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30話 マローネ家へ その2
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「シャールック・マローネ……以後、お見知りおきを」
「シンディ・エトワールと申します……! シャールック様、あのその……!」
ライラも目の前の人物に緊張していたようだけれど、私の緊張はさらに大きなものだった。なぜなら、ディエス様の生みの親であるシャールック様が居たのだから。しかも、私に頭を下げながら礼儀正しく……。
「ふふ、まあそんなに緊張しなくても大丈夫さ。シンディ嬢……色々とディエスから話は聞いているよ」
「あ、は、はい……!」
シャールック様も公爵家の出のはずだけれど……なんだか、貴族らしからぬ言動のお方ね……頼れる姉御肌みたいな? 私は少し話しただけだけど、いきなりシャールック様のことを好きになりそうだった。ディエス様はこのお方の元で育ったのよね……なるほど、しっかりとお育ちになるわけだわ。
「母上……シンディ殿は」
「わかっているよ。お前の婚約者……そうだろ?」
「はい、その通りです」
あんまり婚約者の話は通っていなかったのかしら? それなら、余計にシャールック様の元で阻喪をするわけにはいかないわね……。
「ディエス、お前もかなり目利きが出来るようだね。お母さんとしては安心だよ」
「なるほど、母上のお眼鏡には叶ったと見て良いのですね?」
「ああ、そうだね」
「安心しました。まあ、母上ならば、シンディ殿を気に入ると思っていましたが」
「そうだね……私の好みのタイプだよ」
「……えっ?」
シャールック様は最後、怪しい言葉を口にしていたようだけれど、多分気のせいよね? 一瞬だけ悪寒が走ったのだけれど……。
「シンディ嬢、マローネ家へようこそ。あとで、旦那には会ってもらいたいけれど、ここには、あんたを傷つける者なんて、誰一人いないから安心していいよ」
シャールック様は大きく手を振りながらそのように言った。私は無意識の内に涙が出てしまっている……こんなに温かく迎え入れられたのは、いつ以来だろう? いえ、エトワール家ではなかったことね……。
「シンディ殿、まずは部屋でくつろいでほしい。最近は本当に色々とあったからな……環境もガラリと変わるのだから、一気に動いても疲れるだけだろう」
「ディエス様……ありがとうございます。では、お言葉に甘えさせていただいても、よろしいでしょうか?」
「ああ。誰か、シンディ殿を部屋へと連れて行ってやってくれ」
ディエス様の声に反応するように、大きなお屋敷からは使用人の方々が現れた。理路整然としており、とても頼りになる風貌。新しい家族、家庭……私はここで、新たなる生活をしていくことになるのね。
「シンディ・エトワールと申します……! シャールック様、あのその……!」
ライラも目の前の人物に緊張していたようだけれど、私の緊張はさらに大きなものだった。なぜなら、ディエス様の生みの親であるシャールック様が居たのだから。しかも、私に頭を下げながら礼儀正しく……。
「ふふ、まあそんなに緊張しなくても大丈夫さ。シンディ嬢……色々とディエスから話は聞いているよ」
「あ、は、はい……!」
シャールック様も公爵家の出のはずだけれど……なんだか、貴族らしからぬ言動のお方ね……頼れる姉御肌みたいな? 私は少し話しただけだけど、いきなりシャールック様のことを好きになりそうだった。ディエス様はこのお方の元で育ったのよね……なるほど、しっかりとお育ちになるわけだわ。
「母上……シンディ殿は」
「わかっているよ。お前の婚約者……そうだろ?」
「はい、その通りです」
あんまり婚約者の話は通っていなかったのかしら? それなら、余計にシャールック様の元で阻喪をするわけにはいかないわね……。
「ディエス、お前もかなり目利きが出来るようだね。お母さんとしては安心だよ」
「なるほど、母上のお眼鏡には叶ったと見て良いのですね?」
「ああ、そうだね」
「安心しました。まあ、母上ならば、シンディ殿を気に入ると思っていましたが」
「そうだね……私の好みのタイプだよ」
「……えっ?」
シャールック様は最後、怪しい言葉を口にしていたようだけれど、多分気のせいよね? 一瞬だけ悪寒が走ったのだけれど……。
「シンディ嬢、マローネ家へようこそ。あとで、旦那には会ってもらいたいけれど、ここには、あんたを傷つける者なんて、誰一人いないから安心していいよ」
シャールック様は大きく手を振りながらそのように言った。私は無意識の内に涙が出てしまっている……こんなに温かく迎え入れられたのは、いつ以来だろう? いえ、エトワール家ではなかったことね……。
「シンディ殿、まずは部屋でくつろいでほしい。最近は本当に色々とあったからな……環境もガラリと変わるのだから、一気に動いても疲れるだけだろう」
「ディエス様……ありがとうございます。では、お言葉に甘えさせていただいても、よろしいでしょうか?」
「ああ。誰か、シンディ殿を部屋へと連れて行ってやってくれ」
ディエス様の声に反応するように、大きなお屋敷からは使用人の方々が現れた。理路整然としており、とても頼りになる風貌。新しい家族、家庭……私はここで、新たなる生活をしていくことになるのね。
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