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琉芯の場合は音楽を続けることになりそうだ。親との別離はできるだけない方が良い。もちろん、仲良く暮らしている音楽をやっている親子はいる。それはもうたくさんいる。しかし、その中で息苦しくなった子がいて、親元を飛び出して、もう音楽には関わらないと言ったとき、親はその子に強制させることが出来ない。そして、もう何十年も会っていないという関係が出来上がるそうだ。
「琉芯。そんなに急いで片付けなくて良いよ。いくら黒崎さんが待っているからっていって、急かす人じゃないよ」
俺は片付けをしている琉芯のことを止めた。今日は黒埼の車で家まで贈っていくことになった。IKUの車だとみんなを送っていくのにルートがあるから、一番遠い琉芯の帰りが遅くなってしまう。そこで、今日は黒崎がいるから、そうさせてもらうことにした。
「夏樹さん。俺、お菓子を出したままだったんです。片付けてきます。すみません。段取りが悪くて」
「そんなことはないよ。遠慮しないでよ」
琉芯がドラムを置いている場所に置いてあるお菓子を指した。休憩時間につまんでいたものだ。それを片付けに行くと言って、琉芯が向こうに行ってしまった。そして、電話を取り始めた。どこから掛かってきたのだろう。それは両親しかいない。何時に帰るのだと聞いているのだろう。
琉芯の家は門限にうるさいタイプだ。もう高校を卒業してあるし、バンドの仕事だってやっているというのに、琉芯のことが心配でたまらないようだ。そして、それは俺達にも影響している。彼が叩くドラムスティックをどこのメーカーにしてくれだとか、ドラム自体もどこのメーカーがいいという指定がある。それは琉芯が長年馴染んでいる事に加えて、メーカーとの付き合いがあるからそうしてくれという指定だ。琉芯の意志ではない。
ディスレクトサイドゼロに入る時に、琉芯の希望を聞いてドラムを組んだ。あとは使い慣れているうちに改善したい点などあったら対応する形だ。しかし、琉芯の両親は自分たちも関わりたいといって、スタジオに見学に来たことがあった。そして、あれやこれやと注文を付けるから、ほぼ出禁のようになっている。そんな両親だ。
久弥からすると、そういう人達を見たことがあるから、対処法は出来ていた。ドラムは何を使うのかは琉芯本人に任せるというやり方だ。そして、IKUの意向もある。これは仕事だから、本人の親が出る幕ではないと、はっきり言っていた。しかし、その親は琉芯のことを商品化している面があり、この子をドラムに雇えなかったら困るだろうという態度をしている。
こういうことが続くと、琉芯を切らないといけないと久弥が言っている。もちろん、そんなことはしたくない。しかし、親が乗り込んでくるのはプロデュース内容にまでであり、俺達は頭を痛めている。琉芯としては、だから音楽を続けなく無かったのだという意見だ。
「琉芯。電話だろ?ゆっくり話していて良いからね」
「はい。すみません。……そういうわけで、夏樹さんの家の車に乗せていってもらうから、迎えは良いよ。え?来るって……」
琉芯が立ち止まった。そして、スマホを見つめて、顔をしかめた。さっきの話は聞いた。両親が迎えに来るということだ。迎えは正直助かると思うが、琉芯の場合は反対だ。早く一人暮らしをさせる方が良いと思った。
「夏樹さん。すみません。親が迎えに来るって言っています。もう家を出たそうです」
「そっか。それなら迎えに来てもらえよ。腹が立つだろうけど、もう少しの辛抱だよ。IKUの寮の隣にはさ、飯野さん一家が住んでいるから良かったじゃん」
「はい。ファミリータイプの社宅なんて知らなかったです。普通のマンションだと思っていました」
「どっちもIKUの寮なんだよ。会社から近い場所にあるから、何かと便利だよ。外食する店もスーパーも近いよ」
俺は琉芯の肩を叩いた。親元から出るとして、家には親が尋ねていくだろうことは想定済みだ。はっきり言って、琉芯は引っかき回されていると思う。せっかく前向きにやっているのにと思うと、どうにかならないものかと思った。
「夏樹君。電話が入ったわよ。圭一さんが付いたそうよ」
「うん。俺も片付けをするよ。もう少し待っていてていってね」
「分かったわ」
さっそく俺達は片付けをした。食べた物はゴミ箱に、脱いだ畳んでバッグに。そんなことをしている間にあっという間に時間が経ち、なるべく早く黒崎の元に行った。すると、彼の方はいつまでも待っているという感じで車の中でのんびりしており、全く待っていないぞと言ってくれたのだった。
「琉芯。そんなに急いで片付けなくて良いよ。いくら黒崎さんが待っているからっていって、急かす人じゃないよ」
俺は片付けをしている琉芯のことを止めた。今日は黒埼の車で家まで贈っていくことになった。IKUの車だとみんなを送っていくのにルートがあるから、一番遠い琉芯の帰りが遅くなってしまう。そこで、今日は黒崎がいるから、そうさせてもらうことにした。
「夏樹さん。俺、お菓子を出したままだったんです。片付けてきます。すみません。段取りが悪くて」
「そんなことはないよ。遠慮しないでよ」
琉芯がドラムを置いている場所に置いてあるお菓子を指した。休憩時間につまんでいたものだ。それを片付けに行くと言って、琉芯が向こうに行ってしまった。そして、電話を取り始めた。どこから掛かってきたのだろう。それは両親しかいない。何時に帰るのだと聞いているのだろう。
琉芯の家は門限にうるさいタイプだ。もう高校を卒業してあるし、バンドの仕事だってやっているというのに、琉芯のことが心配でたまらないようだ。そして、それは俺達にも影響している。彼が叩くドラムスティックをどこのメーカーにしてくれだとか、ドラム自体もどこのメーカーがいいという指定がある。それは琉芯が長年馴染んでいる事に加えて、メーカーとの付き合いがあるからそうしてくれという指定だ。琉芯の意志ではない。
ディスレクトサイドゼロに入る時に、琉芯の希望を聞いてドラムを組んだ。あとは使い慣れているうちに改善したい点などあったら対応する形だ。しかし、琉芯の両親は自分たちも関わりたいといって、スタジオに見学に来たことがあった。そして、あれやこれやと注文を付けるから、ほぼ出禁のようになっている。そんな両親だ。
久弥からすると、そういう人達を見たことがあるから、対処法は出来ていた。ドラムは何を使うのかは琉芯本人に任せるというやり方だ。そして、IKUの意向もある。これは仕事だから、本人の親が出る幕ではないと、はっきり言っていた。しかし、その親は琉芯のことを商品化している面があり、この子をドラムに雇えなかったら困るだろうという態度をしている。
こういうことが続くと、琉芯を切らないといけないと久弥が言っている。もちろん、そんなことはしたくない。しかし、親が乗り込んでくるのはプロデュース内容にまでであり、俺達は頭を痛めている。琉芯としては、だから音楽を続けなく無かったのだという意見だ。
「琉芯。電話だろ?ゆっくり話していて良いからね」
「はい。すみません。……そういうわけで、夏樹さんの家の車に乗せていってもらうから、迎えは良いよ。え?来るって……」
琉芯が立ち止まった。そして、スマホを見つめて、顔をしかめた。さっきの話は聞いた。両親が迎えに来るということだ。迎えは正直助かると思うが、琉芯の場合は反対だ。早く一人暮らしをさせる方が良いと思った。
「夏樹さん。すみません。親が迎えに来るって言っています。もう家を出たそうです」
「そっか。それなら迎えに来てもらえよ。腹が立つだろうけど、もう少しの辛抱だよ。IKUの寮の隣にはさ、飯野さん一家が住んでいるから良かったじゃん」
「はい。ファミリータイプの社宅なんて知らなかったです。普通のマンションだと思っていました」
「どっちもIKUの寮なんだよ。会社から近い場所にあるから、何かと便利だよ。外食する店もスーパーも近いよ」
俺は琉芯の肩を叩いた。親元から出るとして、家には親が尋ねていくだろうことは想定済みだ。はっきり言って、琉芯は引っかき回されていると思う。せっかく前向きにやっているのにと思うと、どうにかならないものかと思った。
「夏樹君。電話が入ったわよ。圭一さんが付いたそうよ」
「うん。俺も片付けをするよ。もう少し待っていてていってね」
「分かったわ」
さっそく俺達は片付けをした。食べた物はゴミ箱に、脱いだ畳んでバッグに。そんなことをしている間にあっという間に時間が経ち、なるべく早く黒崎の元に行った。すると、彼の方はいつまでも待っているという感じで車の中でのんびりしており、全く待っていないぞと言ってくれたのだった。
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