ポーションメーカーとして国家に尽くしてましたが、婚約破棄されちゃいました!

安奈

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30話 罪と罰 その2(ルデルテ公爵視点)

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「ふ、ふざけるな……! こんなことがあるわけが……!」

「いい加減にしてください、ルデルテ公爵! いくら公爵だった者でも、これ以上暴れれば、拘束がより強くなりますよ? サウス王子殿下からも許可は得ていますので……!」


 そう言いながら、私を牢屋から出した兵士共は両手に掛けられている手錠を強く引っ張った。くそ……跡がついたらどうしてくれるのだ! この王国内でもトップクラスに名家と言われるバーン家の当主に向かって、随分と偉そうじゃないか……!


「き、貴様らは議会に付いた後のことを考えているのか? 私にこのようなことをして、ただで済むと……!」


 私を連行している兵士2名は貴族出身の者たちだろうが、大した家柄ではないはずだ。私の影から通して議会の大貴族たちは私の味方になっているはず……この二人は必ず追い詰めてくれる!


 ふはははは、覚えていろよ、この私を見下した者達め! 免責で私が解放された時、どのような顔つきになるのかを、じっくりと鑑賞してやるからな!


 そうこうしている間に、私は議会の扉の前へと辿り着いた。相変わらず荘厳な入口だ……ふふふ、私の運命の門出を祝福してくれているようじゃないか……! 私が罪が激減、若しくは免責になるという運命のな。


 それが実現すれば、優秀な影には特別報酬を渡してやるか。その見事な働きに報いる為にな。


「それでは入ってください……ルデルテ元公爵閣下」

「ふん、嫌味のつもりか?」


「いえ、事実なんですが……」


 この兵士たちは何を言ってるんだ? 私が公爵であることは間違いのないことだ。影の仕事から察するに公爵家の称号が取り払われるなど考えられん。私に大した罰を与えられんから、悔し紛れの言葉を発している、と言ったところか。


 私は勝ち誇った表情を兵士達にプレゼントしてやった。貴様らは二度と宮殿内で仕事が出来るとは思わないことだな。そのままの勢いで、私は議会の扉をノックする。




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「来たか……ルデルテ元公爵よ。中央の椅子に座るが良い」


「はい」


 私は儀礼的な言葉を出しながら、議会員が周囲を取り囲む中央の粗末な椅子に腰を掛けた。我が王国のしきたりでは、中央の椅子に罪人を座らせ、周囲からの圧力を掛けるというのが基本だ。

 だが……何かがおかしい。私の知っている大貴族の連中ばかりではあるが、表情が固いのだ。それどころか、彼らも「元」公爵と呼んでいる。どうなっているんだ? 私の影は彼らと話を付けていないのか?


 いい加減に手錠の存在が煩わしくなってきた……そろそろ、外してもらうとするか。


「この手錠を外してもらえないだろうか? 影からの報告は向かっているのだろう?」

「影……? ああ、其方の影のことか。そうだな……其方が起こした責任と一緒に報告は上がって来ているよ」

「責任か……あの程度で責任とは滑稽だ。私が議会員を少し操作すれば、免責になるとも知らないでいるようだ。サウス王子殿下もレミュラ・ミセットもな……」


「なるほど、確かにな……」


 ここにいる連中は私からすれば家族、のような存在だ。今までにも幾つかの罪を帳消しにしてもらったことがある。例えば、町娘と楽しみ、子供を孕ませてしまった事件とかな。


 今回も影からの報告が向かっていると言った。免責になるのも時間の問題、だな。


「ルデルテよ……其方の罪と罰について、話し合おうとしようか。そなたの犯した罪……決して軽いものではないぞ?」

「なんだと……?」


 私がさっき話した内容がまるでなかったかのように、議会は始まった。待て……これでは通常の罪人に罰を与える為の会議と変わらないではないか……? 私の額からは気持ちの悪い汗が流れ始めていた……。
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