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エヴァ・フリーズ
8話 ありがとう☆
しおりを挟む「ただいま………。」
探索から帰って来たエヴァは珍しく元気が無い。何かあった様だ。
「エヴァさん?どうしたんですか?」
琴音が尋ねるとぎゅうっと抱きしめられた。その腕は震えている。
(なんでしょうか?)
「琴音………。私達は本当に生きて此処から出られるのだろうか……。今日生きている人に会った、……仲間が増えるかと期待したが目の前で食われた。助けられなかった………、っ……次は私が…ああなるかも知れない。怖いんだ」
「エヴァさん……」
(なるほど。………ゲーム設定上は仲間は増えませんし、他の迷い込んだ人達は影に食われますもんね。………)
この屋敷には他にも人が常に迷い込んでくるのだが琴音と同じ、いやそれより酷い名無しのモブ達はサクサクと死んでいるのだ。そう考えればまだ琴音はマシな方だ。
「…………大丈夫ですよ、亡くなった方は、気の毒ですけど。エヴァさんが悪いんじゃないです。それにきっと大丈夫です……。エヴァさんも、皆さんもきっと生きて此処から出られますよ」
そう告げてちゅっとキスをするとエヴァの泣きそうな顔が少しだけ緩む。
「琴音………。ごめんね。君も怖い筈なのに、騎士の私が…弱音を吐くなんて。君を不安にさせる様な事を…………。言ってしまったよ」
「良いんですよ?弱音を吐いても大丈夫です。よしよし。エヴァさん………、騎士とか関係ないです。怖くても良いんです。それが普通ですから……、大丈夫、きっと大丈夫。エヴァさんは死んだりしませんよ……きっと」
(はあ……。面倒くさいですけど、流石に可哀想ですもんね。慰めてあげましょう)
残り3日しか無いので時間が勿体ないがどうせエヴァとは今後の周回でも簡単にエッチが出来るのだ。インスタントちんぽだ。食べたい時にすぐに食べられる。それなら少しぐらいは慰めてあげようと思う。
「琴音…………」
ぎゅうっと胸に顔を埋めるエヴァの髪をよしよしと撫でて額に時折キスを落とす。あやすように声をかけるとエヴァはふるふると震えている。泣いているようだ。
(……………少し母性が湧きますね。可愛いです)
「エヴァさん。良い子ですね……。よしよし。今日は沢山甘えていいですよ、ね?」
「………………琴音は本当に優しいね」
◇◇◇◇◇◇
「そのワンピース本当によく似合うよ。かわいいな…♡琴音………かわいい……。また何か見つけたら持ってくるよ」
「ありがとうございますエヴァさん♡」
エヴァに貰ったワンピースを着てくるくると回ってみるとエヴァはふんわりと広がる裾を眺めてうっとりと息を吐いている。
(ふふふ♡エヴァさんとの恋人ごっこ、甘々ですね♡)
「…………琴音はハルトや緑子達と同じ世界なんだよね?……どんな所なんだい?」
(………、これヒロインと好感度が上がった時の会話……?)
エヴァが口にしたのはエヴァと緑子の好感度が半分以上になった時に発生する会話だ。一瞬ポカンとしたがフッと自嘲する。なんてことないただの世間話だ。モブの琴音に対しての深い意味なんて無い
(………期待はもうしませんよ。馬鹿馬鹿しい、………)
「どんな所?……少し説明が難しいですけどそうですね………」
ニコリと笑ってエヴァの隣に腰を降ろしていちゃいちゃしながら琴音の世界の事を話す。エヴァは楽しそうにそれを聞いていた。
◇◇◇◇◇◇◇
「あっ♡エヴァさんっ!!!エヴァさんっ♡好きぃ好きぃ♡もっとぉ♡」
ぐちゅぐちゅと中をおちんぽで擦られて甘い声が出る。もうエヴァとのセックスにも慣れた。こうして中で快感を感じられるようになった。エヴァの愛撫も優しく丁寧になったからおまんこも濡れて挿入の際にも痛みは全く無い。
(あ。あふ……♡気持ちいいです♡……ん♡でも毎回処女に戻ってしまうのは、少し面倒ですね……ん♡はぁ♡さいこう♡)
「琴音♡ここが好きだよね?ほら沢山突いてあげよう♡っ……♡はぁ♡琴音♡私が…好き?」
「んぁ♡エヴァさん♡好きぃ♡♡大好きぃ♡」
「琴音…………♡んっ♡はぁはぁ♡琴音……っ………キスしよう♡琴音………♡ん」
腰の動きが激しくなりエヴァは琴音に口付けて口内を貪る。それでも、最初に比べれば優しいキスだ。ぬるぬると舌が絡み合い、気持ちがいい。唇が一度離れるとぬとりと唾液で糸が引く。いやらしい光景だ。
(ん………はぁ。私には言わせるのにエヴァさんは好きだって言ってくれませんね……、まあ恋人ごっこなので当然ですが………。嘘でも良いので言ってくれたらエッチがもっと盛り上がるのに……)
「エヴァさん……。嘘でも良いのでエヴァさんも好きって言って……ん♡お願い……」
そう告げてみるとエヴァの動きが一度止まる。エヴァの顔は困惑した様な表情だ。
(む、………嘘でも言うのは嫌なのでしょうか?抱く癖にそこは真面目なんですか?……。まあ嫌なら仕方無いですね。)
「エヴァさん……。駄目なら大丈夫です…、ね?動いて?……エヴァさん?……誤解しないでください。私ちゃんとわかってますから。ただエッチが盛り上がるかなって思っただけなので……。無理に言わなくて良いですから?忘れてください。別に本当に好きになって貰おうとか思ってないですから………」
エヴァに好きになって欲しいと暗に強請った様に聞こえたかも知れないと反省する。エヴァが困惑するのも当然だ。エヴァは優しいからそう言われると葛藤も有るだろう。
「あ………。そうかい、……ごめんね。言葉にはしてあげられない………。ごめんね」
そう言うエヴァの瞳は困った様に揺れている。おちんぽも萎えた様でずるんと抜けた。
(むう。……仕方無いですね。私が……悪いです……。なるほど、今後の周回でも好きだって言って欲しいとは頼まない方が良いですね。ふむふむ)
「エヴァさん。……気にしないでください。元気になるまで舐め舐めしますね♡」
萎えてしまったおちんぽに顔を寄せて舌を這わせるとムクムクと大きくなる。チラリと見たエヴァの顔は動揺している様だった。
◇◇◇◇◇◇
エッチの後エヴァがすぐに寝る事は無くなった。腕枕でいちゃいちゃとお話をする。
「琴音は………、本当に私の子が出来たら産むのかい?」
今日もたっぷりと中に出しておいてエヴァはそんな事を言う。
(………産んで欲しくないのですか?まあどうせ子供なんて出来ませんけど。)
「そうですね。………産みたいとは思います。責任取れなんて言いませんから安心してくださいね」
そうニコリと告げるとエヴァは複雑そうな顔だ。そんな顔をする癖に外で出す気は無いのだから少しだけ呆れる。
「………そう。……子供、か……。私と君との子だとどんな風になるんだろうか。琴音の世界には魔法は無いんだろう?子はどうなると思う?髪の色とか瞳の色はどちらに似るんだろう……。」
(確かにそれは気になりますね……。緑子ちゃんとのハッピーエンドでもそんな話は出ませんし……)
緑子とエヴァとのハッピーエンドは、一旦別離エンドだ。お互いに気持ちを伝え合うが世界が違うので別れる。生まれ変わったら絶対に結ばれようと約束しあい、お互いの世界に戻るのだがそれから半年後に緑子が勇者召喚に巻き込まれてそこでまたエヴァやノアと再会するというとんでもないハッピーエンドである。そこで再会して幸せなキスをして終わりだ。その後結婚するとか出産するとか子供がどうなるとかは語られない。
(異世界エンドとはおったまげですね。でも、良いなぁ。異世界、楽しそうです)
「エヴァさんの世界は魔法とかあるんですもんね。………行ってみたいなぁ……」
そうポツリと呟いてハッとする。これではまた、エヴァに対して強請ったみたいだ。
「っ………、琴音……私の世界に来てみたい?」
そうエヴァが尋ねてきたが琴音は寝たふりをする事にした。この話題を続けても良い事なんて無い。後2日しか無いのにギクシャクしたくはない。
「琴音………。寝ちゃったのかい……。そう、…………おやすみ」
ホッとした様に言われて琴音もホッとする。自身の選択が正解だったと思いそのまま本当に眠気に身を委ねた。
◇◇◇◇◇◇
エヴァとの最後の日。琴音が死ぬのは昼前だ。地下から戻って来た緑子達が結界に入って来た所で邪神に乗っ取られたアノニマスに食われる。
「エヴァさん、探索に行くんですか?……エッチしたいです……」
朝早くから探索に行くと言うエヴァを少しだけ引き留めてみるがエヴァは困ったように笑うだけだ。
「………夕方までには戻るから良い子でお留守番していてくれ。行ってくるよ琴音♡帰って来たら沢山抱いてあげるさ♡待っていて♡」
甘い声で告げられてキスをされるが琴音は内心でガッカリした。
(むう……、死ぬ直前までエッチしたかったですけど仕方無いですね。はあ……なら今回のこのエヴァさんとはこれでお別れですね。………)
「エヴァさん……。大好きですよ」
そう告げてぎゅうっと抱きつくとエヴァは嬉しそうだ。この顔も見納めだ。このエヴァとはもう二度と会えない。
(………ほんの少しだけ寂しい気もしますが、でも仕方無いですね。)
「琴音………♡かわいい。……それじゃあノアを待たせているから、行ってくるよ♡……帰って来てからも、明日も沢山可愛がってあげる。だから良い子でね♡」
そう言って手を振るエヴァを笑顔で見送る。
「行ってらっしゃい、エヴァさん。
……………ありがとうございました。楽しかったですよ」
そう小さく呟くとエヴァは不思議そうにしてから背を向けて部屋を出て行った。閉まった扉に琴音は声を掛ける。
「本当にありがとうございます♡楽しい周回でした。」
後2時間後には次の周回が始まる。
(次は和泉先生とアノさんですね♡楽しみです♡)
◇◇◇◇◇◇
「エヴァ?………。どうしたの?」
ノアは立ち止まったエヴァを不思議そうに見た。エヴァは何かを言いたそうにしている。
「………………………なに?」
「う………。いや、……その、……。」
「………………きもい」
顔を赤くしてもごもごするエヴァは気持ちが悪い。ジト目を向けるとエヴァは小さく呟く
「……………琴音を、私達の世界に連れて帰る事は出来ないかな?……その……本気になってしまったんだ………。彼女凄く…優しくて………かわいいんだ…………」
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