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32話 お風呂場にて その2
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「ディエス・マローネ公爵令息……母親の私が言うのもだんだけどさ、あの子は立派に育ってくれたと思うよ」
シャールック様は親バカ発言を理解しながら言っている。私はその通りだと思うし、ディエス様は本当に立派だと思うけれど……。
「シンディ嬢は本当のところ、あの子をどう思っているんだい?」
「私でしょうか……?」
「ああ。本当のことを聞かせてほしいんだ」
私はシャールック様が何を考えているのは分からなかった。いえ、おそらくは自分の考えを悟られないようにしているんだと思う。シャールック様は忌憚のない言葉を待っているんだと思う。
「私はディエス様のことが好きです。助けていただいた御恩ももちろんありますが……それ以上に、ディエス様の人間性に惹かれている自分が居ると思います」
私の嘘偽りのない言葉だった。私はディエス様に惹かれている……それだけは事実だから。
「なるほどね。その言葉を聞けて安心したよ、シンディ嬢。私の息子を好いてくれてありがとうね」
「いえ、とんでもないことでございます、シャールック様」
私はお風呂場ではあったけれど、シャールック様に深々と頭を下げた。ライラもそれにつられて頭を下げていたけれど、あなたは下げる必要はないと思うわよ?
「頭を上げておくれよ。あんたはもう、マローネ家の人間なんだからさ……」
「シャールック様……」
ああ、なんて良い人なんだろう……。私とライラがお世話になるなんて、いきなりの話だったはずなのに、表向きは迷惑な側面を出していない。内心では迷惑というか、大変な作業もあったのだとは思うけど……。
「シャールック様、私とライラを受け入れてくださり、感謝の言葉もございません……」
私は心の底から、シャールック様に感謝の意を示した。
「ああ、全然かまわないさ。あんた達は家族も同然なんだから、まったく遠慮はいらないよ……」
あれ……? とても嬉しい言葉を掛けられているはずなんだけれど、どことなく、シャールック様の様子が……。隣に居るライラもそれを感じ取っているようね……。
「あの、シャールック様……近くないでしょうか……?」
「なに言ってるんだい。今は裸の付き合いなんだよ?」
えっ!? 裸の付き合いってそういうこと……? 私はシャールック様の意図を察してしまい、身を引いてしまう。でも、あんまり抵抗することは出来ずに……。
「大丈夫さ、肌の綺麗な子は大好きだよ。優しくしてやるから」
「きゃああああああ~~~~~!!」
親睦を深める? くすぐりの刑が始まったのだった……。これが、私とライラの新天地……。不安がないわけではないけれど、ディエス様を始め、非常に頼りになる人が居る。私はくすぐりの刑で笑い転げながら、期待感を膨らませていた。
シャールック様は親バカ発言を理解しながら言っている。私はその通りだと思うし、ディエス様は本当に立派だと思うけれど……。
「シンディ嬢は本当のところ、あの子をどう思っているんだい?」
「私でしょうか……?」
「ああ。本当のことを聞かせてほしいんだ」
私はシャールック様が何を考えているのは分からなかった。いえ、おそらくは自分の考えを悟られないようにしているんだと思う。シャールック様は忌憚のない言葉を待っているんだと思う。
「私はディエス様のことが好きです。助けていただいた御恩ももちろんありますが……それ以上に、ディエス様の人間性に惹かれている自分が居ると思います」
私の嘘偽りのない言葉だった。私はディエス様に惹かれている……それだけは事実だから。
「なるほどね。その言葉を聞けて安心したよ、シンディ嬢。私の息子を好いてくれてありがとうね」
「いえ、とんでもないことでございます、シャールック様」
私はお風呂場ではあったけれど、シャールック様に深々と頭を下げた。ライラもそれにつられて頭を下げていたけれど、あなたは下げる必要はないと思うわよ?
「頭を上げておくれよ。あんたはもう、マローネ家の人間なんだからさ……」
「シャールック様……」
ああ、なんて良い人なんだろう……。私とライラがお世話になるなんて、いきなりの話だったはずなのに、表向きは迷惑な側面を出していない。内心では迷惑というか、大変な作業もあったのだとは思うけど……。
「シャールック様、私とライラを受け入れてくださり、感謝の言葉もございません……」
私は心の底から、シャールック様に感謝の意を示した。
「ああ、全然かまわないさ。あんた達は家族も同然なんだから、まったく遠慮はいらないよ……」
あれ……? とても嬉しい言葉を掛けられているはずなんだけれど、どことなく、シャールック様の様子が……。隣に居るライラもそれを感じ取っているようね……。
「あの、シャールック様……近くないでしょうか……?」
「なに言ってるんだい。今は裸の付き合いなんだよ?」
えっ!? 裸の付き合いってそういうこと……? 私はシャールック様の意図を察してしまい、身を引いてしまう。でも、あんまり抵抗することは出来ずに……。
「大丈夫さ、肌の綺麗な子は大好きだよ。優しくしてやるから」
「きゃああああああ~~~~~!!」
親睦を深める? くすぐりの刑が始まったのだった……。これが、私とライラの新天地……。不安がないわけではないけれど、ディエス様を始め、非常に頼りになる人が居る。私はくすぐりの刑で笑い転げながら、期待感を膨らませていた。
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