没落寸前貴族令嬢は聖女として成り上がる~侯爵様からの求婚もあり嬉し恥ずかしです~

安奈

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7話 ウィフレ侯爵様 その1

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 私はその後、婚約破棄のことも忘れて、祈り続ける作業を続けました。教会で神官長様からも許可をいただいて、毎日、滞在時間も長くしながら。お父様とお母様に無理はしないように言われているので、自分の身体のことも考えながら。


「アンネリー様、本日も熱心ですね!」

「聖女さま、おはようございます!」


「聖女様~~~! こんにちは!!」


「ありがとうございます、みなさん」


 私は貴族や平民のみなさんの声に感謝しながら、お祈りを続けていきました。子供からの声援も多く、日に日に増えている印象さえあります。怪我や病気などについても、治って行く人たちは増えているようでした。


「聖女アンネリー殿、ご機嫌はいかがですかな?」

「神官長様……ご機嫌でございますか……?」


 私が教会内でお祈りをしていると、神官長様が笑顔で現れました。少しわかりにくい言葉を発しながら。この場で「ご機嫌はいかがですか」……普通、そういう質問をするでしょうか?


「いえ、なに……皆を治癒してくださる聖女殿が、ご機嫌斜めになられては、非常に困るところではありますからな」

「なるほど、そういうことでしたか……いえ、機嫌は悪くありません」

「ははは、それならば良いのですが」


 そう言いながら、神官長様はさらに笑い出しました。どうやら、神官長さまなりの冗談だったようです。私はこの手の冗談の質問には真面目に答えてしまう癖があるようです。もう少し、心に余裕を持った方がよいかもしれませんね。



「しかし、アンネリー殿の聖女としての能力のおかげで、助かる命は多いかもしれませんね。貴族の間でも噂になって来ているでしょう」

「確かに……まだ噂レベルかもしれませんが、有名にはなっているでしょうね」

「それにほら……アンネリー殿個人に興味があるお方もいらっしゃるようですよ?」


 神官長はいたずらっ子のような笑みを浮かべ、教会内の一画に視線を向けました。そこには……身なりの良い男の人が立っていたのです。うっすらと髭を生やし、髪の毛はオールバックにされているようです。ベルトには十字架のマークの記載がありました。


「まさか……あのお方は、ウィフレ侯爵様?」

「そのようですね。以前から、お祈りをしているあなたのことを気に掛けていらっしゃるようでしたよ」


 神官長様はそうおっしゃいます。全然気づきませんでした……お祈りをするときに、誰かに見られているなんて、気にも留めていなかったですから。私の視線に気付いたウィフレ侯爵様……こちらにゆっくりとした足取りで近付いて来たのです。


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