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勇者8
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王室に到着した二人を取り囲むのは異世界人を攫って戻って来た十二覇人たち
霞雲ラーナ・ラーナがどこからともなく現れてニニの喉を掻っ切った
かに見えた
ニニの喉はまるでそこだけなくなったかのように空間がぽっかりと開いていた
「ホール」
ニニの力がラーナを穴に落とす
そこは上下左右のない無権空間になっており、能力者が死しても開くことはない別世界のようなもの
ラーナを無力化した直後に天使クピトが空中から無数の羽剣を射出したが、これをミミが光りの剣で全て撃ち落とす
恐ろしいことにミミは一本の剣しか創り出していないことだ
つまりその一本のみを操って数百を超える羽剣を防ぎきったのだ
「ブレイド」
次弾を装填する前にクピトは光の剣で斬られ、地面に堕ちる
光聖剣士アムル・クロフトと赤の騎士バン・ヴィート・ヴェートが同時に、連携の取れた攻撃をミミに繰り出す
それを軽くあしらうかのように、ダンスでも踊るかのように優雅に、ミミは防ぐ
「バインド」
「ツインソード」
そこをニニが捕らえ、ミミが二つに分かれた光の剣で切り裂く
「本来のあなた達なら、私も苦戦したでしょうが・・・」
地に伏した二人を尻目に次に狙いを定めるミミ
見つめる先にはあまりの出来事に驚愕している白衣の女性と、左右それぞれであらぬ方向を向いている目の聖女サンディエナ・ミナンシェが立っている
「な、なぜ、なぜだ! 一世界の勇者が私の改造兵士をこうも容易く。なんなんだお前たちは! 次世代たちはもういない。なのにお前たちのその力はなんだ!」
二人は何を言っているのか分からないという顔をし、光よりも速く白衣の女性の後ろに立った
「あなたが元凶。間違いなさそうですね。ねえニニ」
「はい姉様。というか自分で白状してますし」
「ふふ、そうねニニ。それじゃあ、帝国を返してくださいね」
シュバンと風を斬る音がして、白衣の女性の首がボトリと地面に堕ちた
「あ、ああ、なんで・・・。わたし、僕は、まだ・・・」
だんだんとボロボロと崩れて行く白衣の女性
彼女は死体を無理やり動かしており、本来の核となる部分が死体に寄生している形で活動していた
名をプロフェッサー
遠い遠い昔、世界ができ始めたころからただそこにあったナニカ
彼女は敗北者
かつて全ての世界を救った誰かによって一度倒されたモノ
だがこの世界にそんな事情を知る者は女神を除いて他にいない
こうして帝国を支配し、何かを成そうとしていた大きな悪意は、ただ一世界にいただけの勇者によって完全に消滅させられたのだった
「あら、意外なほどあっさりでしたね」
「姉様、異世界人同盟が到着したようです」
「じゃあ事情を話してあとは任せましょう。私達の本分は魔王討伐なのですから」
「はい姉様」
二人は後から来て茫然としている異世界人同盟幹部連中に事情を話し、帝国の後始末を頼んだ
この国で奪われた命は数多く、それは戻ってこないが、幸いにも改造された人々、帝国十二覇人たち、攫われた異世界人たちは無事保護され、ミミの力によって元通り体を戻されている
だが、プロフェッサーはただこの世界で自身の力を取り戻そうとしていただけ
バグクイーンを甦らせて、まだ帝国を支配し始めた頃に彼女の力を使い、人を集めただけ
そのバグクイーンも用が済んだため処分されている
各地の魔王復活は、プロフェッサーとは無関係だった
霞雲ラーナ・ラーナがどこからともなく現れてニニの喉を掻っ切った
かに見えた
ニニの喉はまるでそこだけなくなったかのように空間がぽっかりと開いていた
「ホール」
ニニの力がラーナを穴に落とす
そこは上下左右のない無権空間になっており、能力者が死しても開くことはない別世界のようなもの
ラーナを無力化した直後に天使クピトが空中から無数の羽剣を射出したが、これをミミが光りの剣で全て撃ち落とす
恐ろしいことにミミは一本の剣しか創り出していないことだ
つまりその一本のみを操って数百を超える羽剣を防ぎきったのだ
「ブレイド」
次弾を装填する前にクピトは光の剣で斬られ、地面に堕ちる
光聖剣士アムル・クロフトと赤の騎士バン・ヴィート・ヴェートが同時に、連携の取れた攻撃をミミに繰り出す
それを軽くあしらうかのように、ダンスでも踊るかのように優雅に、ミミは防ぐ
「バインド」
「ツインソード」
そこをニニが捕らえ、ミミが二つに分かれた光の剣で切り裂く
「本来のあなた達なら、私も苦戦したでしょうが・・・」
地に伏した二人を尻目に次に狙いを定めるミミ
見つめる先にはあまりの出来事に驚愕している白衣の女性と、左右それぞれであらぬ方向を向いている目の聖女サンディエナ・ミナンシェが立っている
「な、なぜ、なぜだ! 一世界の勇者が私の改造兵士をこうも容易く。なんなんだお前たちは! 次世代たちはもういない。なのにお前たちのその力はなんだ!」
二人は何を言っているのか分からないという顔をし、光よりも速く白衣の女性の後ろに立った
「あなたが元凶。間違いなさそうですね。ねえニニ」
「はい姉様。というか自分で白状してますし」
「ふふ、そうねニニ。それじゃあ、帝国を返してくださいね」
シュバンと風を斬る音がして、白衣の女性の首がボトリと地面に堕ちた
「あ、ああ、なんで・・・。わたし、僕は、まだ・・・」
だんだんとボロボロと崩れて行く白衣の女性
彼女は死体を無理やり動かしており、本来の核となる部分が死体に寄生している形で活動していた
名をプロフェッサー
遠い遠い昔、世界ができ始めたころからただそこにあったナニカ
彼女は敗北者
かつて全ての世界を救った誰かによって一度倒されたモノ
だがこの世界にそんな事情を知る者は女神を除いて他にいない
こうして帝国を支配し、何かを成そうとしていた大きな悪意は、ただ一世界にいただけの勇者によって完全に消滅させられたのだった
「あら、意外なほどあっさりでしたね」
「姉様、異世界人同盟が到着したようです」
「じゃあ事情を話してあとは任せましょう。私達の本分は魔王討伐なのですから」
「はい姉様」
二人は後から来て茫然としている異世界人同盟幹部連中に事情を話し、帝国の後始末を頼んだ
この国で奪われた命は数多く、それは戻ってこないが、幸いにも改造された人々、帝国十二覇人たち、攫われた異世界人たちは無事保護され、ミミの力によって元通り体を戻されている
だが、プロフェッサーはただこの世界で自身の力を取り戻そうとしていただけ
バグクイーンを甦らせて、まだ帝国を支配し始めた頃に彼女の力を使い、人を集めただけ
そのバグクイーンも用が済んだため処分されている
各地の魔王復活は、プロフェッサーとは無関係だった
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