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7-1 コンサート・リハーサル
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11月27日、水曜日。午前4時。
こんな時間に目が覚めてしまったと思って、寝室のベッドで寝返りを打った。横には黒埼がいる。アンは絨上の上に置いてあるクッションベッドで寝ている。室内は静まりかえっている。
もう一度目を閉じたが、眠気が来ず、今日は朝まで起きていそうだと思った。窓には水色のカーテンが引かれていて、セキュリティーライトの明かりが通過していくのが透けて見えた。
明日からTDDの2日間のコンサートを控えているから、緊張で眠れないのだと思う。トラブルは起きていない。一ヶ月以上前からリハーサルを繰り返ししていているからこその安心感があり、当日は自信を持って、ステージを務められると思っている。
昨日はボーカルの仕上がり具合を高宮さんが褒められて、有頂天になってしまった。だから余計に寝られないのだろう。こんなにうまくいくわけがないという思いと、何としてでも成功させるという思いと、久弥に恥を掻かせられないという焦りの気持ちも混ざっていると思う。
(ベッドから降りたら、二人とも起きそうだなあ……。喉が渇いたな。よし。そーーっと……)
そっと起き上がり、忍び足でベッドから降りた。すると、黒埼の声が聞こえてきた。珍しく、寝ぼけているようだ。俺の名前も口に出している。
「夏樹。どこに行くんだ?」
「そーーーっと……」
今ここで返事をすると、起きてしまうに決まっている。彼が寝たのは1時ぐらいだと思う。俺が寝始めたときには、黒崎は書斎にいたからだ。絨毯を踏み、さらに静かに忍び足で寝室を出ようとすると、お兄ちゃんというキーワードが聞こえてきた。
きっと、拓海さんのことを呼んでいるのだろう思った。最近、増えている。子供の頃の夢を見ているのではないだろうか。朝になると、黒崎はすっかり忘れていて、そういう夢なら覚えていたいと言っていた。会いに来たのではないだろうか。 そうなると、一人で部屋から出ることが出来なくなり、立ち止まった。すると、アンが起き上がった。そして、俺の足下に来た。
「アン、起きたんだね。ああ、あくびしてる。大丈夫だから、ベッドにおいでよ」
アンをベッドに寝かせた。俺の隣だ。もふもふの毛を撫でて気持ちいいなあと思っていると、ますます喉が渇いてきた。そこで、そばのテーブルに白湯の入ったタンブラーが置いてあるのを思い出した。自分も寝ぼけていったようだ。
もう一度、静かに起き上がり、タンブラーを手に取って、白湯を飲んだ。ごくごくと喉が鳴っている。全部飲んでしまった。すると、その喉の音に気がついたのか、黒崎が寝返りを打った後、俺のことを見た。しかし、まだ夢の中のようだ。
「夏樹……。喉が渇いているのか?」
「もう大丈夫だよ。タンブラーの白湯を飲んだよ」
「そうか……」
黒崎がそれだけ言うと、目を閉じた。俺は心配になった。以前の彼なら完全に目を覚ますのに、夢うつつだからだ。しかも、拓海さんの名前を呼んでいる。何か悩みや考え事があるのかも知れないと思った。俺が忙しいから、俺の精神面を守ってくれている。
昨日は朝の挨拶しかしていない。朝ご飯が作れないほど疲れていて、二葉が前の日に持って来てくれたホットサンドを温め直して食べて貰った。コンビニで買ってきたやつだ。黒崎が美味しいと言っていたから、差し入れしてくれたわけだ。
こんな時間に目が覚めてしまったと思って、寝室のベッドで寝返りを打った。横には黒埼がいる。アンは絨上の上に置いてあるクッションベッドで寝ている。室内は静まりかえっている。
もう一度目を閉じたが、眠気が来ず、今日は朝まで起きていそうだと思った。窓には水色のカーテンが引かれていて、セキュリティーライトの明かりが通過していくのが透けて見えた。
明日からTDDの2日間のコンサートを控えているから、緊張で眠れないのだと思う。トラブルは起きていない。一ヶ月以上前からリハーサルを繰り返ししていているからこその安心感があり、当日は自信を持って、ステージを務められると思っている。
昨日はボーカルの仕上がり具合を高宮さんが褒められて、有頂天になってしまった。だから余計に寝られないのだろう。こんなにうまくいくわけがないという思いと、何としてでも成功させるという思いと、久弥に恥を掻かせられないという焦りの気持ちも混ざっていると思う。
(ベッドから降りたら、二人とも起きそうだなあ……。喉が渇いたな。よし。そーーっと……)
そっと起き上がり、忍び足でベッドから降りた。すると、黒埼の声が聞こえてきた。珍しく、寝ぼけているようだ。俺の名前も口に出している。
「夏樹。どこに行くんだ?」
「そーーーっと……」
今ここで返事をすると、起きてしまうに決まっている。彼が寝たのは1時ぐらいだと思う。俺が寝始めたときには、黒崎は書斎にいたからだ。絨毯を踏み、さらに静かに忍び足で寝室を出ようとすると、お兄ちゃんというキーワードが聞こえてきた。
きっと、拓海さんのことを呼んでいるのだろう思った。最近、増えている。子供の頃の夢を見ているのではないだろうか。朝になると、黒崎はすっかり忘れていて、そういう夢なら覚えていたいと言っていた。会いに来たのではないだろうか。 そうなると、一人で部屋から出ることが出来なくなり、立ち止まった。すると、アンが起き上がった。そして、俺の足下に来た。
「アン、起きたんだね。ああ、あくびしてる。大丈夫だから、ベッドにおいでよ」
アンをベッドに寝かせた。俺の隣だ。もふもふの毛を撫でて気持ちいいなあと思っていると、ますます喉が渇いてきた。そこで、そばのテーブルに白湯の入ったタンブラーが置いてあるのを思い出した。自分も寝ぼけていったようだ。
もう一度、静かに起き上がり、タンブラーを手に取って、白湯を飲んだ。ごくごくと喉が鳴っている。全部飲んでしまった。すると、その喉の音に気がついたのか、黒崎が寝返りを打った後、俺のことを見た。しかし、まだ夢の中のようだ。
「夏樹……。喉が渇いているのか?」
「もう大丈夫だよ。タンブラーの白湯を飲んだよ」
「そうか……」
黒崎がそれだけ言うと、目を閉じた。俺は心配になった。以前の彼なら完全に目を覚ますのに、夢うつつだからだ。しかも、拓海さんの名前を呼んでいる。何か悩みや考え事があるのかも知れないと思った。俺が忙しいから、俺の精神面を守ってくれている。
昨日は朝の挨拶しかしていない。朝ご飯が作れないほど疲れていて、二葉が前の日に持って来てくれたホットサンドを温め直して食べて貰った。コンビニで買ってきたやつだ。黒崎が美味しいと言っていたから、差し入れしてくれたわけだ。
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