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エヴァ・フリーズ

閑話 エヴァ・フリーズの後悔①

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自身が女性からモテるのは自覚していた。だが恋人を作るよりも剣を振っている方が楽しかったし、下手に手を出して結婚なんて言い出されても困る。まだ身を固めるつもりは無い。そう思って恋人も作らず、自身の騎士としての清廉なイメージが下がるのを恐れて夜の店にもついぞ行くことは無かった。別に行こうと思えばいつでも行けるし恋人も作ろうと思いさえすれば簡単に出来るとそう思っていた。だが今になって後悔している。

「はぁ……はっ……くっ…………」

ベッドの上でペニスを扱いて体を震わせる。おかずに使っているのは自分と同じ様にこの意味の分からない洋館に閉じこめられた3人の少女達だ。毎日日替わりで脳内で犯す。3人ともタイプの違う可愛らしい少女達だ。

(はぁはぁ………♡くっ……柔らかそうな足だったな……はは♡)

彼女達の揃いの制服のスカートから伸びる柔らかな足を思い出してペニスを擦りあげる。

閉じ込められてからもう3週間近い。今だに脱出の兆しは無い。なんの手かがりも得られていない。探索の度に死の恐怖と戦い、夜になるとこうして自身を慰める。

「っ……くそっ…………ん……」

小さく悪態をついて白濁を手の中に放つ。今日の脳内のお相手は小柄な黒髪の少女だ。最近良く会いに来る。この間など二人きりで話をしたいと甘えた様に言われた。用事があったので断ったが少しだけ惜しかったなと思う。

(はあ………。彼女も私に惚れているのかな……。ふぅ……。琴音殿か……。まあ悪くは無い容姿だ……。)

華やかな美人と言う訳ではないがエキゾチックな魅力が有る。おかずに出来るくらいには整っている。3人の少女の中ならどちらかと言えば緑子の方が好みではあるが、抱くだけなら琴音は全く無しと言う訳でもない。

(はあ……。此処から出られなければ女性を知らぬまま死ぬのか……。くそ、こんな事になるのなら夜の店に行っておけば良かった………)

吐き出した精液を布で拭いエヴァはため息を吐く。

(……琴音殿……彼女なら少し優しく声をかければセックスさせてくれるんじゃないだろうか?私に惚れているんだろ?……いや、その考えは最低すぎるな)

自分の考えに呆れるが、それでも湧き上がる性欲に抗えない。死と隣り合わせの今、子孫を残す本能なのか常にムラムラして困る。化け物を倒した後などこうして自身で精を吐き出さないと眠れない。

(………………死にたくない……。)

ノアの結界があるとは言えそれも狭い範囲だけ。探索の時は常に生きて戻れる保証は無い。元の世界でもモンスター討伐などは条件は同じだが、此処は意味の分からない洋館だ。どんなイレギュラーが起こるのかなんて誰にも分からない。最強の氷の騎士などと呼ばれて良い気になっていたが、エヴァは井の中の蛙だったのだと此処に来てからやっと気づいた。死が恐ろしい。




◇◇◇◇◇◇





その日。探索でぐちゃぐちゃに食い荒らされた人だった物を見つけて気分は最悪だった。影の化け物を4体斬り殺して昂ぶる体とムカムカとした感情を抱えて自室に戻り、シャワーを浴びてまだ時間は早いがまた自身で精を吐き出そうと考えているとコンコンと扉が鳴った。

訪ねて来たのは共に閉じ込められた少女。琴音だった、正直期待した。彼女は私を好いている。部屋に上がるように告げるとあっさりと入って来た。鼻をクンクンと鳴らして恥ずかしそうにする琴音に興奮が止まらない。無防備なその姿にズボンの下でペニスが緩く勃ちあがる。そんな自分に苦笑しつつ紅茶を用意して戻ると琴音はエヴァに熱い眼差しを向けていた。

(やっぱり、彼女は私を好きなんだ。………へえ、)

砂糖を渡す時にわざと手に触れると琴音はいやらしい女の顔をした。それに胸がざわざわとざわめく。もしかしたら、上手く事を運べればこの目の前の女を抱けるかもしれない。そう思うと欲が膨れ上がる、だが焦りは禁物だ。一旦落ち着こうと思い言葉を口にする。

「…………琴音殿?そんなに見つめられると照れるなぁ」

そう告げると琴音は蕩けた顔で

「エヴァさんとエッチしたいです……」

そう言ったのだ。本人も思わず口から言葉が出た様なそんな顔をしていた。それにエヴァの興奮は最高潮になった。妄想していたよりも数倍、現実は素晴らしい。鴨がネギを背負って来た。

その後は我を忘れて琴音を抱いた。初めての女の体は最高だった。何処を舐めても甘く感じて、中に挿れた時はペニスが溶けるかとそう錯覚しそうなほどに気持ちが良い。
 
(はあ♡口内も膣内も、女とはこれ程に良いのか……♡)

恥ずかしそうに声を押し殺す琴音にも興奮したし、幼気な少女の初めてを奪う事にも興奮した。

(はぁはぁ♡はっ♡はは♡これは、良いな。ハマりそうだ…………、)

精液を飲ませた時の圧倒的な支配感は癖になりそうだ。それに中を突く度にぎゅうぎゅうとペニスを締め付けてくる膣は狭くて熱くてオナニーでは得られない快感を与えてくれた。口に一度出して中で二度出してからは流石に少し勃ちが悪くなる、もう一度出せばもう無理だと思うと勿体無くて何度も休憩を挟んで楽しんだ。最高だった。行為に溺れている間は恐怖も感じない。ただただ甘い快感に浸っていられた。それに人肌のなんと心地よい事か。中で三度目の精を放つと猛烈な眠気が来た。ここの所眠りが浅かったのだが、久しぶりに泥のように眠れた。

次に目を覚ました時に傍らに温もりが無くて少し残念に思う。

(…………部屋に帰ったのかな?……はあ。居てくれても良かったのに……、シャワー浴びよう。汗で気持ちが悪いな)

精液は琴音が拭いてくれたのか綺麗になっていたが体が汗でベタベタとして不快だった。シャワーを浴びて冷静になると少し後悔した。

(……………彼女は、私と恋仲になったと勘違いしているのかな?……初めてを私に捧げたんだ。そう思っていてもおかしくはない。………)

正直彼女を好きでも何でもない。ただ抱ける女が目の前に居たから抱いた。それだけだが冷静になって考えると頭を抱えそうになる。最悪すぎる。

(……………っ。どうするか、……本当に彼女と恋人になる?いや、だが彼女と私では住む世界が違う。……好きでも無い。それは無理だ……。だがどうせ、此処からは出られないかも知れない。それなら…、優しくして、恋人のフリをして過ごしても良いんじゃないのか?彼女も私を好きなんだ。きっと喜ぶ。……それにまたしたい。抱きたい………)

昨夜の事を思い出すとムクムクとペニスがまた大きくなる。エヴァは苦笑してから部屋を出る。向かうのは琴音の所だ。

(…………とりあえず彼女の様子を見に行こう。)





◇◇◇◇◇◇





廊下で仲良さげにしているハルトと琴音を見つけて少しだけ腹が立つ。

(…………好きでは無いが他の男に取られるのも気分が良くないな、やっぱり恋人のフリをしよう。そうすればあのいやらしい体を毎日楽しめる)

これも本能なのか、一度抱いた女を他の男に取られるのは腹が立った。もう琴音の体は自分の物だ。

(………はは。なんて身勝手な……)

自分自身に呆れたが、それでも、一度あの甘美な快感を知ってしまったら手放せない。

(まあ、でも彼女にとっても悪い話じゃないだろう。好きな男に抱かれるんだから)

そう心の中で言い訳をして琴音とハルトの元へと足を向けた。




◇◇◇◇◇◇





やっぱり琴音は自分に惚れている。

「エヴァさん……。エヴァさんのおちんちんお口に欲しいです♡昨日みたいに沢山お精子も飲ませてください♡エヴァさんのお精子好きになっちゃいました♡」

そう言って美味しそうにペニスにしゃぶりつく琴音に対して少しだけ愛しさが湧いた。

(はぁ……、っ…いい子だな……っ♡はぁ♡かわいいな…………。私のモノを美味そうにしゃぶってる……。そんなに私が好きなのかい?)

また精液を飲ませるととてつもない満足感が湧き上がってきた。

(はあ…はぁ………♡……健気だな……)

中を突いてやると甘く鳴いてエヴァを求めてくる。中に出しても文句も言わない。最高の穴だ。

また三度、中に出すと眠気が襲う。隣の温もりを感じながら瞳を閉じるとすぐに意識は眠りに落ちた。

(…………良いな……悪く無い……、琴音はかわいいな………)

微睡む意識でそう思う。


ノアに琴音との事がバレた。正直ノアには隠しておきたかった。ノアは普段は無口だが怒ると怖いし勘が鋭い。それに真面目で良い奴だ。そんなノアが琴音を抱いた私に対して何も言わないはずが無い。事実、後で話が有ると言い睨みつけるようにして部屋を出て行った。

(………はあ。参ったな………。なんとか誤魔化せれば良いけど……。無理かな……)

案の定ノアは琴音との事でエヴァを責めた。琴音に全てバラすと言われてエヴァは泣きたくなる。あの快感を失くすのは惜しい。それに琴音から軽蔑の眼差しを向けられたくないとそう思った。

(私を嫌いになるだろうな……。そしたらハルトと仲良くするのかな?それは嫌だな…………)

なぜかそう思ってしまった。



◇◇◇◇◇◇



「………私は、此処で生き残れるかもわかりませんから、……この先死ぬかもしれないなら大好きなエヴァさんに沢山抱かれたいです………私を好きじゃなくても構いませんし、その後の事も責任を取れなんて言いません。子供が出来ても、一人で産みます♡」

全てをノアが話したのに琴音はニコリと微笑んでそう言った。余りにも自分に都合が良すぎて一瞬夢かと思ったが呆れて部屋を出て行くノアの足音にハッとした。現実だった。

(彼女は、どうして怒らないんだ?)

とても不思議だ。普通なら怒る。怒らないとしても泣いたり喚いたり普通はするものじゃないのか?と困惑する。だが彼女はニコニコと微笑んでいる。怒っていないのかと尋ねるとさらにニコリと微笑んで

「いいえ。怒ってないです。むしろ嬉しいです♡私の事を好きじゃなくても、抱いて貰えて幸せです♡好きですエヴァさん♡」

そう言って甘える様に抱きついて来た。

流石にこれにエヴァは自身を心底恥じた。琴音はこんなに自分を愛してくれているのに、その気持ちを利用して都合の良い穴扱いをしようとした。ノアに言われなければ、言い様に利用してそしてもし此処を出られる時が来たら簡単に捨てるつもりだった。そんな風に考えていた自分が本当に嫌になった。

(本当に最低すぎるな。私は………)


「………………琴音。君の気持ちは本当に嬉しいよ。……今すぐ抱きたい。良いかな?君のして欲しい事を出来るだけしてあげる。せめてもの償いだ……。何でも言ってくれ……」

そう告げて優しく抱きしめると琴音は嬉しそうにキスを強請る。本当に健気な少女だ。騙されていたのに今だエヴァを愛して好意を向けてくれる。

本当になんでもしてあげたいと心から思った。


一度もエヴァを責めないでウジウジとするエヴァを慰めてくれる程だ。優しくて健気。その気持ちに少しでも応えたくて皆には恋人だと告げた。ハルトからからかわれて何故か少しだけ気分が良くなった。だけどモヤモヤともした。

(でも、余り琴音は嬉しそうじゃないな。………それもそうか。恋人ごっこだと琴音は知っているもんな……)

罪悪感と最初の日に破いてしまった服のお詫びに探索で見つけたワンピースを渡すと琴音は喜ぶ。それにエヴァまで嬉しくなる。琴音から好きだと言われると何故か胸がざわめいた。

(なんだろうこれは………)

琴音は本当に幸せそうにエヴァに抱かれる。
言われた通りに優しく触ると最初よりも甘く鳴く姿を見て、また後悔する。最初の行為は独りよがりで乱暴だったと反省した。

(…………本当に痛かったのか。それなのにニコニコとして、怒りもしないで受け入れてくれていた。………はあ。これからは優しくしよう。琴音の感じている姿は凄く可愛いし、琴音にも本当に沢山気持ち良くなって欲しいな……)





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