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16-1 夏樹の誕生日
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4月20日、火曜日。午前8時。
俺は今、ある大きな病院に来ている。聖アルテマ学園大学付属病院だ。ここの口腔外科で親知らずを抜くためにだ。歯の根っこが深いから、普段行っている歯科医院では抜かずに、ここの病院を紹介された。5月に抜く予定である大学病院を紹介されていたが、急に痛くなり、ここの病院ならタイミング良く、早い日程が空いていて、今日、手術になった。診察は先週の金曜に受けて、抜きましょうということになった。
何も誕生日に抜かなくても良いだろうと思っている。歯を抜いた後の食事が大変だから、外食に行けない。本当なら今日は黒崎と食事デートをするために店を予約していたが日を延期した。キセイという、俺がどうしても行きたかった店だった。しかし、今日しかなかった。歯だって痛い。
今日の抜歯手術の予約は朝一番の8時半だ。8時20分までに受付を済ませて、口腔外科の待合室に到着しないといけない。そのため、早めに来たわけだ。
自動受付機に診察券を差し込んだ。そばには黒崎がいる。今日は付き添って貰っている。お義父さんもいる。一貴さんもだ。朝陽の学生生活を見るために、一緒に来ている。
朝陽は4月からここの大学で学んでいる。キャンパスは隣にある。出入りは自由であり、朝陽と待ち合わせして会ってくると、一貴さんが言っている。元雇い主として、彼の成長を確かめたいからだという。そして、一貴さんが一人で大学に行くのは心配だと言い、お義父さんが付き添ってきた。知り合いから紹介されて、朝陽の先生達に会うそうだ。モデルをさせたことで不自由なことはないかという心配のためだ。一貴さんという自分の息子が強引にさせたからだ。
その朝陽の出ている広告がネットで展開され始めた。夏物商品だ。黒崎に似ている感じの男の子が出ている。本人はイケメンだが、もっとイケメンに写っていて、朝陽を見て興味を持つ人が増えたようだ。それは女性達だ。プラセルのショーにも出るから、宣伝が打たれている。そこで、大学生活はどうかと聞いてみると、モデルをやったことでイジってくる生徒はいないそうだ。居心地がいいと言っていた。進路選択は良かったようだ。
「黒崎さん。お義父さん。カズ兄さん。受付できたよ。口腔外科受付の210番まで行こうよ」
「ああ。そうしよう。トイレに行かなくていいか?」
「俺は良いよ。カズ兄さんは行かなくていいの?」
「僕は行ってくる。カフェラテも飲みたい。コンビニで買う」
「うん。そうしようね」
8時20分には少々時間がある。コンビニで飲み物を買い、トイレを済ませるという一貴さんの後に続いた。コンビニはすぐそばにある。ここの病院はとにかく広くて、待合も広い。開放感があるのは良いが、目的地にたどり着くまでに時間を要する。しかし、ソファーが多いから、どこにでも座れるのが良いと思った。
「お義父さん。杖を付かなくて良いの?」
「今日は良いよ。しかし、さっきは驚いたなあ。圭一、一貴。車の運転は気を付けなさい。夏樹、私達も歩くときには気を付けよう」
「うん。そうだね。おじさん、大丈夫かな。お姉さんも大丈夫かな」
さっき、病院の前で、駐車場に入ろうとしている女性の車が杖を付いて歩いている男性のことをはねてしまった。男性は倒れて、ストレッチャーで運ばれた。ここの病院の患者だということで、ここに運ばれた。女性は警察から事情を聞かれていた。それを見て、大変なことになったと思った。お義父さんは一貴さんに車の運転をさせたくないと言いだした。俺もそう思う。運転は上手な人だが、気がそぞろの面があるから心配だ。しかし、本人はすると言っている。
コンビニに着くと、一貴さんが温かいカフェオレを買い始めた。待合で待つ間に飲むためだ。黒崎が買ってあげていた。どうしてかというと、一貴さんが子供がえりをしているからだ。ここには黒崎の車と一貴さんの車の2台で来ている。車の運転中は普段通りだったのにと、お義父さんが言った。それなのに、どうしてそうなっているかというと、歯を抜いたときの記憶が蘇り、怖くなったからだ。ヨーク達もいる。さっき一貴さんの様子を聞いてみると、これもいつものことだと思ってくれと言っていた。
「一貴。お菓子は要らないのか?」
「飲み物だけでいい。夏樹君に悪い。これから痛いのに……」
「カズ兄さん。麻酔を打つから痛くないって言ってよ~」
「ははは。麻酔が切れた後、傷むんだったな。痛み止めがあるから大丈夫だ」
「そうだよね。はいはい。買ったね。さあ、次はトレイだよ」
一貴さんのことを促して、コンビニから出た。さて、トイレはどこだっただろうか。キョロキョロしていると、黒崎が見つけてくれた。そこで、俺は一貴さんを連れて行き、みんなで待った。何も起きないことを祈りながら。
俺は今、ある大きな病院に来ている。聖アルテマ学園大学付属病院だ。ここの口腔外科で親知らずを抜くためにだ。歯の根っこが深いから、普段行っている歯科医院では抜かずに、ここの病院を紹介された。5月に抜く予定である大学病院を紹介されていたが、急に痛くなり、ここの病院ならタイミング良く、早い日程が空いていて、今日、手術になった。診察は先週の金曜に受けて、抜きましょうということになった。
何も誕生日に抜かなくても良いだろうと思っている。歯を抜いた後の食事が大変だから、外食に行けない。本当なら今日は黒崎と食事デートをするために店を予約していたが日を延期した。キセイという、俺がどうしても行きたかった店だった。しかし、今日しかなかった。歯だって痛い。
今日の抜歯手術の予約は朝一番の8時半だ。8時20分までに受付を済ませて、口腔外科の待合室に到着しないといけない。そのため、早めに来たわけだ。
自動受付機に診察券を差し込んだ。そばには黒崎がいる。今日は付き添って貰っている。お義父さんもいる。一貴さんもだ。朝陽の学生生活を見るために、一緒に来ている。
朝陽は4月からここの大学で学んでいる。キャンパスは隣にある。出入りは自由であり、朝陽と待ち合わせして会ってくると、一貴さんが言っている。元雇い主として、彼の成長を確かめたいからだという。そして、一貴さんが一人で大学に行くのは心配だと言い、お義父さんが付き添ってきた。知り合いから紹介されて、朝陽の先生達に会うそうだ。モデルをさせたことで不自由なことはないかという心配のためだ。一貴さんという自分の息子が強引にさせたからだ。
その朝陽の出ている広告がネットで展開され始めた。夏物商品だ。黒崎に似ている感じの男の子が出ている。本人はイケメンだが、もっとイケメンに写っていて、朝陽を見て興味を持つ人が増えたようだ。それは女性達だ。プラセルのショーにも出るから、宣伝が打たれている。そこで、大学生活はどうかと聞いてみると、モデルをやったことでイジってくる生徒はいないそうだ。居心地がいいと言っていた。進路選択は良かったようだ。
「黒崎さん。お義父さん。カズ兄さん。受付できたよ。口腔外科受付の210番まで行こうよ」
「ああ。そうしよう。トイレに行かなくていいか?」
「俺は良いよ。カズ兄さんは行かなくていいの?」
「僕は行ってくる。カフェラテも飲みたい。コンビニで買う」
「うん。そうしようね」
8時20分には少々時間がある。コンビニで飲み物を買い、トイレを済ませるという一貴さんの後に続いた。コンビニはすぐそばにある。ここの病院はとにかく広くて、待合も広い。開放感があるのは良いが、目的地にたどり着くまでに時間を要する。しかし、ソファーが多いから、どこにでも座れるのが良いと思った。
「お義父さん。杖を付かなくて良いの?」
「今日は良いよ。しかし、さっきは驚いたなあ。圭一、一貴。車の運転は気を付けなさい。夏樹、私達も歩くときには気を付けよう」
「うん。そうだね。おじさん、大丈夫かな。お姉さんも大丈夫かな」
さっき、病院の前で、駐車場に入ろうとしている女性の車が杖を付いて歩いている男性のことをはねてしまった。男性は倒れて、ストレッチャーで運ばれた。ここの病院の患者だということで、ここに運ばれた。女性は警察から事情を聞かれていた。それを見て、大変なことになったと思った。お義父さんは一貴さんに車の運転をさせたくないと言いだした。俺もそう思う。運転は上手な人だが、気がそぞろの面があるから心配だ。しかし、本人はすると言っている。
コンビニに着くと、一貴さんが温かいカフェオレを買い始めた。待合で待つ間に飲むためだ。黒崎が買ってあげていた。どうしてかというと、一貴さんが子供がえりをしているからだ。ここには黒崎の車と一貴さんの車の2台で来ている。車の運転中は普段通りだったのにと、お義父さんが言った。それなのに、どうしてそうなっているかというと、歯を抜いたときの記憶が蘇り、怖くなったからだ。ヨーク達もいる。さっき一貴さんの様子を聞いてみると、これもいつものことだと思ってくれと言っていた。
「一貴。お菓子は要らないのか?」
「飲み物だけでいい。夏樹君に悪い。これから痛いのに……」
「カズ兄さん。麻酔を打つから痛くないって言ってよ~」
「ははは。麻酔が切れた後、傷むんだったな。痛み止めがあるから大丈夫だ」
「そうだよね。はいはい。買ったね。さあ、次はトレイだよ」
一貴さんのことを促して、コンビニから出た。さて、トイレはどこだっただろうか。キョロキョロしていると、黒崎が見つけてくれた。そこで、俺は一貴さんを連れて行き、みんなで待った。何も起きないことを祈りながら。
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