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黒崎が目を開いた。そして、俺の方を向いた。
「夏樹。俺は沈み込んで見えるか?」
「ちょっとだけ。お義父さんのことを考えただろ?」
「ああ。親父は愛人だらけだった。恨んだぞ。今は違う人になった。あの人はどうしようもない。そう考えるしかなくなっている。許す方向だという意味だ」
「カズ兄さんが許してくれたもんね。親子鑑定ってするの?お義父さんがパンフレットを見ていたんだ」
「ああ。死ぬ前にはっきりさせたいと思っているようだが、実父がもう一人の相手なら、一貴は沈み込むだろう。俺もそうなる。一貴はこのままで良いと言っている。親父は責任を取りたいようだ。もう83歳になる。片付けておきたいんだろう。晴海兄さんが苦労する」
一貴さんはかつて、俺のことも黒崎のことも、お義父さんのことも嫌っていた。そして、好きという感情も持っていた。それが抱えきれなくなり、仕事にも影響し、プラセルの評判が悪くなっていた。そして、俺達は良い方向に向かった。今では同じ敷地に暮らし、晴海さんが訪ねてくる。
「今年の法事って、荒れるかな?」
「そうなるだろう」
「またカズ兄さんのお母さんが暴れるかな」
「一貴が止める側になる。だが、そうさせたくない。出席を拒む方向で考えている」
毎年1月に行われる黒崎家の法事では、親戚同士の争いが起こる。それを見ないと1年が始まった気がしないというのが去年の黒崎だったが、今年は笑ってはいられないようだ。俺は毎回驚いている。
「二葉はどうするの?今年も俺と一緒に留守番しようか?」
「まだ考えている。すまない。苦労をかける」
「いいんだよ。荷物を分けてよ。肩をもんであげようか?ローザーさんから教わった方法だよ」
「ああ」
ローザーさんは、アシスタントのミカさんと一緒に、TDDのヘアメイクとスタイリストしてくれている人だ。マッサージの腕がすごくて、評判になっている。それを言うと、黒崎が起き上がった。俺は彼の後ろに回り、凝っていそうな肩をもんだ。やってみると、やっぱり凝っていた。
「凝っているみたいだよ」
「筋トレ不足だ」
「よーし。これでどう?」
もみほぐしを始めた。くすぐったいと、黒崎が笑っている。もっと笑わせたくて、身体をくすぐってやった。すると、すぐにやり返された。ベッドに仰向けにされて、くすぐられ始めた。
「ひゃひゃひゃーーー」
「色気のないことだ」
「だって、くすぐったいんだもん。反射神経が良いよねえ。羨ましいよ」
「お前がトロいからだ」
「あ、偉そう!いつもの黒崎さんが戻ってきたね~」
「まだ言うのか」
今度は足の裏をくすぐられた。笑いで息があがり、もうやめてくれと頼んだらやめてくれて、隣に寝転がった。そして、俺の手を握った。
「俺がお前のことを愛しているのを、分かっているだろう?」
「え?」
「何も変わらない。お前のままでいい」
「黒崎さん……」
「もう寝る」
「うん……」
久しぶりに愛していると言われて、胸の鼓動が高鳴った。黒崎は恥ずかしいのか、こっちを見ようとしない。それどころか、本当に寝ている。俺はそっと布団をかけてあげた。すると、腕の中に包み込まれた。夜中になるとこうされていることが多い。黒崎の身体は熱くて、俺まで熱くなる。でも、今夜だけは腕の中にいた。そうしたかったからだ。おやすみなさい。小さくつぶやいて、俺も目を閉じた。
「夏樹。俺は沈み込んで見えるか?」
「ちょっとだけ。お義父さんのことを考えただろ?」
「ああ。親父は愛人だらけだった。恨んだぞ。今は違う人になった。あの人はどうしようもない。そう考えるしかなくなっている。許す方向だという意味だ」
「カズ兄さんが許してくれたもんね。親子鑑定ってするの?お義父さんがパンフレットを見ていたんだ」
「ああ。死ぬ前にはっきりさせたいと思っているようだが、実父がもう一人の相手なら、一貴は沈み込むだろう。俺もそうなる。一貴はこのままで良いと言っている。親父は責任を取りたいようだ。もう83歳になる。片付けておきたいんだろう。晴海兄さんが苦労する」
一貴さんはかつて、俺のことも黒崎のことも、お義父さんのことも嫌っていた。そして、好きという感情も持っていた。それが抱えきれなくなり、仕事にも影響し、プラセルの評判が悪くなっていた。そして、俺達は良い方向に向かった。今では同じ敷地に暮らし、晴海さんが訪ねてくる。
「今年の法事って、荒れるかな?」
「そうなるだろう」
「またカズ兄さんのお母さんが暴れるかな」
「一貴が止める側になる。だが、そうさせたくない。出席を拒む方向で考えている」
毎年1月に行われる黒崎家の法事では、親戚同士の争いが起こる。それを見ないと1年が始まった気がしないというのが去年の黒崎だったが、今年は笑ってはいられないようだ。俺は毎回驚いている。
「二葉はどうするの?今年も俺と一緒に留守番しようか?」
「まだ考えている。すまない。苦労をかける」
「いいんだよ。荷物を分けてよ。肩をもんであげようか?ローザーさんから教わった方法だよ」
「ああ」
ローザーさんは、アシスタントのミカさんと一緒に、TDDのヘアメイクとスタイリストしてくれている人だ。マッサージの腕がすごくて、評判になっている。それを言うと、黒崎が起き上がった。俺は彼の後ろに回り、凝っていそうな肩をもんだ。やってみると、やっぱり凝っていた。
「凝っているみたいだよ」
「筋トレ不足だ」
「よーし。これでどう?」
もみほぐしを始めた。くすぐったいと、黒崎が笑っている。もっと笑わせたくて、身体をくすぐってやった。すると、すぐにやり返された。ベッドに仰向けにされて、くすぐられ始めた。
「ひゃひゃひゃーーー」
「色気のないことだ」
「だって、くすぐったいんだもん。反射神経が良いよねえ。羨ましいよ」
「お前がトロいからだ」
「あ、偉そう!いつもの黒崎さんが戻ってきたね~」
「まだ言うのか」
今度は足の裏をくすぐられた。笑いで息があがり、もうやめてくれと頼んだらやめてくれて、隣に寝転がった。そして、俺の手を握った。
「俺がお前のことを愛しているのを、分かっているだろう?」
「え?」
「何も変わらない。お前のままでいい」
「黒崎さん……」
「もう寝る」
「うん……」
久しぶりに愛していると言われて、胸の鼓動が高鳴った。黒崎は恥ずかしいのか、こっちを見ようとしない。それどころか、本当に寝ている。俺はそっと布団をかけてあげた。すると、腕の中に包み込まれた。夜中になるとこうされていることが多い。黒崎の身体は熱くて、俺まで熱くなる。でも、今夜だけは腕の中にいた。そうしたかったからだ。おやすみなさい。小さくつぶやいて、俺も目を閉じた。
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