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黒崎と話していると、あっという間に時間が過ぎていった。俺は話しながら歩き、目の前で教室の中を覗いて異変がないかどうかを確認している今村先生を見つめた。そして、そこでつまずいてしまった。
「わわわ!」
「夏樹。もう電話を切る。大丈夫か?」
「大丈夫だよ。あ、上楽先生、すみません……」
上楽先生が俺の身体を支えてくれた。そこで、黒崎が電話を替わってくれと言うから、先生にスマホを渡した。
「良かったら電話で話したいって……」
「もちろん、いいよ。もしもし。上楽です。こんにちは……」
俺が先生が黒崎と話しているところを見守った。38歳と35歳で年が近いから、気が合うのではないかと思った。先生がニコニコして話している。それはお坊ちゃまという感じがあり、お坊ちゃまの2人だからこその社交があるのだと思った。
「黒崎さん。……夏樹君には最後の扉を開いてもらいます。プププ……」
「最後の扉って?」
俺はそのキーワードを聞き逃さなかった。それにしても、黒崎はここのキャンパスの中を熟知していたようだ。事前に校内マップを送って貰って暗記したか、今見ているのだろう。俺のいた大学のマップは熟知していた。このように何でも準備がされていて、俺は安心して歩いて行ける。
それは黒崎が敷いたレールのような気がするが、それでも俺は嫌がらずに歩いている。黒崎がそういう人だからだ。俺のことで知らないことを作りたくなくて、ほんの少しの声のトーンの違いだとか、表情の違いを見抜いてしまう。そして、俺のことを悲しませたくなくて、あれやこれやと事前に準備をしてしまう。今だって、楽しく探検が出来ている。それは黒崎が掛けた魔法だ。
そして、俺がユーリー達の方へ歩いていると、上楽先生から呼び止められた。電話が終わったということか。
「夏樹君。お話が出来たよ。黒崎さんが替わってくれって……」
「うん。もしもし。黒崎さん。先生と話したかったんだろ~」
「ああ。話したかった。ユーリーはやきもちを焼いていないのか?」
「焼いていないみたいだよ。今村先生の後を付いていって、教室の中を見ているよ。何も出ていないみたい。え?さっき喜んでいたのかって?」
「ああ。服を着ていない2人を見て喜んでいなかったのか?」
「ううん。ユーリーは上品だもん。もう切るよ。帰る時にラインを入れるよ」
「ああ、頼む。今日は一日、副社長室にいる。何かあったらここへ掛けてきてもいい」
「オッケー。じゃあね!」
プツ。電話を終えた。俺のそばには上楽先生がいて、ニコッと微笑みかけてくれた。それは優しい笑顔であり、先生の親衛隊がいるのも分かる気がした。
「うっうっ。先生~。先生の笑顔を見ると和むよ~。さっきの黒崎さんの笑顔なんか、想像するだけで怖いんだ~。あんな人が家の中にいるんだよ~」
「ははは。迫力があるもんね。さあ、最後の扉の前に来たよ。ここは資料室なんだ」
「ふうん……」
今村先生とユーリーが近くの窓を閉め始めた。風がドアに当たってガタガタと音を立てているからだ。俺と上楽先生は資料室のドアの前に立った。ここはいわく付きの部屋だそうだ。俺はその内容を聞いて、ブルブルと身体が震えた。見回りの警備スタッフがある日この部屋の中で発見したのは、呪文が書かれた紙だったという。それはA3用紙に書き綴られており、隣に置かれた紙にはひらがなが記載されいたそうだ。それを上楽先生は降霊術の一種だと判断した。そこで、先生達もこの建物の見回りに来るようになったそうだ。
「さあ、心霊スポットの仕上げだよ。ここに紙が置いてあったら、降霊術の後で何かが起きて逃げていった生徒がいた証だ」
「その扉を開けさせるのかよ。いいよ。やってみるよ。よいしょっと……。ん?誰かいる……」
室内は暗かった。そして、感じた人影に胸がドキッとした。そして、その人影が声を上げて、床に落ちた服をかき集めたことに驚いた。なんとまた、服を着ていない学生風の2人を発見してしまった。今度は半分裸という状況だった。
「なんと……。ばかもん!」
「ああーーーー……」
その状態を見た今村先生の顔が真っ赤にして怒りだした。そして、上楽先生は頭を抱え始めた。自分が受け持っている生徒だそうだ。この大学には担任システムがあり、生活状況のことなどの相談に乗る先生がいる。彼らは上楽先生の生徒だそうだ。先生にもお咎めがあるのだろう。そう思うと気の毒で、早くここを部室にしたら良いのにと思ったのだった。
「わわわ!」
「夏樹。もう電話を切る。大丈夫か?」
「大丈夫だよ。あ、上楽先生、すみません……」
上楽先生が俺の身体を支えてくれた。そこで、黒崎が電話を替わってくれと言うから、先生にスマホを渡した。
「良かったら電話で話したいって……」
「もちろん、いいよ。もしもし。上楽です。こんにちは……」
俺が先生が黒崎と話しているところを見守った。38歳と35歳で年が近いから、気が合うのではないかと思った。先生がニコニコして話している。それはお坊ちゃまという感じがあり、お坊ちゃまの2人だからこその社交があるのだと思った。
「黒崎さん。……夏樹君には最後の扉を開いてもらいます。プププ……」
「最後の扉って?」
俺はそのキーワードを聞き逃さなかった。それにしても、黒崎はここのキャンパスの中を熟知していたようだ。事前に校内マップを送って貰って暗記したか、今見ているのだろう。俺のいた大学のマップは熟知していた。このように何でも準備がされていて、俺は安心して歩いて行ける。
それは黒崎が敷いたレールのような気がするが、それでも俺は嫌がらずに歩いている。黒崎がそういう人だからだ。俺のことで知らないことを作りたくなくて、ほんの少しの声のトーンの違いだとか、表情の違いを見抜いてしまう。そして、俺のことを悲しませたくなくて、あれやこれやと事前に準備をしてしまう。今だって、楽しく探検が出来ている。それは黒崎が掛けた魔法だ。
そして、俺がユーリー達の方へ歩いていると、上楽先生から呼び止められた。電話が終わったということか。
「夏樹君。お話が出来たよ。黒崎さんが替わってくれって……」
「うん。もしもし。黒崎さん。先生と話したかったんだろ~」
「ああ。話したかった。ユーリーはやきもちを焼いていないのか?」
「焼いていないみたいだよ。今村先生の後を付いていって、教室の中を見ているよ。何も出ていないみたい。え?さっき喜んでいたのかって?」
「ああ。服を着ていない2人を見て喜んでいなかったのか?」
「ううん。ユーリーは上品だもん。もう切るよ。帰る時にラインを入れるよ」
「ああ、頼む。今日は一日、副社長室にいる。何かあったらここへ掛けてきてもいい」
「オッケー。じゃあね!」
プツ。電話を終えた。俺のそばには上楽先生がいて、ニコッと微笑みかけてくれた。それは優しい笑顔であり、先生の親衛隊がいるのも分かる気がした。
「うっうっ。先生~。先生の笑顔を見ると和むよ~。さっきの黒崎さんの笑顔なんか、想像するだけで怖いんだ~。あんな人が家の中にいるんだよ~」
「ははは。迫力があるもんね。さあ、最後の扉の前に来たよ。ここは資料室なんだ」
「ふうん……」
今村先生とユーリーが近くの窓を閉め始めた。風がドアに当たってガタガタと音を立てているからだ。俺と上楽先生は資料室のドアの前に立った。ここはいわく付きの部屋だそうだ。俺はその内容を聞いて、ブルブルと身体が震えた。見回りの警備スタッフがある日この部屋の中で発見したのは、呪文が書かれた紙だったという。それはA3用紙に書き綴られており、隣に置かれた紙にはひらがなが記載されいたそうだ。それを上楽先生は降霊術の一種だと判断した。そこで、先生達もこの建物の見回りに来るようになったそうだ。
「さあ、心霊スポットの仕上げだよ。ここに紙が置いてあったら、降霊術の後で何かが起きて逃げていった生徒がいた証だ」
「その扉を開けさせるのかよ。いいよ。やってみるよ。よいしょっと……。ん?誰かいる……」
室内は暗かった。そして、感じた人影に胸がドキッとした。そして、その人影が声を上げて、床に落ちた服をかき集めたことに驚いた。なんとまた、服を着ていない学生風の2人を発見してしまった。今度は半分裸という状況だった。
「なんと……。ばかもん!」
「ああーーーー……」
その状態を見た今村先生の顔が真っ赤にして怒りだした。そして、上楽先生は頭を抱え始めた。自分が受け持っている生徒だそうだ。この大学には担任システムがあり、生活状況のことなどの相談に乗る先生がいる。彼らは上楽先生の生徒だそうだ。先生にもお咎めがあるのだろう。そう思うと気の毒で、早くここを部室にしたら良いのにと思ったのだった。
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