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猫の力38

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 ここからは的に向かってそれぞれが適性を持った魔法の初歩をぶつけてみることに
 詠唱みたいなのがあるのかと思ったけど、そういうのはない
 一番大事なのはイメージで、どの魔法をどういう風に使うのかっていうのが重要
 ヴァレスク先生の説明は、多少どもりながらも適切でわかりやすく、子供達はすぐにコツを掴んでそれぞれ得意魔法を見つけていた
「いい、感じ。次、メアリーちゃん」
「はい!」
 あ、ここでメアリーの番なんだ
 メアリーはすでに様々な魔法を覚えてる
 しかも全属性持ちだから全ての魔法が使えるというすごさ
 ちなみにヴァレスクさんも全属性持ちで、全属性持ちの魔法使いは数十万人に一人という珍しさなのよね
 皆メアリーの魔法のすごさに驚いてた
 どの魔法も下位のものなのに中位クラスの威力がある
 そして次はフィオナちゃんの番
 圧倒的な光魔法が使える彼女は光属性のあらゆる魔法が使える
 特に回復系の魔法は強力で、四肢欠損すら治すものもあり、さらには死の淵からも生還させれるような魔法もあるんだとか
 フィオナちゃんは素質的にそこまでの魔法を扱える可能性もあるし、勇者の加護というものが働いてるから、魔法の威力も倍になる
 フィオナちゃんは的の前に立つと、初期の光魔法のライトランスを放った
 結論から言うとえぐすぎます
 普通のライトランスなら光の槍が三本ほど刺さる程度なのに、フィオナちゃんのものはたくさんの槍が空中に出現して、的に全弾が突き刺さった
「おおおお」
 上がる歓声
 メアリーもすごかったけど、フィオナちゃんの光魔法は普通の魔法では壊せない的を破壊した
 やっぱり勇者の加護ってすごい
「み、みんな、すごく、いい感じだから、そ、その、これから楽し、み」
「師匠! さすが師匠です! 素晴らしい教え! お言葉! 美しい! 大好き!」
「私も師匠大好きです!」
「あ、あう」
 なんかアリュエナ、性格変わってない?
 いやこれが本来の性格なのか
 本当のこの子は人懐っこくて、優しいんだろうなぁ
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