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さっそく俺は小瀬さんのそばに行き、こっそりと伝えようと耳元に口元を寄せた。すると、小瀬さんが顔を赤くした。誤解をしたのに気づいたのだろうか。それで、恥ずかしくなっているのだろうか。
「小瀬さん。大丈夫ですよ。誰だって、誤解をしますから……」
「いや、君に……」
「え?俺なの?何かした?」
「あ、かなり男前だって思って……」
「それは嬉しいよ!誰も言ってくれないんだ!うちのお母さんは言うんだけどね。十分、男前よって……。でも、それは俺のことを元気づけるためでさ~。この通り、俺のしゃべり方って締まりが無くて、緊張感のかけらも無くてさ。どこにもイケメンの要素なんて……、あ、いけない。誤解を解くんだった……」
俺は小瀬さんにだけ聞こえる声を意識して囁いた。どうやら、噂があるのは月島さんの友達の方なのだと。すると、小瀬さんがあんぐりと口を開けて驚き始めた。
「マジですか!やっぱり本当だったんだーーー!」
「いや、月島さんの友達の方だよ……」
「同じですよ!類は友を呼ぶっていうでしょう!俺の変態センサーが反応したんです。俺、小さい頃から兄貴と歩いていたら、変態みたいな男から声を掛けられて、すぐそこの公園で遊ぼうとか、写真を撮らせてくれとか言われてきたんです。だから、会ったらすぐに分かるんです。月島社長と初対面で感じました。変態だって……。絶対に何か趣味があるんですよ!」
「そう?じゃあ、あの人を見て、何か思わない?」
「どなたですか?」
「その人。カズ兄さん、手を振ってよ~」
俺が一貴さんに声をかけると、ユーリーと南波さんの元に行こうとしていた足を止めた。ちょうどタイミングが良かったようだ。何かしようと思っていたに違いない。
俺が一貴さんのことをプラセルの社長だと紹介すると、小瀬さんが表情を輝かせた。憧れていたそうだ。では、実物に会ってどうだろうか。
「見た感じはどうかな?」
「爽やかなイケメンって感じです。雑誌で見た写真とは印象が違うから、似ているなとは思ったんですけど、まさか本物だとは思わなくて……。変態だなんて、とんでもないです!」
「ううん。あの人、変態なんだよ。早瀬さんのことが好きでさ~。仲良くなる前なんか、職場に服を贈りつけてプレゼントしたり、交流があった後は、抱きつくことで身体の寸法を測って、服作りをするとかしたりしていたんだ。今は他に好きな人がいて、ごく普通の付き合い方をしているんだけど、今でも好きなんだって言うんだよ。その好きな人と電話で話している間にね……」
「……」
「ね?変な人だろ?ああ、そうか。変な人と変態は違うよね。そっか、変態ではないのか……」
小瀬さんが目を丸くしている。俺もそういう気持ちだ。そして、お義父さんが笑っている間、黒崎が一貴さんの肩を抱いて、こっちにいろと引き戻した。ユーリー達の邪魔をするなと言いながら。そして、めでたく変態センサーが反応されなかった一貴さんが、小瀬さんからの印象を聞いて、喜び始めた。そんなことを言う人がいないのだという。俺と似ていると思う。
「そうか!僕はそういう印象なのか!好感度アップ作戦が功を奏しただろうか!」
「そうだよ~。六槍さんのアドバイスも良かったんじゃないかな?しばらく、ネクタイの柄を渋めにしていただろーー。……へえーー、カズ兄さんを見てかっこいいって思ったのは、今年春のファッションショーの映像だってさ。プラセルのインスタにアップされていたやつだね!そこでも、渋めの格好をしていただろ~。その方がいいみたいだね!」
「そうだな!六槍君には渋めの格好を勧められているが、僕としては、イケイケ社長が良いと思っていたんだ。遊び心を出す感じででね……。その時は、まるで自分じゃないみたいで、普段の僕が出せない状態で写真に写ったし、インタビューにも答えたんだ。そうか、僕らしくない方が良いということだな!」
「ああーーー、そうなると、カズ兄さんの良いところがなくなるよねえ~」
「いや、いいんだ。社員が恥をかかない社長でないといけない。株価が下がってしまう。業績もだ。やる気が無くなってしまうし、定着しない。うちは離職者が少ない会社だ。離れる社員は、デザイナーとしてデビューして、新しい世界にチャレンジしたいという子達だ。もちろん、プラセルとの付き合いは続いているんだぞ。僕よりも年上も居る。その人には、うちはしっかりとした会社だと思って貰えていて……」
「そっか~」
「やっぱり、僕の変態センサーは反応しませんよ」
「小瀬、お前、色々問題発言をしていないか?」
黒崎のツッコミで、小瀬さんが飛び逃げた。リアクションが素晴らしいと思った。さっきまで悲しそうだった顔が元気そうになったのも良いと思った。
「小瀬さん。大丈夫ですよ。誰だって、誤解をしますから……」
「いや、君に……」
「え?俺なの?何かした?」
「あ、かなり男前だって思って……」
「それは嬉しいよ!誰も言ってくれないんだ!うちのお母さんは言うんだけどね。十分、男前よって……。でも、それは俺のことを元気づけるためでさ~。この通り、俺のしゃべり方って締まりが無くて、緊張感のかけらも無くてさ。どこにもイケメンの要素なんて……、あ、いけない。誤解を解くんだった……」
俺は小瀬さんにだけ聞こえる声を意識して囁いた。どうやら、噂があるのは月島さんの友達の方なのだと。すると、小瀬さんがあんぐりと口を開けて驚き始めた。
「マジですか!やっぱり本当だったんだーーー!」
「いや、月島さんの友達の方だよ……」
「同じですよ!類は友を呼ぶっていうでしょう!俺の変態センサーが反応したんです。俺、小さい頃から兄貴と歩いていたら、変態みたいな男から声を掛けられて、すぐそこの公園で遊ぼうとか、写真を撮らせてくれとか言われてきたんです。だから、会ったらすぐに分かるんです。月島社長と初対面で感じました。変態だって……。絶対に何か趣味があるんですよ!」
「そう?じゃあ、あの人を見て、何か思わない?」
「どなたですか?」
「その人。カズ兄さん、手を振ってよ~」
俺が一貴さんに声をかけると、ユーリーと南波さんの元に行こうとしていた足を止めた。ちょうどタイミングが良かったようだ。何かしようと思っていたに違いない。
俺が一貴さんのことをプラセルの社長だと紹介すると、小瀬さんが表情を輝かせた。憧れていたそうだ。では、実物に会ってどうだろうか。
「見た感じはどうかな?」
「爽やかなイケメンって感じです。雑誌で見た写真とは印象が違うから、似ているなとは思ったんですけど、まさか本物だとは思わなくて……。変態だなんて、とんでもないです!」
「ううん。あの人、変態なんだよ。早瀬さんのことが好きでさ~。仲良くなる前なんか、職場に服を贈りつけてプレゼントしたり、交流があった後は、抱きつくことで身体の寸法を測って、服作りをするとかしたりしていたんだ。今は他に好きな人がいて、ごく普通の付き合い方をしているんだけど、今でも好きなんだって言うんだよ。その好きな人と電話で話している間にね……」
「……」
「ね?変な人だろ?ああ、そうか。変な人と変態は違うよね。そっか、変態ではないのか……」
小瀬さんが目を丸くしている。俺もそういう気持ちだ。そして、お義父さんが笑っている間、黒崎が一貴さんの肩を抱いて、こっちにいろと引き戻した。ユーリー達の邪魔をするなと言いながら。そして、めでたく変態センサーが反応されなかった一貴さんが、小瀬さんからの印象を聞いて、喜び始めた。そんなことを言う人がいないのだという。俺と似ていると思う。
「そうか!僕はそういう印象なのか!好感度アップ作戦が功を奏しただろうか!」
「そうだよ~。六槍さんのアドバイスも良かったんじゃないかな?しばらく、ネクタイの柄を渋めにしていただろーー。……へえーー、カズ兄さんを見てかっこいいって思ったのは、今年春のファッションショーの映像だってさ。プラセルのインスタにアップされていたやつだね!そこでも、渋めの格好をしていただろ~。その方がいいみたいだね!」
「そうだな!六槍君には渋めの格好を勧められているが、僕としては、イケイケ社長が良いと思っていたんだ。遊び心を出す感じででね……。その時は、まるで自分じゃないみたいで、普段の僕が出せない状態で写真に写ったし、インタビューにも答えたんだ。そうか、僕らしくない方が良いということだな!」
「ああーーー、そうなると、カズ兄さんの良いところがなくなるよねえ~」
「いや、いいんだ。社員が恥をかかない社長でないといけない。株価が下がってしまう。業績もだ。やる気が無くなってしまうし、定着しない。うちは離職者が少ない会社だ。離れる社員は、デザイナーとしてデビューして、新しい世界にチャレンジしたいという子達だ。もちろん、プラセルとの付き合いは続いているんだぞ。僕よりも年上も居る。その人には、うちはしっかりとした会社だと思って貰えていて……」
「そっか~」
「やっぱり、僕の変態センサーは反応しませんよ」
「小瀬、お前、色々問題発言をしていないか?」
黒崎のツッコミで、小瀬さんが飛び逃げた。リアクションが素晴らしいと思った。さっきまで悲しそうだった顔が元気そうになったのも良いと思った。
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