にするのは厳しい。そこに私たちという人質を取られては、勝ち目はない。
だからどうにかしなければならないが、この2人の望むものが何か分からなければ交渉にもならない。しかし、それを熟考する時間もないときた。
それでもある程度、生存の保証がされているだけ有難いか。
仕方がない。ゼギウス様には怒られるだろうが、1つだけこの2人も交渉に持ち込める可能性のあるものがある。それを使うしかない。
「いつだったかは覚えていませんが、ゼギウス様に七英雄は強者と戦うことに喜びを覚えると聞いたことがあります。それでよくゼギウス様に皆様が挑んでいたとも。ですが、ゼギウス様と本気で戦ったことはないそうですね。とりわけ御2人はそれを望んでいるとか」
「回りくどい話はいらないよ。その見返りでアタイたちに何を望むのさ」
乗ってきた。やはりこの提案には興味があるようだ。
「御2人の立場と信用もあるでしょうし私がその場を用意すると言ってもここで約束できるのは口だけです。なので人質にはなりましょう。ですが、ゼギウス様とマルス様の戦いには干渉しないということで如何でしょうか?」
口元に手を当てシアンは考えるようにしている。対してグラはお腹を手で抑えながら辺りを見回していた。お腹が空いているのだろう、暴食らしい行動だ。
グラの反応はどうでもいいが、シアンの反応には手応えがある。取引内容としては上々だが、私がそれを提供できる確率とシアンを裏切ることに対するリスクを天秤に掛けているのだろう。この提案に興味がなければすぐに断っているはずだ。
「そうだねー、アタイたちは別にゼギウスと敵対したい訳じゃないから乗ってもいいんだけど、もしゼギウスがマルスに負けたらアタイたちは立場がなくなる。そこのところはどう考えてるのさ」
「ゼギウス様が嫉妬様に負けるとお考えなのですか?」
正直、ある程度のリスクは仕方がないと納得してもらいたいところだが、この圧倒的に優位を握られている状況ではそこも補填しなければならない。だが、補填できるような提案はない。
「それだけゼギウスを信頼してるのかマルスを見くびってるのかはどうでもいいけど、マルスは強いよ。単純な魔力量、スキルだとゼギウスの方が上さ。だけど事、迎え撃つことに関しては七英雄で1番強いよ」
自分の事を1番強いと思っている七英雄がハッキリとそう認めるということはそれだけ実力に差があるということ。それなら尚更、引き下がる訳にはいかない。
「でしたらゼギウス様が負けた場合、私の全てを差し出します。私自身は勿論の事、人脈や情報、拠点、その他も全て差し出すということでどうでしょうか?」
「自分の保身も兼ねてる…っていう訳じゃなさそうだね。まぁ、マルスの力を知らないアンタがどれだけ言おうと天秤は傾かないけど、その心意気は好きだよ。グラ、アンタはどうしたい?」
そうシアンはグラに問いかける。シアンは納得したようだ。
おそらくマルスはこの2人が裏切る可能性も想定している。それを超えるには2人ともが話に乗らなければ話にもならないということ。だからグラの説得も絶対条件だ。
そう頭をグラの説得へと切り替える。
「おいらはゼギウスと戦いたいな。もしゼギウスが負けてもマルスと戦える。どっちでも美味しいよ」
「そうだね。いいよ、その交渉に乗ってあげる」
ひとまず死線を1つ越えたことに安堵して「ふぅ」と息が漏れる。それはララもルルも同じようで「はぁ…」と疲れたように座り込んでしまう。
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