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10_心酔
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「貴方は自分が国のトップであるという自覚がないのですか?」
それだけで人を殺せそうな柊の視線と言葉に、祈里は一瞬背筋が凍った。
宮の中庭に転移した祈里とクリスは、そのまま柊に引き摺られる様に祈里の執務室まで連れていかれた。途中でクリスは報告をしに軍所へ向かったが、祈里は返り血だらけの身体を清めたのも束の間、鬼の様な形相の柊にお説教を受けていた。
「心配をかけて済まなかった。次はちゃんと相談するから」
「次ですって? また行くつもりですか?」
祈里は反省の言葉を口にして何とか柊に怒りを収めてもらおうと思ったが、柊はそんな祈里の考えはお見通しだというように聞く耳を持たなかった。そのまま皇帝としての資質や思考の短絡さ等について、祈里は数時間に及ぶ地獄の時間を過ごすこととなった。
もう日も暮れるという時間になった時、「失礼いたします」と夜月が執務室に入ってきた。長時間部屋に籠っていた祈里と柊の様子を見に来てくれたのだろう。柊に長時間お説教をされてすっかり憔悴しきった祈里は、天の助けと言わんばかりに助けてくれと目で夜月に訴えた。
「柊様、そろそろ夕食の時間ですので」
「夜月さん、だが」
祈里の視線を受けた夜月は祈里の訴えに直ぐに気付いたようで、お説教を終わりにしてくれないかと助け船を出してくれた。柊はさらに食い下がろうとしたが、夜月の頑なな表情を見て気まずそうに口を閉ざした。そんな柊を今まで見たことの無かった祈里は、意外に思って柊と夜月を交互に見詰めた。
柊は神帝である祈里にさえ冷笑しながら皮肉を言う男だ。誰にでも言いたいことを言えるのは柊の長所であり短所でもあるのだが、そんな彼がこんな風に言葉を濁したのは初めてのことだった。流石の柊も、十代の頃から見習い執事として宮に入り、三代神帝に仕えてきた夜月には敬意を払っているらしい。これからは柊にお説教されたら夜月に助けを求めようと、祈里は密かに決意した。
夜月の言葉にとりあえず怒りを収めた柊は、今度は改めて確かめるように祈里に尋ねた。
「貴方が一人で行くと言った時、誰も貴方を止めなかったのですね?」
柊の質問の意図が分からないまま祈里が肯定すると、柊はやはりと言うように大きくため息をついた。柊が何を考えているのか分からず祈里が首を傾けると、柊は神妙な口調で話し出した。
「この国の人間は、神帝という存在に頼り切っている」
柊は祈里に話しかけているのではなく、まるで独白の様に話し続けた。
「神帝あなたから下される神託に従うことを絶対的な正解と受け入れてしまう。それが正しいのか、その選択が自分にどんな影響を及ぼすのか、自分の頭で考えることをしない。自分の頭で物事の善悪を計れない人間は――」
「柊様」
夜月が柊の言葉を遮る様に名前を呼んだ。独り言の様に話していた柊はハッと我に返ると、祈里の表情を確認するように視線を向けて口を閉ざした。そしてばつが悪そうに目を逸らして謝罪をする。
「失礼、失言でした」
祈里は怒りを感じた訳でも悲しみを感じた訳でもなく、ただ柊が今までどんなことを考えてきたのかを察して何も言えなくなった。柊に言われるまで、今まで祈里もそんなことを考えたこともなかったのだ。昔はともかく、今の祈里は全ての国民が自分の命令に従うべきだと思ったことは無いし、自分の選択が絶対に正しいと思ったこともない。だが、神帝の命令が、国民達の判断力を奪っているとは少しも考えたことがなかった。
「……柊の考えていることは分かった。だが、今はどうか心の中に留めておいて欲しい」
祈里は言葉を選んで返事をした。きっと柊は書庫に籠っている間も、ずっとこのような思いを抱えていたのだろう。神を絶対的な上位の存在として扱うこの帝国の国民に、違和感を持っていたのだ。
「私も、少し自分のことについて考えてみるよ」
祈里の言葉に、柊は肯定も否定もせずに目を伏せた。祈里の肯定的な返事に喜んでいたとしても、それを表に出せないのだ。
柊の考えを肯定するのであれば、それは絶対的な支配者がいることが悪であるという結論に達する。つまり、それは神の存在を否定することに繋がる。守護神によって国を護り、神性を頂く神帝がいるこの帝国で、それを口にすることは禁忌に近い。
『自分の頭で物事の善悪を計れない人間は――』
きっと柊はこう言おうとしたのだろう。それは赤子と変わらない、と。
***
翌日、祈里は執務室で柊に昨日の襲撃に関する詳細を伝えた。襲撃してきたのは西方民族のフリをした帝国の人間であったこと。そして帝国式の異能を使っていたこと。話を聞いた柊は、特に驚いた様子もなく「そうですか」と言って大きくため息をついた。やはり柊はこの襲撃が帝国の人間が仕組んだことだと気付いていたようだ。
どう対処をしようかという話になった時、部屋にノック音が響いた。祈里が返事をすると、廊下に控えていた夜月が入ってくる。
「陛下、失礼いたします。朝日朔也様がいらっしゃいました」
ああ、と祈里は頷いた。祈里もそろそろ朝日が来る頃だと思っていたのだ。例の襲撃事件の後、朝日にはその働きに応じた報奨を与えたのだ。義理深い彼のことだから、きっとその話をしに来たのだろう。
「入れてくれ」
祈里がそう言うと、夜月に招かれた朝日が部屋に入ってきた。入れ替わるように夜月は一礼をして退出する。
「失礼いたします」
少将の階級章を身に付けた朝日は、左腕を布で吊っているような状態だった。臣下の礼をとろうと膝をつこうとした朝日を、祈里は慌てて止めた。
「傷に障る。そのままでいい」
「ですが」と朝日は拒否するような素振りを見せたが、祈里は朝日を導いて無理やり椅子に座らせた。恐縮しながらも着席した朝日は、部屋にいた柊に気付き深く頭を下げた。柊が増援としてクリスを転移させたことを誰かから聞いたのだろう。柊も返す様に朝日に目礼をする。柊にしては素直な反応だった。
「よく似合っている」
朝日の向かい側に腰を下ろした祈里は、朝日の軍服姿に視線を向けて言った。祈里は朝日への褒章として長期休暇と特別給与を与えただけではなく、大佐から少将に昇級させたのだ。尉官方は自分が国のトップであるという自覚がないのですか?」
それだけで人を殺せそうな柊の視線と言葉に、祈里は一瞬背筋が凍った。
宮の中庭に転移した祈里とクリスは、そのまま柊に引き摺られる様に祈里の執務室まで連れていかれた。途中でクリスは報告をしに軍所へ向かったが、祈里は返り血だらけの身体を清めたのも束の間、鬼の様な形相の柊にお説教を受けていた。
「心配をかけて済まなかった。次はちゃんと相談するから」
「次ですって? また行くつもりですか?」
祈里は反省の言葉を口にして何とか柊に怒りを収めてもらおうと思ったが、柊はそんな祈里の考えはお見通しだというように聞く耳を持たなかった。そのまま皇帝としての資質や思考の短絡さ等について、祈里は数時間に及ぶ地獄の時間を過ごすこととなった。
もう日も暮れるという時間になった時、「失礼いたします」と夜月が執務室に入ってきた。長時間部屋に籠っていた祈里と柊の様子を見に来てくれたのだろう。柊に長時間お説教をされてすっかり憔悴しきった祈里は、天の助けと言わんばかりに助けてくれと目で夜月に訴えた。
「柊様、そろそろ夕食の時間ですので」
「夜月さん、だが」
祈里の視線を受けた夜月は祈里の訴えに直ぐに気付いたようで、お説教を終わりにしてくれないかと助け船を出してくれた。柊はさらに食い下がろうとしたが、夜月の頑なな表情を見て気まずそうに口を閉ざした。そんな柊を今まで見たことの無かった祈里は、意外に思って柊と夜月を交互に見詰めた。
柊は神帝である祈里にさえ冷笑しながら皮肉を言う男だ。誰にでも言いたいことを言えるのは柊の長所であり短所でもあるのだが、そんな彼がこんな風に言葉を濁したのは初めてのことだった。流石の柊も、十代の頃から見習い執事として宮に入り、三代神帝に仕えてきた夜月には敬意を払っているらしい。これからは柊にお説教されたら夜月に助けを求めようと、祈里は密かに決意した。
夜月の言葉にとりあえず怒りを収めた柊は、今度は改めて確かめるように祈里に尋ねた。
「貴方が一人で行くと言った時、誰も貴方を止めなかったのですね?」
柊の質問の意図が分からないまま祈里が肯定すると、柊はやはりと言うように大きくため息をついた。柊が何を考えているのか分からず祈里が首を傾けると、柊は神妙な口調で話し出した。
「この国の人間は、神帝という存在に頼り切っている」
柊は祈里に話しかけているのではなく、まるで独白の様に話し続けた。
「神帝あなたから下される神託に従うことを絶対的な正解と受け入れてしまう。それが正しいのか、その選択が自分にどんな影響を及ぼすのか、自分の頭で考えることをしない。自分の頭で物事の善悪を計れない人間は――」
「柊様」
夜月が柊の言葉を遮る様に名前を呼んだ。独り言の様に話していた柊はハッと我に返ると、祈里の表情を確認するように視線を向けて口を閉ざした。そしてばつが悪そうに目を逸らして謝罪をする。
「失礼、失言でした」
祈里は怒りを感じた訳でも悲しみを感じた訳でもなく、ただ柊が今までどんなことを考えてきたのかを察して何も言えなくなった。柊に言われるまで、今まで祈里もそんなことを考えたこともなかったのだ。昔はともかく、今の祈里は全ての国民が自分の命令に従うべきだと思ったことは無いし、自分の選択が絶対に正しいと思ったこともない。だが、神帝の命令が、国民達の判断力を奪っているとは少しも考えたことがなかった。
「……柊の考えていることは分かった。だが、今はどうか心の中に留めておいて欲しい」
祈里は言葉を選んで返事をした。きっと柊は書庫に籠っている間も、ずっとこのような思いを抱えていたのだろう。神を絶対的な上位の存在として扱うこの帝国の国民に、違和感を持っていたのだ。
「私も、少し自分のことについて考えてみるよ」
祈里の言葉に、柊は肯定も否定もせずに目を伏せた。祈里の肯定的な返事に喜んでいたとしても、それを表に出せないのだ。
柊の考えを肯定するのであれば、それは絶対的な支配者がいることが悪であるという結論に達する。つまり、それは神の存在を否定することに繋がる。守護神によって国を護り、神性を頂く神帝がいるこの帝国で、それを口にすることは禁忌に近い。
『自分の頭で物事の善悪を計れない人間は――』
きっと柊はこう言おうとしたのだろう。それは赤子と変わらない、と。
***
翌日、祈里は執務室で柊に昨日の襲撃に関する詳細を伝えた。襲撃してきたのは西方民族のフリをした帝国の人間であったこと。そして帝国式の異能を使っていたこと。話を聞いた柊は、特に驚いた様子もなく「そうですか」と言って大きくため息をついた。やはり柊はこの襲撃が帝国の人間が仕組んだことだと気付いていたようだ。
どう対処をしようかという話になった時、部屋にノック音が響いた。祈里が返事をすると、廊下に控えていた夜月が入ってくる。
「陛下、失礼いたします。朝日朔也様がいらっしゃいました」
ああ、と祈里は頷いた。祈里もそろそろ朝日が来る頃だと思っていたのだ。例の襲撃事件の後、朝日にはその働きに応じた報奨を与えたのだ。義理深い彼のことだから、きっとその話をしに来たのだろう。
「入れてくれ」
祈里がそう言うと、夜月に招かれた朝日が部屋に入ってきた。入れ替わるように夜月は一礼をして退出する。
「失礼いたします」
少将の階級章を身に付けた朝日は、左腕を布で吊っているような状態だった。臣下の礼をとろうと膝をつこうとした朝日を、祈里は慌てて止めた。
「傷に障る。そのままでいい」
「ですが」と朝日は拒否するような素振りを見せたが、祈里は朝日を導いて無理やり椅子に座らせた。恐縮しながらも着席した朝日は、部屋にいた柊に気付き深く頭を下げた。柊が増援としてクリスを転移させたことを誰かから聞いたのだろう。柊も返す様に朝日に目礼をする。柊にしては素直な反応だった。
「よく似合っている」
朝日の向かい側に腰を下ろした祈里は、朝日の軍服姿に視線を向けて言った。祈里は朝日への褒章として長期休暇と特別給与を与えただけではなく、大佐から少将に昇級させたのだ。尉官、佐官と少将では軍服が異なる。細かい造りも異なるが、一番の違いは背中に外套が付くことだ。上背があり堂々とした体躯の朝日には、少将の軍服がよく似合っていた。
「恐れ入ります」
「腕の具合はどうだ?」
「は、時間はかかりますが元通りに動くようになると医者には言われております」
「そうか、それなら良かった」
朝日の言葉に祈里はほっと胸を撫でおろした。朝日の腕の傷は祈里も心配していたのだ。応急処置は施したが、腕の傷はかなり深かった。片腕が動かなくなれば刀を振るうことはおろか、日常生活を送ることも困難になるだろうと思っていたので、朝日の言葉は祈里にも嬉しいものだった。軍属の彼にとって、刀を手放さなければならなくなるのは耐えがたいことだっただろう。
祈里は安心した表情をしたが、朝日は固い表情のままだ。朝日は何やらタイミングを計る様に祈里を見ている。何か祈里に話したいことがあるようだ。祈里が促す様に小さく微笑むと、朝日は逡巡した後に重い口を開いた。
「陛下、わたくしは国境からの撤退も満足に出来ず、将校にとって最低限の義務である部下を護ることさえも出来ませんでした」
俯いた朝日は淡々と話し始めた。何時もの明朗快活な朝日からは想像できない暗い声である。
「わたくしにはこの服を頂く資格はないのです。どうか、この褒章は無かったことにしていただけませんか」
朝日は暗い目で自身の軍服を見下ろした。その表情は悔恨の情が透けて見える。朝日は、自分を責めているのだ。朝日は自身が盾となって戦いながらも、負傷していく部下たちを見続けていた。あの戦いで一番不甲斐なさを感じ、精神的に傷付いたのは朝日だったのだろう。朝日の気持ちは祈里にも理解することが出来る。朝日の望み通り、褒章をなかったことにした方が彼の心は救われるのかもしれない。だが、祈里はそれを分かっていても首を縦には振らなかった。
「……貴方の気持ちは私にも分かる。だが、それは出来ない」
祈里が静かに言うと、朝日は戸惑うように祈里を見詰めた。祈里は朝日の目を真っすぐと見詰め、彼に気持ちが伝わることを祈りながら言葉を紡いだ。
「貴方の働きにより部下は誰一人命を落とさず、最低限の被害で済んだ。それに此度のことは予測できなかった私の責任でもある」
そもそも国境からの撤退を命じたのは祈里だった。いくら予想の出来なかったこととはいえ、襲撃を受けた責任は祈里にもある。元々の原因を考えれば、第二師団は祈里の命令の被害者なのだ。
祈里は朝日に向かって頭を下げた。
「すまなかった、朝日。貴方にも、貴方の部下たちにも辛い思いをさせた」
「そんな! 陛下の責任ではありません」
頭を下げた祈里を、朝日は慌てて否定した。驚きと戸惑いの表情を浮かべている朝日に、祈里は立ち上がって近づいた。朝日の首元には少将の位を表す徽章が輝いている。祈里はその徽章を撫でるように手を添えた。
「貴方に与えた褒章はその働きに見合ったものであると同時に、私の罪滅ぼしでもあるのだ。どうか私のために受け取ってくれないか」
そう言って祈里が弱々しく微笑みかけると、朝日は微かに目を見開いた。血濡れの神と呼ばれていた祈里の変わりように驚いているのだろう。朝日は暫く苦し気な表情で逡巡していたが、祈里にここまで言われて拒否することは出来ないと感じたのだろう。「承知いたしました」と呟くように返事をした。
報奨を強制してしまった祈里は申し訳ない気持ちになりながらも、微笑んで朝日に「ありがとう」と返す。朝日はそんな祈里をじっと見つめると、不意に椅子から立ち上がった。
「陛下はわたくしを助けて頂いただけではなく、腕の応急処置までしていただいたと聞きました」
そんなこと誰に聞いたのだろうかと祈里は思ったが、そういえばあの時祈里が着ていた服の裾を破って手当をしたのだったと思い出す。朝日はその布地を見て気付いたのだろう。祈里が朝日の言葉を肯定すると、朝日は一瞬何か感情を噛み締めるように俯き、再び祈里の目を真っすぐと見詰めた。朝日の視線には、何か熱のようなものが含まれているような気がした。
「陛下の様な主君に仕えることが出来るのは、私にとってこれ以上にない幸福です。これからはより一層、心身を賭してあなたにお仕えさせていただきます」
そう言った朝日は、不意に祈里の傍に跪いた。何をするのかと祈里が驚きながら様子を見ていると、朝日は祈里の礼服の裾を掴んで口元に引き寄せた。
「我が心臓、我が剣を、生涯貴方様に捧げます」
朝日はまるで神前の誓いの様に言った。朝日の大袈裟な行動に祈里が戸惑って視線を泳がせると、後ろにいた柊が自業自得ですよとでも言いたげに肩をすくめているのが見えた。
それだけで人を殺せそうな柊の視線と言葉に、祈里は一瞬背筋が凍った。
宮の中庭に転移した祈里とクリスは、そのまま柊に引き摺られる様に祈里の執務室まで連れていかれた。途中でクリスは報告をしに軍所へ向かったが、祈里は返り血だらけの身体を清めたのも束の間、鬼の様な形相の柊にお説教を受けていた。
「心配をかけて済まなかった。次はちゃんと相談するから」
「次ですって? また行くつもりですか?」
祈里は反省の言葉を口にして何とか柊に怒りを収めてもらおうと思ったが、柊はそんな祈里の考えはお見通しだというように聞く耳を持たなかった。そのまま皇帝としての資質や思考の短絡さ等について、祈里は数時間に及ぶ地獄の時間を過ごすこととなった。
もう日も暮れるという時間になった時、「失礼いたします」と夜月が執務室に入ってきた。長時間部屋に籠っていた祈里と柊の様子を見に来てくれたのだろう。柊に長時間お説教をされてすっかり憔悴しきった祈里は、天の助けと言わんばかりに助けてくれと目で夜月に訴えた。
「柊様、そろそろ夕食の時間ですので」
「夜月さん、だが」
祈里の視線を受けた夜月は祈里の訴えに直ぐに気付いたようで、お説教を終わりにしてくれないかと助け船を出してくれた。柊はさらに食い下がろうとしたが、夜月の頑なな表情を見て気まずそうに口を閉ざした。そんな柊を今まで見たことの無かった祈里は、意外に思って柊と夜月を交互に見詰めた。
柊は神帝である祈里にさえ冷笑しながら皮肉を言う男だ。誰にでも言いたいことを言えるのは柊の長所であり短所でもあるのだが、そんな彼がこんな風に言葉を濁したのは初めてのことだった。流石の柊も、十代の頃から見習い執事として宮に入り、三代神帝に仕えてきた夜月には敬意を払っているらしい。これからは柊にお説教されたら夜月に助けを求めようと、祈里は密かに決意した。
夜月の言葉にとりあえず怒りを収めた柊は、今度は改めて確かめるように祈里に尋ねた。
「貴方が一人で行くと言った時、誰も貴方を止めなかったのですね?」
柊の質問の意図が分からないまま祈里が肯定すると、柊はやはりと言うように大きくため息をついた。柊が何を考えているのか分からず祈里が首を傾けると、柊は神妙な口調で話し出した。
「この国の人間は、神帝という存在に頼り切っている」
柊は祈里に話しかけているのではなく、まるで独白の様に話し続けた。
「神帝あなたから下される神託に従うことを絶対的な正解と受け入れてしまう。それが正しいのか、その選択が自分にどんな影響を及ぼすのか、自分の頭で考えることをしない。自分の頭で物事の善悪を計れない人間は――」
「柊様」
夜月が柊の言葉を遮る様に名前を呼んだ。独り言の様に話していた柊はハッと我に返ると、祈里の表情を確認するように視線を向けて口を閉ざした。そしてばつが悪そうに目を逸らして謝罪をする。
「失礼、失言でした」
祈里は怒りを感じた訳でも悲しみを感じた訳でもなく、ただ柊が今までどんなことを考えてきたのかを察して何も言えなくなった。柊に言われるまで、今まで祈里もそんなことを考えたこともなかったのだ。昔はともかく、今の祈里は全ての国民が自分の命令に従うべきだと思ったことは無いし、自分の選択が絶対に正しいと思ったこともない。だが、神帝の命令が、国民達の判断力を奪っているとは少しも考えたことがなかった。
「……柊の考えていることは分かった。だが、今はどうか心の中に留めておいて欲しい」
祈里は言葉を選んで返事をした。きっと柊は書庫に籠っている間も、ずっとこのような思いを抱えていたのだろう。神を絶対的な上位の存在として扱うこの帝国の国民に、違和感を持っていたのだ。
「私も、少し自分のことについて考えてみるよ」
祈里の言葉に、柊は肯定も否定もせずに目を伏せた。祈里の肯定的な返事に喜んでいたとしても、それを表に出せないのだ。
柊の考えを肯定するのであれば、それは絶対的な支配者がいることが悪であるという結論に達する。つまり、それは神の存在を否定することに繋がる。守護神によって国を護り、神性を頂く神帝がいるこの帝国で、それを口にすることは禁忌に近い。
『自分の頭で物事の善悪を計れない人間は――』
きっと柊はこう言おうとしたのだろう。それは赤子と変わらない、と。
***
翌日、祈里は執務室で柊に昨日の襲撃に関する詳細を伝えた。襲撃してきたのは西方民族のフリをした帝国の人間であったこと。そして帝国式の異能を使っていたこと。話を聞いた柊は、特に驚いた様子もなく「そうですか」と言って大きくため息をついた。やはり柊はこの襲撃が帝国の人間が仕組んだことだと気付いていたようだ。
どう対処をしようかという話になった時、部屋にノック音が響いた。祈里が返事をすると、廊下に控えていた夜月が入ってくる。
「陛下、失礼いたします。朝日朔也様がいらっしゃいました」
ああ、と祈里は頷いた。祈里もそろそろ朝日が来る頃だと思っていたのだ。例の襲撃事件の後、朝日にはその働きに応じた報奨を与えたのだ。義理深い彼のことだから、きっとその話をしに来たのだろう。
「入れてくれ」
祈里がそう言うと、夜月に招かれた朝日が部屋に入ってきた。入れ替わるように夜月は一礼をして退出する。
「失礼いたします」
少将の階級章を身に付けた朝日は、左腕を布で吊っているような状態だった。臣下の礼をとろうと膝をつこうとした朝日を、祈里は慌てて止めた。
「傷に障る。そのままでいい」
「ですが」と朝日は拒否するような素振りを見せたが、祈里は朝日を導いて無理やり椅子に座らせた。恐縮しながらも着席した朝日は、部屋にいた柊に気付き深く頭を下げた。柊が増援としてクリスを転移させたことを誰かから聞いたのだろう。柊も返す様に朝日に目礼をする。柊にしては素直な反応だった。
「よく似合っている」
朝日の向かい側に腰を下ろした祈里は、朝日の軍服姿に視線を向けて言った。祈里は朝日への褒章として長期休暇と特別給与を与えただけではなく、大佐から少将に昇級させたのだ。尉官方は自分が国のトップであるという自覚がないのですか?」
それだけで人を殺せそうな柊の視線と言葉に、祈里は一瞬背筋が凍った。
宮の中庭に転移した祈里とクリスは、そのまま柊に引き摺られる様に祈里の執務室まで連れていかれた。途中でクリスは報告をしに軍所へ向かったが、祈里は返り血だらけの身体を清めたのも束の間、鬼の様な形相の柊にお説教を受けていた。
「心配をかけて済まなかった。次はちゃんと相談するから」
「次ですって? また行くつもりですか?」
祈里は反省の言葉を口にして何とか柊に怒りを収めてもらおうと思ったが、柊はそんな祈里の考えはお見通しだというように聞く耳を持たなかった。そのまま皇帝としての資質や思考の短絡さ等について、祈里は数時間に及ぶ地獄の時間を過ごすこととなった。
もう日も暮れるという時間になった時、「失礼いたします」と夜月が執務室に入ってきた。長時間部屋に籠っていた祈里と柊の様子を見に来てくれたのだろう。柊に長時間お説教をされてすっかり憔悴しきった祈里は、天の助けと言わんばかりに助けてくれと目で夜月に訴えた。
「柊様、そろそろ夕食の時間ですので」
「夜月さん、だが」
祈里の視線を受けた夜月は祈里の訴えに直ぐに気付いたようで、お説教を終わりにしてくれないかと助け船を出してくれた。柊はさらに食い下がろうとしたが、夜月の頑なな表情を見て気まずそうに口を閉ざした。そんな柊を今まで見たことの無かった祈里は、意外に思って柊と夜月を交互に見詰めた。
柊は神帝である祈里にさえ冷笑しながら皮肉を言う男だ。誰にでも言いたいことを言えるのは柊の長所であり短所でもあるのだが、そんな彼がこんな風に言葉を濁したのは初めてのことだった。流石の柊も、十代の頃から見習い執事として宮に入り、三代神帝に仕えてきた夜月には敬意を払っているらしい。これからは柊にお説教されたら夜月に助けを求めようと、祈里は密かに決意した。
夜月の言葉にとりあえず怒りを収めた柊は、今度は改めて確かめるように祈里に尋ねた。
「貴方が一人で行くと言った時、誰も貴方を止めなかったのですね?」
柊の質問の意図が分からないまま祈里が肯定すると、柊はやはりと言うように大きくため息をついた。柊が何を考えているのか分からず祈里が首を傾けると、柊は神妙な口調で話し出した。
「この国の人間は、神帝という存在に頼り切っている」
柊は祈里に話しかけているのではなく、まるで独白の様に話し続けた。
「神帝あなたから下される神託に従うことを絶対的な正解と受け入れてしまう。それが正しいのか、その選択が自分にどんな影響を及ぼすのか、自分の頭で考えることをしない。自分の頭で物事の善悪を計れない人間は――」
「柊様」
夜月が柊の言葉を遮る様に名前を呼んだ。独り言の様に話していた柊はハッと我に返ると、祈里の表情を確認するように視線を向けて口を閉ざした。そしてばつが悪そうに目を逸らして謝罪をする。
「失礼、失言でした」
祈里は怒りを感じた訳でも悲しみを感じた訳でもなく、ただ柊が今までどんなことを考えてきたのかを察して何も言えなくなった。柊に言われるまで、今まで祈里もそんなことを考えたこともなかったのだ。昔はともかく、今の祈里は全ての国民が自分の命令に従うべきだと思ったことは無いし、自分の選択が絶対に正しいと思ったこともない。だが、神帝の命令が、国民達の判断力を奪っているとは少しも考えたことがなかった。
「……柊の考えていることは分かった。だが、今はどうか心の中に留めておいて欲しい」
祈里は言葉を選んで返事をした。きっと柊は書庫に籠っている間も、ずっとこのような思いを抱えていたのだろう。神を絶対的な上位の存在として扱うこの帝国の国民に、違和感を持っていたのだ。
「私も、少し自分のことについて考えてみるよ」
祈里の言葉に、柊は肯定も否定もせずに目を伏せた。祈里の肯定的な返事に喜んでいたとしても、それを表に出せないのだ。
柊の考えを肯定するのであれば、それは絶対的な支配者がいることが悪であるという結論に達する。つまり、それは神の存在を否定することに繋がる。守護神によって国を護り、神性を頂く神帝がいるこの帝国で、それを口にすることは禁忌に近い。
『自分の頭で物事の善悪を計れない人間は――』
きっと柊はこう言おうとしたのだろう。それは赤子と変わらない、と。
***
翌日、祈里は執務室で柊に昨日の襲撃に関する詳細を伝えた。襲撃してきたのは西方民族のフリをした帝国の人間であったこと。そして帝国式の異能を使っていたこと。話を聞いた柊は、特に驚いた様子もなく「そうですか」と言って大きくため息をついた。やはり柊はこの襲撃が帝国の人間が仕組んだことだと気付いていたようだ。
どう対処をしようかという話になった時、部屋にノック音が響いた。祈里が返事をすると、廊下に控えていた夜月が入ってくる。
「陛下、失礼いたします。朝日朔也様がいらっしゃいました」
ああ、と祈里は頷いた。祈里もそろそろ朝日が来る頃だと思っていたのだ。例の襲撃事件の後、朝日にはその働きに応じた報奨を与えたのだ。義理深い彼のことだから、きっとその話をしに来たのだろう。
「入れてくれ」
祈里がそう言うと、夜月に招かれた朝日が部屋に入ってきた。入れ替わるように夜月は一礼をして退出する。
「失礼いたします」
少将の階級章を身に付けた朝日は、左腕を布で吊っているような状態だった。臣下の礼をとろうと膝をつこうとした朝日を、祈里は慌てて止めた。
「傷に障る。そのままでいい」
「ですが」と朝日は拒否するような素振りを見せたが、祈里は朝日を導いて無理やり椅子に座らせた。恐縮しながらも着席した朝日は、部屋にいた柊に気付き深く頭を下げた。柊が増援としてクリスを転移させたことを誰かから聞いたのだろう。柊も返す様に朝日に目礼をする。柊にしては素直な反応だった。
「よく似合っている」
朝日の向かい側に腰を下ろした祈里は、朝日の軍服姿に視線を向けて言った。祈里は朝日への褒章として長期休暇と特別給与を与えただけではなく、大佐から少将に昇級させたのだ。尉官、佐官と少将では軍服が異なる。細かい造りも異なるが、一番の違いは背中に外套が付くことだ。上背があり堂々とした体躯の朝日には、少将の軍服がよく似合っていた。
「恐れ入ります」
「腕の具合はどうだ?」
「は、時間はかかりますが元通りに動くようになると医者には言われております」
「そうか、それなら良かった」
朝日の言葉に祈里はほっと胸を撫でおろした。朝日の腕の傷は祈里も心配していたのだ。応急処置は施したが、腕の傷はかなり深かった。片腕が動かなくなれば刀を振るうことはおろか、日常生活を送ることも困難になるだろうと思っていたので、朝日の言葉は祈里にも嬉しいものだった。軍属の彼にとって、刀を手放さなければならなくなるのは耐えがたいことだっただろう。
祈里は安心した表情をしたが、朝日は固い表情のままだ。朝日は何やらタイミングを計る様に祈里を見ている。何か祈里に話したいことがあるようだ。祈里が促す様に小さく微笑むと、朝日は逡巡した後に重い口を開いた。
「陛下、わたくしは国境からの撤退も満足に出来ず、将校にとって最低限の義務である部下を護ることさえも出来ませんでした」
俯いた朝日は淡々と話し始めた。何時もの明朗快活な朝日からは想像できない暗い声である。
「わたくしにはこの服を頂く資格はないのです。どうか、この褒章は無かったことにしていただけませんか」
朝日は暗い目で自身の軍服を見下ろした。その表情は悔恨の情が透けて見える。朝日は、自分を責めているのだ。朝日は自身が盾となって戦いながらも、負傷していく部下たちを見続けていた。あの戦いで一番不甲斐なさを感じ、精神的に傷付いたのは朝日だったのだろう。朝日の気持ちは祈里にも理解することが出来る。朝日の望み通り、褒章をなかったことにした方が彼の心は救われるのかもしれない。だが、祈里はそれを分かっていても首を縦には振らなかった。
「……貴方の気持ちは私にも分かる。だが、それは出来ない」
祈里が静かに言うと、朝日は戸惑うように祈里を見詰めた。祈里は朝日の目を真っすぐと見詰め、彼に気持ちが伝わることを祈りながら言葉を紡いだ。
「貴方の働きにより部下は誰一人命を落とさず、最低限の被害で済んだ。それに此度のことは予測できなかった私の責任でもある」
そもそも国境からの撤退を命じたのは祈里だった。いくら予想の出来なかったこととはいえ、襲撃を受けた責任は祈里にもある。元々の原因を考えれば、第二師団は祈里の命令の被害者なのだ。
祈里は朝日に向かって頭を下げた。
「すまなかった、朝日。貴方にも、貴方の部下たちにも辛い思いをさせた」
「そんな! 陛下の責任ではありません」
頭を下げた祈里を、朝日は慌てて否定した。驚きと戸惑いの表情を浮かべている朝日に、祈里は立ち上がって近づいた。朝日の首元には少将の位を表す徽章が輝いている。祈里はその徽章を撫でるように手を添えた。
「貴方に与えた褒章はその働きに見合ったものであると同時に、私の罪滅ぼしでもあるのだ。どうか私のために受け取ってくれないか」
そう言って祈里が弱々しく微笑みかけると、朝日は微かに目を見開いた。血濡れの神と呼ばれていた祈里の変わりように驚いているのだろう。朝日は暫く苦し気な表情で逡巡していたが、祈里にここまで言われて拒否することは出来ないと感じたのだろう。「承知いたしました」と呟くように返事をした。
報奨を強制してしまった祈里は申し訳ない気持ちになりながらも、微笑んで朝日に「ありがとう」と返す。朝日はそんな祈里をじっと見つめると、不意に椅子から立ち上がった。
「陛下はわたくしを助けて頂いただけではなく、腕の応急処置までしていただいたと聞きました」
そんなこと誰に聞いたのだろうかと祈里は思ったが、そういえばあの時祈里が着ていた服の裾を破って手当をしたのだったと思い出す。朝日はその布地を見て気付いたのだろう。祈里が朝日の言葉を肯定すると、朝日は一瞬何か感情を噛み締めるように俯き、再び祈里の目を真っすぐと見詰めた。朝日の視線には、何か熱のようなものが含まれているような気がした。
「陛下の様な主君に仕えることが出来るのは、私にとってこれ以上にない幸福です。これからはより一層、心身を賭してあなたにお仕えさせていただきます」
そう言った朝日は、不意に祈里の傍に跪いた。何をするのかと祈里が驚きながら様子を見ていると、朝日は祈里の礼服の裾を掴んで口元に引き寄せた。
「我が心臓、我が剣を、生涯貴方様に捧げます」
朝日はまるで神前の誓いの様に言った。朝日の大袈裟な行動に祈里が戸惑って視線を泳がせると、後ろにいた柊が自業自得ですよとでも言いたげに肩をすくめているのが見えた。
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