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19時半。
佳代子さんが我が家のリビングに居る。今、彼女から子猫の世話を習っているところだ。子猫はお腹を空かせていたようで、ミルクを飲んでくれた。しかし、そんなにたくさん飲まなくて、大人しくなってしまった。そして、母猫を探しているのか、小さく鳴きながらタオルの中にもぐったり、段ボールの中から天井を見上げたりしている。俺達には驚いていないようだ。
「佳代子さん。ありがとう。もう動物病院は開いていないから、ミルクが買えなかったよ」
「ここから一番近くのホームセンターにもあるのよ。でも、獣医さんのところで買うのがいいわね。まずは診察を受けさせないといけないから」
「うん。明日は開いているから連れて行ってくるよ。あ、子猫がまたミルクを欲しそうにしているよ」
「そうね。今度は夏樹君が飲ませてみて」
「うん」
さっそく俺は子猫を抱き上げた。そして、口元に哺乳瓶を持って行き、飲んでくれると良いけどと思いながら待つと、彼が飲み始めた。子猫はオスだ。尻尾にグレーの毛が混ざっている。そして、とても長い尻尾だから、日本猫というより、洋猫だと思った。毛も長い。ふわふわしている。
「よく飲んでいるよ。さっきは一休みしたのかな?」
「そうね。お母さん猫がいないから不安だったのかも知れないわ。きっと、ここに来るまで一緒に居たと思うのよ。目が開いているから良かったわ。リリーは目が開きかけで、もっと小さかったから……」
「そうだね。リリーより大きいね。目はブルーだね。綺麗な目だよ。フリージアとリリーがいた家の子じゃないかもしれないね。よく見ると、外見が違うよ」
「そうね。うちの子達は日本猫だもの。でも、何匹も飼っている人かも知れないわ。うちもここもネットに載っているから、もっとたくさんの猫が捨てられるんじゃないかと思っていたのよ。違う家でしょうね」
「そうだね。飼って下さいっていうメモも、リリーの時とは違う字だよ」
俺は箱の中に入っていた手紙を見つめた。タオルの下から発見した。他に兄弟猫は居なくて、彼一人だった。他の子はどうなっただろうかと心配になっている。
「ニャーーー」
「ああ、もう飲まなくていいの?ああ、お腹が膨れたね。結構飲んだね」
「後はトイレのことを教えるわ。タオルを温めのお湯に湿らせて、お尻を拭くのよ。しばらくしたらトイレをするのよ」
「そうなんだね。うーーん。寝るのかな……」
「させておいたほうが良いわ。あら、もっと飲むの?」
子猫が鼻をピクピクさせた。ミルクの匂いを探しているのだろうと思った。そこで、俺はもう一度、哺乳瓶を彼の口元に持って行った。そして、飲ませた。子猫が前足で哺乳瓶を掴むようにして飲んでいる。身体が柔らかくて温かくて、とても気持ちが良い。
「君、柔らかいなあ。軽いから、抱いている感覚が無いよ。手に持つ感じ……」
「アンちゃんが見たいそうよ」
「そうだね。見せてあげないとね。大人しくなったし……」
アンは黒崎と一緒にソファーに座っている。俺達は向かいのラグの上に座っている。ミルクの邪魔をさせないためだ。アンは邪魔する気は無くても、子猫が不安を感じてミルクを飲まないかも知れない。アンだってテンションが高かった。そこで、黒崎が付き添い、アンのことを静かにさせている。こういう時になると大人しくしてくれるから、黒崎の本気度を感じたのだろう。
「アン、おいでよ」
「アンちゃん。おいで」
「クーン」
アンが黒崎の隣から移動し、ソファーから下りた。そして、俺達の元にやって来た。もちろん、子猫を見ている。クンクンと匂いを嗅いだり、俺達の顔を見たりと忙しい。そして、黒崎が立ち上がった。ついさっきから、この子を飼うかどうか考えていたところだ。心の中は決まっているくせに。
「黒崎さん。アンは子猫が好きなようだよ」
「そうだな。アンの心が一番大事だ」
「俺、この子を飼いたい。面倒をみたいんだ」
「そうか。お前はそうなのか。なら、仕方ないな」
「やったーー。君、この家の子になるんだよ。名前はどうしようかなーーー」
「夏樹君。良かったわね。あら、アンちゃんが尻尾を振ったわよ。喜んでいるみたい」
「ほんとだ。アン、なんて名前が良いと思う?」
アンが子猫の尻尾に鼻先で触れた。子猫の方は不安がっていない。震えてもいない。そして、ミルクを飲み終わった。
佳代子さんが我が家のリビングに居る。今、彼女から子猫の世話を習っているところだ。子猫はお腹を空かせていたようで、ミルクを飲んでくれた。しかし、そんなにたくさん飲まなくて、大人しくなってしまった。そして、母猫を探しているのか、小さく鳴きながらタオルの中にもぐったり、段ボールの中から天井を見上げたりしている。俺達には驚いていないようだ。
「佳代子さん。ありがとう。もう動物病院は開いていないから、ミルクが買えなかったよ」
「ここから一番近くのホームセンターにもあるのよ。でも、獣医さんのところで買うのがいいわね。まずは診察を受けさせないといけないから」
「うん。明日は開いているから連れて行ってくるよ。あ、子猫がまたミルクを欲しそうにしているよ」
「そうね。今度は夏樹君が飲ませてみて」
「うん」
さっそく俺は子猫を抱き上げた。そして、口元に哺乳瓶を持って行き、飲んでくれると良いけどと思いながら待つと、彼が飲み始めた。子猫はオスだ。尻尾にグレーの毛が混ざっている。そして、とても長い尻尾だから、日本猫というより、洋猫だと思った。毛も長い。ふわふわしている。
「よく飲んでいるよ。さっきは一休みしたのかな?」
「そうね。お母さん猫がいないから不安だったのかも知れないわ。きっと、ここに来るまで一緒に居たと思うのよ。目が開いているから良かったわ。リリーは目が開きかけで、もっと小さかったから……」
「そうだね。リリーより大きいね。目はブルーだね。綺麗な目だよ。フリージアとリリーがいた家の子じゃないかもしれないね。よく見ると、外見が違うよ」
「そうね。うちの子達は日本猫だもの。でも、何匹も飼っている人かも知れないわ。うちもここもネットに載っているから、もっとたくさんの猫が捨てられるんじゃないかと思っていたのよ。違う家でしょうね」
「そうだね。飼って下さいっていうメモも、リリーの時とは違う字だよ」
俺は箱の中に入っていた手紙を見つめた。タオルの下から発見した。他に兄弟猫は居なくて、彼一人だった。他の子はどうなっただろうかと心配になっている。
「ニャーーー」
「ああ、もう飲まなくていいの?ああ、お腹が膨れたね。結構飲んだね」
「後はトイレのことを教えるわ。タオルを温めのお湯に湿らせて、お尻を拭くのよ。しばらくしたらトイレをするのよ」
「そうなんだね。うーーん。寝るのかな……」
「させておいたほうが良いわ。あら、もっと飲むの?」
子猫が鼻をピクピクさせた。ミルクの匂いを探しているのだろうと思った。そこで、俺はもう一度、哺乳瓶を彼の口元に持って行った。そして、飲ませた。子猫が前足で哺乳瓶を掴むようにして飲んでいる。身体が柔らかくて温かくて、とても気持ちが良い。
「君、柔らかいなあ。軽いから、抱いている感覚が無いよ。手に持つ感じ……」
「アンちゃんが見たいそうよ」
「そうだね。見せてあげないとね。大人しくなったし……」
アンは黒崎と一緒にソファーに座っている。俺達は向かいのラグの上に座っている。ミルクの邪魔をさせないためだ。アンは邪魔する気は無くても、子猫が不安を感じてミルクを飲まないかも知れない。アンだってテンションが高かった。そこで、黒崎が付き添い、アンのことを静かにさせている。こういう時になると大人しくしてくれるから、黒崎の本気度を感じたのだろう。
「アン、おいでよ」
「アンちゃん。おいで」
「クーン」
アンが黒崎の隣から移動し、ソファーから下りた。そして、俺達の元にやって来た。もちろん、子猫を見ている。クンクンと匂いを嗅いだり、俺達の顔を見たりと忙しい。そして、黒崎が立ち上がった。ついさっきから、この子を飼うかどうか考えていたところだ。心の中は決まっているくせに。
「黒崎さん。アンは子猫が好きなようだよ」
「そうだな。アンの心が一番大事だ」
「俺、この子を飼いたい。面倒をみたいんだ」
「そうか。お前はそうなのか。なら、仕方ないな」
「やったーー。君、この家の子になるんだよ。名前はどうしようかなーーー」
「夏樹君。良かったわね。あら、アンちゃんが尻尾を振ったわよ。喜んでいるみたい」
「ほんとだ。アン、なんて名前が良いと思う?」
アンが子猫の尻尾に鼻先で触れた。子猫の方は不安がっていない。震えてもいない。そして、ミルクを飲み終わった。
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