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31話 お風呂場にて その1

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「さて、女同士も裸の付き合いは重要だしね……」

「は、はい……失礼致します……」

「私も僭越ながら……ご一緒させていただきます……」


 私とライラの二人はシャールック様とお風呂に入ることになった。姉御肌のシャールック様が裸の付き合いが必要とおっしゃって、半ば強引に連れて来た形ではあるけれど……。


「ん? どうしたんだい?」

「い、いえ……なんでもありません」

「そうかい……?」


 確か、シャールック様は今年で40歳になられるはず……その御歳にはとても見えない程に綺麗な肌とスタイルをしていた。とてもディエス様をお生みになったお身体には見えない。下手したら、10代の私やライラにも引けを取らないんじゃ……神様って不公平だわ。ディエス様みたいな素晴らしい人を立派に育て上げて、さらにこのスタイルって……。

 私はしばらくシャールック様を影から見続けていた。



「わ~~~!!」


「シンディ様、とても広いお風呂ですね……!」

「ええっ!」


 大きなお屋敷からは容易に想像が付くけれど、お風呂もやっぱりとても広かった。数十人規模で入れる広さがあり、エトワール家のお風呂の2倍くらいはありそう。

「すごい……浴槽の数もとても豊富ですね……!」

「ふふ、喜んでくれて嬉しい限りだよ」


 シャールック様はタオルを全身に巻きながら、お湯を身体に当てていた。私とライラは子供っぽく、色々な浴槽に興味津々だ。水風呂、泡風呂に独特の匂いのする薬風呂……バブルが出て来るバブル風呂に、電流が流れる電気風呂なんていうのもあった。


 私は一つ一つ試していき、電気風呂で感電してしまう。

「ひゃあ……! 想像以上に強い……!」

「なんだかエッチだね……」


 ん? シャールック様が一瞬だけウットリしていたように見えたんだけれど……きっと、気のせいよね? 私はそのように考えて忘れることにした。



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「ふふふ、満足したかい?」


 3人とも身体を洗い、中央にあるお風呂に集まっている。ヒノキの匂いのする洒落た浴槽だ。

「はい……とても満足いたしました!」

「それは良かったよ。シンディ嬢が元気になったみたいで何よりだね」


 そう言ってシャールック様は微笑んでくれた。私の緊張をほぐす為にお風呂に連れて来てくれたのね……私はその御心遣いに感謝していた。


「さて、そろそろ本題に入りたいんだけれど……」

「本題、でしょうか……?」


 この場でのシャールック様からの質問。内容はディエス様に関することだと予測出来た。


「シンディ嬢は……私の息子が相手で本当に良いのかい?」


 意外にもシャールック様は私を心配してくれているような口調だった……。
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