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志乃は母親のことを嫌っている面がある。兄のこともだ。志乃は小学生の時に、兄から風呂を覗かれるという体験をした。そして、兄の素行のことで両親が喧嘩をして、彼女が小学5年生の時に、一度、離婚をしている。そして、母親と兄が家を出たが、すぐにまた戻ってきて、両親が再婚したそうだ。その時、兄は18歳になっていたから、一人暮らしをさせたという。その兄は結婚し、家庭を持っているという。そして、養子になって、今は日野という姓になっているそうだ。
その関係で志乃が戸籍謄本を見たとき、あることに気づいたそうだ。志乃の両親の結婚は、志乃が産まれる6ヶ月前にしたということだ。志乃の母は兄を連れて父の家で同居し、志乃のことを妊娠したそうだ。しかし、妊娠が判明した後すぐに結婚したわけはない。親戚達からの反対があったからだという。父の兄からは母の事を、とんでもない女と言われ、母の両親からは結婚をやめておけといわれたそうだ。それでも志乃を授かり、だんだんと結婚を認めないといけなくなったそうだ。
志乃はどうして先に同居したのかと聞くと、志乃の母は、彼女にこう言ったそうだ。”私は男性に守って貰わないといけなくて。お兄ちゃんがいたから、ますます”と。だったら自分は、男の気持ちをつなぎ止めるための道具として産まれたのかと思ったそうだ。そして、父方の祖母からこういうことを聞いたそうだ。両親が離婚するとき、母親が、兄の分の養育費を貰いたいと言ったのだと。それは前の夫から貰えと父側が言って断り、母達が出て行き、やっぱり生活できないと言い、戻ってきたのだという。
それを志乃は嘆き、なんて情けないのかと思ったそうだ。しかし、それが現実であり、母が仕方なく父の元に戻ってきたのだと思った。そして、父は娘には母親が居ないといけないと思って再婚したのだろうと思っていると言っていた。そして、その頃、志乃が母親から、弟か妹が欲しくないかと聞かれたという。もう中学生になるときだったそうだ。また父の気持ちをつなぎとめるためだったのかと、今になって思うそうだ。
そんな母親が周りの人の息子や娘が結婚するようになってきて、孫が生まれることも出てきて、孫の顔が見たいのだと、志乃に言うようになったという。まるでオモチャを欲しがる感覚だと思ったそうだ。あの子が持っているから自分も欲しいという。志乃はそう考えたそうだ。そして、志乃がそういう話はやめて、まだ結婚は考えられないし、就職だってまだなのにと言い返すと、”あなたはいいわよね。自由で”と言い返してきたそうだ。そして、”同じ女として、私の気持ちが分からないのか”とも言われたそうだ。そして、”娘が産んだ孫の方が気兼ねなく付き合えて良い”と言ったそうだ。それを聞き、母の事を何て自分勝手な人だろうと思ったそうだ。そして、話をしていくうちに、母からすると、志乃のことは娘として見ていなくて、同性だと思っているのだと知り、母の愛情ってなんだっけと振り返り、むなしくなったそうだ。
それを二葉から聞いた俺はこう思った。夫の家に嫁いだなら、子供は夫の家の子供なのではないかと。その家の両親が大事にするだろう。それが嫌なら、婿を迎えるしかない。しかし、志乃の母親はそれを嫌がっている。志乃の兄の存在があるからだ。養子になっていても、上の子を除け者にするようで嫌なのだという。それを聞いた時、志乃は自分は母から愛されていなくて、兄は愛情を受けているのだと感じ、いっそのこと、兄を連れて、前の夫の元に帰れと思ったそうだ。俺としては、志乃の母は、上の子に北岡家の財産を少し譲って貰いたいと言っているのではないかと推測した。俺は意地悪だと言われるだろうか。そして、人生いろいろなだと俺が言うと、夏樹が頷いた。
「本当にそうだよね。中山のおじいちゃんなんかさ。お母さんは嫁いできたんだから、中山家の色に染まってもらうってさ……。万理が産まれたとき、お母さんは実家からお雛様を持ってきていなくて、どうしてないのかって、怒られたんだって……。すぐにお父さんがお雛様を迎えに行ったんだよ。中山家の方で買ってやればいいじゃんね?お母さんには妹がいるんだし……」
「難しい家だ……」
「俺、お雛様があるよ。小さいやつだけど。倉口の家にあるよ。お母さんが買ってくれたんだ」
「今度行く時に、持って帰ろうか……」
二葉にはお雛様がある。そう記憶した。飛行機の荷物に積めるだろうか。いや、持って帰れないだろう。運送業者に依頼することにしよう。来年飾っても良いと思った。
「来年、それを飾ろう」
「いいよ。すっごく可愛い感じの人形なんだよ。おじいちゃん、嫌がるかな?」
「いや、そうでもない。思い出を共有したがっている。朝陽とも、もっと話したいそうだ」
「そっかーー。結局、お父さんには言わずじまいで、戸籍から抜けるんだよね……」
「お前は成人だ。同意はいらない。父親の姓を名乗る届けをするだけだ。今朝、俺の方から連絡しておいた。向こうはその方が良いと言っていたんだぞ」
「そうだったの?」
「ああ。酒は飲んでいなかったようだ。お前、あの団体に加入するのか?子供を作るのを拒否したいという団体だ……」
「ううん。ニュースアプリで記事が出ていたから、何だろうって思って、ホームページを見ていたんだ。どこにも入らないよ」
「そうか……。親父はお前の自由にと言っていたぞ……」
娘だからなのか、父の二葉への話し方は優しい。母と離婚するとき、母は腹の子を倉口の子供だと言ったそうだ。今は違うと言っている。当時の父は怒り、腹の子を渡せとは言わなかった。勝手にしろとまで思ったそうだ。しかし、それは間違いで、やっぱり手元で育てておけば良かったと後悔している。いや、そうでもないのか。人生はこれからが長いだろう。
その関係で志乃が戸籍謄本を見たとき、あることに気づいたそうだ。志乃の両親の結婚は、志乃が産まれる6ヶ月前にしたということだ。志乃の母は兄を連れて父の家で同居し、志乃のことを妊娠したそうだ。しかし、妊娠が判明した後すぐに結婚したわけはない。親戚達からの反対があったからだという。父の兄からは母の事を、とんでもない女と言われ、母の両親からは結婚をやめておけといわれたそうだ。それでも志乃を授かり、だんだんと結婚を認めないといけなくなったそうだ。
志乃はどうして先に同居したのかと聞くと、志乃の母は、彼女にこう言ったそうだ。”私は男性に守って貰わないといけなくて。お兄ちゃんがいたから、ますます”と。だったら自分は、男の気持ちをつなぎ止めるための道具として産まれたのかと思ったそうだ。そして、父方の祖母からこういうことを聞いたそうだ。両親が離婚するとき、母親が、兄の分の養育費を貰いたいと言ったのだと。それは前の夫から貰えと父側が言って断り、母達が出て行き、やっぱり生活できないと言い、戻ってきたのだという。
それを志乃は嘆き、なんて情けないのかと思ったそうだ。しかし、それが現実であり、母が仕方なく父の元に戻ってきたのだと思った。そして、父は娘には母親が居ないといけないと思って再婚したのだろうと思っていると言っていた。そして、その頃、志乃が母親から、弟か妹が欲しくないかと聞かれたという。もう中学生になるときだったそうだ。また父の気持ちをつなぎとめるためだったのかと、今になって思うそうだ。
そんな母親が周りの人の息子や娘が結婚するようになってきて、孫が生まれることも出てきて、孫の顔が見たいのだと、志乃に言うようになったという。まるでオモチャを欲しがる感覚だと思ったそうだ。あの子が持っているから自分も欲しいという。志乃はそう考えたそうだ。そして、志乃がそういう話はやめて、まだ結婚は考えられないし、就職だってまだなのにと言い返すと、”あなたはいいわよね。自由で”と言い返してきたそうだ。そして、”同じ女として、私の気持ちが分からないのか”とも言われたそうだ。そして、”娘が産んだ孫の方が気兼ねなく付き合えて良い”と言ったそうだ。それを聞き、母の事を何て自分勝手な人だろうと思ったそうだ。そして、話をしていくうちに、母からすると、志乃のことは娘として見ていなくて、同性だと思っているのだと知り、母の愛情ってなんだっけと振り返り、むなしくなったそうだ。
それを二葉から聞いた俺はこう思った。夫の家に嫁いだなら、子供は夫の家の子供なのではないかと。その家の両親が大事にするだろう。それが嫌なら、婿を迎えるしかない。しかし、志乃の母親はそれを嫌がっている。志乃の兄の存在があるからだ。養子になっていても、上の子を除け者にするようで嫌なのだという。それを聞いた時、志乃は自分は母から愛されていなくて、兄は愛情を受けているのだと感じ、いっそのこと、兄を連れて、前の夫の元に帰れと思ったそうだ。俺としては、志乃の母は、上の子に北岡家の財産を少し譲って貰いたいと言っているのではないかと推測した。俺は意地悪だと言われるだろうか。そして、人生いろいろなだと俺が言うと、夏樹が頷いた。
「本当にそうだよね。中山のおじいちゃんなんかさ。お母さんは嫁いできたんだから、中山家の色に染まってもらうってさ……。万理が産まれたとき、お母さんは実家からお雛様を持ってきていなくて、どうしてないのかって、怒られたんだって……。すぐにお父さんがお雛様を迎えに行ったんだよ。中山家の方で買ってやればいいじゃんね?お母さんには妹がいるんだし……」
「難しい家だ……」
「俺、お雛様があるよ。小さいやつだけど。倉口の家にあるよ。お母さんが買ってくれたんだ」
「今度行く時に、持って帰ろうか……」
二葉にはお雛様がある。そう記憶した。飛行機の荷物に積めるだろうか。いや、持って帰れないだろう。運送業者に依頼することにしよう。来年飾っても良いと思った。
「来年、それを飾ろう」
「いいよ。すっごく可愛い感じの人形なんだよ。おじいちゃん、嫌がるかな?」
「いや、そうでもない。思い出を共有したがっている。朝陽とも、もっと話したいそうだ」
「そっかーー。結局、お父さんには言わずじまいで、戸籍から抜けるんだよね……」
「お前は成人だ。同意はいらない。父親の姓を名乗る届けをするだけだ。今朝、俺の方から連絡しておいた。向こうはその方が良いと言っていたんだぞ」
「そうだったの?」
「ああ。酒は飲んでいなかったようだ。お前、あの団体に加入するのか?子供を作るのを拒否したいという団体だ……」
「ううん。ニュースアプリで記事が出ていたから、何だろうって思って、ホームページを見ていたんだ。どこにも入らないよ」
「そうか……。親父はお前の自由にと言っていたぞ……」
娘だからなのか、父の二葉への話し方は優しい。母と離婚するとき、母は腹の子を倉口の子供だと言ったそうだ。今は違うと言っている。当時の父は怒り、腹の子を渡せとは言わなかった。勝手にしろとまで思ったそうだ。しかし、それは間違いで、やっぱり手元で育てておけば良かったと後悔している。いや、そうでもないのか。人生はこれからが長いだろう。
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