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リビングの中はクーラーが効いていて、寒いぐらいだった。黒崎がここに居たのだと分かる。体温が高いから暑がりであり、1人でいるときは設定温度が低い。しかし、俺と居るときは適温にしてくれる。俺が寒がりだからだ。昔とは違って、今は和らいではいる。
「黒崎さん。キンキンに冷えているね。アンもアンドリューも、これぐらいがいいのかな?伸び伸びしているよ」
「そうでもないぞ。26度設定だ」
「あ、ほんとだ。外が暑かったからかな。車の中もクーラーが効いていて涼しかったんだけど……」
「お前に言われるから、冷たくしていない」
「そんなことはないけど……」
ふと、俺達の間に無言の時間が訪れた。さっき謝ったからもういいだろう。重ねて謝ることは無いと思う。風林さんの事情も聞いたことだし、解決になった。俺の前で楽しそうにするなと思った気持も消えた。大変なことになっていることも分かった。
「夏樹。どうしたんだ。黙っているのはお前らしくない」
「だって、俺達、さっきまで喧嘩中だったじゃん。俺が一人で怒っていたんだけど……。あんたが楽しそうに階段を上っていく姿にモヤモヤしたんだ。俺が支度をするときだよ」
「すまなかった。久しぶりにもめ事を聞いて気持が弾んだ」
「なんだよ、それ。風林さんにとっては辛いことだろ~。えい!」
そう言って、黒崎の足を軽く蹴ってやった。これで俺達の日常が帰ってきたと思った。言われてみれば黒崎らしいことではある。もめ事を解決するのは得意な方だ。今回のことに適任だと思う。そして、それを面白がることもいつもどうりだ。
「それで、解決しそうなの?」
「今のままなら、相手が風林に飽きたら解決する。そうじゃなかったらいつまで経っても同じだ。警察沙汰にならないとも限らない」
「それ、危ないじゃん。刃物がでるかもしれないってこと?」
「いや、そういう類いじゃ無い。家まで押しかけていきそうだという意味だ。引っ越しのアザレアに仕事を依頼してくるそうだ。風林を指名して。それは断っているが、しつこくなってきたから、社長に相談するように勧めた。俺が言った方法を三通りさせてみたが、効果が無かった」
「そんなにしつこい相手なのかよ。前の会社って、岡田商事だったっけ。そこで社長にセクハラされて、断ったら左遷されたんだろ。最悪な人だよね」
「ああ。家から会社まで付けていったんだろう。今の会社を知っているんだからな。風林には引っ越せと言ってある」
「でも、引っ越し先まで付けてこられたら意味が無いよ」
「そのために、アザレアの社長に相談させる。敏腕社長だ。何かいい手があるだろう。それでダメなら俺が出て行く。黒崎製菓にも引き抜く」
「今の会社の社長を試すんだね」
「ああ。そうさせてもらう。くだらないとか言い出したら、会社を移るきっかけになる。こういう問題は消えて無くならない。どこにでもある問題だといえる。しかし、相談をしても、自分で解決しろと言われたり、関わり合いになりたくないという態度を取られたりする。黒崎製菓ではそういうことはしない」
「あんた、俺につきまとっていたじゃん。だから、贖罪でやっているの?」
黒崎のことを頼りになると思ったものの、つい、嫌みが口から出てしまった。そこで、思った通りに頰をつねられてしまった。これが結構痛い。黒崎は笑っていなかった。だから、言い過ぎだと反省した。
「ごめんね。言い過ぎたよ。冗談が言える話じゃ無かったね」
「いや、構わない。俺も楽しんでいる。今回のことは岡田商事の社長にとっては痛手だ。弱みを見つけられて武器になった。普通はやらないことなんだがな。何を利用されるか分かったものじゃない」
「あんたを敵に回したような物だね」
黒崎を敵に回すのは結構怖いことだと思う。黒崎ホールディングス時代はワンマン社長だと言われて、周囲から恐れられていた面もあったみたいだ。今は柔和になって、優しい人になっているが、以前の黒崎が消えたわけでは無いだろう。
「黒崎さん。キンキンに冷えているね。アンもアンドリューも、これぐらいがいいのかな?伸び伸びしているよ」
「そうでもないぞ。26度設定だ」
「あ、ほんとだ。外が暑かったからかな。車の中もクーラーが効いていて涼しかったんだけど……」
「お前に言われるから、冷たくしていない」
「そんなことはないけど……」
ふと、俺達の間に無言の時間が訪れた。さっき謝ったからもういいだろう。重ねて謝ることは無いと思う。風林さんの事情も聞いたことだし、解決になった。俺の前で楽しそうにするなと思った気持も消えた。大変なことになっていることも分かった。
「夏樹。どうしたんだ。黙っているのはお前らしくない」
「だって、俺達、さっきまで喧嘩中だったじゃん。俺が一人で怒っていたんだけど……。あんたが楽しそうに階段を上っていく姿にモヤモヤしたんだ。俺が支度をするときだよ」
「すまなかった。久しぶりにもめ事を聞いて気持が弾んだ」
「なんだよ、それ。風林さんにとっては辛いことだろ~。えい!」
そう言って、黒崎の足を軽く蹴ってやった。これで俺達の日常が帰ってきたと思った。言われてみれば黒崎らしいことではある。もめ事を解決するのは得意な方だ。今回のことに適任だと思う。そして、それを面白がることもいつもどうりだ。
「それで、解決しそうなの?」
「今のままなら、相手が風林に飽きたら解決する。そうじゃなかったらいつまで経っても同じだ。警察沙汰にならないとも限らない」
「それ、危ないじゃん。刃物がでるかもしれないってこと?」
「いや、そういう類いじゃ無い。家まで押しかけていきそうだという意味だ。引っ越しのアザレアに仕事を依頼してくるそうだ。風林を指名して。それは断っているが、しつこくなってきたから、社長に相談するように勧めた。俺が言った方法を三通りさせてみたが、効果が無かった」
「そんなにしつこい相手なのかよ。前の会社って、岡田商事だったっけ。そこで社長にセクハラされて、断ったら左遷されたんだろ。最悪な人だよね」
「ああ。家から会社まで付けていったんだろう。今の会社を知っているんだからな。風林には引っ越せと言ってある」
「でも、引っ越し先まで付けてこられたら意味が無いよ」
「そのために、アザレアの社長に相談させる。敏腕社長だ。何かいい手があるだろう。それでダメなら俺が出て行く。黒崎製菓にも引き抜く」
「今の会社の社長を試すんだね」
「ああ。そうさせてもらう。くだらないとか言い出したら、会社を移るきっかけになる。こういう問題は消えて無くならない。どこにでもある問題だといえる。しかし、相談をしても、自分で解決しろと言われたり、関わり合いになりたくないという態度を取られたりする。黒崎製菓ではそういうことはしない」
「あんた、俺につきまとっていたじゃん。だから、贖罪でやっているの?」
黒崎のことを頼りになると思ったものの、つい、嫌みが口から出てしまった。そこで、思った通りに頰をつねられてしまった。これが結構痛い。黒崎は笑っていなかった。だから、言い過ぎだと反省した。
「ごめんね。言い過ぎたよ。冗談が言える話じゃ無かったね」
「いや、構わない。俺も楽しんでいる。今回のことは岡田商事の社長にとっては痛手だ。弱みを見つけられて武器になった。普通はやらないことなんだがな。何を利用されるか分かったものじゃない」
「あんたを敵に回したような物だね」
黒崎を敵に回すのは結構怖いことだと思う。黒崎ホールディングス時代はワンマン社長だと言われて、周囲から恐れられていた面もあったみたいだ。今は柔和になって、優しい人になっているが、以前の黒崎が消えたわけでは無いだろう。
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