青い月の天使~あの日の約束の旋律

夏目奈緖

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 店の中に入った。すると、コーヒーの良い匂いしてきて、ここで飲んでいきたいと思った。しかし、予定があるから、買い物をしたらすぐに戻らないといけない。

 2つあるレジには、それぞれ2人と1人が並んでいるぐらいだから、そんなに混雑していなかった。さっそく俺とユーリーは、レジの近くにある商品棚から焼き菓子を選んだ。コーヒー豆も置いてある。

「ユーリー。どれにする?」
「このクッキーがいい。バウムクーヘンも美味しそうだ」
「クッキーの大袋入りが出たんだね。このクッキー、美味しいよね。ゴマとプレーンの2袋買っていこうよ。バウムクーヘンはみんなの分が必要だね。何個かな。えーーーっと、俺だろーーー、ユーリーだろーーー。お義父さんだろーーー」

 うちに居る家族の家族を指折り数えた。バウムクーヘンは小さな物で、みんなの分が欲しかった。そこで、全員の分をカゴに入れた後、ユーリーが他の物も見始めた。そして、俺は聞き覚えのある声に気がついた。この商品棚の向こうからする声だ。向こうにはコーヒー豆が置いてある。女性の声がする。男性もいるようだ。

「ルーク、やめて。お兄ちゃんに買わせないで」
「いいじゃないか。たまには買わせておけ。恋人に貢ぐなんて先の話だ。今は妹に買わせろ」
「お菓子もカゴに入れているじゃない。こんなに食べきれないわ」
「凰李と食べろ。僕も食べる。君の身体でね」
「私、今、ダイエット中なのよ」
「知っているよ。美味しそうなバウムクーヘンだな」

 その会話を聞いて、すぐに紫乙さんとルークだと気がついた。ここに来ていたのか。話の流れから、月島さんも居るのだと分かった。そこで、裏に回ると、思った通りの3人がいた。ただし、2人しか見えない。月島さんと紫乙さんだ。そして、紫乙さんの隣にエネルギー体がいた。ルークだ。今日の俺にはルークの声がはっきり聞こえた。感覚も鋭くなっているようだ。

「こんにちはーーーー。おはようございますーーー」
「ああ、夏樹君、来ていたのか」

 月島さんが驚いた顔をした。そこで、ユーリーも来ているのだと言うと、嬉しそうな顔になった。お互いに全然気がつかなくて、すれ違いになっていたかも知れないと思った。そして、ユーリーが月島さんの前に立った。

「月島君。おはよう。紫乙さんとルークもおはよう」
「おはようございます。こんなにカゴに中に入っているけど、買わないからね」
「すごい量だなあ。たしかに食べきれないよねえ」

 紫乙さんが持っているカゴには、山盛りの焼き菓子が入っていた。大袋入りのクッキーもある。さらに、コーヒー豆も買っていくということで、裏も見ていたそうだ。カゴはわりと大きさがある物と、小さな物の2種類あって、彼女が持っているのは大きなカゴの方だ。ルークが紫乙さんにウォークインして、あれやこれやと焼き菓子をカゴに入れて、全部月島さんに買わそうとしていたそうだ。

「ルークがお兄ちゃんに買わそうしていて……」
「僕は良いんだよ。ただし、お前はダイエット中だというから、心配になったんだ」
「そうなのよ。かかりつけの内科で痩せなさいって言われたの。だから、ルークが私に痩せさせたくなくて、お菓子を買うなんて言い出して、私の身体で食べるっていうのよ。お兄ちゃんにウォークインしてくれたらいいのに。……今日は何かあるの?」
「それがね……」

 俺は今日の予定を話した。良かったら3人もどうかと誘った。月島さんはユーリーから予定を聞いていたそうだが、南波さんと一緒に居られるのを邪魔するわけにはいかず、遠慮していたそうだ。そこで、ユーリーが君も来いと言い、月島さんが嬉しそうな顔をした。

「良かったら来て下さい。お昼ご飯も用意してありますから」
「そうだ。来い」
「そうか……。紫乙、どうする?」
「私はまたお邪魔したいと思っているわ」
「そうか。じゃあ、お邪魔するよ」
「喜んで」

 これで決まりだ。お昼ご飯には俺の家からも用意していくことになっている。キャンプだから、大勢居た方が賑やかで楽しいだろう。実は南波さんの方も、月島さんを誘ってはどうかと気を遣っていた。そして、俺達は買い物を再開し、それぞれの買い物を済ませた。
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