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15-15(夏樹視点)
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15時。
聖加世病院の7階の病室のベッドで寝ているところだ。部屋の中には心臓の検査をする機械が置かれている。もしも何かあったときのためのものだ。使わないといいのにと思った。俺は大学の卒業式の間に倒れて、保健センターで休んでいたが良くならず、ここに搬送されてきた。
「緊張性頭痛か……。それと、心雑音と不整脈。俺、疲れているのかな?でも、これから忙しくなるのに……」
胃がキリキリと痛んだ。来月10日には、ディスレクトサイドゼロのデビュー曲の発表がある。そのプロモーション展開のために、テレビ番組とラジオ局での宣伝がある。メンバーには久弥がいない。しかし、プロデューサーとして参加しているから、今までと同じように感じる。そこで思いとどまった。久弥がいないのだと実感した。
「うっうっ。俺、大丈夫かな。お笑い担当にはなれないからなあ……。悠人と大和に頼むとして、やっぱり俺はお色気担当……。はあ……」
そのお色気担当として腹筋を割るということを目指してダイエットを始めて3ヶ月経ち、目標が達成できたわけだが、肝心の体力の方が失われたようだ。ここに着いた後で量った体重が減っていた。ベッドサイドのテーブルには、ゼリーとプリンが置かれている。スプーンもだ。さっき、黒崎が買ってきてくれた。
俺は甘い物を控えめにしていた。血糖値が足りなくての頭痛だろうか。いや、祖父のことが引き金だろう。ずっと考えていたからだ。過去のネガティブなことを繰り返し思い出しても何もならないのに、考えてしまう。過去は変えられないのに。いや、それでも、違う見方が出来ると思うから振り返っていた。それでも、良い答えは見つからない。
そばには伊吹がいる。もうすぐで空港に行くからここを出る。今日の夜に実家に着いて、明日の午前中に祖父の見舞いをして、明日帰ってくる。両親達の新居に泊まるそうだ。行きたかったからちょうど良かったのだと、伊吹が言った。黒崎は家に着替えを取りに行ってくれている。部屋の中にはあと2人居る。ユーリーと一貴さんだ。俺の話し相手にと、黒崎が残していってくれた。伊吹がもうすぐで病院を出ることも理由だ。
「お兄ちゃん、ユーリー、カズ兄さん。ごめんね。急にこんなことになって……」
俺は声を掛けると、3人が首を横に振った。気にするなという言葉と共に。その様子に安心して、ほっとため息をついた。俺のそばには伊吹がいる。ベッドの端に座り、俺のことを見つめている。
「ここの病院のベッド、なかなかいいな。腰が痛くならないだろう。寝ておけ。明日の午前中に退院なら、収録に間に合うじゃないか。昼前からなんだろう?」
「うん。スタジオ入りをするのがその時間。メイクをして貰って、テレビカメラの前に立つよ。ローザーさんが担当だから、お兄ちゃんのことを話すよ。そのプリンの量を……」
伊吹がさっきからプリンを食べ続けている。空の容器が5個もある。低カロリーのプリントはいえ、こんなに食べて大丈夫だろうか。甘い物の身体への影響を習ったことがある俺としては心配だ。いや、俺のことも心配だ。今まであんなに食べて、よくぞ身体が無事だったと思う。
「夏樹。このプリンは安いから、そんなに量は入っていない。でも、甘いけどな」
「そうだよ。低カロリーの方だけど、そんなに食べたらヤバイよ。お肉と野菜を食べないとさ……」
「甘い物を欲している。夏樹、お前は甘い物を控えすぎじゃないか?そう思いませんか?ユリウスさん、一貴さん」
「僕もそう思う」
「僕もだ」
伊吹が一貴さんのことを呼んだ。今まで島川社長と呼んでいたが、もうその名前ではないからだ。黒崎社長というとお義父さんのことを呼んでいる錯覚をするから、名前呼びにしたそうだ。一貴さんとしてはその呼び方が嬉しいそうだ。伊吹も嬉しがっている。そして、なんだか照れくさそうでもある。
こんな話ができるぐらいに、俺の頭痛は治まっている。しかし、薬の効果だと思う。心のモヤモヤを晴らさないと、いつまで経っても頭痛は治まらないと思う。とにかく今日は安静にすることが大事だ。
ここには後で悠人も来てくれることになっている。大学の卒業式の話をしてくれるだろう。今頃教室で各個人に学位が授与された頃だ。もう終わっているかも知れない。懇親会には出ずに、ここに来ると言っていた。もしかしたら、もうすぐで来るかも知れない。見舞い患者用の待機室が同じフロアにあり、聡太郎達がそこで飲み物を飲んでいるところだ。そこには長谷部さんもいて、IKUとの連絡をして、予定通りに収録に出られることを伝えてくれていた。
俺は今できることは、寝ることだ。さっき、南里先生が様子を見に来てくれていた。体重を増やすために、栄養指導を受けることになった。この間、一貴さんが受けたばかりだ。偏食だから仕方ないとして、俺の場合は肉体改造のためだったのに、身体に悪いことをしていたなんて、なんとも悲しい。
聖加世病院の7階の病室のベッドで寝ているところだ。部屋の中には心臓の検査をする機械が置かれている。もしも何かあったときのためのものだ。使わないといいのにと思った。俺は大学の卒業式の間に倒れて、保健センターで休んでいたが良くならず、ここに搬送されてきた。
「緊張性頭痛か……。それと、心雑音と不整脈。俺、疲れているのかな?でも、これから忙しくなるのに……」
胃がキリキリと痛んだ。来月10日には、ディスレクトサイドゼロのデビュー曲の発表がある。そのプロモーション展開のために、テレビ番組とラジオ局での宣伝がある。メンバーには久弥がいない。しかし、プロデューサーとして参加しているから、今までと同じように感じる。そこで思いとどまった。久弥がいないのだと実感した。
「うっうっ。俺、大丈夫かな。お笑い担当にはなれないからなあ……。悠人と大和に頼むとして、やっぱり俺はお色気担当……。はあ……」
そのお色気担当として腹筋を割るということを目指してダイエットを始めて3ヶ月経ち、目標が達成できたわけだが、肝心の体力の方が失われたようだ。ここに着いた後で量った体重が減っていた。ベッドサイドのテーブルには、ゼリーとプリンが置かれている。スプーンもだ。さっき、黒崎が買ってきてくれた。
俺は甘い物を控えめにしていた。血糖値が足りなくての頭痛だろうか。いや、祖父のことが引き金だろう。ずっと考えていたからだ。過去のネガティブなことを繰り返し思い出しても何もならないのに、考えてしまう。過去は変えられないのに。いや、それでも、違う見方が出来ると思うから振り返っていた。それでも、良い答えは見つからない。
そばには伊吹がいる。もうすぐで空港に行くからここを出る。今日の夜に実家に着いて、明日の午前中に祖父の見舞いをして、明日帰ってくる。両親達の新居に泊まるそうだ。行きたかったからちょうど良かったのだと、伊吹が言った。黒崎は家に着替えを取りに行ってくれている。部屋の中にはあと2人居る。ユーリーと一貴さんだ。俺の話し相手にと、黒崎が残していってくれた。伊吹がもうすぐで病院を出ることも理由だ。
「お兄ちゃん、ユーリー、カズ兄さん。ごめんね。急にこんなことになって……」
俺は声を掛けると、3人が首を横に振った。気にするなという言葉と共に。その様子に安心して、ほっとため息をついた。俺のそばには伊吹がいる。ベッドの端に座り、俺のことを見つめている。
「ここの病院のベッド、なかなかいいな。腰が痛くならないだろう。寝ておけ。明日の午前中に退院なら、収録に間に合うじゃないか。昼前からなんだろう?」
「うん。スタジオ入りをするのがその時間。メイクをして貰って、テレビカメラの前に立つよ。ローザーさんが担当だから、お兄ちゃんのことを話すよ。そのプリンの量を……」
伊吹がさっきからプリンを食べ続けている。空の容器が5個もある。低カロリーのプリントはいえ、こんなに食べて大丈夫だろうか。甘い物の身体への影響を習ったことがある俺としては心配だ。いや、俺のことも心配だ。今まであんなに食べて、よくぞ身体が無事だったと思う。
「夏樹。このプリンは安いから、そんなに量は入っていない。でも、甘いけどな」
「そうだよ。低カロリーの方だけど、そんなに食べたらヤバイよ。お肉と野菜を食べないとさ……」
「甘い物を欲している。夏樹、お前は甘い物を控えすぎじゃないか?そう思いませんか?ユリウスさん、一貴さん」
「僕もそう思う」
「僕もだ」
伊吹が一貴さんのことを呼んだ。今まで島川社長と呼んでいたが、もうその名前ではないからだ。黒崎社長というとお義父さんのことを呼んでいる錯覚をするから、名前呼びにしたそうだ。一貴さんとしてはその呼び方が嬉しいそうだ。伊吹も嬉しがっている。そして、なんだか照れくさそうでもある。
こんな話ができるぐらいに、俺の頭痛は治まっている。しかし、薬の効果だと思う。心のモヤモヤを晴らさないと、いつまで経っても頭痛は治まらないと思う。とにかく今日は安静にすることが大事だ。
ここには後で悠人も来てくれることになっている。大学の卒業式の話をしてくれるだろう。今頃教室で各個人に学位が授与された頃だ。もう終わっているかも知れない。懇親会には出ずに、ここに来ると言っていた。もしかしたら、もうすぐで来るかも知れない。見舞い患者用の待機室が同じフロアにあり、聡太郎達がそこで飲み物を飲んでいるところだ。そこには長谷部さんもいて、IKUとの連絡をして、予定通りに収録に出られることを伝えてくれていた。
俺は今できることは、寝ることだ。さっき、南里先生が様子を見に来てくれていた。体重を増やすために、栄養指導を受けることになった。この間、一貴さんが受けたばかりだ。偏食だから仕方ないとして、俺の場合は肉体改造のためだったのに、身体に悪いことをしていたなんて、なんとも悲しい。
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