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すると、俺の後ろで、ヒューーっというヤジが飛んだ。振り向くと、久弥と蔵之介さんが手と手を取り合っていた。どうしたのだろう。久弥が告白を済ませたのだろうか。
そうだといいな。そう思いながら2人を見守っていると、どんな話だったのかを知り、驚いてフラついた。なんと、別れ話だというからだ。
「なんで?どうして?」
「ぎゃははは。さっきの人は、こいつの元恋人だ!蔵之介が正直に俺に暴露した。黙っていれば良いのに。こいつめ!」
「六槍君とは、3回食事をしただけだ。付き合っていない。目が合ったから、お前に説明しただけだ」
「なんだ。そうなのか~。ひさやー、やめろよ。別れるだなんて……」
久弥がさっきの俺のように、蔵之介さんのことを蹴ろうとしている。俺は久弥のことを抱き留めるようにして立ち、黒崎に間に入ってもらった。冗談で言っているのだと思うが、本気の喧嘩になりかねない。
「久弥、やめろって。まだ告白していないんだろ?俺の物だって言えないよ。ほら、言えよ。好きですって……」
「言わない!」
「もう……」
久弥が身体の力を抜き、プイッと後ろを向いた。しかも、腕を組んでいる。こういう時の久弥は動かない。それは知り合ったときから同じだ。その時から蔵之介さんと付き合っていて、こういうシーンを何度も見てきている。
「あーーあ。久弥がこうなったら、仲直りは3日後だよ……」
「いいんだよ、夏樹君。俺は慣れているから……」
「伊神さん。次の飲み会はいつにしますか?」
「そうでした。その約束でしたね。えーーっと、俺の方は……」
黒崎と蔵之介さんが食事の約束をし始めた。久弥込みだ。蔵之介さんは久弥のスケジュールを知っているから、ささっとスマホを取り出して、日程をいつくか出し始めた。俺は留守番だ。年の近い人同士でゆっくりしてもらいたいと思って、そうしている。そうしないと、黒崎の息が詰まるのでは無いかと思っている。俺がいると気を遣いすぎて、飲み過ぎれない。心ゆくまで酔っ払ってもらいたい。
「黒崎さん。12月10日は誕生日でしたね」
「うっかり予定を入れるところだった。教えてくださって、ありがとうございます」
「ははは。冗談でしょう。おめでとうございます」
「いえ、とんでもない。12月7日はどうですか?ああ、いけない……」
「その日は裕理と久弥の誕生日です。俺の方も、うっかり予定を入れるところでした。誕生日は恋人と祝うなんて、恥ずかしいですよね」
「いえ、そういうことはありません。大事なことです」
「夏樹君。愛されているね」
蔵之介さんが俺の方を見て笑った。俺は背を向けた久弥の前に立っている。今の笑顔を見せてあげたいと思った。とても優しそうだ。こんな人の前で拗ねるなんて、いけないことだ。黒崎のような意地悪な話を聞いたことがなくて、羨ましいと思っている。
「黒崎さん。蔵之介さんの爪の垢を煎じて飲めよ~。ああ、垢なんかないですよね。全然いやらしさを感じないし、優しそうだし、理想的です!」
「ありがとう。久弥には全然褒めてもらえないんだ。たまに俺が作る料理が美味いって言ってくれることはある。それだけだ」
「ええ?本当に?ひさやー、俺が奪い取るよ~」
そう言って、俺は蔵之介さんの隣に立った。さすがに久弥は後ろを向いたままではいられなかったようで、やっとこっちを向いた。その顔は全然拗ねていなくて、笑っていた。大人だと思った。
「なんだよ。子供っぽくなっていないのかよ」
「冗談だ。蔵之介、俺のスケジュールは変更無しだ。話を進めて報告してくれ」
「ああ、分かった」
2人が短い会話を交わした後、離れた。そして、久弥は来てくれている人達と話し始めて、いかにも大人だと分かる雰囲気を保っている。泥酔したところを見たことが無いが、蔵之介さんの前では深酒をするそうだ。リラックスしている証だろう。
そうだといいな。そう思いながら2人を見守っていると、どんな話だったのかを知り、驚いてフラついた。なんと、別れ話だというからだ。
「なんで?どうして?」
「ぎゃははは。さっきの人は、こいつの元恋人だ!蔵之介が正直に俺に暴露した。黙っていれば良いのに。こいつめ!」
「六槍君とは、3回食事をしただけだ。付き合っていない。目が合ったから、お前に説明しただけだ」
「なんだ。そうなのか~。ひさやー、やめろよ。別れるだなんて……」
久弥がさっきの俺のように、蔵之介さんのことを蹴ろうとしている。俺は久弥のことを抱き留めるようにして立ち、黒崎に間に入ってもらった。冗談で言っているのだと思うが、本気の喧嘩になりかねない。
「久弥、やめろって。まだ告白していないんだろ?俺の物だって言えないよ。ほら、言えよ。好きですって……」
「言わない!」
「もう……」
久弥が身体の力を抜き、プイッと後ろを向いた。しかも、腕を組んでいる。こういう時の久弥は動かない。それは知り合ったときから同じだ。その時から蔵之介さんと付き合っていて、こういうシーンを何度も見てきている。
「あーーあ。久弥がこうなったら、仲直りは3日後だよ……」
「いいんだよ、夏樹君。俺は慣れているから……」
「伊神さん。次の飲み会はいつにしますか?」
「そうでした。その約束でしたね。えーーっと、俺の方は……」
黒崎と蔵之介さんが食事の約束をし始めた。久弥込みだ。蔵之介さんは久弥のスケジュールを知っているから、ささっとスマホを取り出して、日程をいつくか出し始めた。俺は留守番だ。年の近い人同士でゆっくりしてもらいたいと思って、そうしている。そうしないと、黒崎の息が詰まるのでは無いかと思っている。俺がいると気を遣いすぎて、飲み過ぎれない。心ゆくまで酔っ払ってもらいたい。
「黒崎さん。12月10日は誕生日でしたね」
「うっかり予定を入れるところだった。教えてくださって、ありがとうございます」
「ははは。冗談でしょう。おめでとうございます」
「いえ、とんでもない。12月7日はどうですか?ああ、いけない……」
「その日は裕理と久弥の誕生日です。俺の方も、うっかり予定を入れるところでした。誕生日は恋人と祝うなんて、恥ずかしいですよね」
「いえ、そういうことはありません。大事なことです」
「夏樹君。愛されているね」
蔵之介さんが俺の方を見て笑った。俺は背を向けた久弥の前に立っている。今の笑顔を見せてあげたいと思った。とても優しそうだ。こんな人の前で拗ねるなんて、いけないことだ。黒崎のような意地悪な話を聞いたことがなくて、羨ましいと思っている。
「黒崎さん。蔵之介さんの爪の垢を煎じて飲めよ~。ああ、垢なんかないですよね。全然いやらしさを感じないし、優しそうだし、理想的です!」
「ありがとう。久弥には全然褒めてもらえないんだ。たまに俺が作る料理が美味いって言ってくれることはある。それだけだ」
「ええ?本当に?ひさやー、俺が奪い取るよ~」
そう言って、俺は蔵之介さんの隣に立った。さすがに久弥は後ろを向いたままではいられなかったようで、やっとこっちを向いた。その顔は全然拗ねていなくて、笑っていた。大人だと思った。
「なんだよ。子供っぽくなっていないのかよ」
「冗談だ。蔵之介、俺のスケジュールは変更無しだ。話を進めて報告してくれ」
「ああ、分かった」
2人が短い会話を交わした後、離れた。そして、久弥は来てくれている人達と話し始めて、いかにも大人だと分かる雰囲気を保っている。泥酔したところを見たことが無いが、蔵之介さんの前では深酒をするそうだ。リラックスしている証だろう。
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