姉と妹に血が繋がっていないことを知られてはいけない

マーラッシュ

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嵌められたリウト

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俺とコト姉はメイドさんに連れられて喫茶ショコラの店に案内され、窓際の席に座る。まだお店が開店したばかりなのか客は俺達しかいない。

「こちらがカップル限定のメニューになりま~す」 

 メイドさんに渡されたメニュー表を見るとそこには『これを食べれば二人の親密度がUP! カップル限定ラブラブデラックスパフェ』と書かれていた。そのパフェの大きさは50センチ程あり、1人で食べるのは少しキツそうに感じる。だからこそカップル2人で食べろというわけか。

「リウトちゃん、お姉ちゃんこれ頼んでいい? 千円だって、安いよ」

 やはりというべきか、コト姉はラブラブデラックスパフェを注文しようとしていた。

「コト姉食べられるの?」
「えっ? リウトちゃん食べてくれないの? カップルなのに⋯⋯」
「カップルじゃないから。頼んでも俺は食べさせたりしないからな」
「ふっふっふ⋯⋯実際にパフェを見たときリウトちゃんはそんなこと言ってられるかな」

     コト姉が不敵な笑みを浮かべる。
 どういうことだ? コト姉の意図が見えない? まるで俺がコト姉にパフェを食べさせることを予言しているようだ。

「とりあえず俺はアイスの紅茶で」
「かしこまりました。ラブラブデラックスパフェ1つにアイス紅茶1つでよろしいでしょうか?」
「はい」
「注意書きも確認して頂けましたでしょうか?」
「注意書き?」

 どういうことだ? まさかこのパフェは甘そうに見えて実は辛いとか? それとも残すなっていうことかな?

「だ、大丈夫です。絶対完食しますから」
「わかりました。では失礼いたします」

 俺はメイドさんに注意書きについて問いかけようと思ったが、コト姉が慌てた様子で肯定してしまう。

「どういうこと?」

 俺は疑問に思い、コト姉に注意書きについて聞いてみる。

「の、残さないで全部食べるようにってことかな?」
「何故疑問系?」

 何だが嫌な予感がするが、注文してしまったから、今さらキャンセルすることはできない。それにしてもコト姉が笑顔ですごく嬉しそうななんだけど。

 すると10分程でオーダーしたものがテーブルに置かれたのだが⋯⋯。

「うわぁ、このパフェおっきいね。お姉ちゃん1人じゃ食べられないなあ」

 そう言ってコト姉は、こちらにチラチラと視線を送ってくる。

「は、嵌められた⋯⋯」

 食べられないなら不本意だが残せばいいじゃないかと思ったが、このラブラブデラックスパフェのメニューの欄をよく見てみると、とんでもないことが書かれていた。
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