少女は神の子

 サッカーは人間がやるスポーツだ。

 だが、人間とは思えない選手がいた。

 リオネル・メッシ。

 サッカー界に降り立ち、様々な伝説を当たり前のように作っていった選手だ。

 バルセロナ、パリサンジェルマン、そしてアルゼンチン代表で活躍を続けていた選手だ。

 数多の選手は彼のことをこう語る。

「彼はチート」

「宇宙人」

「神」

 と、彼の才能のことを語っていた。

 もし、彼と同じくらいの可能性を秘めた誰かがこのセカイのどこかにいて、目の前に現れたとしたのならば━━━━。

 俺、飛口紡久は、運命的な出会いをしたのだ。

 名前は「みわ ミリナ」。

 偶然見かけた少女は、この全ての選手が絶対にたどり着けない領域に足を踏み入れかけていた。だけど、このままではそれだけで終わってしまう。それどころかサッカー選手としても悲しい結末に終わってしまうのだろう。

 俺はそうなることが嫌だった。だから俺は、彼女を育てたい。彼女はサッカーが大好きで、できる限りサッカーをやって欲しい。これまで何の関わりもない、本来赤の他人であるはずの女の子に、これほどまでに強い感情を持ったのは━━━━始めてだった。
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