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さて、久弥との話は続いている。すると、久弥から母の名前が出た。母に菅野さんのことを聞いてみたいそうだ。そこで、俺の母が良い言い方をする人では無いから、月島さんに聞いた方がいいのではないかと返事を返した。しかし、久弥は母の方が良いのだという。
「これはまいったな。そんなに母が良いですか……」
「はっきり言ってもらいたいからです。移籍候補の事務所の社長としての立場でも話を聞きたいです。でも、夏樹から聞きました。絶縁宣言をしたのだと……」
「今さっき話したところです。しかし、また話しても良いですよ。これは経営者としての母の事を知れる良い機会です。聞いてみます。返事は夕方になるかも知れませんが……」
「はい。待っています。すみません」
「いいですよ。俺も母と話がしたい。じゃあ、また後で」
「はい。失礼します」
久弥との電話を終えた。夏樹には替わらないでよいと伝えた。昼食を食べているところだろう。また後で連絡すればいいことだ。そう思いながら、俺はもう一度母の連絡先をタップした。自分の口に笑みが浮かんでいる。これでまた母の人となりを知れる良い機会だからだ。
何コール目かの呼び出し音が続いた。しかし、母は出ない。そこで、かけ直そうかと思った。しかし、そこで、電話は繋がった。
「もしもし。おまたせ」
「秘書に携帯を預けないのか?」
「トイレに行っていたぐらいだもの。日頃は預けるんだけど、今日は事務所にいるから良いかなってことにしてあるの。どうしたの?」
「あんたの霊視が聞きたい。菅野さんの気持ちを読み取ってくれ。久弥さんからの頼みだ。俺も知りたい。礼はする」
「あなた、私の話を信じているの?この間も誰かの思考を読み取ってくれって言っていたじゃ無い」
「ああ。信じたい。占いの店・マーリンの翠水のページを見た。良い写真を使っているじゃないか。とても美しい人だ」
「あら、ありがとう。お礼はそれでいいわよ。それと、そんなに心配しなくても、久弥さん達に危害を加えられるわけじゃないのよ。そういう人なら気がついているから……」
「そうか。じゃあ、読み取ってくれ」
「分かったわ。少し待っていてね」
母が無言になった。そして、誰かに話しかけている様な声がした。これが母の読み取り方だ。まるで本人に話を聞いているかのような錯覚をする。どうなの、それならこうなの。そう質問しながら進めている方法は、月島さんと共通点がある。しかし、彼の場合は頭の中に相手の思考が流れ込んでくるそうで、母の場合は会話スタイルという形だそうだ。
そして、一分経ち、母が電話に出た。ため息をついている。そして、怒らないで聞いてねと言われた。
「分かった。どうだったんだ?」
「2人の息子のことが気になるそうなの」
「そうなのか……」
「彼女は久弥君のことを上の息子、聡太郎君のことを下の息子って呼んでいるんだけど、上の息子のことは何も心配ないって思っていて、下の息子のことは心配しているところがあって、会いたいって言っているわ。下の息子はひとりぼっちなんだって。伊吹君があんなにテレビに出ていても、愛されているって分かっていても、今どうしているのかしらって思っているわ」
「どこが怒る内容なんだ?」
「問題はここからよ。親子だと公表したいのは、目立ちたいからだって言うのよ」
「それは想定の範囲内だ」
「あの子達、私よりも目立っていてずるいって言っているわ。それと、最近出てきた若いヴァイオリニストの子に注目の目が向いていて、自分がかすんできたから、私の方がえらいって見てもらいたくて公表して、箔をつけるんだって言うのよ」
「ずるいか……」
私よりも目立っていてずるい。その言い方は子供っぽいものだ。しかし、いかにも菅野さんが言いそうな事だと思い、母の話は当たっていると感じた。そして、怒ることではない。それも想定の範囲内だった。彼女は気分にむらがあり、我儘を言う性格をしていることは知っている。去年の彼女のコンサートでそれを実感した。久弥と控え室で会い、気分を損ねた彼女はステージに出ないと言い始めた。そこで、俺が気を利かせて機嫌を取った。そして、分かりやすく、彼女は機嫌を直してステージに立ったわけだ。
「これはまいったな。そんなに母が良いですか……」
「はっきり言ってもらいたいからです。移籍候補の事務所の社長としての立場でも話を聞きたいです。でも、夏樹から聞きました。絶縁宣言をしたのだと……」
「今さっき話したところです。しかし、また話しても良いですよ。これは経営者としての母の事を知れる良い機会です。聞いてみます。返事は夕方になるかも知れませんが……」
「はい。待っています。すみません」
「いいですよ。俺も母と話がしたい。じゃあ、また後で」
「はい。失礼します」
久弥との電話を終えた。夏樹には替わらないでよいと伝えた。昼食を食べているところだろう。また後で連絡すればいいことだ。そう思いながら、俺はもう一度母の連絡先をタップした。自分の口に笑みが浮かんでいる。これでまた母の人となりを知れる良い機会だからだ。
何コール目かの呼び出し音が続いた。しかし、母は出ない。そこで、かけ直そうかと思った。しかし、そこで、電話は繋がった。
「もしもし。おまたせ」
「秘書に携帯を預けないのか?」
「トイレに行っていたぐらいだもの。日頃は預けるんだけど、今日は事務所にいるから良いかなってことにしてあるの。どうしたの?」
「あんたの霊視が聞きたい。菅野さんの気持ちを読み取ってくれ。久弥さんからの頼みだ。俺も知りたい。礼はする」
「あなた、私の話を信じているの?この間も誰かの思考を読み取ってくれって言っていたじゃ無い」
「ああ。信じたい。占いの店・マーリンの翠水のページを見た。良い写真を使っているじゃないか。とても美しい人だ」
「あら、ありがとう。お礼はそれでいいわよ。それと、そんなに心配しなくても、久弥さん達に危害を加えられるわけじゃないのよ。そういう人なら気がついているから……」
「そうか。じゃあ、読み取ってくれ」
「分かったわ。少し待っていてね」
母が無言になった。そして、誰かに話しかけている様な声がした。これが母の読み取り方だ。まるで本人に話を聞いているかのような錯覚をする。どうなの、それならこうなの。そう質問しながら進めている方法は、月島さんと共通点がある。しかし、彼の場合は頭の中に相手の思考が流れ込んでくるそうで、母の場合は会話スタイルという形だそうだ。
そして、一分経ち、母が電話に出た。ため息をついている。そして、怒らないで聞いてねと言われた。
「分かった。どうだったんだ?」
「2人の息子のことが気になるそうなの」
「そうなのか……」
「彼女は久弥君のことを上の息子、聡太郎君のことを下の息子って呼んでいるんだけど、上の息子のことは何も心配ないって思っていて、下の息子のことは心配しているところがあって、会いたいって言っているわ。下の息子はひとりぼっちなんだって。伊吹君があんなにテレビに出ていても、愛されているって分かっていても、今どうしているのかしらって思っているわ」
「どこが怒る内容なんだ?」
「問題はここからよ。親子だと公表したいのは、目立ちたいからだって言うのよ」
「それは想定の範囲内だ」
「あの子達、私よりも目立っていてずるいって言っているわ。それと、最近出てきた若いヴァイオリニストの子に注目の目が向いていて、自分がかすんできたから、私の方がえらいって見てもらいたくて公表して、箔をつけるんだって言うのよ」
「ずるいか……」
私よりも目立っていてずるい。その言い方は子供っぽいものだ。しかし、いかにも菅野さんが言いそうな事だと思い、母の話は当たっていると感じた。そして、怒ることではない。それも想定の範囲内だった。彼女は気分にむらがあり、我儘を言う性格をしていることは知っている。去年の彼女のコンサートでそれを実感した。久弥と控え室で会い、気分を損ねた彼女はステージに出ないと言い始めた。そこで、俺が気を利かせて機嫌を取った。そして、分かりやすく、彼女は機嫌を直してステージに立ったわけだ。
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