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早くあんみつが食べたいから、急いで一口カツを口に詰め込んだ。すると、喉に引っかかりがあり、慌てて水を飲んだ。
「ぷはーーーー!苦しかったーーーー!」
「ちゃんと噛んで食べないといけないよ」
「そうだよね。あんみつは逃げないよね。え?あんみつが残り4つになったの?」
「そうなのか。買ってくるよ」
周りの学生達からの情報により、あんみつの残り個数が分かった。そこで、上楽先生が買いに行ってくれた。それを今村先生が追いかけて、さっきの封筒を手にしている。これで買って下さいと言いながら。
その様子を見守っていると、ユーリーが学生との話を切り上げて、俺の方を向いた。そして、こう言った。今村先生の顔色が赤いのかと。今さらだ。
「もういいよ。顔色は青白くなっていたけど、元に戻ったからさ~」
「悪かった。面白い話を聞いたから、つい。かいつまんで聞いたところによると、今村先生が上楽先生からからかわれていたんだな。先生は人が悪い。俺のことも振り回すんだ。ジュリアンなんて呼ばれて、僕の心は蕩けそうだ」
「はいはい。南波さんが好きなんじゃなかったっけ?連絡しなくていいの?」
「午後から勤務だ。今頃移動中だろう」
「そっか。拗ねているなら機嫌を取らないといけないよ。ここで上楽先生に鼻の下を伸していたら、言いつけるよ」
「君はそんなことはしないと知っている。月島君には言いそうだけど」
「そうだなあ。月島さんには言いそう。あんたが二股を掛けても平気だって言うんだもん」
「それは嘘だ。結構彼は嫉妬深い。……良い感じだな」
「そうだね。あんたの発言にホッとしたよ。先生のことまでゲットしようとしていなくてさ」
その言葉の意味はこういうことだ。今村先生と上楽先生が良い感じだということだ。あんみつを買いに行っている後ろ姿を見ていると、なんだか気持ちが和んできた。寄り添うようにして立ち、ついでに他の物も買っている。それはクッキーだと思った。さっき見たところだ。たしか、ここの学食で焼いている物だと聞いた。1回で食べきれるぐらいの量が入って100円という安さだった。
そして、先生達が戻ってきた。上楽先生が持っているトレイには4つのあんみつと、クッキーの袋が乗せられていた。
「夏樹君。ユリウス君。おまたせ。夏樹君にお土産のクッキーだよ。僕達は良いんだ。あんみつを食べたら甘い物はいい。ユリウス君もそうだろう?」
「ああ、僕も同じだ。へえーー。相性占いクッキーっていうのか……」
「そうなんだよ。ハートとスペードが入っている。でも、透明の袋だから、外から中身が見える。占いにならないと思うけど……」
「上楽先生。そうではありません。片想いの相手のことを念じながら袋にを手を入れて、パッと取ったクッキーの形で占うんです。目を閉じて手を入れるといいそうです。はっ」
「……」
今村先生の顔が赤くなった。クッキーで占いをしたことがあるのだろうか。そんな感じがした。相手は上楽先生だろうか。今の状況からすると、そうに違いないと思った。そこで、俺は、今村先生の顔色を元に戻して上げたいと思った。また真っ赤だからだ。
「今村先生。俺もクッキー占いに興味があります」
「ははは。黒崎さんとの相性を占うの?」
「うん。本当にここの学食って充実しているよね。ミニカステラも売っているもんね」
「大学の名物にしたいからね。学生達も教員も、ここでなら思い切り満腹になれる店を目指している。ほら、あの子なんか、味噌カツラーメンの2杯目だよ。ははは」
「わあ~。すごいなあ!」
上楽先生が言ったとおり、近くの籍にいる学生のそばには空のラーメンの器が置かれていた。そして、今、熱々のラーメンを食べようとしている。見た感じは運動部の子っぽい。背が高くてがっちりした身体をしている。
「あの子はボート部なんだよ。朝陽君が入ろうとしていたところ。彼は結局のところ、漢方研究部に入った。三橋君と研鑽を積んでいるよ。その部では、部長から、腹八分目を言い渡される。だから、いつも満腹になれない。健康的じゃないといけないっていう教えからだよ」
「そっか~。朝陽は思い切り食べて寝転がるのは好きなんだ。ここだとそうはできないんだね。せっかくの学食なのに」
「その代わり、体脂肪率が減る。卒業生の40代に調査を掛けると、学生時代の身体を維持できている人が30%いる」
「それ、多いのか少ないのか分からないね。ユーリー、どう思う?」
「維持率は良い方だと思うぞ。卒業した後も元生徒同士で交流があるなら、仲が良いんだな」
「うん。漢方研究部はそうだよ」
上楽先生が微笑んだ。そして、俺達はあんみつを食べて、満腹になったお腹を抱えて、心霊スポットに向かうことになった。
「ぷはーーーー!苦しかったーーーー!」
「ちゃんと噛んで食べないといけないよ」
「そうだよね。あんみつは逃げないよね。え?あんみつが残り4つになったの?」
「そうなのか。買ってくるよ」
周りの学生達からの情報により、あんみつの残り個数が分かった。そこで、上楽先生が買いに行ってくれた。それを今村先生が追いかけて、さっきの封筒を手にしている。これで買って下さいと言いながら。
その様子を見守っていると、ユーリーが学生との話を切り上げて、俺の方を向いた。そして、こう言った。今村先生の顔色が赤いのかと。今さらだ。
「もういいよ。顔色は青白くなっていたけど、元に戻ったからさ~」
「悪かった。面白い話を聞いたから、つい。かいつまんで聞いたところによると、今村先生が上楽先生からからかわれていたんだな。先生は人が悪い。俺のことも振り回すんだ。ジュリアンなんて呼ばれて、僕の心は蕩けそうだ」
「はいはい。南波さんが好きなんじゃなかったっけ?連絡しなくていいの?」
「午後から勤務だ。今頃移動中だろう」
「そっか。拗ねているなら機嫌を取らないといけないよ。ここで上楽先生に鼻の下を伸していたら、言いつけるよ」
「君はそんなことはしないと知っている。月島君には言いそうだけど」
「そうだなあ。月島さんには言いそう。あんたが二股を掛けても平気だって言うんだもん」
「それは嘘だ。結構彼は嫉妬深い。……良い感じだな」
「そうだね。あんたの発言にホッとしたよ。先生のことまでゲットしようとしていなくてさ」
その言葉の意味はこういうことだ。今村先生と上楽先生が良い感じだということだ。あんみつを買いに行っている後ろ姿を見ていると、なんだか気持ちが和んできた。寄り添うようにして立ち、ついでに他の物も買っている。それはクッキーだと思った。さっき見たところだ。たしか、ここの学食で焼いている物だと聞いた。1回で食べきれるぐらいの量が入って100円という安さだった。
そして、先生達が戻ってきた。上楽先生が持っているトレイには4つのあんみつと、クッキーの袋が乗せられていた。
「夏樹君。ユリウス君。おまたせ。夏樹君にお土産のクッキーだよ。僕達は良いんだ。あんみつを食べたら甘い物はいい。ユリウス君もそうだろう?」
「ああ、僕も同じだ。へえーー。相性占いクッキーっていうのか……」
「そうなんだよ。ハートとスペードが入っている。でも、透明の袋だから、外から中身が見える。占いにならないと思うけど……」
「上楽先生。そうではありません。片想いの相手のことを念じながら袋にを手を入れて、パッと取ったクッキーの形で占うんです。目を閉じて手を入れるといいそうです。はっ」
「……」
今村先生の顔が赤くなった。クッキーで占いをしたことがあるのだろうか。そんな感じがした。相手は上楽先生だろうか。今の状況からすると、そうに違いないと思った。そこで、俺は、今村先生の顔色を元に戻して上げたいと思った。また真っ赤だからだ。
「今村先生。俺もクッキー占いに興味があります」
「ははは。黒崎さんとの相性を占うの?」
「うん。本当にここの学食って充実しているよね。ミニカステラも売っているもんね」
「大学の名物にしたいからね。学生達も教員も、ここでなら思い切り満腹になれる店を目指している。ほら、あの子なんか、味噌カツラーメンの2杯目だよ。ははは」
「わあ~。すごいなあ!」
上楽先生が言ったとおり、近くの籍にいる学生のそばには空のラーメンの器が置かれていた。そして、今、熱々のラーメンを食べようとしている。見た感じは運動部の子っぽい。背が高くてがっちりした身体をしている。
「あの子はボート部なんだよ。朝陽君が入ろうとしていたところ。彼は結局のところ、漢方研究部に入った。三橋君と研鑽を積んでいるよ。その部では、部長から、腹八分目を言い渡される。だから、いつも満腹になれない。健康的じゃないといけないっていう教えからだよ」
「そっか~。朝陽は思い切り食べて寝転がるのは好きなんだ。ここだとそうはできないんだね。せっかくの学食なのに」
「その代わり、体脂肪率が減る。卒業生の40代に調査を掛けると、学生時代の身体を維持できている人が30%いる」
「それ、多いのか少ないのか分からないね。ユーリー、どう思う?」
「維持率は良い方だと思うぞ。卒業した後も元生徒同士で交流があるなら、仲が良いんだな」
「うん。漢方研究部はそうだよ」
上楽先生が微笑んだ。そして、俺達はあんみつを食べて、満腹になったお腹を抱えて、心霊スポットに向かうことになった。
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