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そして、志乃さんが高校二年生になった時に、学校の成績が少し落ちてしまった志乃さんに、お父さんがきつく叱った事で、お母さんとの溝が深まってしまった。珍しくお父さんに言い返すという反応をした志乃さんに、翌日、お母さんから志乃さんに、お父さんと険悪な仲になったら私の家が奪われる、私の邪魔をしないでと訴えてきたそうだ。志乃さんの気持ちなんか聞いてくれなくて、あくまでも“私”の気持ちを伝えてきたそうだ。そこで、志乃さんはお母さんとの別れを感じて、遠く離れた大学に進学を決めた。そして、都内の大学に進学した。
お母さんとの交流が無くなったわけではない。たまに電話を掛けてきたり、実家に帰省したときには早く孫の顔を見せてくれとか、カレシはいないのかとか、同じ女として苦労してよという感じのことを言ってくるようになり、お母さんのことが嫌いになったそうだ。
そして、先月の初めに、お母さんが志乃さんにこう言った。北岡家の家をお兄さんに譲る気は無いのか?と。このままだとあなたが家を継ぐことになるのだと。お兄さんはお母さんの母方の叔母さんの養子になっており、叔母さんが所有する家に住んでいる。お兄さんはその家を継ぐのだと思っていた志乃さんとしては、お母さんの発言が疑問だった。何もかもお兄さんに譲らされてしまうのはなぜだろうかと。
お兄さんは25歳の時に、お母さんが紹介した女性と結婚をした。それはお母さんの勤めていた会社に入社してきた人だった。女の子を一人で育てている人だった。お兄さんはすぐに結婚を決めた。そして、義理の姉になった人は癖があり、志乃さんは近づきたくなかった。お兄さんとも交流したくないそうだ。会えば志乃さんに偉そうな口の聞き方をする人で、義理のお義姉さんは感じが悪い人だそうだ。しかしながら、二人とも、お母さんには愛想が良いそうだ。しかし、お母さんが自分の意見を押し通した時は、お母さんが背を向けた瞬間に、義理のお姉さんはお兄さんと顔を見合わせて、顔を歪めていたのだそうだ。
志乃さんとしてはお父さんとおばあさんのことが心配で、実家に帰省することはやめていない。会えばホッとするそうだ。しかし、正月を迎える度に、お母さんやお兄さん達との交流が待っていると思うと、胃が痛くなるそうだ。志乃さんは実家に帰った後は、お母さんは愛想が良い。それはお父さんやおばあさんの前だけだ。
そういうわけで、自分はお母さんのアイテムのような扱いだったが、もう成人している自分のことをコントロールはできないと分かっているから、お父さんとの仲を取り持つ役目をさせてこないのは良かったと思っているそうだ。しかし、今度はお母さんの自分の楽しみを持ってこいと要求するようになった。結婚相手のことだ。誰もいないと答える志乃さんに、お母さんはホッとした感じで、なぜかお兄さんと勝負をさせられている気になったという。そして、お母さんの経歴を知った。ますます嫌になったそうだ。
これらのことを聞いた俺達は、志乃さんのお母さんは元気にして居るみたいだよとママに答えるしか無い。本当は俺としてはママに正直に話したい。どういう意見があるだろうかということを聞いてみたい。しかし、二葉は言いたくないだろうから、俺達から話さない方がいいだろう。
「ママ。志乃さんのお母さんは元気にしているみたいだよ」
「何かあったんでしょう。そういう顔をしているわよ。二葉のこと?」
「違うよ。実はね、志乃さんはお母さんのことを嫌っているんだ……」
「今、お母さんの経歴って聞こえたわよ」
「え?」
「聞こえたのよ。お母さんの経歴を知り、ますます嫌になったんだって。私、相手の考えていることが聞こえるのよ。最近、男性の霊能者に会ったことはないかしら?」
「ママ……」
俺達は驚いた。ユーリーが青白い顔になっている。俺もそうなっていると思う。ママは一体何を言い出したのか。
「ママ。その通りだよ。月島さんっていう人だよ。あの……、聖河さんって知っているかな?」
「分かるわよ。山岸聖河さん。会ったことがあるわよ。あなたの脳裏を見てみると、聖河さんに相続問題で揉める兆しがあって、交通事故を起こした身内みたいな人がいて、霊能者に相談したっていうことなんだけど。それ以上は聞こえないわ。でも、山岸聖河さんの名前から探ってみると、その交通事故が山岸家からの祟りみたいに言われて困って、月島さんに相談したということだと見たわ。そうかしら?」
「その通りだよ。ママは霊能者なの?」
「その仕事はしていないけど、そういう感じだと思ってくれたら良いと思うわ。圭一にもこういう特技があるのよ」
「お義父さんはそのことを知っているの?」
「知っているわよ。圭一にも備わっていることも伝えてあるわ。あと、二葉が産まれる前に、過去世ではあなたの養子だった子だっていうことを話したことがあるのよ。私がこういう特技があるって知って、隆さんが私に興味を持って、付き合い始めたのよ。でも、私、肝心なことは分からないんだと思う。隆さんのことは読めないときが多かったの」
「そうだったの……。俺は信じるよ。こんなに当てられたんだから。ユーリーもそうだろ?そうだよね?」
「ああ。真琴さん。これは本当のことでしたね……」
「あなたも読めるんでしょう。そういうわけで、私は隆さんの結婚相手になったというわけ。どうしてかな?って疑問だったでしょう。私もそうなのよ……」
「なるほど……」
俺は驚きで頭の中がぼーっとしてきた。そして、もっと頭の中を読んで貰いたくなった。志乃さんとお母さんのことはどう思うかと。女の人の意見を聞いてみたい。二葉のお母さんとしてもだ。しかし、時間が無いかも知れないと思った。もう黒崎が病院を出た頃だと思った。
お母さんとの交流が無くなったわけではない。たまに電話を掛けてきたり、実家に帰省したときには早く孫の顔を見せてくれとか、カレシはいないのかとか、同じ女として苦労してよという感じのことを言ってくるようになり、お母さんのことが嫌いになったそうだ。
そして、先月の初めに、お母さんが志乃さんにこう言った。北岡家の家をお兄さんに譲る気は無いのか?と。このままだとあなたが家を継ぐことになるのだと。お兄さんはお母さんの母方の叔母さんの養子になっており、叔母さんが所有する家に住んでいる。お兄さんはその家を継ぐのだと思っていた志乃さんとしては、お母さんの発言が疑問だった。何もかもお兄さんに譲らされてしまうのはなぜだろうかと。
お兄さんは25歳の時に、お母さんが紹介した女性と結婚をした。それはお母さんの勤めていた会社に入社してきた人だった。女の子を一人で育てている人だった。お兄さんはすぐに結婚を決めた。そして、義理の姉になった人は癖があり、志乃さんは近づきたくなかった。お兄さんとも交流したくないそうだ。会えば志乃さんに偉そうな口の聞き方をする人で、義理のお義姉さんは感じが悪い人だそうだ。しかしながら、二人とも、お母さんには愛想が良いそうだ。しかし、お母さんが自分の意見を押し通した時は、お母さんが背を向けた瞬間に、義理のお姉さんはお兄さんと顔を見合わせて、顔を歪めていたのだそうだ。
志乃さんとしてはお父さんとおばあさんのことが心配で、実家に帰省することはやめていない。会えばホッとするそうだ。しかし、正月を迎える度に、お母さんやお兄さん達との交流が待っていると思うと、胃が痛くなるそうだ。志乃さんは実家に帰った後は、お母さんは愛想が良い。それはお父さんやおばあさんの前だけだ。
そういうわけで、自分はお母さんのアイテムのような扱いだったが、もう成人している自分のことをコントロールはできないと分かっているから、お父さんとの仲を取り持つ役目をさせてこないのは良かったと思っているそうだ。しかし、今度はお母さんの自分の楽しみを持ってこいと要求するようになった。結婚相手のことだ。誰もいないと答える志乃さんに、お母さんはホッとした感じで、なぜかお兄さんと勝負をさせられている気になったという。そして、お母さんの経歴を知った。ますます嫌になったそうだ。
これらのことを聞いた俺達は、志乃さんのお母さんは元気にして居るみたいだよとママに答えるしか無い。本当は俺としてはママに正直に話したい。どういう意見があるだろうかということを聞いてみたい。しかし、二葉は言いたくないだろうから、俺達から話さない方がいいだろう。
「ママ。志乃さんのお母さんは元気にしているみたいだよ」
「何かあったんでしょう。そういう顔をしているわよ。二葉のこと?」
「違うよ。実はね、志乃さんはお母さんのことを嫌っているんだ……」
「今、お母さんの経歴って聞こえたわよ」
「え?」
「聞こえたのよ。お母さんの経歴を知り、ますます嫌になったんだって。私、相手の考えていることが聞こえるのよ。最近、男性の霊能者に会ったことはないかしら?」
「ママ……」
俺達は驚いた。ユーリーが青白い顔になっている。俺もそうなっていると思う。ママは一体何を言い出したのか。
「ママ。その通りだよ。月島さんっていう人だよ。あの……、聖河さんって知っているかな?」
「分かるわよ。山岸聖河さん。会ったことがあるわよ。あなたの脳裏を見てみると、聖河さんに相続問題で揉める兆しがあって、交通事故を起こした身内みたいな人がいて、霊能者に相談したっていうことなんだけど。それ以上は聞こえないわ。でも、山岸聖河さんの名前から探ってみると、その交通事故が山岸家からの祟りみたいに言われて困って、月島さんに相談したということだと見たわ。そうかしら?」
「その通りだよ。ママは霊能者なの?」
「その仕事はしていないけど、そういう感じだと思ってくれたら良いと思うわ。圭一にもこういう特技があるのよ」
「お義父さんはそのことを知っているの?」
「知っているわよ。圭一にも備わっていることも伝えてあるわ。あと、二葉が産まれる前に、過去世ではあなたの養子だった子だっていうことを話したことがあるのよ。私がこういう特技があるって知って、隆さんが私に興味を持って、付き合い始めたのよ。でも、私、肝心なことは分からないんだと思う。隆さんのことは読めないときが多かったの」
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「あなたも読めるんでしょう。そういうわけで、私は隆さんの結婚相手になったというわけ。どうしてかな?って疑問だったでしょう。私もそうなのよ……」
「なるほど……」
俺は驚きで頭の中がぼーっとしてきた。そして、もっと頭の中を読んで貰いたくなった。志乃さんとお母さんのことはどう思うかと。女の人の意見を聞いてみたい。二葉のお母さんとしてもだ。しかし、時間が無いかも知れないと思った。もう黒崎が病院を出た頃だと思った。
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