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そんなものなのか。祖母というのは、孫が増えることを喜ばないのか。そんなことを疑問に思った俺は、母が電話を掛けてきたときに愚痴でこぼしてしまった。母の霊感という物で、そして、母親という立場でどんな風に思うかを聞いてみた。すると、こんなことを言われた。
(圭一。すごく言葉が悪くなるけど、言っていい?)
(ああ、頼む)
(おばあさんはね、自分が産んだ子供は一人でしょう。それに対して、お嫁さんは3人だからよ。嫉妬というものを感じる)
(なんだって?伊吹君の後はなかなか授からなくて、3年経って、夏樹のことを妊娠したんだぞ)
(お嫁さんも自分と同じく一人っ子の母だったらいいなって、どこかで思っていたはず。そこで、夏樹君という次男が生まれて、自分の夫が跡取りの計画は完璧だと褒めたことで面白くない感情を持っていたわ。その後すぐに万理ちゃんの妊娠で、お嫁さんと自分を比べて、自分は女として役目を全うしていない、役立たずだと思ったのよ。今でもそうなのよ。そんなことはないのにね。私の一方的な意見と妄想だとでも思ってくれて良いのよ)
(聞かせてくれ。おじいさんが嫁を可愛がったことでの嫉妬はあるのか?夏樹が産まれたとき、おじいさんからたくさんの贈り物がされたそうだ)
(もちろんあるわよ。万理ちゃんの事件が起きた時なんて最悪よ。ほれ見たことか、神様は見てくれていた。私に逆らうからこんなことが起きたと思ったのよ)
(なんだって?)
(今、言った通りよ。もう一度だけ言うけど、私の妄想だと思ってくれて良いのよ。おじいさんは優しいところがあるけど、おばあさんはどうかしらね。自分が先に亡くなれば幸せなんじゃないかしら。こういう人だから、彼女の周りには夫しか居ないの。こういう性格の人って、年を取ったときに違いが出るの。介護を受けるときになって後悔するのよ。いい人だった人には、とても優しいヘルパーさんが来てくれるし、施設だって良いところに紹介して貰えるし、見つかる。全員がそうとは言えないけどね。意地悪な人にだって優しい介護事業者が付くこともあるけど。私は期待していないのよ。こうやって、とても意地の悪いことを話しているから、年を取ったときは覚悟してる)
(あんたの介護は業者任せにさせて貰う。その代わり、なるべくいい施設を探してやる。あんたの親は幸せだった。あんたの介護を受ける前に亡くなった。闘病平癒が叶わなかったが……)
幸せとは何だろうか。人のことを愛したかどうか。人に親切にしたかどうか。精一杯生きたかどうか。月島さんが言うには、亡くなったときにそういうことを神から聞かれるらしい。俺はどうだろうか。夏樹の力で、少しばかりは、優しい心を持っていた幼少期の自分に戻れている。その夏樹は今、苦しんでいる。なんとかその苦しみを無くせないだろうか。
「ユーリー。俺は夏樹には後悔させたくない。二人が亡くなる前に会わせておきたい。男と結婚したなどと批難を受けようとだ。俺も会いたい」
「どうしてそう思うんだ。放っておけばいい。お母さんのことは助けるべきだけど……」
「そのお母さんがキャパオーバーにならないように伊吹君が動いてくれているが、夏樹がそれをよしとしない。自分ばかり庇われて情けないと感じるそうだ」
「彼は心臓が悪い。ストレスは禁物だ。自分たちがストレスを与えていると分かっているだろう。おじいさんもおばあさんも……」
「ああ、そうに違いない。中山の義父が頼りになる人で良かった。夏樹が信頼している。だから、万理ちゃんははっきりと、祖父母には会いたくないと言えたんだ」
「そうか……。悲しいな。おじいさんとおばあさんに会いたくないって……。うちは親戚同士で結婚するから、外から来た人間だと思うことも思われるということもない。バーテルス家の一員同士なんだ。だから、僕には分からない事かも知れない……」
「いや、ユーリー。十分だ。お前は俺達のことを分かってくれている。心強いと思っている。いつまでも家にいてくれ」
「もちろんだ。ありがとう。……ああ、長谷部さんだ。伊吹君も来てくれた」
ユーリーが出入り口の方を見て、立った。そこには心強い援軍が来ていた。俺も椅子から立ち上がり、後に続いてきた聡太郎達のことを迎え入れた。
(圭一。すごく言葉が悪くなるけど、言っていい?)
(ああ、頼む)
(おばあさんはね、自分が産んだ子供は一人でしょう。それに対して、お嫁さんは3人だからよ。嫉妬というものを感じる)
(なんだって?伊吹君の後はなかなか授からなくて、3年経って、夏樹のことを妊娠したんだぞ)
(お嫁さんも自分と同じく一人っ子の母だったらいいなって、どこかで思っていたはず。そこで、夏樹君という次男が生まれて、自分の夫が跡取りの計画は完璧だと褒めたことで面白くない感情を持っていたわ。その後すぐに万理ちゃんの妊娠で、お嫁さんと自分を比べて、自分は女として役目を全うしていない、役立たずだと思ったのよ。今でもそうなのよ。そんなことはないのにね。私の一方的な意見と妄想だとでも思ってくれて良いのよ)
(聞かせてくれ。おじいさんが嫁を可愛がったことでの嫉妬はあるのか?夏樹が産まれたとき、おじいさんからたくさんの贈り物がされたそうだ)
(もちろんあるわよ。万理ちゃんの事件が起きた時なんて最悪よ。ほれ見たことか、神様は見てくれていた。私に逆らうからこんなことが起きたと思ったのよ)
(なんだって?)
(今、言った通りよ。もう一度だけ言うけど、私の妄想だと思ってくれて良いのよ。おじいさんは優しいところがあるけど、おばあさんはどうかしらね。自分が先に亡くなれば幸せなんじゃないかしら。こういう人だから、彼女の周りには夫しか居ないの。こういう性格の人って、年を取ったときに違いが出るの。介護を受けるときになって後悔するのよ。いい人だった人には、とても優しいヘルパーさんが来てくれるし、施設だって良いところに紹介して貰えるし、見つかる。全員がそうとは言えないけどね。意地悪な人にだって優しい介護事業者が付くこともあるけど。私は期待していないのよ。こうやって、とても意地の悪いことを話しているから、年を取ったときは覚悟してる)
(あんたの介護は業者任せにさせて貰う。その代わり、なるべくいい施設を探してやる。あんたの親は幸せだった。あんたの介護を受ける前に亡くなった。闘病平癒が叶わなかったが……)
幸せとは何だろうか。人のことを愛したかどうか。人に親切にしたかどうか。精一杯生きたかどうか。月島さんが言うには、亡くなったときにそういうことを神から聞かれるらしい。俺はどうだろうか。夏樹の力で、少しばかりは、優しい心を持っていた幼少期の自分に戻れている。その夏樹は今、苦しんでいる。なんとかその苦しみを無くせないだろうか。
「ユーリー。俺は夏樹には後悔させたくない。二人が亡くなる前に会わせておきたい。男と結婚したなどと批難を受けようとだ。俺も会いたい」
「どうしてそう思うんだ。放っておけばいい。お母さんのことは助けるべきだけど……」
「そのお母さんがキャパオーバーにならないように伊吹君が動いてくれているが、夏樹がそれをよしとしない。自分ばかり庇われて情けないと感じるそうだ」
「彼は心臓が悪い。ストレスは禁物だ。自分たちがストレスを与えていると分かっているだろう。おじいさんもおばあさんも……」
「ああ、そうに違いない。中山の義父が頼りになる人で良かった。夏樹が信頼している。だから、万理ちゃんははっきりと、祖父母には会いたくないと言えたんだ」
「そうか……。悲しいな。おじいさんとおばあさんに会いたくないって……。うちは親戚同士で結婚するから、外から来た人間だと思うことも思われるということもない。バーテルス家の一員同士なんだ。だから、僕には分からない事かも知れない……」
「いや、ユーリー。十分だ。お前は俺達のことを分かってくれている。心強いと思っている。いつまでも家にいてくれ」
「もちろんだ。ありがとう。……ああ、長谷部さんだ。伊吹君も来てくれた」
ユーリーが出入り口の方を見て、立った。そこには心強い援軍が来ていた。俺も椅子から立ち上がり、後に続いてきた聡太郎達のことを迎え入れた。
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