ポーションメーカーとして国家に尽くしてましたが、婚約破棄されちゃいました!

安奈

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5話 ポーション販売 その2

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「新しいポーションの価格は……そうね」


「いくらで売るわけ?」


「そうね……」


 私は「ニャンコクラブ」という薬屋で働くことになった。店主自体はミオナの両親らしいけど、今は出かけているらしい。それからこの建物は、住んでいる家とお店を兼ねているみたい。私もそこで新たなポーションメーカーとしてポーションを作り、下宿もさせてもらえることになった。


「確かルデルテ公爵は調合部門の人たちがポーション製造のノウハウを編み出したって言ってたし……どのみち、ポーション自体の希少性は薄くなってくるわよね」


「ルデルテ公爵がそんなことを言ってたの?」


「うん……だから、私のポーションメーカーとしての技術も必要ないらしくて……」

「そうなんだっ! ポーションメーカーの技術が必要ないって、すごい自信ね~」


 どうなんだろう? 正直な話、私がスキルで生み出せる薬はポーションだけ……そのポーションが量産体制になって、多くの人の手に渡るのは喜ばしいことだと思う。マルコみたいに急に倒れてしまう人だって救えるんだから。


 そういう意味ではルデルテ公爵が言っていたポーション調合は良いことだと思うし、私がこうやって新しいお店でポーションを生産しても大丈夫よね? どのみち、ルデルテ公爵に必要ないと言われ、婚約破棄された今では選択肢はないけれど。


 私はいい加減、待たせすぎていたアンネさんに向き直った。


「新しい価格は1000ゴールドに致します。今後、変動する可能性はありますが」


「ほ、本当によろしいんですか……?」


「ええ、大丈夫だと思います。ミオナも大丈夫かな?」


 私は事実上のお店の主である


「いいわよ~~! どのみち、生産者様には逆らえないので!」

「いや……生産者って」


 間違ってはいないんだろうけど、なんだか恥ずかしいわ……働かせてもらうのはこっちなのに。まあ、いいや、とにかく新しい価格帯は決定した。もちろん、状況に応じて変動はするだろうけど、私はアンネさんから1000ゴールドを受け取った。これでも1つの薬の価格にしては高いくらいね……ミオナの店で売っている傷薬とかと比べても相当違いがあるし。


「本当にありがとうございました! また、寄らせていただきます!」

「ばいば~~~い! おねえちゃん!」


「また、いつでも来てくださいね~~~~!」


 アンネさんとマルコは私たちと挨拶を交わして、帰って行った。あの様子なら、何度も足を運んでくれそうね。上手く解決出来て、私は満足感に浸っていた。

「レミュラ、大変なのはここからかもしれないよ?」

「えっ、どういうこと……? 確かにお店で働くことには慣れてないけど、頑張るからさ」


 接客業の仕事って大変そうだもんね。ポーションメーカーとはいっても、働かせてもらう以上は、接客だって行う必要があるはずだし。でも、ミオナが言ったことはそういうことではなかった。


「そういうことじゃなくて……ポーションの価格を1000ゴールドにしたことよ」

「……えっ?」


 この時の私は意味が分かっていなかったけれど、それを実感する日は次の日に訪れた──。非常に多くの人がニャンコクラブを訪れ、私の決めた新しい価格帯のポーションが飛ぶように売れたから。
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