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18時。
ホテルから出てきたところだ。俺達は全員揃っている。そして、朝陽と倉口さん、谷本さんの見ている前で、黒崎が検査容器の入った封筒をポストの中に入れた。カタン。そんな音がして封筒が中に入り、頭の中がジーンと痺れた。これで親子鑑定を受けて、結果が分かる。そのときには朝陽の心が乱れるだろうと思ったからだ。
倉口さんの子供だったとしても、ママの浮気のことは消せる物では無くて、ショックなままだと思う。そして、谷本さんの子供だった場合、朝陽はどう思うだろう。これからママと倉口さんと谷本さんの話し合いがされるだろう。言い争いをする両親達のことを見ると、穏やかではいられないだろう。
今、朝陽が倉口さんと別れの挨拶を交わした。元気でね。そう言っている朝陽の声は静かだった。泣いている倉口さんのことを見て、つらそうにしていた。泣きたいのは朝陽も同じだと思う。ホテルの部屋で1時間近く話をした。許せない思いは変わらないが、育ててくれたことには感謝していると言っていた。そして、谷本さんには、ママとよく話し合ってくれと言った。朝陽の父親だった場合と、今まで支払ってきた養育費のことだ。そして、自分はもう大人になっていること、しかしまだ学生であること、経験が浅いことが多いから、分からないこともあるということ。しかし、自分は浮気をしないし、誰かと不倫なんてしないと思うと言った。思うというのは、恋愛経験の浅い自分がまだ分からないことがあるからだということだった。
さて、これから谷本さんが帰る。一期一会という言葉があるが、こんな出会いだなんて。黒崎が言っていたが、自分の子供だと思って認めようとするところは真面目だという話だ。逃げる男にもいるというのに。そんなことを言っていた。女性が妊娠したときに姿を隠す人のことだ。谷本さんはそういう人ではなかったということだ。ママは結婚生活の方を選んだ。谷本さんは捨てられたということになるらしい。ある日突然のようにして別れたいと言われたそうだ。もちろん、妊娠していることは知らなくて、知っていたら別れていないと言った。朝陽は谷本さんに腹を立てつつも、同情する面があるのだそうだ。今も彼に対しての怒りは見せていない。
「先生。また会う日が来るかも知れない。元気でね」
「ありがとう。みなさん、どうもありがとうございました。連絡をお待ちしています」
「お気を付けて」
朝陽が谷本さんにさよならを伝えた。谷本さんはそれに答えて、俺達に頭を下げた。そして、ホテルの駐車場へと足を向けた。俺は彼に気をつけて帰って下さいと、一声掛けた。そして、倉口さんの方を向いた。倉口さんはここからタクシーで帰るという。まさか車に乗ってきていないだろうかとヒヤヒヤしていたが、その心配は無かったようだ。
「倉口。また連絡する」
「ああ……」
倉口さんがホテルの車寄せ停まっているタクシーに乗り込んだ。そして、俺達はその後ろに停まっているタクシーに乗り込んだ。前のタクシーが出発し、右方向に進路を取り、道路に出て行った。俺達は左方向だ。目的地は俺の実家だ。俺達3人で遊びに行き、家で晩ご飯を食べる。俺は母に電話を掛けようとして、手を止めた。ポストの郵便物を回収する車が停車しているのが見えたからだ。
「あ、郵便が出るよ」
「18時15分だ。間に合ったな」
「そうだね……」
朝陽が頷いた。もう後戻りは出来ない。誰が父親でも朝陽は朝陽で変わりない。そう黒崎が言って、彼の肩を抱いた。朝陽はしっかりと前を向いているが、目は赤かった。今日は疲れただろう。ホテルに帰って寝たいかも知れない。しかし、そうはいかない。そうさせない。こういう時ほど栄養を取って貰いたい。何も食べないほどに力がなくなり、倒れ込んでしまうからだ。そこで、俺の気持ちが伝わったようで、黒崎が俺の代わりに朝陽にそう言ってくれて、また強く肩を抱き寄せた。
ホテルから出てきたところだ。俺達は全員揃っている。そして、朝陽と倉口さん、谷本さんの見ている前で、黒崎が検査容器の入った封筒をポストの中に入れた。カタン。そんな音がして封筒が中に入り、頭の中がジーンと痺れた。これで親子鑑定を受けて、結果が分かる。そのときには朝陽の心が乱れるだろうと思ったからだ。
倉口さんの子供だったとしても、ママの浮気のことは消せる物では無くて、ショックなままだと思う。そして、谷本さんの子供だった場合、朝陽はどう思うだろう。これからママと倉口さんと谷本さんの話し合いがされるだろう。言い争いをする両親達のことを見ると、穏やかではいられないだろう。
今、朝陽が倉口さんと別れの挨拶を交わした。元気でね。そう言っている朝陽の声は静かだった。泣いている倉口さんのことを見て、つらそうにしていた。泣きたいのは朝陽も同じだと思う。ホテルの部屋で1時間近く話をした。許せない思いは変わらないが、育ててくれたことには感謝していると言っていた。そして、谷本さんには、ママとよく話し合ってくれと言った。朝陽の父親だった場合と、今まで支払ってきた養育費のことだ。そして、自分はもう大人になっていること、しかしまだ学生であること、経験が浅いことが多いから、分からないこともあるということ。しかし、自分は浮気をしないし、誰かと不倫なんてしないと思うと言った。思うというのは、恋愛経験の浅い自分がまだ分からないことがあるからだということだった。
さて、これから谷本さんが帰る。一期一会という言葉があるが、こんな出会いだなんて。黒崎が言っていたが、自分の子供だと思って認めようとするところは真面目だという話だ。逃げる男にもいるというのに。そんなことを言っていた。女性が妊娠したときに姿を隠す人のことだ。谷本さんはそういう人ではなかったということだ。ママは結婚生活の方を選んだ。谷本さんは捨てられたということになるらしい。ある日突然のようにして別れたいと言われたそうだ。もちろん、妊娠していることは知らなくて、知っていたら別れていないと言った。朝陽は谷本さんに腹を立てつつも、同情する面があるのだそうだ。今も彼に対しての怒りは見せていない。
「先生。また会う日が来るかも知れない。元気でね」
「ありがとう。みなさん、どうもありがとうございました。連絡をお待ちしています」
「お気を付けて」
朝陽が谷本さんにさよならを伝えた。谷本さんはそれに答えて、俺達に頭を下げた。そして、ホテルの駐車場へと足を向けた。俺は彼に気をつけて帰って下さいと、一声掛けた。そして、倉口さんの方を向いた。倉口さんはここからタクシーで帰るという。まさか車に乗ってきていないだろうかとヒヤヒヤしていたが、その心配は無かったようだ。
「倉口。また連絡する」
「ああ……」
倉口さんがホテルの車寄せ停まっているタクシーに乗り込んだ。そして、俺達はその後ろに停まっているタクシーに乗り込んだ。前のタクシーが出発し、右方向に進路を取り、道路に出て行った。俺達は左方向だ。目的地は俺の実家だ。俺達3人で遊びに行き、家で晩ご飯を食べる。俺は母に電話を掛けようとして、手を止めた。ポストの郵便物を回収する車が停車しているのが見えたからだ。
「あ、郵便が出るよ」
「18時15分だ。間に合ったな」
「そうだね……」
朝陽が頷いた。もう後戻りは出来ない。誰が父親でも朝陽は朝陽で変わりない。そう黒崎が言って、彼の肩を抱いた。朝陽はしっかりと前を向いているが、目は赤かった。今日は疲れただろう。ホテルに帰って寝たいかも知れない。しかし、そうはいかない。そうさせない。こういう時ほど栄養を取って貰いたい。何も食べないほどに力がなくなり、倒れ込んでしまうからだ。そこで、俺の気持ちが伝わったようで、黒崎が俺の代わりに朝陽にそう言ってくれて、また強く肩を抱き寄せた。
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