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フィオナ3

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 翌日
 家にまで泊めてもらったため、ワサビ母にお礼を言い、ワサビと共に迷宮へと向かった
 迷宮はこの街の城地下にある
 地下ではかなり悲惨な実験が行われていたが、現在は全ての研究資料などが異世界人同盟によって運び出されていた
 地下は既に何もなく、最奥に迷宮の入り口があるのみ
「もう許可は取ってあるのだ。がんばろー! おー!」
 元気なワサビは兵士たちに微笑ましく見送られ、迷宮の扉を開いた
 
 第一階層
 全員が入ると扉が閉まり、その扉が消えた
 戻ることはできないということだ
「なんだか怖い」
「確かに、寒々とした気配がするわね」
 フィオナとメアリーは震えながら、恐る恐る歩き始めた
「帝国の迷宮は内部の情報が全く分からなかったよ。何が起こるか分からないから慎重に行こう」
 少し進むと部屋が二つあり、右の部屋には魔の部屋、左の部屋には霊の部屋と書いてあった
「どっちか選べってことかな?」
 三人が悩んでいると、ワサビが魔の部屋を開けて入ってしまった
「あ!」
 慌てて三人も入ると、その部屋は広く、そこの中央に黒い大きな影
「何あれ?」
「何だろう」
 博識なエルヴィスでもそれの正体が分からない
 それはこっちをゆっくり振り向いた
「お、来たか。迷宮に挑戦する奴は久しぶりだぜ。俺ぁカムオル。子爵クラスの悪魔だ」
「アクマ? シシャク?」
 全員が首をかしげる
「そうか、悪魔がいねぇ世界もあるんだってな。うーん、そのなんだ、簡単に言えば魔物ってとこだ。とりあえずまぁ、俺を倒せば次に行けるぜ。早速やろうか」
 悪魔カムオルは立ち上がると、その力を四人に示した
 大きな魔力がカムオルの周りに膨れ上がる
「ひっ」
 まだ第一階層
 にもかかわらず四人はいきなり強敵と対峙していた
「まあなんだ、残念だったな。俺はそんなに強い悪魔じゃないが、この世界ではかなり強い部類らしくてな。死なないよう手加減はしてやるからまた挑戦してくれや」
「いえ、倒します! じゃないと強くなれないから」
 フィオナが剣を抜くと、全員が戦闘態勢へと移った
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