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20-11(夏樹視点)
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収録スタジオの中にいる。俺と聡太郎は並び合って立ち、それぞれのマイクに向かって台本を読み上げた。今撮っているのは俺のパートだ。ある会社員の女性が地下駐輪場で見た男性が露出狂かもしれないと思って逃げた後、警察によって防犯カメラが調べられたが、そこには男性の姿が映っていなかったという話だ。なぜそれを知ったかというと、そこの地下駐輪場の警備を担当する人から噂が広まり、会社の警備をしている担当者から聞いたという形だ。そこには以前にも同じ事があったそうだ。しかも、防犯カメラには走って逃げている女性の姿では無く、普通に歩いて地上に向かっている姿が映っていたという。
俺は台本を手にして、ドラマ仕立てで俳優さん達が演じる今回の話に添える形でナレーションをする。第一話目が俺がメインで、聡太郎と声を重ねる部分がある。視聴者に驚いて欲しい箇所でそうする。そこには女性の叫び声などの効果音も入る。俺は打ち合わせどおりに、静かに語っていった。
「……去年の夏の体験です。私はデパートの中で働いていました。毎日、午前9時30分に出勤しますが、その日はシフトが30分遅くて良かったので、10時頃に到着するように家を出ました。普段はバスを利用していますが、その日は遅刻をしそうになり、家から原付バイクで職場に向かいました。そして、10時頃にデパートの近くにある地下駐輪場にバイクを停めたのです」
「はい、オッケーです。次は露出狂かも知れないと思ったシーンに移って下さい」
「……無事にバイクを停められてホッとしました。駐輪場はいつも満杯だったからです。そして、私は地上に出ようとしました。すると、階段の隅で私に背を向けて、服を直している風の男性が立っていたのです。そして、私が通り過ぎようとすると、男性が振り返りました。そこで、私は、彼のズボンが膝まで下げられているのを見たのです。……キャーーーーー!」
「はい。オッケーです。夏樹君。見たのですの部分を、もう一度お願いします」
「……見たのです」
「はい、オッケーです」
「ふう……」
冒頭の部分が撮り終えられた。滑舌よく話すというのがこんなにも大変なことかと、体験してみてよく分かった。そばにはペットボトル飲料を置いてある。中身は緑茶だ。トイレに行きたくなるかも知れないが、喉を使うから飲みながらやった方が良いと板東さんから勧められて、そうしている。室内はクーラーが効いていて涼しい。だから喉は渇かないと思っていた。しかし、乾燥しているし、実際に喉を使っている感じがあり、持っていて良かったと思った。
「夏樹君。じゃあ、続きに行こう。効果音のキャーーの後の、女性がお母さんに話すシーンからだよ」
「……デパートに到着した後、昼休みの時間を迎えました。私は母に電話を掛けて、事情を話しました。すると、母は警察に通報した方が良いと言うのです。私は露出狂かもしれないという憶測で通報はしない方が良いと思っていましたが、母がそう言うのでそうしようと思いました。すると、雨が降ってきて、急いでデパートの中に戻りました」
「はい。オッケーです。女性が帰宅した後のシーンをお願いします」
「……デパートから帰宅すると、母が飛んできました。警察から私に電話が掛かってくるというのです。母が私の代わりに通報してくれており、私が家に帰ってくる時間に合わせて警察から電話が入るようにしていたのです。そして、警察から電話が入りました」
「はい。オッケーです。夏樹君。良い調子だよ。最後までいっていいかな?聡太郎君、スタンバイして」
「はい」
ここからは聡太郎とのコラボになる。まずは俺からだ。女性が警察からの電話を終えて、4日経ち、デパートの保安部出入り口で雨宿りをしているシーンだ。そこで、ここに詰めている警備会社が地下駐輪場の警備を委託されていることと、当日の防犯カメラの映像を警察が持って行ったということを知る。それは女性とたまに話をしたことのある女性警備スタッフからの話によるものだった。そして、映像が調べられたが、何も映っていないどころか、その時間に地下駐輪場にいた女性が普通のスピードで地上に出て行く姿が映っていたことを知る。
俺は台本を手にして、ドラマ仕立てで俳優さん達が演じる今回の話に添える形でナレーションをする。第一話目が俺がメインで、聡太郎と声を重ねる部分がある。視聴者に驚いて欲しい箇所でそうする。そこには女性の叫び声などの効果音も入る。俺は打ち合わせどおりに、静かに語っていった。
「……去年の夏の体験です。私はデパートの中で働いていました。毎日、午前9時30分に出勤しますが、その日はシフトが30分遅くて良かったので、10時頃に到着するように家を出ました。普段はバスを利用していますが、その日は遅刻をしそうになり、家から原付バイクで職場に向かいました。そして、10時頃にデパートの近くにある地下駐輪場にバイクを停めたのです」
「はい、オッケーです。次は露出狂かも知れないと思ったシーンに移って下さい」
「……無事にバイクを停められてホッとしました。駐輪場はいつも満杯だったからです。そして、私は地上に出ようとしました。すると、階段の隅で私に背を向けて、服を直している風の男性が立っていたのです。そして、私が通り過ぎようとすると、男性が振り返りました。そこで、私は、彼のズボンが膝まで下げられているのを見たのです。……キャーーーーー!」
「はい。オッケーです。夏樹君。見たのですの部分を、もう一度お願いします」
「……見たのです」
「はい、オッケーです」
「ふう……」
冒頭の部分が撮り終えられた。滑舌よく話すというのがこんなにも大変なことかと、体験してみてよく分かった。そばにはペットボトル飲料を置いてある。中身は緑茶だ。トイレに行きたくなるかも知れないが、喉を使うから飲みながらやった方が良いと板東さんから勧められて、そうしている。室内はクーラーが効いていて涼しい。だから喉は渇かないと思っていた。しかし、乾燥しているし、実際に喉を使っている感じがあり、持っていて良かったと思った。
「夏樹君。じゃあ、続きに行こう。効果音のキャーーの後の、女性がお母さんに話すシーンからだよ」
「……デパートに到着した後、昼休みの時間を迎えました。私は母に電話を掛けて、事情を話しました。すると、母は警察に通報した方が良いと言うのです。私は露出狂かもしれないという憶測で通報はしない方が良いと思っていましたが、母がそう言うのでそうしようと思いました。すると、雨が降ってきて、急いでデパートの中に戻りました」
「はい。オッケーです。女性が帰宅した後のシーンをお願いします」
「……デパートから帰宅すると、母が飛んできました。警察から私に電話が掛かってくるというのです。母が私の代わりに通報してくれており、私が家に帰ってくる時間に合わせて警察から電話が入るようにしていたのです。そして、警察から電話が入りました」
「はい。オッケーです。夏樹君。良い調子だよ。最後までいっていいかな?聡太郎君、スタンバイして」
「はい」
ここからは聡太郎とのコラボになる。まずは俺からだ。女性が警察からの電話を終えて、4日経ち、デパートの保安部出入り口で雨宿りをしているシーンだ。そこで、ここに詰めている警備会社が地下駐輪場の警備を委託されていることと、当日の防犯カメラの映像を警察が持って行ったということを知る。それは女性とたまに話をしたことのある女性警備スタッフからの話によるものだった。そして、映像が調べられたが、何も映っていないどころか、その時間に地下駐輪場にいた女性が普通のスピードで地上に出て行く姿が映っていたことを知る。
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