白い雫の天使~親愛なる人への旋律

夏目奈緖

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 14時。

 これからレインボーブリッジ遊歩道を歩く。芝浦ふ頭駅が見えて来ると、自分達が住んでいる方面の駅とは違う雰囲気の街だと思った。大学と家の往復で駅を使わず、仕事の時は車移動のみだから知らない場所が多い。

 それを話すと黒崎が満足げに笑った。どこにも出さない。必要以上に姿を見せたくない。自分と一緒にいる時は別だ。見せびらかしたい思いもあるのだと言われて胸がキュンとしたのは、黒崎に毒されているからだ。慣れが恐ろしい。

(言いたい放題だな。誕生日だから言い返さないでいようっと……)

 レンボーブリッジ近くの駐車場に車を入れた後、のんびりと歩いた。風が気持ちいい。黒崎の両腕で掴んですがりついた。歩きづらい。そう文句を言われても止めてやらない。表示通りに進んで行くと、"遊歩道” の看板が出てきた。平日だから人が少なそうだ。ノースルートとサウスルートがあるそうだ。俺達はどちらだろう。
 
「ノースルートとサウスルートか~。今日はどっちになるの?」
「ノースルートだ。春になったら夜に来よう」
「まだ寒いもんね。手をつなごうよー。くっついてると温かいねえ~」
「早く入るぞ」
「わああ~。いきなりなんだよ!?」
「さっさと来い」

 強引に手を引っ張られてしまった。素っ気ない雰囲気も合わさっている。何か気に入らないことがあったのか?と、文句を言いながら建物に入った。

 そして、建物に入って、素っ気ない反応の理由を知った。他にも人がいるからだった。しかし、その人達がエレベーターで上がっていった後も、素っ気ない感じだったから喧嘩になりかけて、ぐっと堪えた。
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