小倉鍋──織田信長の妻になった女──

国香

文字の大きさ
83 / 92
安土

五・決着(下)

しおりを挟む
 信長が薬湯を運ばせてきた。

 舶来品の白磁の茶碗になみなみと満たされた薬湯が、不気味などす黒い色を放ち、薬草のかすが表面にたゆたっている。においもいかにも怪しげだ。

 定秀は目の前に置かれたそれに、冷や汗を落とした。

「腰痛に効く薬草だ。岐阜の山に生えていた。途中、伊吹山で足りない薬草を調達してきた。俺が手ずから抜いてきてやったのだ」

 くふふと信長は不気味に笑った。

 定秀はごくりと唾を飲み込んだ。なかなか手が伸ばせなかった。

「どうした、遠慮はいらんぞ。賢秀は俺と同い年だから、おぬしは俺の父みたいなもんだ。俺の父は早くに死んだゆえ、今も生きていれば、おぬしのようになっていたのだろうと、おぬしの顔から、父の皺を想像しているのだ。今までこうして親しく交わることもあまりなかったが、薬草くらい食わせてやりたいと思っていたのよ」

 にたにた、信長は声にも笑いを含ませ、定秀を見ている。

「はっ、それは畏れ多い、かたじけなき仰せ……」

 定秀がようやく茶碗を手にした。震える手に力を込め、持ち上げる。

「冬姫の先程の話はまことだ。俺は忠三郎を息子にと思うておる。忠三郎は信じておる。が、蒲生家の出方によっては――」

 茶碗に口を近づけていた定秀の手が止まった。

「万が一、天地がひっくり返った時は、蒲生といえども正しく罰し、潰さねばならぬが、まあ冬姫の言う通り、忠三郎だけは決して有り得ないからな。さても悩ましきところよ」

 信長は口元を綻ばせたまま、急に茶碗を凝視した。次いで定秀に目を合わせ、くっと笑った。

「遠慮すな、親父殿」

「は……」

 どうにか返答したものの、定秀はがちがちと歯が鳴る。

(蒲生を潰すとな?いや、忠三郎だけは婿ゆえに許すとな?わしは……わし一人を殺して、それで帳消しにするとな?)

 薬湯のどす黒い色が、定秀を誘っていた。

(わしは……わしは蒲生を維持するために、死なねばならぬのか?わし一人だけが、蒲生のために犠牲に……)

 家を守るために死ぬのは、武士の誉れである。潔く逝くのが美徳なのだ。

 定秀はなお震える。まだ死にたくなかった。

 血の色。薬湯を見てそれを連想した。

 これは薬湯ではなく、やがて定秀の吐く血なのではないか。定秀は茶碗の中を覗き込んで、ふとそんな幻想に誘われた。すぐにこの茶碗は定秀の血で満たされることになる。

「お屋形様!」

 勝手に口が喋っていた。

 定秀は気がつくと、茶碗を両手でしっかり握ったまま顔を上げ、信長を見ていた。

「なんだ?」

 信長はなお含み笑い。

「おそれながら、蒲生を潰すおつもりにございましょうや?されど、蒲生は何ら罪は犯しておりませぬ!それがしが本誓寺へ参りましたは、顕忍を匿うよう坊主どもに命じるためではございませぬ!そもそもあの童は顕忍ではございませぬ!」

「知っておる」

「へ……?」

 信長は笑ったまま頷いた。

「冬姫が偽物と暴いたんだろうて」

「……し、しかし……」

 先ほど、信長は定秀に言ったではないか。定秀が本誓寺に対して、顕忍を匿うよう命じたのだろうと――。蒲生家の、定秀の謀反の疑いを信長自身が言ったのだ。

 顕忍を匿った罪で、蒲生家をとり潰す。いや、忠三郎は許してやるかわりに、定秀にだけ死ねと――。

「隠居はなんで本誓寺へ行った?行ったことは間違いあるまい?見た者がいるのだ、それは確かだろう」

 信長は初めて真顔になった。

「おそれながら、お屋形様は一揆を起こさねば、一向宗を放置遊ばされるのでしょうか?垣見や小川の門徒衆に対しては、潰滅遊ばされませんでした」

「愚問である。俺はこれから本願寺へ戦しに行く」

「なれば、途中にある一向宗の寺は全て攻撃遊ばされますので?されど、お屋形様は本願寺とさえ、度々話し合いをなされ、時に和睦もなさいました。地上の門徒衆を全滅させるなど、不可能なこと。一揆を起こしていない者らまではお討ちにならないと存じます」

 定秀は勝手に信長の考えを推量して、さらに茶碗を持つ手に力を込めた。

「なれば、寝ている門徒衆の人心掌握に努めるのが、お屋形様に仕える者の役目と存じます。本誓寺はじめ日野の五ヶ寺を我が意に従わせ、やがて日野の門徒衆から垣見、小川の門徒衆を説得してもらい、いずれは彼らをお屋形様の兵と致しまする。そのために、本誓寺へは慈愛を持って接しておりました。奴らは思考しませぬ」

 確かに、彼ら門徒は思考しない。本願寺からの押し付けに、何も考察せず従うだけだ。それが信仰に生きる者のならいである。しかし。

「思考せぬ故、本願寺に同情的なことを言って欺き、慈愛を施してやれば、靡きまする」

「ほう、近江の門徒衆に一揆を起こさせない、本願寺に加担させないどころか、この織田と中立の立場をとらせ、いやいや、それどころか、織田の兵とするなぞと、随分おぬし吹いたな」

 くっと肩を跳ね上げさせ、信長はまた笑った。

「いいだろう、そういう政もある。門徒衆を地上から全て消し去るだけが良いわけではない。まあまあなあなあも政のうちよ。近江の門徒衆は駆逐する必要がないわけよな?恩を売る、それが蒲生のやり方で、それでうまく行くならば、それで構わない」

 信長は納得したようだ。ならば、もう蒲生が処分を受ける可能性もなくなったのか。

 定秀が少しほっとすると、信長がまた笑った。今度はげらげらと声を上げて。

「そういうわけで、話は終わったから、薬湯を飲めよ。俺は今日、そのためにここに来たのだし、おぬしを呼んだのだからな」

 定秀は一気に血の気を引いた。

「おぬし、何でそんなに薬湯を飲むのを躊躇うんだよ?」

「……あ……いや、その、苦いのが苦手で……」

 言った後ではっとした。俺の薬湯は飲めないのかという、信長の次の言葉を想定して――。信長がいかにもそういう目をしたのだ。

(信長め、わしを許してはくれない!)

 どうしても殺す気なのだ。

「それは甘草が入っている。甘く作らせた。俺も甘いのが好きだから、おぬしの気持ち、よくわかるぞ。これでも気をきかせたつもりよ」

「左様にお屋形様お好みの味にして頂いているなら……かように高い効果のある良薬、これから逆徒どもを討ちに行かれるお屋形様を差し置いて、それがしなぞが賜るは……勿体なく……」

 時々ちらちらと信長の表情を盗み見ながら、定秀は何とかして、これを飲まずに済ませようとした。

 だが、信長の表情は必ず飲ませようという意志に溢れている。

 拒んでも、鼻をひねられ、口を抉じ開けられ、無理矢理薬を押し込まれる。間違いなかった。

「いいから飲め!」

 ついに信長が苛立ちを露にしてきた。

 どの道、死ぬのだ。定秀はやけくそのように茶碗を口にやり、一気にあおった。

「ブッ!げほげほげほ」

 薬湯は熱かった。

「阿呆よ……」

 信長が呆れていた。

 噎せて咳き込む定秀を、何とも言えない表情で見ていたが、おもむろに立ち上がり、ずかずかと近づいてくると、定秀の傍らで膝を折った。

「一気に飲む奴があるか?年を取ると、知恵者でも、こんな単純なことさえわからなくなるのか?」

 茶碗を定秀から奪い、悪口しながらも、その背をさすった。

「おお、やだやだ、父も生きてたら、こうなったのか?俺はこうなる前に逝きたいものよ」

 しばらく噎せていた定秀が、震えながらようやく懐紙に手をやり、口を拭うと、礼の言葉のかわりに、しきりにぺこぺこ頭を下げた。

「ほら、残りはゆっくり味わえよ」

 再び信長は定秀の手に茶碗を押しやり、背中をぽんと一つ叩いた。

 定秀の体は何ともなかった。

(わし、生きてる……?)

 残りが半分になった茶碗の中を覗いた。

 口に残った風味が複雑だ。薬湯らしい有難くないにおいと、まとわりつくような甘味。

(毒ではなかった……?)

 落ちつくと、定秀は傍らの信長を見た。信長は相変わらずの目力で、定秀を見ていた。

「か、甘露でございます」

「だから言っただろう?甘くしておいたと。年寄りは頑固で意固地で、まことに質が悪いよなあ。年なんだから、それを素直に受け入れ、さっさと薬湯の世話になればよいのに。それを、年寄りではないのと、なかなか薬を飲みたがらん。皆そうだ。腹の立つことよ」

 信長はそう言って、立ち上がり、もとの席に戻って行く。定秀はその背に、茶碗を捧げるようにして拝んだ。

 信長が正面を向いて座ると、定秀は今度はじっくり、味わうように残りを飲んだ。

(やっぱり、不味いわ……)

 薬湯は、甘いが不味かった。

「どうだ?」

「は、飲みやすうございました。かたじけのうございます」

 偽りを口にして、頭を下げる定秀であったが、信長はくっと笑った。

「そうではない、体の具合だ」

「え?」

「変わらぬか?」

「ぐっ?」

(やはり毒だと!?)

 定秀は一気に蒼白になった。俄に目眩がしてきた。

「俺はおぬしを疑っている」

 信長の声が遠くに聞こえる。

 死という言葉が、定秀の入道した頭に過った。

「だが、無実であると冬姫が証明し、おぬしが顕忍を匿わせたことは明白ではないゆえ、不問と致す」

「え……」

 定秀は顔を上げた。まだ目眩がする気がするのは何故なのか。

「ついては、川副四郎兵衛という者のことだが――」

 定秀の頭はついて行かない。信長の話はいつも突飛で、慣れない者には脈絡なく感じてしまう。

「寄越せ」

「……は?」

「妙な返事よな、語尾を上げて言う奴があるか?そういえば、おぬしの孫も語尾を上げて、はいとよく返事しておったな。似ておるわ」

 冗談に笑う信長。

 その間、定秀の頭はようやく動き出した。

(不問にする代わりに、四郎兵衛を献上せよとな?しかし、何故四郎兵衛を?)

 理由はわからない。だが、断る理由もない。定秀にとって、四郎兵衛はそこまで重要ではない。

「先日、報告に来た時の受け答えが気に入った。酌に付ける。よって、この小田に仕えさせる」

「は、酌様に。これは思いがけないお引き立て。四郎兵衛に代わって、御礼申し上げまする」

 一転して、揉み手でも出そうなほどの定秀の愛想。

「四郎兵衛は幸運に恵まれました。それがしも羨ましいくらいです」

 信長はただ頷いた。

 信長はやがて、定秀を残して部屋を出て行った。鶴姫の所へ行ったのだろう。

 信長と定秀のやり取りを、お鍋は隣室に潜んでじっと聞いていた。信長が出て行ったのを確認すると、お鍋は定秀の前に姿を現した。

 定秀の前には空の茶碗があるだけだ。

「茶室で一服いかがです?」

 もてなしらしいもてなしもしていなかったのでと、お鍋は誘った。

「……は」

 定秀は一瞬で、一気に老けきったように見えた。

「お疲れになったでしょう?おくつろぎ下さい」

 精神的に疲労困憊なので、定秀は反射的に頷いてしまった。

「真実は冬姫様がうやむやになさったけれど、お屋形様もそれで良しとされたのね。でも、お屋形様は真実をお見通しになっておられます。それをあえて不問にすると仰有ったに過ぎない。不問になさる故、処罰を受けることも、表沙汰になることもないでしょう。でも、蒲生家への信頼は失墜しました、私は――」

 私はと、お鍋は敢えて語尾に付け加えた。

 定秀には言いたいことは伝わったが、それでも真実を白状しない。だが、お鍋は朗らかに花びらのように微笑んだ。

「でも、もういいわ。姫様に免じて、私ももう許すことにしました。姫様の蒲生家を、姫様を私は信じます」

 定秀が顔を上げた。

「わしは御身に随分な仕打ちを、これまで――」

 それを水に流すというお鍋が信じられない。

「あら、悔いていらっしゃるの?反省していらっしゃる?」

「……」

「確かに、色々されました。ずっと恨んでいた。でも、それは私の個人的な感情ですから。私は今は織田の人間。同じ織田の姫様の家を、頼りにしないでどうします。だから、これまでの私の感情は捨てます。共に織田をもり立てて行きましょう。共に織田のために生きるのですから、私もあなた方も」

「……すまなかったと……思うてはいるので……」

「許せば、仲間となる。許さねば、永遠に敵。もういいんです。さ、茶室に行きましょう」

 定秀は床に手をつき、お鍋に向かって深く平伏した。床に額がこすりついていた。

 その日のうちに、冬姫と共に中野城へと戻って行った定秀。その腕には壺が抱えられていた。信長に持たされたのだ。腰痛の薬だとて――。先程飲まされたものと同じである。

 腰痛に悩む者が壺など抱えては、余計に腰が痛くなるのではと案じられるが、腰に負担がくるほどの大きさでもなく、非常に軽くもあった。

 定秀は近頃、何もしていなくても腰が痛い。日野と小田を往復すれば、かなり悪化すると思われる。

 馬を降りて、中野城の城門をくぐり、冬姫と歩いていると、冬姫が案じて訊いてきた。

「お体のお加減は?その壺、私がお持ち致します」

「ふむ、そうやの……」

 振り返って壺を渡そうとしたところで、上目遣いになり、定秀は妙な表情を浮かべた。しばしそのまま静止し、やがて首を傾げた。

「あれ、おかしいの、なんともない……」

 腰が痛くないのだ。

「わあ!」

 冬姫は無邪気に声を上げた。

「もしや、その薬が効いたのではございませんか?」

「これですかの?」

 定秀は壺を見下ろした。

 信長に一服もらったのは、毒どころか本当によく効く薬だったようだ。

 定秀は狐につままれたような顔。それでも、手を伸ばしてくる冬姫に壺を渡した。

「良きお薬。有難きことです。冬姫君からも、お父上様に御礼申して下され」

「はい」

 冬姫はまた素直に返事した。

 定秀は再び歩こうとして、しかし、やめ、冬姫を見やった。

「姫君は心底蒲生に尽くして下されますの。此度の一連の騒動、丸くおさまったは、全て姫君のご尽力のおかげ。改めて御礼申し上げます。今日のことも。いや、正直驚きました」

「父が忠三郎様を息子にと、望んでいることですか?」

「それもやが……」

「父の後を継ぐのが忠三郎様だということですか?」

「ううむ、姫君、それを本気にしておられるか?」

「はい。父は本気です」

 冬姫も信長も本気だと、彼女は頷く。

「しかしの……姫君、ご嫡男の信忠様がおわしましょう?」

「はい。織田家を継ぐのは兄です。父の志を継ぐのが忠三郎様。父はこのまま天下をとるつもりなので、忠三郎様がその後の天下様なのです」

「なんですと?天下様も信忠様が継ぐものでしょう?織田の家督を継ぐ方が天下の儀も……」

 言いかけて、定秀はそら恐ろしい心地がした。

「まさかお屋形様は姫君に、まことに忠三郎のことを、左様に……?」

 冬姫は急に凛然とした。

「だから、何がなんでも蒲生家をお守りしなければなりません。もしも、織田の家督と天下の座が異なることで、将来争いとなるのでしたら、私が鬼になりましょう。織田の家督も忠三郎様にお継ぎ頂きます」

「そそ、そのようなこと……」

 定秀は冬姫の目にたじろいだ。どんな悪事も全て見通している目だ。

「女には善悪は関係ありません。女の判断基準は好きか嫌いか。女の私には、父の決めたお婿様が全てですもの。たとえ忠三郎様が世間の目に悪と映ることを遊ばしても、私には忠三郎様だけが正義、忠三郎様に批判的な者全てが、私には悪です」

 必死に言う冬姫に、やがて笑みが戻ってきた定秀は、やはりお鍋を長年振り回してきた男なのだ。

 以後、決して信長には逆らわず、蒲生家ほど信長に忠義を尽くした家はなかった。

 部屋に戻ると、定秀は医師を呼び、信長からもらった壺の中身を預けた。

「それやいったいいかなる薬かのう?調べてくれい」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

織田信長 -尾州払暁-

藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。 守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。 織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。 そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。 毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。 スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。 (2022.04.04) ※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。 ※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。

もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら

俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。 赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。 史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。 もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。

アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)

三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。 佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。 幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。 ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。 又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。 海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。 一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。 事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。 果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。 シロの鼻が真実を追い詰める! 別サイトで発表した作品のR15版です。

四代目 豊臣秀勝

克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。 読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。 史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。 秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。 小牧長久手で秀吉は勝てるのか? 朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか? 朝鮮征伐は行われるのか? 秀頼は生まれるのか。 秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?

信忠 ~“奇妙”と呼ばれた男~

佐倉伸哉
歴史・時代
 その男は、幼名を“奇妙丸”という。人の名前につけるような単語ではないが、名付けた父親が父親だけに仕方がないと思われた。  父親の名前は、織田信長。その男の名は――織田信忠。  稀代の英邁を父に持ち、その父から『天下の儀も御与奪なさるべき旨』と認められた。しかし、彼は父と同じ日に命を落としてしまう。  明智勢が本能寺に殺到し、信忠は京から脱出する事も可能だった。それなのに、どうして彼はそれを選ばなかったのか? その決断の裏には、彼の辿って来た道が関係していた――。  ◇この作品は『小説家になろう(https://ncode.syosetu.com/n9394ie/)』でも同時掲載しています◇

滝川家の人びと

卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。 生きるために走る者は、 傷を負いながらも、歩みを止めない。 戦国という時代の只中で、 彼らは何を失い、 走り続けたのか。 滝川一益と、その郎党。 これは、勝者の物語ではない。 生き延びた者たちの記録である。

与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし

かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし 長屋シリーズ一作目。 第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。 十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。 頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。 一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。

別れし夫婦の御定書(おさだめがき)

佐倉 蘭
歴史・時代
★第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★ 嫡男を産めぬがゆえに、姑の策略で南町奉行所の例繰方与力・進藤 又十蔵と離縁させられた与岐(よき)。 離縁後、生家の父の猛反対を押し切って生まれ育った八丁堀の組屋敷を出ると、小伝馬町の仕舞屋に居を定めて一人暮らしを始めた。 月日は流れ、姑の思惑どおり後妻が嫡男を産み、婚家に置いてきた娘は二人とも無事与力の御家に嫁いだ。 おのれに起こったことは綺麗さっぱり水に流した与岐は、今では女だてらに離縁を望む町家の女房たちの代わりに亭主どもから去り状(三行半)をもぎ取るなどをする「公事師(くじし)」の生業(なりわい)をして生計を立てていた。 されどもある日突然、与岐の仕舞屋にとっくの昔に離縁したはずの元夫・又十蔵が転がり込んできて—— ※「今宵は遣らずの雨」「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」「大江戸の番人 〜吉原髪切り捕物帖〜」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。

処理中です...