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そのお菓子はクッキーが多くて、クッキーが好きなアレクシスさんにとってはとても嬉しいことで、晩ご飯が入らなくなるから叱られるのに、一箱全部食べきって、また拓海さんが届けてくれたそうだ。
「アレクシスさん。拓海さんとの思い出で一番印象に残っていることはある?」
「そうだなあ。ここに着いたときが一番の思い出だ。拓海君が迎えに出てきてくれて、手を振ってくれていた。電話で話した時と同じ声だと思って、俺は安心した。ユリウスはまだ赤ん坊だったから、飛行機の中で泣かないか、母さんが心配していた。でも、よく寝ていたし、ミルクも飲んだ。俺は母さんの友達の家である黒崎家に行くんだって聞いてあって、しばらく泊まるんだって聞いた。その家にはお兄さん達が居るから、きっと楽しいと思うって言われていて、その人達とは電話で話してあったから、楽しみにしていた。でも、不安はあったんだぞ。ドイツには帰らないって、子供心に勘づいていた。でも、拓海君が出迎えてくれて、大丈夫だなって思った。俺、泣いたんだ」
「そうだったんだね……」
住み慣れた場所を離れて遠くまで来て滞在して、いつになったら家に帰れるのかという思いは悲しい思い出だっただろうか。ここが家なんだとは、エミリアさんは言わなかったそうだ。あくまでもフェリックスさんがいる家が帰る家であり、いつか日本を離れるのだと教えられたそうだ。
「夏樹。俺達は時々ドイツに帰っていたわけだが、帰らなくても良いっていう意見だったんだぞ。どうせ親が喧嘩するんだ。最悪だったのは、近所の人が通っているカトリック教会の中での喧嘩だ。みんな聖書を読んで学んで、また来週って、笑顔で帰っていく中、親が言い合いを始めたんだ。恥ずかしかった。親父が改心するというから、みんなで行った教会だった。紹介してくれた近所の人が仲裁してくれて、母さんが神父さんから庇われて、俺達は教会に残っていた人から背中に庇われて守られた。こんなのいつものことですって俺が言って、ユリウスが頷いて、俺達は顔が赤くなって、情けない気持ちだった。その喧嘩の理由は、早瀨家の人のことだった。俺達には裕理っていう弟がいるんだってその時知って、ユリウスには隠しておくことにしたんだ。ショックな話だからだ。相手の女性が拓海君の友達なんだって聞いて、ますますショックで、しかも騙してたんだって分かって、もう拓海君とは会えなくなるんだと思った。でも、拓海君も晴海君も、俺達には優しいままでいてくれた。隆さんだってそうだった。でも、親父の会社が潰されそうになったと聞いて、ああ、怒っているんだなって、もう黒崎家のとの付き合いは終わりで、この家を出ていくべきだと思った。親父のことを引きずり出して懺悔させたとしても、起きたことは変わらない。黒崎家への裏切りだ。うちの家との友情が壊れたと思った」
「うん……。早瀬さんとは明日会うんだっけ?」
「ああ。会ってくれるそうだ。ごめんねって言いたい。好きで産まれたわけじゃないって言われるんだろうなあって思っている」
「早瀬さんはそんなことは言わないよ。お母さんが、エミリアさんから旦那さんを奪ったんだって思っているって言っていたよ。その事実には変わりないんだって……」
「いや、夏樹。僕達の父さんは、見た目が若いんだ。嘘つきでもある。女性を騙したことは初めてじゃ無いんだ。欲しいものは欲しいという人だ。詐欺師みたいな人だよ」
ユーリーがため息をつきながら言った。詐欺師は自分の経歴を自在に変えるように説明できて、心情をコントロールすることが得意だという。今テレビで報道されているロマンス詐欺だって、父さんにとっては簡単なことなのかも知れないと言った。父さんがしてないといいのにと、またため息をついていた。
「アレクシスさん。拓海さんとの思い出で一番印象に残っていることはある?」
「そうだなあ。ここに着いたときが一番の思い出だ。拓海君が迎えに出てきてくれて、手を振ってくれていた。電話で話した時と同じ声だと思って、俺は安心した。ユリウスはまだ赤ん坊だったから、飛行機の中で泣かないか、母さんが心配していた。でも、よく寝ていたし、ミルクも飲んだ。俺は母さんの友達の家である黒崎家に行くんだって聞いてあって、しばらく泊まるんだって聞いた。その家にはお兄さん達が居るから、きっと楽しいと思うって言われていて、その人達とは電話で話してあったから、楽しみにしていた。でも、不安はあったんだぞ。ドイツには帰らないって、子供心に勘づいていた。でも、拓海君が出迎えてくれて、大丈夫だなって思った。俺、泣いたんだ」
「そうだったんだね……」
住み慣れた場所を離れて遠くまで来て滞在して、いつになったら家に帰れるのかという思いは悲しい思い出だっただろうか。ここが家なんだとは、エミリアさんは言わなかったそうだ。あくまでもフェリックスさんがいる家が帰る家であり、いつか日本を離れるのだと教えられたそうだ。
「夏樹。俺達は時々ドイツに帰っていたわけだが、帰らなくても良いっていう意見だったんだぞ。どうせ親が喧嘩するんだ。最悪だったのは、近所の人が通っているカトリック教会の中での喧嘩だ。みんな聖書を読んで学んで、また来週って、笑顔で帰っていく中、親が言い合いを始めたんだ。恥ずかしかった。親父が改心するというから、みんなで行った教会だった。紹介してくれた近所の人が仲裁してくれて、母さんが神父さんから庇われて、俺達は教会に残っていた人から背中に庇われて守られた。こんなのいつものことですって俺が言って、ユリウスが頷いて、俺達は顔が赤くなって、情けない気持ちだった。その喧嘩の理由は、早瀨家の人のことだった。俺達には裕理っていう弟がいるんだってその時知って、ユリウスには隠しておくことにしたんだ。ショックな話だからだ。相手の女性が拓海君の友達なんだって聞いて、ますますショックで、しかも騙してたんだって分かって、もう拓海君とは会えなくなるんだと思った。でも、拓海君も晴海君も、俺達には優しいままでいてくれた。隆さんだってそうだった。でも、親父の会社が潰されそうになったと聞いて、ああ、怒っているんだなって、もう黒崎家のとの付き合いは終わりで、この家を出ていくべきだと思った。親父のことを引きずり出して懺悔させたとしても、起きたことは変わらない。黒崎家への裏切りだ。うちの家との友情が壊れたと思った」
「うん……。早瀬さんとは明日会うんだっけ?」
「ああ。会ってくれるそうだ。ごめんねって言いたい。好きで産まれたわけじゃないって言われるんだろうなあって思っている」
「早瀬さんはそんなことは言わないよ。お母さんが、エミリアさんから旦那さんを奪ったんだって思っているって言っていたよ。その事実には変わりないんだって……」
「いや、夏樹。僕達の父さんは、見た目が若いんだ。嘘つきでもある。女性を騙したことは初めてじゃ無いんだ。欲しいものは欲しいという人だ。詐欺師みたいな人だよ」
ユーリーがため息をつきながら言った。詐欺師は自分の経歴を自在に変えるように説明できて、心情をコントロールすることが得意だという。今テレビで報道されているロマンス詐欺だって、父さんにとっては簡単なことなのかも知れないと言った。父さんがしてないといいのにと、またため息をついていた。
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