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ざわざわとしたお寺に居ると、ああ今日は法事なのだとよく分かる。お経が全て終わり、これからお義父さん息子達と叔父さん達とで食事をする。そういうわけで、これから家に帰るグループと、隣の会館に移動するグループに別れた。
食事まであと40分近く時間がある。また来年の再会を誓い合って別れている親戚の話し声がしている中、母が親戚達に囲まれている。親しくお話ししたかったという声ばかりだ。伊吹はユーリーの隣に立ち、その様子を見守っている。
母が話しかけられている話題は体調のことが主だ。心臓の具合はいかがですかという声かけや、夏樹君のライブを観に行きましたという話題、万理さんが高校の教員を目指しているという話を聞きました、立派な娘さんですねという声もある。そして、伊吹の方をチラッと振り向いた叔母さん達が、クスクスと笑い出した。中山家の恥を伊吹がテレビで話したのを観たのだろう。俺がそう思うと、その通りだった。
母はニコニコと笑い、言葉を返している。今日は来て良かったと思って貰えると良いと思っていると、二葉に蓮子さんが近寄ってきた。俺はつい身体が動き、そばに行こうとした。それをユーリーに止められた。
「まあ、見ていろ。大丈夫なはずだ」
「そうかな……。瑛子さんも来た……」
晴海さんと話をしていた瑛子さんが二葉のそばに立った。そして、蓮子さんと微笑み合っている。一体どうしたというのだろうか。ユーリーは事情を知っているのか。そして、俺の耳元でこっそりと教えてくれた。これが黒崎家の習わしで、良いところなのだと。
「どういうこと?」
「女性同士で結束を高めるということだ。叔父さん達も同じだ。二葉の友達の逮捕で、黒崎家がとんでもないことに巻き込まれたと怒りに震えている。そこで、二葉のことを励まそうとしているんだよ。隆さんから、今朝、聞いたんだ」
「そうだったんだね……。ああ……」
まずは瑛子さんが二葉の肩に触れた。そして、蓮子さんが二葉の手を握った。そして、二人が二葉のことを守るようにして立ち、ヒソヒソと話し始めた。まずは瑛子さんから話し始めて、蓮子さんの声が次第に大きくなっていった。
「二葉さん。気にすることはないのよ。ああいう人達のことは放っておきましょう。今日も来ているんだけど、親戚の由香里さんが結婚したときにも、結婚披露宴でお酒で乱れて、由香里さんの過去に付き合っていた男性の話を吹聴していた同級生がいたのよ。女の子だったわよ。それはもう、みっともない姿だったわ」
「そうでしたね。私達は親戚達の席で固められていたから、お友達の席からは離れてだったんだけど、乱れた姿が目立っていたわ。そういう方と同じにするのは悪いけれど、そうなんじゃないかしら?」
「そうよね、瑛子さん。私も良く覚えているわ。つまりは嫉妬ということなんでしょう。二葉さんだって大変だったのに。真琴さんだってそうよ。朝陽君、聖アルテマ学園を受験すると聞いてあるんだけど、共通テストはどうだったのかしら……。雪が降っていたから寒かったでしょうね……」
「ありがとうございます。弟はなんとかなりそうです。今は2次試験に向けて、受験対策の塾に行っています」
2人に圧倒されていた様子の二葉が言葉を発した。その様子を蓮子さんがうんうんと頷いて見つめて、瑛子さんも頷いた。
「良い学校だと聞いていますよ。もちろん、今休学している大学も良い評判しか聞いていないけど、将来のことを考えて受験をし直すというのも、人生経験だと思うわよ」
「そうよね。聖河君から聞いたんだけど、優秀な学生さんで、実習先の病院では患者さんからの評判が良かったとか……」
「そうですよね。今までと同じ大学でも良いに決まっています。でも、お兄ちゃんがそうしなさいと言うなら、黙って従うしかないわね……」
「おほほほほ。そうよねえ。圭一君がそう言うのならねえ。朝陽君だって大変だわ。でも、急に環境が変わったというのに、大学に合格しているんだもの。偉いわ。すごいことなのよ!」
「ありがとうございます……」
二葉がペコッと頭を下げると、瑛子さんと蓮子さんが微笑みながら頷いた。その様子を見てホッとした。喧嘩なんか見たくない。こうして励まし合う方が良いと思った。
食事まであと40分近く時間がある。また来年の再会を誓い合って別れている親戚の話し声がしている中、母が親戚達に囲まれている。親しくお話ししたかったという声ばかりだ。伊吹はユーリーの隣に立ち、その様子を見守っている。
母が話しかけられている話題は体調のことが主だ。心臓の具合はいかがですかという声かけや、夏樹君のライブを観に行きましたという話題、万理さんが高校の教員を目指しているという話を聞きました、立派な娘さんですねという声もある。そして、伊吹の方をチラッと振り向いた叔母さん達が、クスクスと笑い出した。中山家の恥を伊吹がテレビで話したのを観たのだろう。俺がそう思うと、その通りだった。
母はニコニコと笑い、言葉を返している。今日は来て良かったと思って貰えると良いと思っていると、二葉に蓮子さんが近寄ってきた。俺はつい身体が動き、そばに行こうとした。それをユーリーに止められた。
「まあ、見ていろ。大丈夫なはずだ」
「そうかな……。瑛子さんも来た……」
晴海さんと話をしていた瑛子さんが二葉のそばに立った。そして、蓮子さんと微笑み合っている。一体どうしたというのだろうか。ユーリーは事情を知っているのか。そして、俺の耳元でこっそりと教えてくれた。これが黒崎家の習わしで、良いところなのだと。
「どういうこと?」
「女性同士で結束を高めるということだ。叔父さん達も同じだ。二葉の友達の逮捕で、黒崎家がとんでもないことに巻き込まれたと怒りに震えている。そこで、二葉のことを励まそうとしているんだよ。隆さんから、今朝、聞いたんだ」
「そうだったんだね……。ああ……」
まずは瑛子さんが二葉の肩に触れた。そして、蓮子さんが二葉の手を握った。そして、二人が二葉のことを守るようにして立ち、ヒソヒソと話し始めた。まずは瑛子さんから話し始めて、蓮子さんの声が次第に大きくなっていった。
「二葉さん。気にすることはないのよ。ああいう人達のことは放っておきましょう。今日も来ているんだけど、親戚の由香里さんが結婚したときにも、結婚披露宴でお酒で乱れて、由香里さんの過去に付き合っていた男性の話を吹聴していた同級生がいたのよ。女の子だったわよ。それはもう、みっともない姿だったわ」
「そうでしたね。私達は親戚達の席で固められていたから、お友達の席からは離れてだったんだけど、乱れた姿が目立っていたわ。そういう方と同じにするのは悪いけれど、そうなんじゃないかしら?」
「そうよね、瑛子さん。私も良く覚えているわ。つまりは嫉妬ということなんでしょう。二葉さんだって大変だったのに。真琴さんだってそうよ。朝陽君、聖アルテマ学園を受験すると聞いてあるんだけど、共通テストはどうだったのかしら……。雪が降っていたから寒かったでしょうね……」
「ありがとうございます。弟はなんとかなりそうです。今は2次試験に向けて、受験対策の塾に行っています」
2人に圧倒されていた様子の二葉が言葉を発した。その様子を蓮子さんがうんうんと頷いて見つめて、瑛子さんも頷いた。
「良い学校だと聞いていますよ。もちろん、今休学している大学も良い評判しか聞いていないけど、将来のことを考えて受験をし直すというのも、人生経験だと思うわよ」
「そうよね。聖河君から聞いたんだけど、優秀な学生さんで、実習先の病院では患者さんからの評判が良かったとか……」
「そうですよね。今までと同じ大学でも良いに決まっています。でも、お兄ちゃんがそうしなさいと言うなら、黙って従うしかないわね……」
「おほほほほ。そうよねえ。圭一君がそう言うのならねえ。朝陽君だって大変だわ。でも、急に環境が変わったというのに、大学に合格しているんだもの。偉いわ。すごいことなのよ!」
「ありがとうございます……」
二葉がペコッと頭を下げると、瑛子さんと蓮子さんが微笑みながら頷いた。その様子を見てホッとした。喧嘩なんか見たくない。こうして励まし合う方が良いと思った。
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