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1話 元勇者性欲と暇を持て余す

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「あーっ………暇だし……めっちゃエッチしたい…………」

ごろんごろんと薫子(20)はベッドの上を転がった。この世界に魔王を倒す勇者として召喚されて一年、魔王はあっさりとチートで倒してしまいやる事が無くなった。

(………………はあ。魔王弱すぎだしこの世界暇すぎだし………本当萎えるわー)

旅をしたのは僅か一ヶ月。たった一人で魔王をぶっ飛ばして意気揚々と元の世界に帰れると王城へと向かったら帰れないと言われたのだ。かなりショックだったしその場で城を半壊させてしまった。反省はしているが後悔はしていない。

「………………お金は有るけど娯楽が無いのはきついなー、はあ…………エッチしたい………」

ファンタジー小説に出て来るようなそんなテンプレな世界。なんちゃって中世ヨーロッパと言う感じだ。漫画も無いアニメも無い映画も小説もスマホもゲームも無い。いくらお金を持っていても使い道がない。

薫子は食にもそれ程興味は無いし着飾ったりとか宝石や貴金属にも興味が無い。と言うか着けていく場所も無いし知り合いも殆ど居ない。それに現代人の感覚では着たい服もブランドも無い。

(……………男も女もクソしか寄って来ないしなぁ)

魔王を倒した事で薫子はちょっとした有名人だ。最初の内はチヤホヤされて正直楽しかった。エルフとかイケメン獣人とか王子っぽい人に甘い台詞なんかも吐かれてうっとりとした。一度は恋人関係まで発展しそうになった相手も居た。だけどつい魔が差してチートスキルで相手の心を読んでしまって、それ以降は会っていない。相手の狙いは薫子のチートとお金だった。

(……………はー。だるっ………………)

ごろんごろんと何度も寝返りを打って嫌な記憶を忘れようとするが逆にどんどんと思い出してくる。

ニコニコと笑いかけてくれて可愛いとか美しいと言ってくれていた人が心を読んだら、ちょろい女とかションベン臭いガキとか早く金を出せよとか本心では思っていた。似たような事が何度もあって薫子は恋愛や友達を作るのは諦めた。

人間不信になったし毎回心を読む自分にも嫌気が差した。それなら誰とも関わらないのが一番と殆ど引き篭もっている。知り合いも殆ど居ないので訪ねてくる者も居ない。孤独である

(……………………オナニーばっか飽きたなぁ玩具も無いし………つらぁ)

元々日本ではローターとか使ってしていたオナニー。こちらの世界にはそんな物は無い。正直自分の指だと物足りない、人に触って欲しいしおちんちんも欲しい。…………人肌恋しい。

元の世界ではセフレも何人か居た。入れ代わり立ち代わりだったので正確な人数は忘れたけど常に週末は誰かと過ごしていた。要するに薫子はビッチである。なのにこちらに来てからは枯れまくっている。一度は性奴隷を買おうと見に行ったが元日本人の薫子にはハードルが高すぎた。

(……………ずっと一緒に居るにしても相性もあるし……その場で選んで、はい購入って言うのはなぁ。買っちゃったら一生責任持たないと駄目だし…………無理無理)

結局買わずに店を後にした。

(…………とりあえず今はワンナイトで良いんだけどなー)

ごろんごろんと転がってふと気づく。
そう言えば奴隷を売ってる店の近くに風俗街が有った筈だ。

(………………あの日はスルーしたけど呼び込みのお兄さん居たよね?)

声を掛けられたが奴隷市場に向かっていたのでスルーしたのだ。

「よし!!!!風俗行こう!!!!女性向けの店も結構有ったよね!!!!」

思い立ったら善は急げと薫子はローブを頭からすっぽり被って金貨がたっぷり入った袋を片手に意気揚々と出掛けるのだった。





▶▶▶▶▶▶







「大変申し訳ありませんお客様。只今お相手をすぐに出来る者は………、余り人気の無い者しか…………、正直おすすめは出来ません。お客様のお望みの男娼は後3時間お待ち頂ければお相手させて頂けますが………」

家を飛び出して気づいたが今日は週末の夜だった。風俗店は結構盛況のようで人気のイケメンは軒並み接客中だった。

(………………ふーん。3時間か……、待てない事はないけど、微妙だなぁ)

店員の心を読んだが本当みたいだし、どうしようかと悩む。

(不人気の男娼ねぇ………逆に気になるかも)

店員なのにおすすめしませんと言い切るその男娼に興味が湧いてくる。

「あの、その相手出来る人。お願いできますか?いくらですか?看板の値段通りですか?それか指名料かかります?」

尋ねると店員は少し困った様な顔をした。

「あの、本当におすすめできませんよ?少し人を選ぶ種族ですし。折角選んで頂けても皆様すぐに帰るかチェンジなさいます。何度も何度もクレームが入ってて………。もう、一週間お茶を引いてます……、言っても改善されないし……。はあ、本当何でオーナーはあんなの買っちゃったのか……、……失礼しました。こほん。実はもう明日には市場に売りに出されるんですよ……。それでも構わないと言うのならご指名なされるのは良いですけど後から返金やクレームを入れられても対応はしかねます。今はチェンジも無理ですよ?まともな接客は期待しないで下さいね?こちらはちゃんと説明はしましたよ?」

若干愚痴っぽく店員はそう言ってそれからしつこいくらいに念押しをして来る。そこまで店員に言われる男娼に俄然興味が湧いて来た。人を選ぶ種族と言うのも気になるしお金なら腐るほど有るし時間も腐るほど有る。暇つぶしがてら指名して駄目そうならまた別の店に行ってみるか出直せば良い。

(……………接客駄目でも見た目が好みならまあ。…………ヤるだけなら別に問題は無いし、でも人を選ぶ種族?ゴブリンとかオークとか?…………いやドワーフか?まあ人生経験として有り?それも)

そんな風に思って大丈夫だと答えると店員は値段を言う。それは激安だった。日本円にしたらたったの5000円。それで2時間。

(ええ…………嘘ぉ?安すぎ……)

この店の一番人気のイケメンは日本円にしたら2時間指名で80000円だ。店の看板に書いてあった基本的な料金も2時間65000円から。それに比べて驚きの価格崩壊だ。

(逆にめちゃくちゃ興味出てきたわ)




▶▶▶▶▶▶




店員に案内されてついて行くと等間隔で扉が並んだ廊下に連れて来られた。その内の一つをコンコンとノックするとカチャリと扉が開いた。隙間から顔を覗かせたのは長い前髪で目元が隠れ気味な黒髪の青年だ。肌に若干鱗のような模様が見えるが鼻や口元は整っていてそれなりにイケメンだ。シュッとした容姿で手足が長く身長は180くらい。悪くは無い。寧ろ日本人的感覚の薫子からしたら親近感も湧く。店員からお客様ですと言われて青年は長い前髪の隙間から見える金色の瞳を薫子に向けた。それからコクリと頷き一歩後ろに下がる。

「お客様。では只今から2時間お楽しみくださいませ。…………時間の10分前にはお部屋に合図音がなりますので」  

ペコリと頭を下げて去っていく店員を見送って薫子は部屋に入る。

「あの…………こんばんは」

青年に挨拶をしたのだが特に反応は無く。青年はスタスタと奥へ歩いて行って部屋に有る小さ目のソファーに座ってしまった。

(なるほど。塩対応?………でもまあ別に………仲良くなる必要も無いし、見た目は想像より全然良いし。ワンナイト……って言うか2時間だし
……………ま、いっか)

部屋を見渡してみると6畳ほどの空間で一番奥にカーテンで仕切られたシャワールーム。籠とタオルが床に置いてある。それから少し手前の方にベッドと小さな机と二人掛けのソファー、今は青年が一人で座って居る。

ベッドの少し上の方に服をかける取っ手が有る。ベッドサイドには香油やローションらしき物の入った小瓶も並んでいた。入口近くに戸棚も有る。小さな鏡も。

(特段汚くも無いし綺麗でもない、ただヤるだけの部屋だなぁ)

キョロキョロと眺めてから薫子も青年の隣に腰掛ける。距離は近い、久々の若い男にほんの少し興奮してくる。

「お兄さん、お名前なんて言うの?」

尋ねるが青年はチラリと薫子を見るだけで答えない。

(ふーん。無口で無愛想。確かに接客業としては駄目かな…………、なんか蛇っぽいな……それか蜥蜴?………獣人って事になるのかな?人を選ぶ………は確かにそうかもな。爬虫類とかって苦手な人は苦手だもん)

こちらをじっと見てくるので薫子も青年の顔をジロジロと見る。スッとした切れ長の目に長い睫毛そこから覗くのは金色の瞳。長い前髪で見えにくいが目元と鼻と口元を総合的に判断したら普通にイケメンだし、好みだ。変にキラキラし過ぎてなくて安心する。肩に付くか付かないくらいの男にしたら少し長めな髪も良い感じだ。

手足が長くて指も長くて細い。だけど男の人だけあってゴツゴツして居る。触れられたら気持ちが良さそうだ♡それに年も多分近い。流石にこんな店で働くのだから成人はしているだろう。

(この国の成人は16だから………どんだけ若くても16………、でも、この人は20超えてそうだな)

こんだけジロジロと見ても青年は何も言わない。ただじっとしている。

(…………………やっぱり爬虫類っぽいな)

肌はガッツリ鱗と言う訳じゃなくて薄っすらと模様が浮いた青白い肌だ。ほんの少し不健康そうに見えるし冷たい印象を受ける。

「お兄さん、お兄さんって爬虫類系?」

尋ねるとコクリと頷く。

「………蛇人へび

それだけ答えた。

(お……なかなかイケボじゃん。)

「そうなんだね?やっぱ蛇かー、へー。…………肌触ってみても良い?」

「………………」

無言である。

(…………なるほど。確かにこれは駄目だな…………一時が万事これなら確かにクレーム来るか…………。………嫌嫌やってる感じかな?………店員も市場に売るって言ってたし借金奴隷?)

自ら進んで男娼になる者も居るだろうが目の前の彼はきっとこの店に買われた借金奴隷だ。ここで働いてお金を返せれば奴隷から足抜けできる。だが店員は彼を市場に売ると言っていた。市場に売られたらもう奴隷からは抜け出せないだろう。

(………………あー。やば、萎えたわめちゃ萎え………)

青年の末路を想像してめちゃくちゃ萎えた。エロい気持ちが飛んでいった。

「………………お兄さん、私の事知ってる?」

被っていたフードを脱いで見る。もし薫子を知っていれば多少は媚びたりして来るんじゃないかと顔を見せたが青年は首を振る

「貴女の事など知らない。」

冷たくキッパリ言われる。だけどそれは気にならない。寧ろ知らないと言われて少しだけ気分が晴れる。

(……………知らない。そっか………そっかぁ。)

媚びたり態度が変わらない所を見ると本当に知らないようだ。そう思うと少しだけ嬉しい。この青年にとっての薫子はただの客の女だ。元勇者の薫子じゃなくてだ。それは嬉しい。そう思えばこの塩対応も全然気にならない。裏表が無い証拠だ。

そんな風にぼんやり考えているとグーッと音が鳴った。腹の音だ、薫子の腹じゃ無い、目の前の青年だ。

「……………お腹空いてるの?」

尋ねると青年は無表情で頷く。

(……………一週間お茶引いてたって事は店からも余り食事とか貰えてない感じ?……………細いのに……)

ほんの少しだけ同情する。薫子は食うのに困った事なんて無い。元の世界でもこの世界に来てからも、そう言う意味では恵まれている。だから目の前の青年に同情した。まあ青年がちゃんと接客すれば良い話だが彼が借金奴隷なら、自ら喜んでやっている訳じゃないだろうしもしかしたら親に売られたのかもしれないなぁ。なんて想像してなんだかめちゃくちゃ可哀想になってくる。青年のお腹がまたグーとなる。無口なのにそこはお喋りだね?なんて思いながらクスリと笑った。

「お兄さん。何か食事の注文とか無いの?私もお腹減ったしさ。何か食べよ?無ければ買って来てもいいの?」

尋ねると青年はスッと立ち上がりベッドの下をゴソゴソしてメニュー表を取り出す。出前とかもやはり有るようだ。

「へー。結構色々と有るね、お兄さんどれ食べたい?好きなの頼んで良いよ。食べたいの何でも好きなだけ頼みなよ。私お金持ちだから安心してね」

ニコリと笑いかけると青年は頷く。それからメニュー表を持って無言で部屋を出て行った。

それにも薫子はクスリと笑う。

(……………お礼も無しとか私じゃなければ確かにこれはクレームだわ)

薫子は怒ってなんてない。最初から不人気の男娼だと分かっていたし無言でお腹をグーグー鳴らしていた姿がなんだか面白くて久々にクスクスと笑いが漏れる。

(………………今日はエッチ無しでもまあいっかな)

食事を食べていたらヤる時間なんて殆ど残らないだろう。だけど問題は無い。久々に少しだけ笑えた。だからなんだかそれだけで満足だなぁとそう思う。暫くすると青年は戻って来て無言で薫子の横に腰を降ろした。手にはサンドイッチが乗ったトレーが有る。

「お兄さん?それだけ?」

尋ねると青年は無言で首を振った。

「後から他のも来るの?ならそれ先に食べて良いよ。お腹また鳴ってるし、ふふっ」

グーグーお腹が鳴っているのにトレーを机に置いてじっと眺めているから面白くてクスクスと笑ってしまう。青年は薫子の言葉を聞くとサンドイッチに手を伸ばしガツガツと食べ始めた。よく見ると飲み物が無いなと思っていると青年もそう思ったのかスッと立ち上がると入口近くの戸棚を開けてそこから瓶を二本取り出した。多分果物酒だ。薫子の前に一本置いてもう一本を開けるとガブガブ飲みだしまたサンドイッチにがっつく。その姿がなんだか野生動物に餌付けしているみたいに見えて薫子はクスクスと笑う。それを見て一瞬青年はピタリと止まったがすぐに食べるのを再開した。

(……………ふふ。沢山食べなー。…………良い食べっぷり)

ニコニコと眺めているとコンコンと扉が鳴る。口いっぱいに頬張っているのに立ち上がろうとする青年を止めて薫子が扉を開けることにした。どうせ注文した物が来ただけだ。それなら誰が出ても同じだ。案の定カートに乗せられた料理を店員が運んで来た。店員は受け取りに出て来た薫子に少し驚いた様に目を見開いて、奥で食事にがっついている青年をチラ見して眉を顰めていた。それに薫子は苦笑した。

「あの、私が良いって言ったんで後で怒らないであげてくださいね。食事代いくらですか?」

告げると店員は渋々頷いている。

(……………あー。でも明日売られるのか彼)

そんな風に思った。

支払いを済ませてカートごと受け取り部屋の中に運び入れるとサンドイッチを食べ終わった青年が立ち上がり上に乗せられた料理を手に取る。

(………………おっ。遠慮なくなって来たね。よきよき)

うんうんと頷いてカートの上を眺める。

肉類が多い。野菜を食え野菜を、と思わなくもないが美味しそうに食べている姿を見ると仕方ないなぁと思う。

薫子はまたソファーに座り果物酒を口にしながら食事をする青年を微笑ましく眺めた。

(………………田舎のおばあちゃんの気分だわ。沢山お食べ♡)






▶▶▶▶▶▶





結局青年が食事を食べ終わったのは残り時間20分を切った辺りだ。

「……………………ご馳走様でした」

ポツリとそれだけ言って青年は何故か眉を寄せて目つきが悪くなっている。

(おいおい。食べさせて貰ったのにその態度?ふふふ。本当に面白いなこの人………逆に有りだわ。笑える)

青年のその姿にクスクスと笑う。もう今は全くエロい気分は無くなっている。でもなんだか心は満たされた。久々に楽しかった。

ピンポロピンポロと音がなる。きっとこれが10分前の合図だ。


スッとソファーを立ち上がりローブのフードを被り直す。

「お兄さん、いい食べっぷりで見てて楽しかったよ。ありがとう♡」

(たとえ私の一方的な気持ちでも、笑えたしなんか来て良かったな。……………何考えてたのかな?)

そんな風に思う。彼は明日には市場に売られてもう二度と薫子とは会う事はないだろう。だから彼が何を考えているのか考えていたのか気になった。どうせもう二度と会わないしと。そんな風に考えて心を読む罪悪感を減らしながらスキル『読心』を使った。

《……………めちゃくちゃええ人だったなぁ。なのに……オラちゃんとお礼も言えねぇ………久々の料理に夢中になっちまったし…………。うぅ……なのにニコニコして優しいだなぁ…………。オラ、最後にこんな良い人に会えて……良かっただぁ………、………う……眠いべ……。久々に腹いっぱい食べたから………っ………我慢…我慢しねぇと………、もうお別れかぁ……。優しくて…ニコニコしててかわいいなぁ……また会いてえなぁ……
………この人…と……セックス…したかったなぁ》

めちゃくちゃ訛った素朴な声が聞こえて来て薫子は青年を二度見した。

青年は眉根をめちゃくちゃ寄せて目もめちゃくちゃ細めている。めちゃくちゃ不機嫌そうだが。心の声は


《…………………眠い………ぁ……駄目だぁ…、ちゃんと………お見送り……しねぇと………》

である。


(……………ふぁっ!?)




▶▶▶▶▶▶






部屋を出て薫子はスタスタと受付カウンターに早足で向かう。店員は嫌そうな顔で眉を顰めていた。


「あのー?お客様………クレームは無しでって説明しましたよね?」

そう言う店員を無視して薫子はドンッと金貨の沢山入った袋を叩きつけた。

「明日も来るんで、今から彼の時間全部買います!!!他のお客は絶対に付けないでください!!!!!」

そう告げると店員は薫子を見てそれから金貨の入った袋を見てまた薫子を見て袋を見てそれから

「ええ?」

困惑した声を出した。







▶▶▶▶▶▶


店を後にして薫子は路地裏に入り壁を殴った。ミシミシとヒビが入ったがそんなの知らん。

(なっ!!!何あれ!!!何あれ。なにあれーーっ!!!!!めちゃくちゃかわいいじゃん!!!!!!え?何?眠くて不機嫌そうな顔になってたの?!お腹膨れて眠たくなったの?赤ちゃんかよっ!!!!)

ジタバタと悶える。

スキルを駆使して彼の内心を覗いたら判明した事が沢山あった。やはり彼は家族の借金が理由で借金奴隷になり男娼を始めたようだ。借金の理由は病弱な妹に薬を買う為。たまたま村に訪れたあの店のオーナーが彼の容姿を見て声をかけたらしい。渡りに船と彼は男娼になるのを引き受けた………のだが、初めてのお客に訛りをボロクソ言われて即チェンジされたようだ。その後は訛っているのを気にして直そうとすると上手く話が出来ないらしいと言うのがわかった。更には女性とも上手くお話出来なくて緊張でどうして良いかわからないとも考えていた。

(はあ?かわいいかよ………)

しかも童貞。
オーナー良い仕事したな!!!!薫子は顔も知らぬオーナーを内心で褒め称えた。

正直めちゃくちゃ萌えた。好みドストライクだ。あの塩対応の裏では女の人にドキドキしていたのかと思えば可愛く思えるし、お腹空きすぎて料理にがっついていたのを内心で後悔していたのも後から知ってめちゃくちゃ萌えた。

しかも薫子をかわいいと優しいと本心から言ってくれた。薫子とセックスをしたいと思ってくれていた。出身がど田舎過ぎて本当に薫子が元勇者だとも知らないようだ。なのに好意を向けてくれていた。

(んァァァァ!!!!!かわいいーー!!!!!好き!!!!!もう、好き!!!!)

本当は延長したかったが彼が眠そうだったので今日は諦めた。だけど絶対に明日はヤる。その為に彼の時間を買ったのだ♡なんならこれから毎日通い詰めても良い♡毎日ヤる♡不人気?そんなの知るか

薫子的にはドストライクでドタイプなのだ♡推し確定だ♡訛りもかわいい♡全部ちゅき♡

「……………名前は彼から直接聞きたいなぁ」

うっとりと呟いてそれからハッとする。

「もっとお洒落しないと!!!!!可愛い服とかエロい下着とか全然持ってないっ!!!!」

今つけている下着はヨレヨレだし服も適当なワンピースだ。こんな姿で明日彼に会うわけには行かない。善は急げとまだ開いている服屋に向かう。

(…………………はあ♡楽しい)

明日彼にまた会えると思うと胸が高鳴った。





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