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20-15(黒崎視点)
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16時。
収録は順調に進んでいる。夏樹と聡太郎が真剣な顔つきでナレーションを読み上げ、板東さんからの指示に頷きながら、やり直す箇所もあった。ずっと立ったままで大丈夫だろうかと思ったが、椅子が用意されており、時々休憩を挟みながら作業が進められている。
「長谷部さん。今回の放送ではナレーションが夏樹達だと分かるでしょうか。広報はSNSを1本のみでしたが……」
「今回はそうしました。テレビ局の意向では何度も宣伝をして欲しいとのことでしたが、音楽の方を中心にしたかったので、あえて少なくしました。声の方は、ファンの方だったら分かると思います。でも、聡太郎君の方は初めて聞く声だから分からないかも」
「久弥さんとは違う声だ。もっと大きく宣伝しても良かったのでは」
「そうですけど、会社の意向なんです。もちろん、この仕事を頂いて感謝しているんですが、宣伝を少なくしてどれだけ話題が出るかどうかを試したいんです。テレビ局の方でも宣伝して頂いていますし……。あら、圭一さん。電話ですよ」
「ああ。掛かってきている。失礼します」
父からまた着信が入った。今も収録に付き添っていると知っているはずだ。何か起きたに違いない。嫌な予感がした。何のことだろうか。この妙な胸騒ぎは何だろうか。そう思いながら隣の部屋に移動した。そこは昼食を食べた部屋だ。和やかな空気の中で過ごせた。しかし今、そうではない予感をしている。そして、俺は電話に出た。
「もしもし。親父。どうしたんだ?」
「我々に殺害予告がされた」
「なんだって?」
「犯行予告は明後日の金曜日。午前10時8分だ。黒崎製菓と家の両方に襲いに来るそうだ」
「なんだと……」
「さっき深川君から連絡が入った。家からもだ。警察がうちに訪ねてきた。しかし、私とユーリーと留守にしていたから、対応できなかった。さっき、警察から電話が掛かってきた。私達は今、家にいる」
父の声は真剣なものだった。黒崎製菓にメールで殺害予告がされて、うちの管轄の警察署にもメールがされたそうだ。内容としては、殺害方法の詳細と、父と俺の名前が挙げられていたそうだ。冬に二葉の同級生から爆破予告がされたことで父は何度も警察署に訪ねていき、連絡先を伝えてあった。まず先に電話が掛かるのではないだろうか。それを聞くと、30分前にあった着信に出られなかったという。そこで、警察の方から家に訪ねてきたのだそうだ。
今回の殺害予告の内容を聞いた。黒崎製菓の社員は対象に入っていないということだった。傭兵を雇い、俺達の殺害には散弾銃を使うということだ。犯行予告者の名前は高木啓介と名乗っていているという。今回は男性だ。いや、女性かも知れない。また二葉の同級生ではないだろうか。
同級生達は逮捕された後、和解が成立しなかった。そして、裁判で有罪判決を受けて、懲役1年、執行猶予4年をくらっている。今は大人しくしているなどとは思っていない。こちらのことを恨みに思っているだろう。アイドルグループの事務所にも殺害予告がされているかも知れない。
「あの子達じゃないのか?執行猶予付き判決を受けて、世に名前が報道されて、人生がめちゃくちゃだ。破れかぶれになっているもかも知れない。倉林ななせさんは離婚はしていないが、別居しているそうじゃないか」
「夫の父親の逮捕があるからだ。お互いに姻族関係を持っているメリットはないと、夫婦が考えているそうだ。私のところの調査会社からの報告によると、そうだった。ななせさん以外は転職をしている。今橋爽未さんもだ」
「お医者さんか……」
「お医者さんになった子だった人だ。医師免許を剥奪されている。その今橋さんを名乗る人から2時間前に二葉にラインが入った。ごめんなさいを60回も繰り返した内容だった」
「今回の殺害予告と関係があるだろう。タイミングが良すぎる」
「いや、それはないと思っている。警察によると、今橋さんは入院していて、面会できない状況だ。外部との連絡も取ることが出来ない。スマホを看護師に預けていたそうだ。2時間前にスマホを手に取って、久しぶりにネット検索していたそうだ。一部始終を看護師が見ている。しかし、60回のごめんなさいは、送った後で看護師が気づいたそうだ。その頃に殺害予告メールが届いている」
「なら、友達の中の誰かじゃないのか」
「警察もそう見ている。しかし、模倣犯も居る。被害届けを出さなければならない。悪いが、今日は早めに帰って来てくれ」
「分かった」
殺害予告ということで、警察からは、犯行予告時刻には会社と家から避難してくれと言われたそうだ。知人の家に行くのが良いという。誰か知り合いがそばに居る方が良いということだろう。これで用事ができた。黒崎製菓には警備スタッフを配置し、家には誰もいないように手配する必要がある。
収録は順調に進んでいる。夏樹と聡太郎が真剣な顔つきでナレーションを読み上げ、板東さんからの指示に頷きながら、やり直す箇所もあった。ずっと立ったままで大丈夫だろうかと思ったが、椅子が用意されており、時々休憩を挟みながら作業が進められている。
「長谷部さん。今回の放送ではナレーションが夏樹達だと分かるでしょうか。広報はSNSを1本のみでしたが……」
「今回はそうしました。テレビ局の意向では何度も宣伝をして欲しいとのことでしたが、音楽の方を中心にしたかったので、あえて少なくしました。声の方は、ファンの方だったら分かると思います。でも、聡太郎君の方は初めて聞く声だから分からないかも」
「久弥さんとは違う声だ。もっと大きく宣伝しても良かったのでは」
「そうですけど、会社の意向なんです。もちろん、この仕事を頂いて感謝しているんですが、宣伝を少なくしてどれだけ話題が出るかどうかを試したいんです。テレビ局の方でも宣伝して頂いていますし……。あら、圭一さん。電話ですよ」
「ああ。掛かってきている。失礼します」
父からまた着信が入った。今も収録に付き添っていると知っているはずだ。何か起きたに違いない。嫌な予感がした。何のことだろうか。この妙な胸騒ぎは何だろうか。そう思いながら隣の部屋に移動した。そこは昼食を食べた部屋だ。和やかな空気の中で過ごせた。しかし今、そうではない予感をしている。そして、俺は電話に出た。
「もしもし。親父。どうしたんだ?」
「我々に殺害予告がされた」
「なんだって?」
「犯行予告は明後日の金曜日。午前10時8分だ。黒崎製菓と家の両方に襲いに来るそうだ」
「なんだと……」
「さっき深川君から連絡が入った。家からもだ。警察がうちに訪ねてきた。しかし、私とユーリーと留守にしていたから、対応できなかった。さっき、警察から電話が掛かってきた。私達は今、家にいる」
父の声は真剣なものだった。黒崎製菓にメールで殺害予告がされて、うちの管轄の警察署にもメールがされたそうだ。内容としては、殺害方法の詳細と、父と俺の名前が挙げられていたそうだ。冬に二葉の同級生から爆破予告がされたことで父は何度も警察署に訪ねていき、連絡先を伝えてあった。まず先に電話が掛かるのではないだろうか。それを聞くと、30分前にあった着信に出られなかったという。そこで、警察の方から家に訪ねてきたのだそうだ。
今回の殺害予告の内容を聞いた。黒崎製菓の社員は対象に入っていないということだった。傭兵を雇い、俺達の殺害には散弾銃を使うということだ。犯行予告者の名前は高木啓介と名乗っていているという。今回は男性だ。いや、女性かも知れない。また二葉の同級生ではないだろうか。
同級生達は逮捕された後、和解が成立しなかった。そして、裁判で有罪判決を受けて、懲役1年、執行猶予4年をくらっている。今は大人しくしているなどとは思っていない。こちらのことを恨みに思っているだろう。アイドルグループの事務所にも殺害予告がされているかも知れない。
「あの子達じゃないのか?執行猶予付き判決を受けて、世に名前が報道されて、人生がめちゃくちゃだ。破れかぶれになっているもかも知れない。倉林ななせさんは離婚はしていないが、別居しているそうじゃないか」
「夫の父親の逮捕があるからだ。お互いに姻族関係を持っているメリットはないと、夫婦が考えているそうだ。私のところの調査会社からの報告によると、そうだった。ななせさん以外は転職をしている。今橋爽未さんもだ」
「お医者さんか……」
「お医者さんになった子だった人だ。医師免許を剥奪されている。その今橋さんを名乗る人から2時間前に二葉にラインが入った。ごめんなさいを60回も繰り返した内容だった」
「今回の殺害予告と関係があるだろう。タイミングが良すぎる」
「いや、それはないと思っている。警察によると、今橋さんは入院していて、面会できない状況だ。外部との連絡も取ることが出来ない。スマホを看護師に預けていたそうだ。2時間前にスマホを手に取って、久しぶりにネット検索していたそうだ。一部始終を看護師が見ている。しかし、60回のごめんなさいは、送った後で看護師が気づいたそうだ。その頃に殺害予告メールが届いている」
「なら、友達の中の誰かじゃないのか」
「警察もそう見ている。しかし、模倣犯も居る。被害届けを出さなければならない。悪いが、今日は早めに帰って来てくれ」
「分かった」
殺害予告ということで、警察からは、犯行予告時刻には会社と家から避難してくれと言われたそうだ。知人の家に行くのが良いという。誰か知り合いがそばに居る方が良いということだろう。これで用事ができた。黒崎製菓には警備スタッフを配置し、家には誰もいないように手配する必要がある。
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