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しかし、黒崎が健康になるのなら、その健康法を取り入れても良いかと思ったことがある。もしかしたら喘息がよくなるかも知れないと思うと、わらにもすがる思いがする。今のところ、去年秋に起きたような発作は起きていない。冬も乗り越えられた。梅雨を迎えての気温の移り変わりとクーラーの登場を迎えたが、それでも平気そうにしている。しかし、発作が起きると苦しそうにしているから心配だ。
「黒崎さん。あんたも健康法を試してみる?」
「いいや。俺は普通に食べていたい。今のところ、体重に変化はない」
「そっか。お菓子メーカーの家としては言えないことだよね。小麦抜き、砂糖抜きにしますって」
「うちはチョコレート菓子メーカーだ。カカオポリフェノールに着目して、健康に良い菓子を製造している。社会に貢献していると思っている」
「そうだね。あんたはお菓子を食べないけど、お菓子メーカーの家の息子だもんね」
「うるさい。砂糖は気分にむらが出るから食べないことにしている。だから、砂糖も甘味料も使っていない菓子の構想を練っているところだ」
「なるほど。黒崎さんは砂糖を摂らないんですね。たしかに黒崎製菓のチョコレートにはカカオ85%の商品など、苦めの商品が増えたと思います」
板東さんが黒崎製菓のお菓子の名前をいくつか挙げてくれた。彼はお菓子が大好きで、現場でもおやつに食べているところを見たことがある。そういうわけで、今日は黒崎製菓の御菓子の詰め合わせをアシスタントさんの分も一緒に持ってきてある。スタッフさんにはレストラン事業で使っているドレッシングだ。少し重いが持って帰ってもらいたい。それには砂糖も小麦も使っていない。ちょうど良かったと思った。
さて、黒崎が板東さんと御菓子の話を始めた。俺は静かに箸を使い、チキン南蛮を食べ始めた。ご飯は少し硬めだったはずだ。他には煮物が入っていて、今日は蓮根と椎茸だと分かった。
「聡太郎君。蓮根だよ。君が好きな野菜だよね」
「そうだよ。蓮根は縁起が良いんだ。先を見通すと言われている。ああ、タコも入っているじゃないか。多幸という」
「だからよくタコ焼きを食べているのかよ?」
「違うよ。伊吹が買ってくるからだ」
「ふうん。縁起の良い食べ物だからだろ。照れなくて良いんだよ。俺達の仕事は縁起を担がなくちゃね。無事に興行が終わりますようにって、神社にも祈願に行っているんだ」
「その祈願だけど、いつもの神社の夏祭りには行かないの?君は行っているのは知っているけど、副社長は行かないだろう」
「晴れだったら行くと思うよ。でも、毎年雨なんだよねえ」
コンサートの成功祈願で訪れている神社など、いろんなところで6月末に夏越の祓が行われている。その時に縁日が出ることがある。いつも行っている神社でもそれが開かれる。しかし、毎年雨だからと、黒崎が行くのをしぶっている。そこで、俺はお義父さんと行っている。
「今年の夏越の祓は近所の神社に行こうかなって思っているんだ。毎年ハシゴしているからさ」
「どうして?両方行くといいのに」
「だって、2軒目に行く時には大雨なんだもん。俺って晴れ男の方なんだけどね。お義父さんもだよ。でも、6月末はいつもそうなんだ」
「そうか。俺は行くときは曇っているんだけどな」
「お兄ちゃんと一緒だろ?強烈な晴れ男だもんねえ」
実家にいるときには家族全員で神社に出かけていた。梅雨だというのに、伊吹がいると晴れていたことが多かった。しかし、こっちに引っ越してきて、別々に神社に行くようになると、雨に降られるようになって来た。晴れ男、雨男というのは本当にあるのだと思う。
「聡太郎君も晴れ男だよね?」
「それが最近、違うんだ。どこかに出かけようとすると雨が降ってくるんだよ」
「そうなんだね。ん?お菓子完売?よかったーーー」
すると、アシスタントさんから、みんなに配った御菓子が大人気で、みんなが食べた後だという報告を受けた。小麦を使っているが良かっただろうか。たまには良いかと思ったか、相当気を使われたに違いない。そこで、この次はカットフルーツにしようと思いながら、食べてくれたのがありがたいと思い、チキン南蛮を食べた。
「黒崎さん。あんたも健康法を試してみる?」
「いいや。俺は普通に食べていたい。今のところ、体重に変化はない」
「そっか。お菓子メーカーの家としては言えないことだよね。小麦抜き、砂糖抜きにしますって」
「うちはチョコレート菓子メーカーだ。カカオポリフェノールに着目して、健康に良い菓子を製造している。社会に貢献していると思っている」
「そうだね。あんたはお菓子を食べないけど、お菓子メーカーの家の息子だもんね」
「うるさい。砂糖は気分にむらが出るから食べないことにしている。だから、砂糖も甘味料も使っていない菓子の構想を練っているところだ」
「なるほど。黒崎さんは砂糖を摂らないんですね。たしかに黒崎製菓のチョコレートにはカカオ85%の商品など、苦めの商品が増えたと思います」
板東さんが黒崎製菓のお菓子の名前をいくつか挙げてくれた。彼はお菓子が大好きで、現場でもおやつに食べているところを見たことがある。そういうわけで、今日は黒崎製菓の御菓子の詰め合わせをアシスタントさんの分も一緒に持ってきてある。スタッフさんにはレストラン事業で使っているドレッシングだ。少し重いが持って帰ってもらいたい。それには砂糖も小麦も使っていない。ちょうど良かったと思った。
さて、黒崎が板東さんと御菓子の話を始めた。俺は静かに箸を使い、チキン南蛮を食べ始めた。ご飯は少し硬めだったはずだ。他には煮物が入っていて、今日は蓮根と椎茸だと分かった。
「聡太郎君。蓮根だよ。君が好きな野菜だよね」
「そうだよ。蓮根は縁起が良いんだ。先を見通すと言われている。ああ、タコも入っているじゃないか。多幸という」
「だからよくタコ焼きを食べているのかよ?」
「違うよ。伊吹が買ってくるからだ」
「ふうん。縁起の良い食べ物だからだろ。照れなくて良いんだよ。俺達の仕事は縁起を担がなくちゃね。無事に興行が終わりますようにって、神社にも祈願に行っているんだ」
「その祈願だけど、いつもの神社の夏祭りには行かないの?君は行っているのは知っているけど、副社長は行かないだろう」
「晴れだったら行くと思うよ。でも、毎年雨なんだよねえ」
コンサートの成功祈願で訪れている神社など、いろんなところで6月末に夏越の祓が行われている。その時に縁日が出ることがある。いつも行っている神社でもそれが開かれる。しかし、毎年雨だからと、黒崎が行くのをしぶっている。そこで、俺はお義父さんと行っている。
「今年の夏越の祓は近所の神社に行こうかなって思っているんだ。毎年ハシゴしているからさ」
「どうして?両方行くといいのに」
「だって、2軒目に行く時には大雨なんだもん。俺って晴れ男の方なんだけどね。お義父さんもだよ。でも、6月末はいつもそうなんだ」
「そうか。俺は行くときは曇っているんだけどな」
「お兄ちゃんと一緒だろ?強烈な晴れ男だもんねえ」
実家にいるときには家族全員で神社に出かけていた。梅雨だというのに、伊吹がいると晴れていたことが多かった。しかし、こっちに引っ越してきて、別々に神社に行くようになると、雨に降られるようになって来た。晴れ男、雨男というのは本当にあるのだと思う。
「聡太郎君も晴れ男だよね?」
「それが最近、違うんだ。どこかに出かけようとすると雨が降ってくるんだよ」
「そうなんだね。ん?お菓子完売?よかったーーー」
すると、アシスタントさんから、みんなに配った御菓子が大人気で、みんなが食べた後だという報告を受けた。小麦を使っているが良かっただろうか。たまには良いかと思ったか、相当気を使われたに違いない。そこで、この次はカットフルーツにしようと思いながら、食べてくれたのがありがたいと思い、チキン南蛮を食べた。
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